ライトノベルキャラで抜こう! 7that EROPARO
ライトノベルキャラで抜こう! 7th - 暇つぶし2ch245:名無しさん@ピンキー
10/02/28 20:44:05 6IpBZtH4
C3-シーキューブのフィアで三穴責めで堕ちちゃうSS希望です


246:名無しさん@ピンキー
10/03/03 02:06:32 BvL71eFO
銀水瀬でも三穴も責めたら二穴責め返されるな……

247:名無しさん@ピンキー
10/03/03 11:15:37 /3YF5uZE
黒水瀬なら穴増やされるな……

248:名無しさん@ピンキー
10/03/03 21:34:49 v6llFyWp
>>245
正六面体への変身機構が封印されてしまい、それに合わせてコンドーム型になった免罪符機構を……というのは妄想しましたが。

249:名無しさん@ピンキー
10/03/04 16:56:33 nZOIgnMV
水瀬スレ落ちちゃったんだよな……

250:名無しさん@ピンキー
10/03/06 22:02:20 qNntSEWJ
ひつうちくんは せっくす を した

おお ひつうちよ しんでしまうとは なさけない

サクラダリセット読んだらこんな謎の一文が浮かんできたでゴザル。

251:名無しさん@ピンキー
10/03/08 16:59:23 CBO3g5J+
非通知くんなら本当に死んでしまいかねないな(精神的な意味で)
そもそも他人に触ろうとも思わないよね…

ありったけの情報を吸い出されて、情報のオリジナルも幽体離脱した抜け殻くらいなら
触れてみようと思えるのかしら
……それでもシーツ越しだろうけど
デス皆実さんをシーツ越しにさわさわぬぷぬぷするネクロものなんてニッチすぎるよ!

252:名無しさん@ピンキー
10/03/09 17:38:58 li2k/Ppi
人間に能力を使えなくなった村瀬さんマジ可愛い

253:名無しさん@ピンキー
10/03/11 00:12:14 tUedr5c8
サクラダはイラストの雰囲気もあってか、なんか登場人物が皆性欲薄そうに見える。
あーでも、ケイは数年前(自信満々だった頃)に童貞捨ててそうな気もするな。

254:名無しさん@ピンキー
10/03/15 21:59:05 /gNrJtGf
遅い感想で申し訳ないがシュガーダークのを書いた人の文章は自分のツボにストライクでした
感謝と応援の念を送らせてもらう

255:名無しさん@ピンキー
10/03/22 10:36:16 sSIrkE9t
関連スレほとんど落ちてるような。
無駄に乱立させずにこっちにまとめて欲しい。

256:名無しさん@ピンキー
10/03/22 12:36:54 9gUiYn5f
>>255 の言いたい事も分かるんだけど、
「俺の推すライトノベルのスレが欲しいっ!」
みたいなキモチも分からなくは無いような。

個別スレ建てる人は、建てたスレが盛り上がるよう
頑張って欲しいもんだぬぅ。

257:名無しさん@ピンキー
10/03/22 19:27:00 gIijNfw/
そこはラ板の作法に倣い>>1が100のSSを用意すればよいのだ!
……ムリですよね

258:名無しさん@ピンキー
10/03/22 19:31:36 bwXdQl3K
100とは言わんが、せめて1つくらいは持ちネタがあった方がねえ
「無いから立てた」ってのはどうにも

259:名無しさん@ピンキー
10/03/22 20:01:28 gIijNfw/
そもそも「ライトノベル」なんて大きな括りで総合スレが立ってることが
周知されているかという問題が
自分もむかし長谷スレで情報を聞いていなかったらたぶん知らないままだったと思うし

気に入った作品があったのでエロパロないかナ~ととりあえず検索してみる

見つからない (→ ひとまず総合スレで声かけてみよう → 人集めて個別スレ建設)

でも自分が好きになるくらいだし需要はあるはず!!

無いから立てた~

ってフローなんじゃないかしらと個人的に思っている(括弧内が本来あるべきフロー?)
圧縮頻度に影響が出るくらいテキトーに立てられまくるようになったら
誘導によるココの周知も考えたほうがいいかもしれないね

260:名無しさん@ピンキー
10/03/23 16:43:23 gULz3/W6
迷い猫オーバーランのエロパロスレってあったっけ?

261:名無しさん@ピンキー
10/03/23 21:10:24 E6OCsFH+
>>260
【パパの】松智洋総合【迷い猫】
スレリンク(eroparo板)

262:名無しさん@ピンキー
10/03/26 02:50:27 ECEUuLjY
【犬・狐】いぬかみっ!のエロパロ4【変態】 (287, 08/05/17 ~ 660 日間)
スレリンク(eroparo板)
高橋弥七郎[A/Bシャナ]燃え萌え小説PART21 (809, 08/06/09 ~ 637 日間)
スレリンク(eroparo板)
彩雲国物語でエロパロ 4 (278, 08/12/21 ~ 442 日間)
スレリンク(eroparo板)
ストライクウィッチーズでエロパロ2 (857, 09/01/01 ~ 430 日間)
スレリンク(eroparo板)
【ここで】フォーチュンクエスト14【ない場所】 (86, 09/09/23 ~ 165 日間)
スレリンク(eroparo板)
ぷいぷい!でエロパロ (60, 09/11/23 ~ 104 日間)
スレリンク(eroparo板)


今回の圧縮で落ちた関連スレはこんなもんか。

263:名無しさん@ピンキー
10/03/26 03:56:24 Fe22kCpU
結構落ちたな

264:名無しさん@ピンキー
10/04/03 20:07:27 w4D+m0BA
書く人は自分の見たいエロが無いから書くのかな

265:名無しさん@ピンキー
10/04/07 20:12:22 NWnyPo59
保守

266:名無しさん@ピンキー
10/04/08 01:24:22 VIkhMQVK
 

267:名無しさん@ピンキー
10/04/08 08:34:30 LlE4cadM
「生徒会の一存エロパロ」って無いの?

268:名無しさん@ピンキー
10/04/08 13:04:07 lkJD3NRL
「生徒会」で検索すれば見つかる
でも外部板のが流行ってるな、なんか年齢層低く感じるけど

269:名無しさん@ピンキー
10/04/08 22:56:36 XOI5Y5Fr
榊一郎ってなかったっけか?
ポリフォニカは見つけたけど……
書きあがるまでに見つからなかったら、ここで投下するかも試練

270:名無しさん@ピンキー
10/04/09 18:19:26 tZaPsPbE
エロパロ板には無かった
まとめ倉庫にも無かった…
誰か「生徒会~エロパロ」立てて…

それと外部板って何?
詳細詳しく

271:名無しさん@ピンキー
10/04/09 19:55:39 t5e1RbCl
【生徒会】葵せきな総合 【マテゴ】
スレリンク(eroparo板)
これは違うん?

272:名無しさん@ピンキー
10/04/09 23:41:22 tZaPsPbE
>>271
これでしたわw
サンクスです(汗

273:名無しさん@ピンキー
10/04/16 08:05:29 gBbBbnmA
ほしゅ

274:名無しさん@ピンキー
10/04/17 23:09:27 Rf6WOBQW
シュピーゲルシリーズでエロネタだとたとえばどんなのがいいかな…

275:名無しさん@ピンキー
10/04/19 00:18:42 Le8HTWmX
犬だったら定番は人質の前で亀田兄弟に色々されちゃうとか?
炎はあれだろ。おっぱいしかないな

276:名無しさん@ピンキー
10/04/19 00:20:48 /fRU4dFf
亀田兄弟とか言うなアホ

277:名無しさん@ピンキー
10/04/20 12:29:37 Jtx/mVte
冬真の逆レイプもの。異論は認める

278:名無しさん@ピンキー
10/04/20 15:37:21 k4Aqm79L
もし空港で人質になったのが、陽炎でなく鳳だったら?というネタは考えた
爆弾のスイッチ握らされたまま亀田兄弟や赤軍や人質にまでずっこんばっこんぶっかけ

279:名無しさん@ピンキー
10/04/28 23:46:51 bVfsWYkU
エロなのかどうかはわからないが
手足のメンテナンスで神経繋がってるかどうか検査されたら感じてきちゃったとかどうよ、って一瞬思った

何か、特甲児童は出自が可哀想過ぎて陵辱する気になれん…

280:名無しさん@ピンキー
10/05/01 22:32:01 zSh4D7wb
原作以上にいじめられる気がせんよなぁ。

281:名無しさん@ピンキー
10/05/02 12:48:05 s5y81u1k
逆に、ソフトな内容でセクハラ攻めというのはどうだ
着替えの盗撮、転送開封時の一瞬の脱衣、混雑列車内でやらしくぎゅうぎゅう詰めエトセトラエトセトラ…

282:名無しさん@ピンキー
10/05/07 11:31:54 lhz76IPJ
>>269
榊の総合スレはあったけど、去年の年末には既に無くなっていたから
たぶん誰も保守らなくて落ちたのだと思う

283:名無しさん@ピンキー
10/05/09 22:02:44 NShqCTWw
【アサウラ】ベン・トーでエロパロ
スレリンク(eroparo板)
いちばんうしろの大魔王でエロパロ
スレリンク(eroparo板)
平坂読総合エロパロスレ
スレリンク(eroparo板)
えむえむっ!でエロパロ
スレリンク(eroparo板)

284:名無しさん@ピンキー
10/05/14 23:21:11 CGiHzay6
また細かく出たな

285:名無しさん@ピンキー
10/05/18 21:41:44 Q2YSczXW
司書とハサミの一巻読み終えた
フィフもかぐやも雲木もかわいいお

286:名無しさん@ピンキー
10/05/21 00:57:59 INsUCJwt
質問だが『バカとテストと召喚獣』のエロパロ板ってあるか?
秀吉のコスプレがあると、俺は天にものぼ(省略)
……つまり秀吉がいれば問題ない

287:名無しさん@ピンキー
10/05/21 01:13:25 h8kZzizO
>>286
井上堅二 バカとテストと召喚獣でエロパロ 4問目
スレリンク(eroparo板)


288:名無しさん@ピンキー
10/05/21 09:28:00 VDItKKVQ
シュピーゲルはあれだ
脳内チップをハッキングされて快楽中枢を直接刺激されるとかトラクルうっさんに洗脳されてあれやこれやとか

289:名無しさん@ピンキー
10/05/21 14:59:35 UFezORZa
TRPGリプレイのエロパロってないのかな

先達方、ご存知ないか?

290:名無しさん@ピンキー
10/05/21 15:26:15 imf73QaD
つ「卓上ゲームエロパロ総合スレ35」
スレリンク(eroparo板)

291:名無しさん@ピンキー
10/05/21 15:39:36 UFezORZa
>>290
ああ、卓ゲで探せば良かったのか。
すまん。ありがとう。

292:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:22:03 9HNcuGQZ
微エロまでいかないキス止まりで申し訳ないのですが、投下させてください。
オオカミさんシリーズの頭取さん×アリスさんで、『長ブーツを履いたアニキな猫』の後書きの
彼氏に二股をかけられて捨てられたアリスさんと慰めた頭取さんの次の日のお話です。


アリスさんと頭取さん遠回りの末に落ち着くところに落ち着く・・・(1/5)

なんだかとっても懐かしい夢を見ていた、とアリスさんは思った。
ふわふわとしていた意識が浮かび上がって覚醒を迎えるその手前。薄れていくのは遠い昔の大切な光景。
―うん、アリスちゃんが望むならいつまでだって一緒にいてあげるし、どんな怖いことがあっても私が― 優

しい声はそこで途切れた。
代わりに降ってきたのは、耳に良く馴染んだ、いとこの声。
「おはよう、アリスちゃん。やっと目が覚めた? 二日酔いは大丈夫?」
「……りっくん」
顔を覗きこんでくる頭取の向こう側に、自宅のものとは違う天井が見えて、それが何度か訪れたことのある
一人暮らしをしている頭取の部屋のものだと思い至って、アリスさんの意識はようやく本当に覚醒をした。
そして次の瞬間慌てて飛び起きる。
「ど、どうして私がりっくんの部屋で寝てるんですかっ」
「覚えてないの?」
「覚えてなんて……そういえば、私、りっくんを呼び出しましたよね」
「思い出したみたいだね? アリスちゃん、しこたま飲んで潰れちゃったでしょ?」
「飲みましたけど……だからって連れ込んだんですか」
「うーん、連れ込んだって言えば連れ込んだのかも知れないけれど、酔いつぶれたアリスちゃんを家に送るには
もう時間も遅かったからね? スーツが皺になっちゃ可哀想だから脱がして着替えさせはしたけど、ほとんど
目を瞑ってやったし、具体的な行為はまだなにもしてないから許してね?」
そう言われれば自分が見覚えのないパジャマを着ていることにアリスさんは気付く。さすがにブラは
していたので、頭取さんの言葉に嘘はなさそうです。けれど着替えさせられている様子をリアルに想像して
しまい、真っ赤になりながらアリスさんは問う。
「まだってなんですか、まだって」
「だって僕達、昨晩婚約したじゃない?」
「こっ、婚約?!」

293:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:22:37 9HNcuGQZ
アリスさんと頭取さん遠回りの末に落ち着くところに落ち着く・・・(2/5)

へらへら笑いながら重大な事実をさらりと告げる頭取に、アリスさんは心底驚愕した叫びを上げた。
まぁ当たり前ですよね。失恋の愚痴を吐き出す為に酔っ払って呼び出して、なんだかすっごく絡みに絡んで
酔いつぶれて、目が覚めたら婚約ですよ。色んな過程をすっ飛ばすにも程があります。
目を白黒させているアリスさんに頭取さんは説明を始める。
「だってアリスちゃんが言ったんだよ? 『心にもないこと言わないでください! だったらりっくんが
もらってくれるとでも言うんですか?!』って? 僕は『いいよ?』って言ったよね?」
「確かに言いましたけど」
「だから婚約でしょ? それともあれは酔った勢いで水に流しちゃう? って、まぁまずお水でも飲むかい?
咽喉渇いてるでしょ?」
頭取さんはあらかじめ用意しておいてくれたのか、少し汗をかいたミネラルウォーターのペットボトルの蓋を
開けてグラスに注いぐとアリスさんに手渡した。両手でそれを受け取ったアリスさんは無言で口をつける。
乾いていた咽喉に冷たい水が滑り落ちる感触が気持ちいい。
少しの間を置いたお陰で、アリスさんは寝起きの混乱から立ち直る。アリスさんが落ち着いたのを見計らって、頭

取さんはベッドサイドに避難させていた眼鏡を手渡してあげた。この辺りの阿吽の呼吸が幼馴染ですね。
突発的な出来事に弱いアリスさんの性格を知り尽くしています。逆にアリスさんは頭取さんの性格も弱味も
握っているので、二人の関係は五分五分なんですが。
渡された眼鏡をすちゃっとかけると、アリスさんは空になったグラスを返して息を大きく吐く。もう大丈夫だと確

認して、相変わらずにこにこしている頭取さんと真正面から向き合う。
「愚痴に付き合ってくれたのはありがとうございます。お陰でちょっと楽になりました。でも婚約って、
りっくん、彼女いるじゃないですか」
「別れたよ?」
「……いつ?」
「もう半年近く前? 言ってなかったっけ?」
「聞いてませんよ」
「きれいさっぱりとフラれちゃったんだよね? あのね、アリスちゃん。こなったから言うわけじゃないけど、
聞いてくれる?」
アリスさんが頷くと、頭取さんの顔から嘘くさい笑みが消える。常は見せない真剣な表情に、アリスさんの
背筋が思わず伸びてしまったのは仕方がありませんよね。普段の頭取さんってば昼行灯もはなはだしい人な
わけですから。

294:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:23:17 9HNcuGQZ
アリスさんと頭取さん遠回りの末に落ち着くところに落ち着く・・・(3/5)

「アリスちゃんもよく知ってると思うけど、僕は誰かと付き合っても長続きしなかったよね。赤井君や
大神君なんかは僕が駄目人間だからだって言うし、それは正解なんだと思ってる。でも理由はそれだけじゃ
なくてね、僕の好きなる人はいつもある人に似てるんだ。好きになった時は意識してなくても、別れた後冷静に
思い返したら分かることってあるだろ」
そこまで言って頭取さんは僅かに目を伏せた。意外と長い睫毛が淡く影を落とすのをアリスさんは無言で
眺める。頭取さんのこんな顔をアリスさんは知っている。傷付いている時だ。
「僕が付き合った子を通して誰かを見ているのを、彼女達は分かってたんだよね。だからフラれちゃって。
そりゃそうだよね、心の中に一人の大切なお姫様がいるような男と付き合いたい物好きなんていないから」
―いつかの約束通りに助けに来ましたよ。お姫様。
二人の長い付き合いの中で『お姫様』と呼ばれたことが一度だけあったのを、アリスさんは思い出す。
あの時も頭取さんはアリスさんを助けに来てくれた。昨夜の呼び出しに嫌な顔一つせずに応じてくれたように。
自嘲的に肩を竦めた頭取さんはアリスさんの目を見ようとしない。そんな頭取さんに焦れて、アリスさんは
小さな声で呼びかけた。
「……りっくん」
「気が付くのに時間がかかった。僕はアリスちゃんと生まれた時からの付き合いで、いとこで幼馴染で、
親友で、家族みたいで……だからそれ以上の肩書きはいらないと思っていた。そうすればずっと一緒に
いられるって思っていたから。でも間違いだった」
頭取さんが何を言おうとしているのか、聡いアリスさんにはもう分かっていた。口を挟まない理由なんて
たったの一つ。聞きたかったからだ。普段飄々としていて、中々本心を見せてくれない幼馴染が自分を
どう思っているのかを、アリスさんは長い間ずっと知りたかったんですから。
伏せていた目を上げて、頭取さんはアリスさんを真っ直ぐに見る。
「僕は君が好きだよ、アリスちゃん。子供の頃からずっと好きだった」
薄い唇から放たれたのが、本当はずっと欲しかった言葉だったのだと、アリスさんはやっと気付く。
高校生の頃からショートカットのままの髪。付かず離れずだった距離。表面上文句を言いながらも、
ずっと傍にいた理由。全てが一つのものに向かって伸びている。
 二三度口を開きかけては閉じていたアリスさんは、一度目を瞑ると、意を決して口を開く。

295:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:23:46 9HNcuGQZ
アリスさんと頭取さん遠回りの末に落ち着くところに落ち着く・・・(4/5)

「りっくんは私でいいんですか?」
「いいよ。アリスちゃんがいい」
「可愛げがなくっても?」
「僕には十分可愛いけど?」
「一人で生きていける強い女だからって、浮気されて捨てられるような女でも?」
「それは相手に見る目がなかっただけでしょ? 本当はそうじゃないって知ってるし、僕は浮気はしないよ?」
「じゃぁするなら本気ってことじゃないですか」
アリスさんは拗ねたように呟いた。わずかに唇が尖っていることに、きっと本人は気付いていません。
常のクールなお顔からは想像も出来ませんよね。アリスさんが拗ねて唇を尖らせているなんて。
これはアリスさんの甘え方。頭取さんだけに向けられる、不器用な甘えだ。勿論それを受け止められない
頭取さんではない。だって頭取さんはやる時はやる男なんですから。
俯いたアリスさんの視界の端に、頭取さんのシャツが過ぎる。あれ、と思う間もなく、アリスさんは実力行使に
出た頭取さんにぎゅっと抱き締められてしまう。突発事項に弱いアリスさんが大混乱をしかけたその時。
「好きだよ、アリスちゃん。」
優しい声が耳朶を擽った。その声にアリスさんは何故だかひどく落ち着いてしまう。
「アリスちゃんが望むならいつまでだって一緒にいてあげるし、どんな怖いことがあっても僕が守ってあげる」
「ほんとに?」
「ほんとに」
幼い頃の誓いをもう一度なぞるやり取りに、アリスさんは小さく笑いながら、こんなにも落ち着けるのは
ここがりっくんの腕の中だからなんですね、と心の中だけで呟いた。
背中に回されていた腕がうなじを撫でて後頭部に添えられる。少し身体が離れて、頭取さんの唇はまず
アリスさんの額に触れた。
「あの時は指きりだったじゃないですか」
「うん、そうだね? でももういい大人だし?」
いつのまにか常の口調に戻った頭取さんの目が、優しく優しく細められた。
唇に吐息がかかる。アリスさんは避けようとはせずに、頭取さんの唇を受け入れる。硝子細工に
触れるかのような慎重さで、一番最初にキスが唇におりた。生まれた時からの付き合いで、今までずっと
近くにいたのに、頭取さんの唇がこんなに柔らかいのだとアリスさんは初めて知った。


296:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:24:16 9HNcuGQZ
アリスさんと頭取さん遠回りの末に落ち着くところに落ち着く・・・(5/5)

自分を抱き締める腕も、子供の頃とは違って細いながらもそれなりに筋肉のついた男の人の腕だ。女装もとい
変装が趣味の頭取さんは男としては華奢な方だし、どちらかといえば中性的に見えるから分からなかった。
睫毛の触れそうな距離でアリスさんが囁く。
「だったら、一生傍にいて下さい」
「約束する。僕が一生、アリスちゃんを守るよ」
頭取さんの誓いは、二人の唇の間に甘く溶けた。

こうして幼馴染でいとこ同士なアリとキリギリスは遠回りの末にやっと結ばれたのでした。
って、実際に結ばれるのはもう少し先になりそうですけどね。あ、これって下ネタですよね。
何はともあれ物語の最後はやっぱりこうでなければいけないのではないでしょうか。
二人は一生仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし。



スレ汚し、失礼しました。

297:名無しさん@ピンキー
10/06/08 00:09:53 nCFIt9f8
GJだけど、オオカミさんは専用のスレが立ってるよ。

オオカミさんとエロパロ板の仲間たち
スレリンク(eroparo板)


298:名無しさん@ピンキー
10/06/08 23:07:29 cZvQO7Vt
>>297
沖田で検索してなかったから、ないと思い込んでました。
すみません。教えてくれてありがとう。

299:名無しさん@ピンキー
10/06/19 00:16:39 FEELcs5e
付喪堂骨董店の咲って、いつも黒い服着てるんならやっぱり下着も黒なのかな
しかしそれを確かめられるのは刻也だけ……

300:名無しさん@ピンキー
10/07/14 07:21:37 l5ps4jVL


301:名無しさん@ピンキー
10/07/26 23:00:07 CPHKfGrP
ほす

302:名無しさん@ピンキー
10/08/10 04:04:58 Um1u28p0
ほっしゅ

303:名無しさん@ピンキー
10/08/16 07:09:21 cgRWVahF
>>299
その発想はなかった
しかし大いにアリだ

304:名無しさん@ピンキー
10/08/16 18:51:36 AL/J6wSq
ニャル子さんのエロはまだかいのぅ
CDドラマで17歳に攻められてたクー子がエロかったわぁ


……窓に!窓に!

305:名無しさん@ピンキー
10/08/16 23:17:42 nngXqLua
でも外なるものについての記述は発狂確定文章になるってばっちゃが……

306:名無しさん@ピンキー
10/08/27 17:36:28 sdc1c8yb
三田誠スレがないことに絶望した。そして3Pの書きにくさに絶句した。

307:名無しさん@ピンキー
10/08/27 17:37:08 sdc1c8yb
しかもageるし・・・もう色々ダメだOTL

308:名無しさん@ピンキー
10/08/27 17:37:56 umMJmd01
作者専用スレとか無くて投下する場所がなかった

309:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:06:40 CCN5Z0K4
>>306
昔、レンタルマギカのスレがあったんだが……
サクッと落ちたからなぁ……

310:名無しさん@ピンキー
10/09/02 17:09:15 Jw/h7/K/
ロイヤル☆リトルスターも発売された事だし
小学星スレの需要はないものか

311:名無しさん@ピンキー
10/09/02 20:37:00 X9U07vLF
略してロリ

312:名無しさん@ピンキー
10/09/03 15:45:39 GCZncceY
MF文庫

313:名無しさん@ピンキー
10/09/09 00:33:24 vjQ0uTBC
総合スレは過疎り易いな

314:名無しさん@ピンキー
10/09/09 22:28:07 T3y69q+H
過疎らないレベルだとその作品だけで単独スレ立てられるレベルだし、
そこまでのレベルじゃない作品だと伝家の宝刀「無いから立てた」があるからな

315:名無しさん@ピンキー
10/09/18 12:50:18 DYDf9fLE
ストレイトジャケットも終わっちまったか

カペルの最後の台詞がそれかよ!w

316:名無しさん@ピンキー
10/09/20 22:45:57 Un7nQ2lR
なんかこう、胸熱
妄想爆発だけど、恥ずかしがるカペルが想像出来ないね

317:名無しさん@ピンキー
10/09/24 16:02:23 RegfALaL
カペ×レイきぼんぬ

318:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:32:47 MUVeGD+Y
カペは恥ずかしがらずに淡々と、

「レイオット、ひとつ提案があるのですが」
「ん、なんだ?」
「そろそろ私と性交渉を」
「……カペル、いま何て言った?」
「互いに好意を表明してからもう2年です。ですからそろそろ性交渉を」

と唐突に迫る素直クールな展開が似合うと思う。

319:名無しさん@ピンキー
10/09/25 22:07:16 rsLFTk1s
いや、意外と情熱的なことを言ったりするかもしれんぞ
何もかもなくして最後に残った拠り所なわけだし、言葉に出すのが苦手なカペルだし、
告白シーンではむしろ情緒的な台詞が目立ったように思う

320:名無しさん@ピンキー
10/09/30 16:12:54 SbbpjCZy
GOSICKが1月からアニメ化だってこと、今の今まで知らなかった

321:名無しさん@ピンキー
10/10/01 00:20:40 4wq/rDYu
ラ板冲方スレに黒スト鳳のイラストが投下されたが………強制フェラならぬ強制足コキさせてぇ

322:名無しさん@ピンキー
10/10/30 10:55:00 bM3oeks9
空鐘のエロパロを書こうと思うんだけど
和姦と陵辱どっちがいい?

323:名無しさん@ピンキー
10/10/30 11:03:45 +lBW7UtI
どっちもいける
ウルク×リカルドとかライナスティ×ディアメルとかまじお願い

324:名無しさん@ピンキー
10/10/30 11:11:59 WoEmq/nc
どっちもいけるがフェリオ×ウルクの初夜をマジで希望する
あと凌辱ならシルヴァーナかイリスを希望

325:名無しさん@ピンキー
10/10/30 11:27:52 UhUkyDIL
ニナを……ニナをしあわせにしてやってください……

って声を聞いたことがない気がする
外伝だけ読めてないんだけど、そこで結婚生活が既に書かれてたりするのかしら?

326:名無しさん@ピンキー
10/10/30 12:02:37 +lBW7UtI
ベルナルフォンの結婚生活ならあったけど

327:名無しさん@ピンキー
10/10/30 18:29:06 GBIxmrOt
和姦ウルクがいい

328:名無しさん@ピンキー
10/10/30 23:46:22 UhUkyDIL
>>326
レスターホーク卿はなんだか一生独り身のまま養子でもまたとって……って印象だった
結婚したんだ……
ソフィアさん初夜のNINJAプレイとかも書かれているらしいしこれは読まんとならん気がしてきた
腐海から何とか探し出すか……諦めてもう一冊買ってくるか……
ともかく教えてくれてありがとー

329:名無しさん@ピンキー
10/10/31 18:58:31 kDK6kQm0
>322
愛欲に溺れるイリスを……

出自経歴があんなんだから、本気で惚れた相手に優しくされようものなら、
面白いくらいどろどろに墜ちそうだよな

330:名無しさん@ピンキー
10/11/02 22:26:41 AdbBtdLf
時雨沢恵一スレ落ちたみたい……
他ライトノベル関係で落ちたとこある?

331:名無しさん@ピンキー
10/11/02 22:48:02 Z6HySNEP
情報室スレ見るかぎり7つくらい落ちたみたいねぇ
知らないタイトルの見落としあるかもなので詳しい人に丸投げしちゃうけど

332:名無しさん@ピンキー
10/11/04 02:12:32 d8IPLyF4
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333:名無しさん@ピンキー
10/11/05 20:09:16 cobRKjnS
東京レイヴンズの夏目がエロエロされる話希望

334:名無しさん@ピンキー
10/11/08 22:56:59 DZS0ww0F
メディアワークス文庫の話題はどこへ持っていけばいいんだろう
ここでやってもいいのかな?

335:名無しさん@ピンキー
10/11/09 00:57:49 8U5B90qR
スレないのが普通だからここだろうね。

336:名無しさん@ピンキー
10/11/26 22:44:49 sIjU2PHs
テケリさんかわいいよテケリさん

337:名無しさん@ピンキー
10/11/26 22:49:03 3SzIUGpB
テケリ・リ?

338:名無しさん@ピンキー
10/11/26 23:38:30 sIjU2PHs
>>337
その通りでございます

339:名無しさん@ピンキー
10/11/27 10:54:54 1ZoYwl81
つ「SANチェック」

340:名無しさん@ピンキー
10/11/28 00:45:49 xFb72sKY
ショゴスがメイドなラノベがあってだな

341:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:47:54 6W+FjeDn
需要があるかは分かりませんが、「変態王子と笑わない猫」のキャラでエロパロしてみました。
ちょっと長いかもしれませんが、ご容赦ください。

342:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:48:56 6W+FjeDn

あなたは、わたしの、何ですか?

筒隠のその問いかけは、声になる前に空気中に溶け込んでいった。
ぼくはしばらく、斜陽に照らされた筒隠の無機質な表情を見つめていた。
笑わない猫像に『本音が表に出なくなるように』と願い、それが奇しくも叶ってしまい表情(本音)を失ってしまった女の子を。
傾きかけた陽の光に輪郭を縁取られるのは、神様の傑作とさえ言えそうなほど整った表情をしている。顔や鼻や唇は小さいのに、深く青みがかった瞳だけが大きい。
ぴょこんと、筒隠の身じろぎに合わせて、猫のしっぽのように結ばれた髪が肩にかかった。
ぼくはかの鋼鉄の王に喧嘩を吹っ掛け、物の見事に玉砕した。それはもう恥ずかしさがたちまち逃げたくなるような恥ずかしさだ。
いや違うんだよ。王とは言っても女だし、喧嘩といってもぼくは先輩を殴ってはいない。むしろ振った拳を躱されて殴りかえされたって言うか―あれ、なんか余計に情けなくなってきたぞ!
その後、意識を失くしたぼくを筒隠は引っ張って家の台所まで入れてくれ、ぼくが目覚めるまで膝枕をしてくれていたというわけだ。
ううん、殴られたからだろうか。意識が妙にぼんやりとしている。またぶり返したのか、顎が熱を持ってきた。
「タオル、取り替えましょうか」
ぼくの頭がふわりと包み込まれて、割れやすい陶器を置くようにそっとフローリングに下ろされた。
筒隠の太もも、柔らかかったのになあとか思ってるぼくは、それでも建前を取り戻しているので、
「面目ない……」
と呟くように言った。いや、建前とはいっても本当に情けないと思っているからね。
さっきの問いに答えを返していないが、筒隠は気にしていなさそうな無表情ですくっと立ち上がった。期待を裏切っちゃったかなと、胸に一抹の後悔が刺さった。
もしかしたら殴られた後、後頭部も打ったのかもしれない。堅いフローリングに頭をつけると、刺すような痛みが一瞬走った。
膝枕の時、間に溝が出来るからさっきは痛くなかったのだ。筒隠はフローリングや枕では痛いと思って、ぼくに膝枕なんていう彼氏彼女しかしないような行為に及んだのだろうか。
ぼくは筒隠にくすぐりをしたことがある。笑わない猫を笑わせてあげようと思ってのことだったが、そこは猫像の力おそるべしと言ったところで、筒隠はまったく笑わなかった。
それどころか声さえ押し殺して必死に耐えていて、ぼくはその姿にぞくぞくした。
つい数十分前には、水着を着ようと試着室に入った筒隠の裸を見てしまった。新雪のように滑らかな肌で、まあ見とれちゃうよね。
学校では変態王子と呼ばわれ、筒隠にも変態さんと揶揄されるぼくに、筒隠は見捨てられたくないという。
姉とは不仲で、本音を失くしてしまった無表情では友達も出来ない。ぼくとは本音と建前を取り戻すための協定を結んでいたけれど、また一人に戻るくらいなら本音は要らないと言う。
ぼくは筒隠をどう思っているんだろう。
そして筒隠はぼくをどういう風に見ているんだろう。
蛇口から水が出る音がする。筒隠がタオルを水にぬらしているのだろう。何とはなしにぼくはそっちを見て―やってしまったなと思った。
フローリングで横になっているぼくが、立っている筒隠を見上げればどうなるかなんて、考えるまでもなしに明白じゃないか。

筒隠のスカートの中がうっすらと見えた。

制服のプリーツスカートから伸びる脚の先に、淡いブルーの下着が覗いている。
夕焼けと女子高生のコントラストの素晴らしさについては講釈垂れるまでもないけど、プラスパンツはその上をいくね。ってぼくは一体、何を考えているんだ。

343:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:50:27 6W+FjeDn
「……先輩」
気がつけば、筒隠がじっとこちらを見下ろしていた。その顔は無表情であるはずなのに、視線はどこか氷を思わせるほど冷たかった。
これはまずい。声をかけられるまで目をさらにして、ああ目を逸らさないとと思いつつも、筒隠のソックスに包まれたふくらはぎから太もも、そしてその上におわす下着へのラインを網膜に焼きつけようとしていた。
「はは、いや……これは事故であって決して筒隠の下着を覗こうなんてこれっぽっちも思ってなかったんだ!」
あれ、建前を取り戻したにも関わらず本音を言えたのに、全然うれしくないや! 確信犯としか思えない発言にもほどがある。
「…………」
筒隠は呆気に取られているように、猫の様な瞳をぱちくりと瞬いている。今何を考えているのか、ぼくにはわからない。
そそくさとスカートの裾を押さえながら、筒隠は口を開く。
「……先輩は意識が朦朧としていても女子の下着を覗くことだけは忘れない変態さんなのですね」
「筒隠!? いくらぼくでも自分の身体を優先すると思うよ!」
ここで『果たしてどっちに天秤が傾くか』と真剣に考えた挙句、答えを濁すぼくは筒隠の言うとおりどうしようもない変態かもしれなかった。
「冗談です。さっきの試着室の……あれに比べれば、まだましだと思うことが出来るです」
「そんな無理に自分を納得させようとしないで!? ぼくの良心が音を立てて崩れてくから!」
「これを期に、自省してくれればわたしとしてはよいのです」
筒隠は人一倍恥ずかしがり屋さんだ。そんなことはぼくでなくともわかってたはず―である。けれど今の筒隠はそれが表情に出ない。
僅かな機微からそれを読みとれるのは、筒隠の周りではぼくくらいだ。
こんな咄嗟の事故ででも、表情に表すことが出来ないというのはどういう気持ちなのだろう。
筒隠はスカートを膝の裏に挟むようにして座ると、片手でぼくの頭を持ち上げ、空いた手でタオルを後頭部に当ててくれる。
わずかに濡れたタオルが冷たく、熱が引いていくのがわかる。
そういう体勢を取れば、必然的にぼくと筒隠の顔の距離は近くなる。
「…………」
「…………」
ぼくも筒隠も、ひと言も声を発しなかった。
筒隠は相変わらず無表情で、ぼくはと言えばさっき見てしまった筒隠の下半身を脳から追い出すのに精一杯だった。そうするのに思い出してしまうのだから、もうどうすればいいんだろうね。
タオルを床に置き、ぼくはその上に頭を乗せる形になる。筒隠は、
「次は見ないでください」
と言い聞かせるようにし、立ち上がってふたたび立ち上がった。ぼくは目を瞑って自らを律しようとしたのだが、いかんせん手持無沙汰で、瞼の裏に筒隠の下着がよみがえってきた。
ぴた、と額にタオルが置かれた。もう一個用意していたのかもしれない。ひんやりとしたタオルは、火照ったぼくの顔を心地よく冷ましてくれた。
「…………ぁ」
小さく、見てはいけないものを見てしまった時に出るような声が聞こえた。ぼくは目を開けて、筒隠の視線を追う。
視線の先では、ズボンが少し盛り上がっていた。
筒隠が視線をぼくへと移す。ぼくもつられて、期せずして視線がかち合う。
こんな最悪の状況でも、筒隠は無表情だ。こころなしか怖い。ぼくは一体、今どういう表情を取っているのか自分でもわからない。
「あ……いや、ね?」
何が『ね?』だ。建前も本音も出てこないどころか、奴らの所在が分からない。
とりあえず、笑顔になってみることにする。筒隠は笑わない、どころか声を返してくれない。こうなってくると、いよいよぼくも腹を切るべきか。

344:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:51:21 6W+FjeDn
「……変態」
「はい」
「言い逃れも出来ない変態さんです」
「ごめんなさい」
「完全に完璧に全壁に変態さんなのですね」
筒隠は大きく、長く息を吐いた。よく見せる動作でありながら、今回ばかりはぼくの頭がショート寸前なことを差っ引いても、その動作の意図する所は分からない。
ぼくはこうなった手前、身じろぎもせずにじっとしているしかなかった。
筒隠はそんなぼくを一瞥すると、そっと膝立ちになる。ちょうど顔の横に筒隠の太ももが―ってぼくはまた学習しない奴だなあ!
いざった筒隠は、ぼくの腰辺りですとんとお尻をつけ、女の子座りをした。こちらをちらりと見ると、意を決したとでもいうように、手をぼくのズボンのベルトにかけた。
「筒隠!?」
ぼくは思わず身体を起こしかけたが、
「ッ……」
ちくりとした痛みに、がくりと肘をついた。上半身だけ起こせるだけまだましか、と思う。あちこち打ちつけたみたいだ。
「何でしょう」
「何でしょう、じゃない。えっと、その、何やってるの?」
筒隠は言葉に詰まって口をもごもごとさせたが、すぐに、
「先輩は、さきほど、わたしの裸を見ました」
「あ……うん、ごめん」
ぼくは一体、何度筒隠の裸やら下着やらを思い出すのだろう。早く忘れてあげないとと思っているのに、固まった蝋みたいにこびりついて離れない。
「とても恥ずかしかったです」
「…………」
「とってもとっても恥ずかしかったです。舌を噛み千切りたいくらい恥ずかしかったです」
「……はい、申し訳ありません。何でもしますから」
ぼくは頭だけ下げ、心からそう言った。
「何でもですか?」
「うん、何でも」
「何でもですか。そうですか。では、じっとしていてください。一応けが人なのですし」
言うが早いか、筒隠は作業に戻った。ぼくは何を言うことも出来ずに、事の成り行きを見守るしかなかった。
ベルトのバックルが外されて、ズボンのボタンが外される。さすがに、筒隠が何をする気か理解しがたかった。
「筒―」
「―黙っててください」
ジッパーが下ろされて、トランクスごとずり下げられる。つまるところ、ぼくのアレが筒隠によって晒されたわけで……この状況は何だろう。
「……っ」
筒隠が息を呑んだのがわかる。天井を青いでいるぼくの一物を凝視していて、妙にそわそわしてしまう。
「…………あの、筒隠?」
「…………」
「筒隠?」
「……あ」
慌ててぼくの方へ視線を移す筒隠は、男のアレを見てもやはり表情を変えない。一律な、無機質な表情だ。
「その……これは」
「……先輩は、わたしの裸を見ました。ならば、先輩も私に裸を見せるべきです」
目には目をという奴だろうか。それにしては理屈以前に根本からおかしい気がするんだけどな。
ぼくは言い返せず、じっとしていた。
外気にさらされた一物は隆々としていて、ときおりぴくんと動いてしまうのが想像以上に恥ずかしかった。誰得だよ、と心の中で叫びたい。というか早くしまって!
筒隠はアレとぼくの顔を交互に見比べている。もしかして似てるのだろうか。そんなバカなことを考えてしまうくらい、恥ずかしいんだよ。
「こんなにして、先輩は変態さん過ぎます」


345:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:53:45 6W+FjeDn
少し身体をこちらに向け、見上げるようにして言ってくる。
「どうしてこんなになってるんですか」
「……男の生理現象だよ」
本音はと言えば、筒隠の下着とか裸とか見ちゃったからだ、だったけど、今のぼくはわきまえているからそう言った。下半身が露出していて、わきまえてるもくそもないけれどね。
「……そうですか」
筒隠は前傾姿勢のまま少し後ずさると、猫みたいな恰好になった。そのまま、右手でおずおずと一物に触れた。
「……!」
ぴくり、とぼくのモノが動いてしまうと、筒隠も一緒になって肩を震わせた。じとーっとこちらを見てくるけど、ぼくは恥ずかしさのあまり視線を外した。
つんつん、と猫がねこじゃらしで遊ぶように、筒隠が指先で突いてくる。硬さを持っているからか、強く押されると反動で振り子運動をしてしまう。
しばらくぼくの反応を愉しむように、筒隠は一物をつついた。もう何が何だか分からない。
「先輩、わたしはどうすればいいですか」
「どうすれば……って」
「わたしのせいでこんな風にさせてしまったんでしょう。だから、責任くらいは取ります」
「いや、責任って。筒隠がそんなことする必要無いよ」
ぼくは首を振る。筒隠は無表情のまま続ける。
「建前を聞きたいわけじゃありません。それに、わたしだって……いくら先輩が私を小学生と間違えようとも、もう高校生です。こういうことに対する知識だって、ないわけではないですから」
そう言うと、筒隠は右手でぼくの一物を包み込むようにして握った。暖かな掌に、ぼくは反応してしまう。
「わたしは先輩がどうして欲しいのか、知りたいんです。建前ではなく、本音を聞きたいんです」
こんなことは間違っている。ぼくの脳内で警報が鳴った。五月蠅いくらいに、それは理性というものだった。筒隠が握ったモノから、先走りが出るのを感じた。
生理現象―であることに違いはない。でも、筒隠がぼくのモノを握っているという状況によってではないとは言い切れない。
ぼくはいつも建前で失敗していた。だから本音を欲しがった。
その本音のせいでさんざんな目に遭い、やっとのことで猫像から建前を取り戻した。
「……変態先輩、何か出てきました」
本音はぼくにとって必要だったが、時と場合をわきまえなければならないものだった。今、ぼくに必要なのは建前なのか? 本音なのか?
「筒隠の…………したいように、して、くれれば」
ぼくに出来るぎりぎりの発生だったと思う。建前と本音が混じり合った、どちらともつかないぼくの言葉。建前を失い本音を得て、本音を捨てて建前を拾ったぼくは中途半端でしかない。
どちらの善し悪しもしってしまったから、片方だけを使うことが出来なくなったのかもしれない。
「……そうですか」
筒隠が失ったのは、ぼくが今求められた本音だ。
本音を失くしたから、表情にも声にも感情が出ない。それなのに、今の筒隠の声音は寂しそうな周波数だった。
筒隠の手が、ゆっくりと上下に動いた。ぼくには、やるせない感情をぶつけるように机を叩くシーンのように見えた。
「……ぅ」
こんな時でも、ぼくの神経はそこに集中してしまう。
ぎこちない手つきで一物が刺激されると、ぼくの脈が次第に上がってゆく。
先走りが鈴口から垂れ、潤滑油のように滑りをよくした。
筒隠はその様を凝視していて、少しだけ息が荒いように思えた。
こういう行為を女の子が知っているというのには、やはり驚いてしまう。ティーン向けの雑誌には様々なこういう情報が書いてあると噂には聞くけれど、あれは本当なのだろうか。
筒隠は猫みたいな姿勢で、ぼくのモノをしごいている。
床に着いた手、なだらかな谷のような腰つき、突き出すつもりはないだろうにそう見えてしまう下半身―。

346:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:54:31 6W+FjeDn
緩慢な動作でこちらに目を向けてくると、
「……気持ち、いいんですか」
こころなし荒い息遣いで、訊ねてくる。
「…………う、ん」
ぼくはしかめっ面とも笑顔ともつかない、ひどく中途半端な表情を作った。
「とんでもなく変態さんです」
そう言われても何も言えず、ただなされるがまま、流れに身を任せるしかなかった。
こんなことをやってしまう筒隠はどうなのさ、とは言えない。
「このままでいいんですか」
筒隠がぽつりと漏らす。
「どうして欲しいんですか、して欲しいことはないんですか。わたし、先輩のためなら……何だって、しますよ」
肘で上半身を起こしているぼくは、聞いたことある台詞に頭を揺さぶられた。
筒隠の手は動き続ける。ぎこちなく、こちらのためというよりは自分のために。その腕が、肩が、震えている。
まただ、とぼくは思った。ぼくはいつも、見逃してしまう。
筒隠は恥ずかしがり屋で、泣き虫で、とてもこんなことをする子ではない。いや、なかった。
何がこうさせているのかは明確だ。
人間は表情だけで自分の考えを悟らせることもある。表情は行動であるとも言えるし、行動は表情であるとも言える。
筒隠は表情を―本音を現すことは出来ない。顔に出ないし、口を衝いて出ることもない。行動でだって、どうかは分からない。けれど、この行動を平気で出来るほど、筒隠は開けっ広げではないはずだ。
相当な勇気が要ったろうに。
ぼくは肘をばねにして、身体を起こす。痛み? そんなもんは笑い猫だって食わないさ。それに、もうどこかに捨て置いた。
筒隠は手を止めて、ぼくを上目遣いで見上げてくる。
大きな瞳は月夜の湖面のように静謐だ。表情に出なくとも、言葉に出なくとも、瞳は何よりも雄弁だと、ぼくは筒隠月子から学んだんだ。
ぼくは筒隠の横向きの身体を捻るようにして床に押し倒した。小さくて軽い身体は、あっという間に寝転がせられる。
初めて筒隠と出会った時と同じように、ぼくと筒隠は押し倒し押し倒されの関係になった。
あの時みたいにぼくは取り繕わないし、筒隠も声を上げて泣いたりはしない。
彼氏彼女ではないけれど、彼氏彼女よりも心が通じ合ってることの裏付けのように、今のぼくらに言葉なんて要らない。そんな気がした。もちろん、気がしただけで、ぼくらはどうしても言葉に頼ってしまうけど。
「……恥ずかしいです」
ぼくの下から、細々とした声が聞こえた。筒隠は、相も変わらず恥ずかしさの欠片もなさそうな無表情。
「さっきのぼくよりはましだと思う―あ、でも裸を見られちゃった筒隠よりはましなのか」
なかなかきわどいところだ。
「なんだか痴漢に襲われているみたいです」
「ぼく痴漢ですか。でもだったら泣き叫ばないと、最初みたいに」
「ええ……そうですね。でも、先輩ですから」
身体を無理に捻ったからか、筒隠の制服はずれて、ブラジャーの肩ひもが見えてしまっている。淡いブルーで、小振りのリボンがあしらわれていて可愛らしい。
その肩は小さくて、ぞっとしてしまうくらいに綺麗な白さを誇っていた。
ぼくは頭を降ろし、その肩に唇をつけた。

347:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:55:10 6W+FjeDn
「……ン」
耳のすぐ隣で、熱い息が吐き出されたのを感じ、ぼくも反応してしまう。
筒隠からはとてもいい匂いがした。女の子というのは、なぜこうも香るのだろう。犯罪的だ。
しばらく首筋や鎖骨を弄んで、ぼくは顔を上げた。
「……あの時、みたいですね」
それはぼくが筒隠をくすぐった時のことかな。あの時も、筒隠は声を押し殺すようにしていたから、妙にぞくぞくしてしまったけど、今回と比べるとまるで相手にならない。
「だいぶ違う状況になってるけどね」
制服は肩を覗かせ、スカートは捲れあがって下着を露わにしてしまっている。筒隠の片脚を跨ぐように覆いかぶさっているから、その分脚も広がってしまってる。
「……強姦魔に襲われているみたいです」
「シャレにならないね!」
泣きたくなった。ぼくは建前を取り戻す代わりに本音ではなく理性を失くしてしまったんじゃないだろうか。
「誘ったのは筒隠じゃないか」
ぶっきら棒にぼくが言うと、
「誘ったわけじゃ……先輩が、ここを、こんなにしちゃってましたから」
筒隠はぼくの脚の間にあった左太ももを、一物に当ててきた。
「……すごいことに、なってますね」
ぼくのモノは涎のように液体を垂らしていて、我ながら恥ずかしいこと極まりなかった。
「それは……ぼくだって男だし、筒隠にあんなことされたり、筒隠にこんなことしてれば…………うん、ごめんなさい」
「謝らなくたっていいです。変態さんが変態なことをして変態になっているなんて、変態の当然ですから」
そんなに変態変態言わなくたっていいじゃないか! たしかに変態王子ってあだ名だけどさ。
「わたしは……ちょっと行動が急すぎましたね」
筒隠が後悔するようなことを言った。たぶん後悔していると思うんだけど、表情に出ないから何とも言えない。
「先輩は、わたしの本音のために、一緒にいてくれたんですよね。でも、わたしは本音と先輩なら、先輩が欲しいんです。本音を取り戻して、一人にはなりたくないです」
訥々と、筒隠は語る。
「確かな物が欲しかったんだと、思います。だから……水着じゃなかったですけど、先輩の気持ちがこっちに向いてほしかったんです」
冷静に理にかなった行動や物言いをする筒隠を、そうまでさせたのはそういう理由だった。
馬鹿だなあ、とか何やってんの、と笑い飛ばすのには苦労しなさそうだった。けど、ぼくは笑って、
「本音を取り戻したら、ぼくは協定関係じゃない関係を、筒隠を結べるよね?」
何かのために一緒に向かうことが悪いことだとは、ぼくも、筒隠も思ってないだろう。
でも、何かのためではない、ただ自分たちだけの関係というものが素敵だということをぼくは知っているし、筒隠は何よりもそれを欲しているのだろう。
ぼくは筒隠の本音のためにいるんじゃなくて、筒隠のためにいるんだよ。
その台詞は恥ずかし過ぎて言えなかった。ぼくは恥じらいも持っているから、それも要らないかな、とこの時は思ってしまった。しまったのであるが、それを後悔するのはもう少し先の話だ。


348:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:55:52 6W+FjeDn
「……先輩は変態さんですね」
「ひどいね!」
そんなやり取りを自然に飼わせるくらいには、ぼくらは平常運転を取り戻していた。
ぼくは筒隠のブラウスをめくり上げる。
雪原になだらかな双丘があり、ぼくはそこに手をつける。
「―ッ」
少し触れただけなのに、筒隠の口から息が漏れる。頭の中ではどういう感情が出ていけなくて溜まっているのかと思うと、少しどきっとしてしまう。本音が出るというのは大事なことなんだと気がつかされる。
試着室で見た時も思ったことだけど、意外にあるね!
布越しではあるけど、女子の胸は男子にとっては神聖だ。男だって往々にしてズボンが盛り上がるものだが、この女子のふくらみに比べればたしかに猥雑である。
背中をぺったりと床につけているから下着を外せるわけもなく、ぼくは上にずらそうとした。
「……無理ですから」
筒隠は言うと、腰を浮かせて隙間を作り、そこから手を入れてすぐに元の姿勢に戻った。どうやらホックをはずしてくれたらしい。
ぼくは緊張した面持ちで、その淡い青のブラジャーを上にずらした。
ぷっくりとした小振りな胸に、つんとした桃色の乳首が目に眩しかった。もう目が潰れそうだと思ったね。むしろ潰れたね。
「さ……触る、けど」
「はい……」
ぼくはおずおずと、胸の先端を指でつまんでみた。
すると、筒隠の身体が感電した動物みたいに跳ねた。
「ご、ごめん、痛かった?」
「あ……いえ、その、何でもないですから」
照れ隠しに思えなくもなかったけど、表情に出ない……何だか男として悔しく、くすぐりによって笑わせようとした時みたいに少しの意地が出てくる。
ぼくはひとしきり手で刺激を与えて、主張しすぎない、しかし引き立つ両丘に舌を這わせる。
「―んぅッ」
胸の周囲から、徐々に頂点へ向かうように螺旋状に舐めていく。徐々に筒隠が高まっていくのが何となくわかる。
筒隠は何かを訴えるようにぼくの腕に手を添える。片方の脚は持ちあがったり内側に動いたりと忙しない。左足はときおり、ぼくのモノを擦ってくる。
ぼくは乳首に舌を這わせる。どんな反応を見せるのか、楽しみだった。
「―あっ……やぁっ」
予想以上に大きな声で、つい顔を上げて筒隠を窺ってしまう。とはいっても、やはりというか無表情のお出迎えだ。
筒隠は肩で息をしている。ぼくが持ちあげていたブラウスが、呼吸に合わせて胸を隠していく。ううん、ちょっと残念。
「ぞくぞくしちゃった……ぼく、変態みたいだね」
「ンンッ―『みたい』じゃないです」
余韻を引いているのか、言葉の頭が艶っぽかった。そんなに刺激が強いのかな、舐めてもらうのって。
ぼくは筒隠の息が収まるのを待ってから、ちょうど心臓の真下にあるソコに手を伸ばした。
「―ッッ!」
筒隠の身体が、反射できゅっと一瞬縮まった。脇をしめて、太ももが閉じてぼくの脚を強い力で挟みこんだ。それでもぼくの手は動く。
見えない力に動かされるのか、筒隠の前だからか、手は動いてしまうのだ。
「あっ……! やぁっ―んくぅっ……ッ!」
筒隠は濡れていて、ぼくはそこをなぞる様に、指を押しつけるようにした。
表情は人形の様ではあったけれど、声は表情以上に物語っているように思えた。
「筒隠…………脱がすよ」
「え……あ、はい……」
ぼくは少し後退して、筒隠の下着を下げた。
「ン」と筒隠が声を漏らした。下着は糸を引いていたけど、ぼくは何も言わずに、左足を持ち上げて脱がせた。右足に下着が残ってるのが、変態チックだった。
触れると、しっとりとした暖かさとねっとりとした液体が指にまとわりついた。
いじると、ぴちゃぴちゃと水のはじける音がした。

349:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:56:33 6W+FjeDn
「ァ……音、いやです」
「恥ずかしい?」
表情には出ないが、きっと心の中の顔は真っ赤っかだろう。筒隠はコクコクと頷いた。
ぼくは指を一本、筒隠の中に入れた。びっくりするくらい、するりと呑み込まれてしまって、一瞬吸引された感覚があった。
「―ッッあ」
ぎゅうぎゅうと、指周りを柔らかな物が締め付ける。ひくひくと動いているのが感じられて、生き物だと思った。
くい、と指を少し曲げると、筒隠の腰が跳ねあがった。どうやら刺激が強いらしい。
ぼくは指を抽出してみる。吐き出されるような感覚と吸い込まれるような感覚に、つい夢中になってしまいそうになった。
筒隠は声を漏らさないようにと、両手で口元を覆い隠している。千切れ千切れの息遣いに、なるほど耳が性感帯だということに納得がいったような気がした。
何回出し入れしたか分からないけど、いい具合に中がほぐれたと思い、ぐい、と指を曲げた。
「―ッふぁっッぁ」
堪え切れなくなった声だろうか、筒隠の指の間から砂がこぼれるようにぽろぽろと声が聞こえる。
何度か刺激すると、ひと際大きく身体が反応し、その余韻か、びくびくと筒隠が震えていた。これがイくということだろうか。
ぼくが指を引きぬくと、筒隠の口から熱い息の塊が漏れた。
「はあ、はあ」
マラソン後の選手の様な息遣いだ。その表情が疲れや達成感を湛えていないのが、相違点だろうか。
「恥ずかしい、ですね」
にこりともせず、恥じらいも見せず、あくまでも淡々と筒隠は言う。そうとしか、言えない。
筒隠は息を整えると、じっとぼくの一点を見つめる。そこには、涎を垂らしたぼくのモノが屹立していた。
「先輩は、どうしたいですか。どうして欲しいですか?」
両手を床について、脚は斜め後ろに投げ出されている。これで胸があったら人魚が岩肌で胸を寄せているように見えそうだったが、筒隠は谷間が出来るほど巨乳ではない。
けれど、そのポーズはぼくの琴線に触れたのか、どくどくと鼓動が早まって、ああ理性がやばい、頭が真っ白になりそうだった。
「……な、舐めて、くれないか」
つまるところ、ぼくは童貞のチェリーボーイだった。
アダルトビデオの見過ぎだろうことは間違いなく、初めての要求にしては変態度が高過ぎた。筒隠もそう思ったのか、きょとんと目をしばたたいている。
いや、ぼくは膝立ちで、小柄な筒隠がこういう姿勢だと、顔の前にぼくのモノが重なって見えちゃったとか、高さ的にちょうどいいねとかいろいろ思ったけど。
これはひどい、ひどすぎる。
「先輩、どうして頭を抱えているんですか」
「自分の変態さに自分で驚いているんだよ……」
「そうですね。そんなものを舐めさせようとするなんて、先輩は救いようのない変態さんです」
「うう」
容赦のない良いようだったが、的を射すぎていたのでぼくは標本の蝶のように身動きが取れなかった。
筒隠は一息つくと、四つん這いでぼくに近づいてきた。
鼻先がぼくのモノに近づき、筒隠が目の前にくる。
見下ろすと、筒隠の顔の半分よりもぼくのモノは大きかった。いや、定規じゃないんだけどね。
そこから見上げられると、どうしようもなく期待してしまう。ぼくは変態です。本当にどうしようもないな!
ぴくりと動いてしまうぼくのモノを追うように、筒隠も顔ごと動く。本当に猫みたいだ。
筒隠はぼくのモノを片手で握ると、口をもごもごと動かせて言葉を放つ。
「コレを―な、舐めればいいんですか」
「え……?」
「先輩の、して、欲しいこと、ですから……」
言葉尻は蚊の鳴くような小ささだった。
筒隠はゆっくりと口を開けると、小さな舌が伸ばされた。
舌先が、一物の先に触れると、ぴくん、と大きく反り返ってしまった。

350:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:57:08 6W+FjeDn
「ッ!」
筒隠はびっくりしたのか、少し顔をひっこめた。
しばらくすると、また顔を近づけては、舌先で刺激してくる。ぼくは感覚神経に集中し過ぎていて、言葉を出すことさえ忘れていた。
筒隠は先走りを舐め取るように、鈴口付近を舐め上げる。
おそらくまずいだろうが、表情に出ないから何も分からない。ぼくが要求した手前、何も言えない。
「……ん、ちゅぷ」
手で反り返るのを押さえて、舌でちろちろと舐める。横向き、斜めなど、向きを変えたりもしている。なぜなら先走りが垂れてしまい、放っておくと床に垂れてしまいそうだったからだ。
「―ちゅぷ…………先輩、どう、ですか」
訊いてすぐ、また献身的に舌を動かす筒隠に、ぼくは、
「……っ、いいよ」
「これだけ、です、か? ん、ちゅぷ」
「…………く、咥えて、欲しい」
「―はい」
あーん、と筒隠が大きく口を開けると、ぱくりと先端を口に含んだ。含んだ、だけだった。ちょっと笑みが漏れた。
「ふぁんえふは」
「舌も動かして、欲しいなって」
「ほうえふは」
ざらざらとした舌の刺激に、思わず身体が前かがみになった。ペニスを突き出す形になってしまい、
「―ンぶっ!?」
ぐっと筒隠の口に深く入ってしまった。
「げほっえほっけほっ」
いきなりだったからか、筒隠は咳こんだ。
「ご、ごめん」
「……いえ、大丈夫、です。それより」
「うん?」
「…………咥えたら、奥まで咥えたら、びくびくっていっぱい動きました、それ。奥まで、咥えた方が気持ち、いいんですか?」
「え……あー、まあ。でも、苦しいだろうし」
「そうですか」
筒隠はじっとぼくのモノと睨みあうと、一度口を引き結んで、勢いよくかぶりついた。
中ほどまで咥えられて、ぼくは思わず呻き声を漏らしてしまった。
筒隠は舌を動かすことも忘れてなかった。裏筋に宛がわれた舌がちろちろと動くたびに、ぼくは先走りを吐きだした。
口からモノを出すと、
「…………何か、出ました」
ともごもごと筒隠が口を動かし、そのまま嚥下した。
「筒隠!?」
「変な味がします」
にこりともせずに言われると、怒っているのだろうかと思ってしまう。
ぼくがしゅんとなると、筒隠は手で一物をしごく。
「…………もっと、ですか?」
「え?」
「もっと、して欲しい、ですか?」
上目遣いで言うのは反則的だった。可愛らし過ぎて、身悶えしてしまいそうだ。
「……もっと、して欲しいか、な」
「わかりました。まったく、変態さんですね」
筒隠は口いっぱいに肉棒を頬張ると、ぼくのぷらぷらと下がるだけだった手を取って自らの頭に持って行った。
「?」
咥えたまま筒隠がこちらを見上げてくる。何だかぞくぞくとしてくる。
「顔、動かしてください。その方が、わたしも楽です」
「え、でも……」
「お願いします」
筒隠は言うと、もう一度口に含んだ。
「ん、じゅぷ、れろ」
献身的にぼくのモノを咥える筒隠に、ぼくの理性はついに飛んだ。
ぼくは筒隠の頭を抱えるようにして両手で掴むと、前後に顔を動かした。
「……ッ!? ンッ、じゅぶっじゅぷ」
無造作に動く舌、絡まる唾液と先走り、ペニスを包み込む温かさと奥まで入る感覚に、ぼくは得も言われなかった。
気持ちよすぎた。こんな快楽を感じたことは、今までに一度もなかった。
つい夢中になり過ぎて、筒隠が苦しそうにしていた。慌てて引き抜くと、筒隠が空いていた両手で皿を作った。その上に、唾液がぼたぼたと落ちた。

351:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:57:41 6W+FjeDn
「―ッンはあ、はあはあはあ、ッけほっ……はあ、はあ」
肩で息をしながらも、筒隠の口からは唾液が垂れる。顎が閉じられないようだ。
「……ごめん、つい、夢中になり過ぎた」
ぼくが謝ると、筒隠はタオルを取ってください、と息も絶え絶えに呟いた。タオルを渡すと手を拭い、涎でべとべとになった口元をぬぐった。
「いいです、変態さんなんですから」
「その納得のされ方は納得がいかない!」
「……無理やり咥えさせられてるみたいでした」
「…………ごめんなさい」
「…………気持ち良さそうにしてたから、わたしもまんざらではなかったですが」
「え?」
「……咥えるのではなく、気持ち良さそうにしてるのを見て、少し安心したということです」
ぼくは、不意に筒隠を抱きとめてしまった。猫のように表情が分からないけれど、猫のように可愛いことは確かだった。
筒隠もぼくの肩を抱いてくれる。
しばらく、互いの鼓動だけが響いていた。
身体を離すと、ぼくはそっと筒隠を押し倒した。ぼくは押し倒してばっかりだな、と苦笑いした。
「なんですか」
「いや、なんでもない」
ぼくは筒隠の脚を大きく広げると、その間に潜り込むようにして筒隠の真上に覆いかぶさった。
「……恥ずかしいですね、死にたくなるくらい、恥ずかしいです。こんなに脚を拡げるなんて……しかも」
そこから先は言葉にならなかったが、言わずとも感じ取れた。
ぷい、と筒隠はそっぽを向いた。機嫌を悪くしたわけではない、顔をそらしたかっただけなのだろう。
ぼくは、自らの先端を筒隠に宛がう。互いの性器が、触れあう。
「……筒隠、いくよ?」
「…………はい、あの、痛く、しないでくださいね」
「……善処します」
ぼくだって童貞なんだから。
入口は吃驚するくらい狭かった。しばら勃ち往生(嬉しくない上手さ)していると、ぼくが「あ」と声を漏らした。
「なんですか」
「……ゴム、してないん、だけど。ていうか持ってないって言うか」
「…………」
「…………ご、ごめん、やめて、おく?」
「今やめられたら、わたしは死にたくなります」
「……ううむ」
「……………………今日は、安全日ですから、平気、です」
「でも……」
「わかってます。中に出さなければ……たぶん、平気だと思うです」
「……うーん…………そう、かな?」
「です」
こういう時に、子供が出来たら、とか考えちゃうのが男ってものだと思う。思わずにはいられないのが男と言うが、女の方が勇気がいると思えた。筒隠が言うのだから、ぼくは責任を取るしかないのだろう、と思い始めていた。
たしかなものが欲しい、と筒隠は言った。
協定関係ではなく、まっさらなぼくと筒隠の関係性が繋がることを願っていた。
ぼくは意を決して、不退転の思いで突き進むべきだ。
先端を押しこむように、進める。きつくて狭くて、全部入るのか不安に感じたとき、ふわっと何かが浮いた気がした。
「―――ッッッ!!!」
一気に奥まで入った。
ぎゅうぎゅうと締め付けてきて、中はきつい。でも、口から漏れるのは呻き声や溜息ばかりで、気持ちよさに脳が蕩けてしまいそうだった。
筒隠もさすがに目を強く瞑って、耐えている。
入れただけでこの反応。正直、筒隠を壊してしまうんじゃないかという不安が脳裏をよぎった。その考えを見透かしたように、筒隠がぽそりと言った。

352:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:58:39 6W+FjeDn
「……ッはあ、あ…………動いて、も、大丈夫、ですよ」
「…………うん」
ぼくとしても興味があったし、筒隠が言うならば、という妙な聞きわけもあった。
ゆっくりと肉棒を引くと、きつい扉が閉まっていくような幻想が脳裏に描かれた。ふたたびゆっくりと奥まで突き進めると、肉棒に合わせて中が拡がっていくのが感じられて、ますます快感が強まった。
それは筒隠も同様なのか、さっきみたいに両手で口元を強く押さえて喘ぎ声を洩らすまいと耐えている。
その姿も、至高の可愛さだった。
ぼくは発情期の犬みたいに、カクカクと腰を振った。ぼくの出し入れのことごとくに筒隠は反応を見せて、それが支配欲をそそっていっそうぼくを高ぶらせた。
数回突くと、波のように筒隠が震える時があった。イっているのかはわからない。でも、気持ちよくなって欲しいとぼくは思った。
筒隠の身体を横にし、その体勢で奥に入れた。
「……ッンンン―――!」
先ほどの体位よりも、身体の震えとかが大きくなった気がした。
「……それ、ダメ、ですっ! アッ―ンン、頭が、おかしく、なっちゃいますっ――ッ!」
頭を振りながら筒隠が言うけど、今のぼくは何を言われても快感に変換できるほどの変態度を誇っていると思う。筒隠の腰もときおり振られ、何だかどちらも本能の赴くままに、といった感じだ。
筒隠の息が漏れると同時に、口が開かれ舌が見えた。
さっき、筒隠がぼくのモノを舐めていた光景が脳裡に蘇り、びくんと大きく一物が膨れた。
……出そうだ。
中では出せない。
我慢できるか。
もう引き抜くべきだ。
ぼく対して、潜在意識から命令がいくつも下される。
「筒隠ッ……! もう、出そう、だ」
「―ッ!? そ、外に、出してっ、ください」
「うん――ッあ」
一瞬、引き抜くのを忘れそうになったけど、それだけの理性は蘇り始めていたらしい。
ぼくは腰を大きく引くと、そのまま達してしまった。
勢いよく飛び出した精液は、筒隠の顔やお腹、太ももなどを汚していった。
自分でもびっくりするくらいの量と勢いで、顔と太ももにはたっぷりとかかってしまった。
「……あ、はあ、はあ、はあ」
ぼくも筒隠も、しばらくは動くこともできずにその場で大きく息をついていた。我を忘れるくらい、夢中になっていた。よくよく考えたら、ここは筒隠の家で、だから筒隠は声を出すまいと我慢していたのかと、この時になって初めて悟った。
筒隠が気だるそうに身体を起こして、こちらを向いた。
人魚の見返り美人ってこういう構図になるんじゃないか、というポーズだった。
脚はぼくの方へ揃って向けられ、上半身を捻るようにこちらに向けている。
「…………」
「…………」
筒隠もぼくも何も言えない。筒隠が物言わぬ理由は、定かだろう。
筒隠の綺麗な顔は、ぼくの吐き出した液体で見事に汚されていた。口元、頬、額に精液がべっとりと付着していて、エロイなーと思いつつ、罪悪感で胸がいっぱいだった。
ブラウスははだけて、左肩がむき出した。そこから鎖骨にかけても、精液が見かけられる。
「…………わたし、汚されちゃいました」
筒隠がとんでもないことを、無表情で言った。無表情だから、まるで強制的に処女を奪われた娘を想起させられ、思わず保身を考えてしまった。男って浅はかだよね。
「……うん、謝る言葉が見つからない」
筒隠はしばらく太ももにかかった精液や、足首にあるままの下着、着衣の乱れなどを気にしていた。
ぺたん、とお尻をつけるように座りこむと、筒隠は口元の精液を舌で舐め取った。
「筒隠!?」
「…………すごい、匂いですね…………。味も…………」
大胆なことをする子だと、驚かされてばっかりだ。ぼくはタオルを手渡すと、筒隠は従順に受け取ってタオルで精液を拭いとった。

353:名無しさん@ピンキー
10/11/29 23:59:22 6W+FjeDn
ぼくと筒隠は着衣の乱れを元通りにした。
筒隠は下着をきちんと身につけ、ぼくは萎れたモノをしまった。
行為後の床は、ところどころにどちらの物とも知れない液体が飛び散っていた。それも二人でごしごしと吹いた。
片付けが終わると、筒隠は言った。
「…………変態さんに変態なことされました」
「……」
ぼくとしては複雑な心境だったが、言葉に間違いがないだけに、何も言えなかった。何も言えないことのなんて多いことだろう。これならば本音と建前は半々にできるよう、笑わない猫にお祈りした方が良いのかもしれない。
「…………先輩と一緒にいるためなら、わたしは、何だってします」
今となっては全ての現況で、今となっては聞き慣れた文言だ。
「一緒にいるため、にこういうことはしたくないよ。筒隠のためになら、ぼくは何だって出来る」
「…………先輩のためなら、わたしだって…………際どい水着だって着られますよ」
「ほんとに? じゃあ、ナースとかは? ぼくとしてはむしろありとあらゆるコスチュームを試したい……って筒隠?」
「調子に乗りすぎです、変態先輩」
筒隠が冷めたような目でこちらをじとーっと見据えていた。
ころり、と筒隠がぼくの胸にこめかみを当てる。ぼくは言葉もなくそれを抱きとめる。
本音と建前は、バランス良く使い分けるべきだろう。
筒隠に本音は必要だ。顔に、言葉に出なければ、今回のように行動で示すかもしれない。それは―ぼくだけにならしてもいいけど、この子の無表情から幽かな表情を読みとれるぼくでなければならない。
青白い月の光が、大きな天窓から差し込んでくる。もうそんな時間なのかと、帰らねばならないと思いながら、ずっとずっとこうしていたいような気もしていて、それもいいな、と思った。
筒隠が顔を上げ、ぼくを上目遣いに見上げてくる。
夜空の様な、少しの蒼みを孕んだ瞳が、やはり猫のようだなと思わせた。結んだしっぽのような髪も相俟って、大きなシャム猫みたいだ。
猫が首を伸ばすように、筒隠がつん、と顎を上に向けた。ぼくは、その顎の少し上にある果実に、そっと唇をつけた。
猫の表情を人間は読み取れない。
ただこの時には笑っていて欲しいと考えることはあっても、笑っているのだと意見を押しつけてはいけない。
でも、ぼくは猫は笑うと思う。泣きもするし、怒りもするし、悲しみもするし、やっぱり笑ったりすると思いたい。
ぼくの目の前にいる猫は笑わない。でも、そこに笑顔を取り戻す日々はそう遠くないだろう。ぼくは筒隠月子の笑った顔を見たい。そして見る。でも、それはもう少し先のお話だ。
そう、夜空に浮かぶ月もいっているような気がした。

354:名無しさん@ピンキー
10/11/30 00:00:17 6W+FjeDn
以上ですが、どうでしょうか?
若干、作品を読んでないと分からない部分もあるとは思いますが、感想とかいただけたら嬉しいです。
まだまだですので、もっと精進します。

355:名無しさん@ピンキー
10/11/30 10:01:41 njEZG+Cx
>>354 gj! エロかった。思わず読み耽ってしまったよ。

356:名無しさん@ピンキー
10/12/01 21:20:04 C2qRVZVJ
実に素晴らしい。
セリフの再現度も高いしエロいし文句無し。

次はコマメちゃんも書いて欲しいな

357:名無しさん@ピンキー
10/12/08 19:22:30 kazZQyqN
文章うまいな。再現率たかいな。興奮した。

358:名無しさん@ピンキー
10/12/19 11:02:01 5LqqffOa
すごいうまい
再現度も高いしエロいしで素晴らしい

359:名無しさん@ピンキー
10/12/21 06:24:37 0UVs7e5r
シュピーゲルシリーズのエロ希望
ネタはあっても書く暇がねー

360:名無しさん@ピンキー
10/12/21 21:43:05 2ozwGfdF
"なめなめ"しに来たのかい、ベイビー・モンスター?
それならもうちぃと色気のあるおねだりをしようや
「欲しいもの? 賢者タイムだ。絶頂の余韻が消えたあとの、虚無をくれれば良い」
みたいなそそる依頼をしないと書き手は動かせないぜ

361:名無しさん@ピンキー
10/12/24 20:20:27 ydL0aTQt
>>359
キャラサロンの【メール欄】避難所嫁
えらいエロい鳳の活躍が読める

362:名無しさん@ピンキー
10/12/24 22:33:49 kLscJtKS
上で変態王子のエロパロ書いた者です。
小豆で書きたいのにシチュが少なすぎるぜ……!
喧嘩中にアニマル喫茶に行ってにゃんにゃんか、工事現場の人たちに輪姦されるとかしか思い浮かばない。

363:名無しさん@ピンキー
10/12/29 02:09:25 zw0DXgVL
>>362
前者を激しく希望

364:名無しさん@ピンキー
10/12/31 06:20:23 BwVhX+UH
輪姦!輪姦!

365:名無しさん@ピンキー
11/01/01 01:15:53 vNHgVT3L
小豆:ひっどいぺちゃぱいだよね!
月子:意外にあるね。

というわけで、月子よりもぺちゃぱいだと言われた小豆が
「そんなことないわよ、少なくともあの子よりはあるわよ、なら確かめてみなさいよ」
ってな流れでどうか一つ。

366:名無しさん@ピンキー
11/01/11 10:01:29 Bjt5ZowF
これゾンのエロパロがないことに絶望した!

367:名無しさん@ピンキー
11/01/11 23:07:14 SqpeZ1sa
これすてろ~る・ゾンデ☆ヴ~がなんだって?

368:名無しさん@ピンキー
11/01/11 23:30:32 W/IunS82
>>367
なんだそれ。
と思ってグーグル先生に聞いてみた。

「もしかして: コレステロール・ゾンデ☆ヴ~」

……もしかしてもしなくても、どっちにしろ分からんかった。

369:名無しさん@ピンキー
11/01/11 23:38:26 SqpeZ1sa
その昔、ゾンビnaランデ☆ヴー通称ゾンデ☆ヴというお馬鹿ラノベがあってですね…

370:名無しさん@ピンキー
11/01/22 00:50:22 Dy2ipZza
カンピオーネのエロパロ書きたいんだがシチュとカプが思いつかない
誰か要望ある?

371:名無しさん@ピンキー
11/01/22 01:15:34 BvwFUZlh
ストレートに護堂×エリカで作者リリィで

372:名無しさん@ピンキー
11/01/23 15:06:39 PpNURPOh
俺はリリアナがいい

373:名無しさん@ピンキー
11/01/25 01:42:13 598fG0ht
>>371
どういうこと?
リリィ視点での護堂×エリカってことか?

374:名無しさん@ピンキー
11/01/26 00:43:35 p4WQ5NU6
>>362
2巻でぴったしなシチュが出ましたね。

あのシーンで、もし願いのキャンセルが遅れたらって感じでお願いします。

375:名無しさん@ピンキー
11/01/30 21:15:05 72sORN0C
シュガーダークの漫画版を今更買ってみたが流石にデキが良いな
はしょるところ、付け足すところが無難にまとまっている
主人公のスコップへの拘りがはしょられてたのは残念だが仕方ないよね
ラッキースケベシーンが楽しみでならない
生足エロい

……つか巻末の原作者コメント、あんた卓ゲ者かよ
ダイス目とかファンブルとか

376:名無しさん@ピンキー
11/02/02 23:47:47 FY/IxdsL
保守代わりに会話文のみでエロ無し小ネタ。
銀月のソルトレージュ5巻終了後な感じで


「リュカ、念のために確認しておきたいのだが」
「どうしたんだよ改まって」
「君は同性愛者だとか、不能だとかそういった問題があるわけでは無いのだな?」
「いきなり何を言い出すんだよ君は……」
「以前も言ったように君がそういった事をしたいのならば私は受け入れるつもりだが、同じ家に住むようになってから暫く経つというのにその素振りさえ見せないのであれば心配の一つもしたくなるだろう。それに……」
「それに?」
「アリスともそういった行為はまだしていないようだし」
「だからなんで二人でそういう話をしてんだよ!」
「君は私とアリスの共有財産なのだから当然だろう?」
「あーそいやそーでしたねー」
「どちらを先に選んだとしても私達は気にしないぞ。……それともいっその事二人一緒の方がいいだろうか」
「当事者を無視して話を進めないでくれないか……」


続かない。こーゆー気楽な会話文ならなんぼか思いつくんだけどねー。

377:名無しさん@ピンキー
11/02/04 01:29:41 2ZVgQnNS
NTR系のssとか読みたいな

378:名無しさん@ピンキー
11/02/05 08:59:24 w/3eN2aV
元ネタの作品にもよるな。

379:名無しさん@ピンキー
11/02/09 01:01:36 t0UB5Ptd
シャドウテイカーの雛崎葉とか
偽りのドラグーンのクリスとかの
NTRとか読んでみたい

380:名無しさん@ピンキー
11/02/09 01:11:14 tW/FFor+
シャドウテイカーで考えると黒の彼方に裕生ちゃんを寝取られる展開しか浮かばないがよろしいか

381:名無しさん@ピンキー
11/02/09 01:12:26 56ri5L9+
三上作品でNTRなんて勘弁してください
普通に純愛エロでいいじゃんかよぉぅ

382:名無しさん@ピンキー
11/02/09 01:39:47 t0UB5Ptd
じゃあ渡瀬ヒロインで
時継とかウルクとかフィノとか

383:名無しさん@ピンキー
11/02/09 02:01:23 t0UB5Ptd
弓もいいな

384:名無しさん@ピンキー
11/02/09 02:04:26 0BZQ4t9T
空気読まないNTR厨キモいです
そういうのは淫乱属性持ちのキャラでやれよ
三上とか渡瀬とかいい作品ほど変なのがつく

385:名無しさん@ピンキー
11/02/09 02:39:49 XcrPJZ3V
些細なスレ違いで衝動的に他の男に身を任せて、気づいた時には取り返しの付かないことに。
好きだった男に顔向けできず、そのままズルズルと寝取った男のモノになる。

……淫乱属性持ちじゃなくても、OKじゃん。


386:名無しさん@ピンキー
11/02/09 02:43:00 t0UB5Ptd
偽りのドラグーンのクリスとかアルカミレスの日向子とかいいよね

387:名無しさん@ピンキー
11/02/09 03:10:33 t0UB5Ptd
>>385
その過程で心まで堕ちて最後には自分から腰を振って
快楽に喘いでたりするといいよね

388:名無しさん@ピンキー
11/02/09 14:46:28 chnYlSIj
これはゾンビですか?の京子ちゃんがエロ過ぎる
原作読んだことないけど

389:名無しさん@ピンキー
11/02/10 03:18:30 BImx1dzI
人類は衰退しましたのSSは存在しているのでしょうか?

390:名無しさん@ピンキー
11/02/10 19:04:48 dVjHUSr3
泡禍が存在しない世界の「断章のグリム」で、三角関係ラブコメとか。

391:名無しさん@ピンキー
11/02/10 20:05:39 a+edQAIY
「とある飛空士への恋歌」をテーマに一本書いてみました。
カップリングは、カルエル×クレアです。
時系列的には、五巻の後に続く感じです。
あと、所々に作品のネタバレが入っているので、
ネタバレを気にされる方はスルーしてください。

NGは『cantabile』でお願いします。


392:『cantabile』
11/02/10 20:06:20 a+edQAIY

   †††

 十五歳の時。
僕は―カルエル・アルバスは、空飛ぶ島「イスラ」に乗り込み、途方のない旅に出た。

今生の別れが訪れる最後の最後まで僕の行く末を案じてくれた、母との約束。
行く宛のない僕を拾って面倒を見てくれた、養父との約束。
――「飛空士になる」という約束を叶えるため。
そして、「風の革命」を引き起こし、僕から身分、両親、名前…全てを奪い去った革命の旗印、
ニナ・ヴィエントに復讐するため。
いまだ誰も見たことのない「空の果て」を目指して、動かぬ星を目印に。

僕は、空飛ぶ島「イスラ」に乗り込み、途方のない旅に出た。


393:『cantabile』
11/02/10 20:06:41 a+edQAIY




 そこでは、沢山の人達との出会いがあった。
共に飛空士を目指す同級生。指導して下さる先生達。「イスラ」の航海を指揮する人達。
戦空機乗りとして、また人間として今も目標の一人となっている、異国の飛空士。
様々な人との出会い、そして別れが、僕という人間の在り方を少なからず変えてくれた。

そんな中、僕は一人の女の子と出会った。
彼女の名前は、クレア・クルス。
僕と同じ高校の飛空科に通う生徒で、肩で切りそろえた流れるような黒髪と、吸い込まれそうな野葡萄色の瞳を
持つ彼女に対する一番最初の第一印象は、「変な子だなぁ」だった気がする。
オドオドしてて、俯いていて、いかにも人馴れしていなさそうな、気の弱そうな女の子だった。
でも。
反面、彼女は何に対しても一生懸命で、誰に対しても真摯で、だから誰よりも真っ直ぐだった。
僕はそんな彼女と、飛空士の訓練や、他の仲間を交えた触れ合いを通じて、少なくない時間を共有した。
―出会ったばかりの頃、自転車に二人で乗って、雲の中を走り抜けた。
―訓練中のアクシデントで海に不時着した時、満点の星空を眺めながら互いの色んなことを語り合った。
―そして……。
今でも鮮明に思い出すことの出来る、かけがえのない思い出。
そんな中で、僕は一つ一つクレアの魅力を知り得て。

394:『cantabile』
11/02/10 20:07:15 a+edQAIY


気づいたら、僕は四六時中彼女のことを考えるようになっていた。
僕は彼女に夢中になっていた。
クレアのことを考えるだけで、胸が締め付けられるように痛くなった。
クレアの笑顔を見るだけで、まるで自分のことのように幸せな気持ちになった。
クレアのそばにいるだけで、耳鳴りがするほど動悸が激しくなった。

その時は、彼女の正体も知らないまま。

僕は生まれて初めての感情、恋心をクレアに募らせていった。

でも、彼女は。クレアは。
僕がこの世界で最も憎しみを募らせていた相手でもあった。
知ってしまったのだ。
僕が彼女にもっと近づきたいと、自分の正体―カール王子だったことを明かした時に。
クレア・クルスはニナ・ヴィエントだった。

その時の僕の感情は、とても表現しきれない。
ただ、何もかもがどうでもよくなって、誰とも会わず部屋に篭っていたあの時の僕は、生きていなかった。
死んではいなかったけど、生きてもいなかった。
あのままでいたら、僕は今頃本当に死んでいたかも知れない。

でも、義妹のアリエルや、戦友のイグナシオ、何より、「きっかけ」を遺してくれた母上。
色んな人の支えがあって、僕は変わることが出来た。
ニナ・ヴィエントを…いや、ニナ・ヴィエントを憎んでいた僕自身を、許すことが出来た。
そして、たった一言だけど、それをクレアに伝えることが出来た。
やっと、彼女と向き合うことが出来るようになった矢先に。

395:『cantabile』
11/02/10 20:07:41 a+edQAIY


彼女は連れ去られてしまった。

「イスラ」に何度となく攻撃を仕掛けてきた「空の一族」の持つ教典には「風呼びの少女」、
すなわちクレアの存在の出現を予見する件があったらしい。
風呼びの少女を伴い、自らを繁栄させようという目論見の奴らによって、
「イスラ」の航海の安全と引き換えに、クレアは「空の一族」に連れ去られてしまった。
僕は最初、彼女を連れて何もかもを捨てて二人だけで誰も知らない場所へ逃げることさえ考えた。
でも、クレアは進んでこの取引に応じたのだ。
度重なる戦闘で「イスラ」の戦力は底をつき、要求を断れば全てを蹂躙される。
彼女が、誰よりも人を気に掛けることの出来るクレアが、そんなことを望むはずがなかった。
仕方なかったという言葉は使いたくない。でも、その時の僕にはクレアを守る力はなかったのも確かだった。
だからこそ。

僕はクレアに約束した。
必ず戻ってくると。
どれだけかかるか分からないけど、全てが終わったら。
「空の果て」を見つけて、故郷に帰ることが出来たなら。

「きみを奪い返しに、必ず行くから!!」

僕の言葉に、クレアは満面の笑顔をたたえて、こう言ってくれた。

「待ってる!!」

396:『cantabile』
11/02/10 20:08:01 a+edQAIY




 そして、それから四年後。
僕は―いや、僕達は再び、動かぬ星「不動星エティカ」を指針に旅立った。
今度は「空の果て」を見つける旅じゃない。
ニナ・ヴィエントを。クレア・クルスを。
僕の最愛の人を、奪い返しに行くために。


397:『cantabile』
11/02/10 20:08:22 a+edQAIY



   †††

 第二次イスラ艦隊旗艦「サン・アブリール」。その一室。
水素電池のライトが灯す淡いオレンジ色の光をたたえた部屋で。
カルエル・アルバスとクレア・クルスの二人はベッドに腰掛けて寄り添いながら、話に花を咲かせていた。
「―それにしても、ほんとに良かった…無事にクレアを取り戻せて」
「ふふ、カルったら、さっきから何度も同じこと言ってる」
柔らかな笑みを浮かべながらクレアがからかうような口調で指摘すると、カルエルは顔を赤らめて言葉を返した。
「だってさ! ほんとに心配だったんだよ、クレアのこと。もし交渉が決裂してクレアが人質とか、
危険な目に合わされたらとか、色々考えて―」
「うん。でも、良かったね。戦争にならなくて」

バレステロス、斉の国、ベナレス、そしてレヴァームの連合艦隊がニナ・ヴィエントを取り戻すために
「空の一族」の守る「聖泉」へと集結したのが四ヶ月前。
「イスラ」で航海していた時は壊滅的打撃を受けたが、今回の艦隊はその時を圧倒的に上回る戦力を有し、
更に今回は外務長アリシア・セルバンテス曰く「交渉における分厚い手札と何枚もの切り札」を用意していたらしく、
「空の一族」は分が悪いと分かるや、即時交渉の椅子に着くことを決めたのであった。
それからニナ・ヴィエントの引渡しや、「空の一族」に対する四国間との和平協定、
通商協定などの外交の取り決めに一ヶ月ほど掛かり、全てを成し遂げた第二次イスラ艦隊が
バレステロスに針路を向けたのが、ちょうど昨日のことだった。
ちなみに、今回の航海は「カール・ラ・イール王子とニナ・ヴィエントの運命的な恋愛劇を成就させるため」
という名分もあり、また二人のたっての希望もあり、彼らはこの「サン・アブリール」が出航してから今まで、
この部屋で二人きりで過ごし、今までの四年間を埋めるように、尽きぬ言葉を交わし続けているという訳である。

398:『cantabile』
11/02/10 20:08:44 a+edQAIY


「今回もルイス提督や、アリシア外務長や他の外交役の人達が頑張ったおかげで、ここまでの好条件を
呑ませることが出来たんだよ。僕なんかは肝心な所で役に立てなくって、ちょっと立つ瀬がないって感じ」
「そんなことないよ。だってカルが自分の本当の身分を明かして、みんなに協力をお願いしたから、
『これだけの戦力で望むことが出来た。物理的にも情報的にもね。我々の勝利を不動のものにしたのは
彼の頑張りのおかげさ』って、ルイス提督も仰ってたもの。…それに」
「?」
少しだけ頬を赤らめながら視線をそらして、またカルエルに向き直る。
「カルは私の所に、誰よりも早く駆けつけてくれた、から。その…すごく、嬉しかった、よ?」
「あ、当たり前さ! だって、四年以上も顔を見てなかったんだもの! その、居ても立ってもいられなくて!」
「うん。だから、私はそれだけで充分。…ね?」
「…クレアがそう言ってくれるなら」
気恥ずかしそうに、今度はカルエルがクレアから視線をそらした。クレアはその様子に小さく笑うと、言葉を続ける。
「でも、カルの姿を見た時、驚いちゃった。凄く逞しくなってて、背も伸びて、それに前よりずっと、その…
…かっこよくなってたから」
「あ、ありがとう。クレアもその、昔もそうだったけど、今はもっと…き、綺麗になったよ」
真っ赤になりながらカルエルは同じようにクレアを褒め返すと、クレアはえ、と小さく呟き、
その白く美しい肌を耳まで赤く染めて、
「あ、ありがとう」
カルエルと同じようなイントネーションで、同じようなお礼を述べた。
カルエルの目に映る、クレアの姿。
肩口で切り揃えていた黒髪は腰まで届くまでに伸びて、光が当たるごとに艶やかで落ち着いた光沢を
輝かせている。
四年前はまだ幼さを残していた顔立ちは、ぱっちりとした野葡萄色の瞳はそのままに、大人びたものへと
変わっていた。
綺麗に揃った眉、すっと通った鼻筋、その下にふっくらと実る可憐な唇。
体つきも女性らしい丸みを帯びたものとなり、白のブラウスを押し上げる二つの膨らみ、抱き寄せたらすっぽり
収まってしまいそうなくびれた腰、形の整った下半身、スラっと伸びた脚部。
どれをとっても吸い込まれそうなほど魅力的だった。
レヴァーム皇国のファナ・レヴァーム執政長官も「光芒五里に及ぶ」と称されるほどの美しい女性であるが、
十九歳のクレア・クルスも、彼女に引けと取らないほどの美貌を備えていた。
少なくともカルエルには、そう思えた。

399:『cantabile』
11/02/10 20:09:13 a+edQAIY




 「…クレアと離れ離れになってから、もっと上手に飛べるように必死になって頑張ってきた、つもりだけど」
「うん」
「それでも、まだまだあの人には、全然及ばないんだ」
「あの人?」
「うん、聖泉での戦闘で、敵に襲われてもうダメだと思った時に助けてくれた―」
「ああ、『海猫』さん」
今までの会話の中で、『海猫』の話をしたのはこれが初めてではなかった。また繰り返し同じ話をしている気が
してはいたが、彼の話になると、中々言葉が止まらなくなってしまうカルエルだった。
「そう、僕の憧れの人なんだ。思わず見蕩れちゃうくらい綺麗な操縦で、実際に本人とも話したんだけど、
凄く優しくて、誠実な人で…僕の取り留めのない話も真面目に聞いてくれて…」
「………」

400:『cantabile』
11/02/10 20:10:55 a+edQAIY


クレアが、「空の一族」に連れ去られてから、一年半ほどした後。
「イスラ」のシルクラール湖で『海猫』と偶然会い、話をしたカルエル。
彼から聞いた話は、彼自身のことも、彼の持つ空戦技術のことも。
今では全てがカルエルの力となり、彼の行動指針にも取り込まれていた。
そして、この話はクレアにさえ秘密であるが、カルエルは『海猫』にクレアの話を打ち明けていた。
クレアとの出会いや、彼女への想い、カール王子とニナ・ヴィエントの関係。そして別れ。
全てを聞いて、『海猫』は。
―君は、自分よりクレアのことが大切なんだね。
―だから憎しみを捨てられた。それは素晴らしいことだよ。
と。
言ってくれた。
気休めの同情ではないことは、一目瞭然だった。心の底から共感してくれたのだと分かった。
クレアが去ってから一時も心休まらなかったカルエルだったが、彼との会話はその重くなった心を
幾分かは軽くしてくれたような気がした。
そして今、助けだすことの出来たクレアを前にして、カルエルは思う。
―「聖泉」で助けてくれたことは勿論、彼と出会うことが出来たから、こうしてクレアを取り戻すことが出来た、
と考えるのは行き過ぎだろうか。もしそうだったとしても、彼を目標に追いつき、追い越そうとすることで、
彼が自分にしてくれた心遣いに、少しでも応えたい。例えそれが、独りよがりなものだとしても―

401:『cantabile』
11/02/10 20:11:24 a+edQAIY


「とにかく、僕はあの人みたいな飛空士に―ううん、あの人みたいな大人になりたいと思ってるんだ」
「…すごい人なんだね、『海猫』さんって」
「うん!」
まるで憧れの英雄を夢中で語る子供のようなカルエルに、クレアは母性をくすぐられ、柔らかく微笑む。
同時にクレアに些細な疑問が浮かび、思わずカルエルに訪ねてみた。
「ねぇ、カル。その人って…女の人?」
「え? ううん、男の人だけど…」
「そう、よかった…」
「? どうして?」
「だって、カルがその人のことを話している時って、すごく楽しそうで、目がキラキラしてて…
もしその人が女の人だったら、カルのことを取られちゃうかも知れないって思ったら、恐くなっちゃって」
「そんな! そんなことはないよ! だって、僕は、その、クレアのことしか、考えられないから…」
「カル…」
「クレア…んっ」

402:『cantabile』
11/02/10 20:12:10 a+edQAIY




 気づけば、クレアの唇がカルエルのそれと重なっていた。
音も立たないような、静かな、添えるような口づけ。
数秒もしないうちに、クレアの方から顔を離し、瞼を開ける。
カルエルの瞳に、クレアの切なそうな表情が映る。
「カル…私、私は…カルのことが好き…」
「クレア…」
「一人じゃ何も出来なかった私に、あなたは声を掛けてくれた。
私の持っていないものを沢山持っていたあなたは、私に色んなものを与えてくれた」
仲間。思い出。そして―この想い。
カルエルにとって大切なもの。それは同時にクレアにとっても大切なもの。
「あなたの全てを奪った私なのに、あなたは私に『生きろ』と、そう言ってくれた」
王族という地位を。最愛の母親を。カール・ラ・イールの名前すらも革命によって奪い去った。
殺されても仕方ないとさえ思っていたクレア。自分のことを忘れて欲しいとすら思った。
でも、カルエルは許した。ニナ・ヴィエントを。彼自身を。憎しみを。
クレアが誰よりも大切な、自分よりも大切な人だから。
「私を奪い返しに来るって言ってくれた時、別れの後、涙が止まらなかった。嬉しくて嬉しくて、
いつまでも涙が止まらなかった」
でもカルエルは覚えている。自分の言葉に、笑顔で「待ってる」と言ってくれたことを。
「あなたは、私の全てを変えてくれた。でも、私はあなたに、何もしてあげられなかった」
そんなことはない。カルエルは思う。
彼女と過ごした「イスラ」での日々は、今も宝石のように輝いて、自分の中に眠っている。
「だから、私は…私の全てをあなたにあげたい」
クレアは、カルエルから視線を離さず、真っ直ぐに見つめる。
カルエルも顔を赤らめながら、目尻に涙をたたえた野葡萄色の瞳を見据えている。
「私の想い。私の身体。私の心。私の全てを」
クレアの瞳から零れた水が、涙となって頬を伝っていく。
「カル」
クレアは、精一杯の勇気を振り絞って、目の前の愛しい青年に告げた。

「私を…あなたのものに、してください」

403:『cantabile』
11/02/10 20:12:46 a+edQAIY




 「ん…ふ、ぅん…」
ベッドに腰掛けたまま、カルエルとクレアは口づけを交わす。
互いの唇を軽く擦り付けるようにして、相手の感触を確かめていく。
「…んっ、ぁ…ふ…はぁ…」
(クレア…クレアっ…)
唇を交わす度に、カルエルの中に点った火が激しく燃え上がる。
抱きしめたクレアの柔らかな身体。唇の感触。顔をくすぐる彼女の吐息。爽やかな髪の匂い。
その全てが、カルエルを狂わせていく。
「…ふぁっ、んっ、ちゅっ、はぁっ、ちゅ」
次第に擦り合わせるだけのキスから、互いの唇を吸い合うものに、そして舌を絡めたものに。
二人の気持ちが高ぶるのに合わせて、口づけは激しくなっていく。
「…はぁっ、はぁっ、んっ、ちゅば、カルっ、は、んちゅ、カルっ」
「…ちゅっ、ん、クレア…ふ、んっ…クレア…」
互いの名前を呼び合いながら。
二人は互いを求めていく。
「ちゅぶ、んっ、ふぁ、ん…ちゅっ、ちゅば、はっ…んっ、あっ」
クレアの頭の中を、電気が走ったかのような刺激が起こる。
カルエルが、クレアの胸のふくらみを、下からすくい上げるように触っていた。
「…んっ、やぁ、あ、カル、そこは…んっ」
「クレア…嫌だった?」
「う、ううん…嫌じゃない…んあっ、カルの手が…んんっ、私のを、触ってる…はっ、んあっ」
カルエルが自分に触れている。
その事実が、クレアに与える快感をより強く、より激しいものにしていく。
「…あ、んっ、ふぁ、ん! はぁ、ふぅ、ん…」
服越しにクレアの柔肉を愛撫していくカルエル。
そうしているうちに、クレアの快感に震える声をもっと聴きたい、

404:『cantabile』
11/02/10 20:13:07 a+edQAIY

もっとクレアと触れ合いたいという気持ちから、彼女に告げた。
「クレア、服、脱がすよ」
「…うん」
返事を待ってから、一つ一つブラウスのボタンを外して、紺のロングスカートに手をかけると、
ゆっくりとそれを脱がせていく。
脱がせている間、恥ずかしさからかクレアはぎゅっと目をつぶっていた。
そんな姿も可愛らしく、カルエルはその様子にも心を踊らせた。
やがて、ブラウスとスカートを取り払われ、下着姿のクレアがあらわになった。
カルエルが再びクレアを抱き寄せようと両手を開くが、クレアに制止される。
「…待って」
するとクレアは、震える手でブラとショーツを脱ぎ、今まで座っていたベッドにゆっくり仰向けになった。
「クレア……すごく綺麗だ」
クレアの裸体はまるで、計算されて創られたかのような、芸術的な美しさだった。
自分が彼女を抱くことで、それを壊してしまうのではないか、そう考えてしまうほどに。
「ありがとう…でも、カル…そんなに見つめないで…」
「ご、ごめん!」
カルエルの視線に耐え切れなくなり、思わずそんなことを漏らしてしまうクレア。
「カルも…服、脱いでほしいな…」
「うん、わかった」
言われるままにカルエルも服を脱ぎ、クレアの上に覆いかぶさる。
「そ、それじゃ…触るね」
「うん…いいよ」
カルエルはクレアの身体に密着すると、両手でクレアの乳房をゆっくり、乱暴にならないように
円を描くようにして揉みあげていく。
「んんっ、はぁ、あっ、んっ、ふぁ」
「クレアの胸…すごく柔らかい」
触れると吸いつくように瑞々しくて、軽く力を入れるとゼリーのように形を変え、力を抜くとふるんっと
元の形に戻る、クレアの乳房。
服の上からさわった感触とは全く違うそれに、カルエルは夢中になっていく。
片方の胸に顔を寄せると、白く美しい肌に舌を這わせ、ピンク色の頂きに唇で吸い付いた。
「…あぁっ、んあっ、…んっ、んんっ! カル…あっ、赤ちゃんみたい…は、あんっ」
与えられる快感に震えながらも、夢中になって乳房にしゃぶり付くカルエルの髪を、
クレアは優しく手で梳いていく。
彼に対する愛しさがどんどんと込み上げてくる。

405:『cantabile』
11/02/10 20:13:33 a+edQAIY


―いつか私も、こうやってこどもに自分のおっぱいを与える日が来るんだろうか。
―カルと私のこども。何人でも欲しい。
―それで家族みんなで仲良く暮らせたら、どれだけ幸せだろう。
―そうなれれば、っ、!?

今までより一段強い刺激に、クレアは意識を戻された。
いつの間にかカルエルがクレアの下半身まで移動して、彼女の秘処に舌を這わせていた。
「あんっ、ふ、ああっ、だめ、カルっ、んあっ、そんな、ところ、きたないっ、から、あっ!」
「大丈夫だよ、クレアにきたない所なんてどこにもない。ここだって」
「でもっ、あっ、んやっ、ふああ、そんな、んっああ!」
カルエルの舌が触れる度に、快感が秘処から頭へと一直線に駆け上がってくる。
身体が弛緩して、力が入らない。
やがて、体中が麻痺したかのような感覚と共に、身体がふわふわと浮き上がりそうな感覚も覚え始める。
「はぁ、はぁ、っ、クレア、もっと、気持ちよくなって…」
「ふああっ、んあっ、や、ああ! だめ、んっ、こん、な、は、あんっ!」
どれくらいそうされただろうか。
クレアは幾度となくやってくる刺激に晒されて、ついに。
「んあっ、な、なに、あっ! これ、ふあっ、なにか、なにかきちゃう、はあっ、んあっ」
「いやっ、カル、んああっ、こわい、カルっ、ああっ、んっ、ふあああっ!」
体中を痙攣させて、クレアはついに達してしまった。

406:『cantabile』
11/02/10 20:13:54 a+edQAIY




 「…うっ、ひっ、うう…」
「…ごめん、クレア」
カルエルは後悔していた。
自分の愛撫で彼女が敏感に反応してくれることが嬉しくて、つい歯止めが効かなくなってしまったからだ。
クレアの身体に夢中になって、彼女が恐がっているのを気づいてやれなかった。
女性の「達する」とは、カルエルには理解し得ないものではあったが、純真な彼女のことだ、
きっと今まで、自分を慰めるという行為すら知らなかったであろう。
恐らく、こんな生理現象は初めての経験だったに違いない。
そして、彼女を泣かせてしまった。
「ほんとにごめん。もう絶対、こんな勝手なことはしないから」
「…ひっく、ううん、違うの…」
「え?」
「その…さっきみたいなの、初めてだったから。ちょっとびっくりしちゃっただけ、だから」
「でも…」
「カル、心配してくれてありがとう。でも、もうほんとに大丈夫」
クレアは芯の強い女性だ。その彼女がそう言うのだから、ほんとに大丈夫…なんだろう。
そう考えを纏めると、念を押すかのようにクレアに言った。
「…そっか。でも、嫌なことだったら言ってね。僕はクレアに嫌な思いなんて、絶対させたくないから」
「うん、ありがとう」
いつも見せる穏やかな笑顔をカルエルに向けると、カルエルもようやく心配そうな表情を崩した。
一瞬の沈黙の後。
「クレア…その、いいかな」
「うん…きて」
軽く口づけを交わすと、カルエルは再び彼女に覆いかぶさった。

407:『cantabile』
11/02/10 20:14:15 a+edQAIY


「クレアって、こういうこと、初めてだよね」
「う、うん」
「女の人の初めてって痛いって聞くから、なるべくゆっくりやるつもりだけど、クレアも出来るだけ、力抜いてね」
「うん」
「本当に痛かったら、我慢しないで言ってね」
「カル、お願い」
「? なに?」
「ぎゅって、抱きしめて」
「ん、わかった」
言われたとおり、カルエルはクレアの華奢な身体を抱きしめた。すぐにクレアもカルエルを抱きしめ返してきた。
カルエルは自身に手を添えて、クレアの入り口に先端を当てると、ゆっくりと先へ進んでいく。
「…ひ、うぐっ、んっ…くうっ…」
クレアの苦しそうな声が聞こえてくる。
「クレア、大丈夫?」
「…うん、平気。もっと力を入れてもいいよ…、っ」
「わかった」
それから時間をかけて、少しずつクレアの中に入っていった。そして。
「クレア。多分、最後の壁まで来たと思う」
「…はぁ、はぁ、う、うん…」
長時間、少しずつ痛みを感じてきたクレアは息も絶え絶え、見るからに疲労していた。
「それじゃ、クレア、行くよ…!」
「うん、きて、カル」
クレアの言葉を聞いて、カルエルは今まで少しずつ進めていた腰に力を入れて、一気にクレアの膜を貫いた。

408:『cantabile』
11/02/10 20:15:14 a+edQAIY


プツッ

「くああっ! ひ、うぐっ…はぁ、はぁ…」
カルエルとクレアの繋がった場所から、一筋の血が流れ、シーツに模様を作った。
二人は荒い息を吐きながら、抱き合っていた身体を離し、お互いの顔を見つめた。
「クレア、繋がったよ。僕達…」
「…うんっ、私達、やっと一つになれたんだねっ…」
二人が離れ離れになってから実に四年半近く。
ずっと、夢見てた瞬間だった。
「クレア、まだ痛むだろうから、それが引くまで、こうしてようと思うけど―」
「ううん、大丈夫、カルの好きなようにして、いいよ」
「で、でも」
「…私ね、今感じてるこの痛みも、大切なものだと思ってる。だって、あなたを、私の初めての人として
受け入れることができた証だから」
「クレア…」
痛みは今も続いているはずなのに、クレアは笑顔を崩すことなく、カルエルに語り掛ける。
「痛いのがいいって言うわけじゃなくて、でも、それがあなたから与えられるものだったら、それは
私にとって、とてもかけがえのないものなんだって、そう思う」
その言葉ひとつひとつから、クレアのカルエルに対する健気な気持ちが、伝わってくる。
それを受けて、カルエルは。
「…わかった。それじゃ、動くね」
「うん」
「でも、なるべくクレアが痛みを感じないようにするから。やっぱり、好きな女の子が痛い思いをするなんて、
僕には受け入れられない」
「うん。…きて、カル」
一番奥まで突き入れた自分自身を、ゆっくりと前後に動かし始めた。

409:『cantabile』
11/02/10 20:15:44 a+edQAIY




 「…あっ、んあっ、ふ、ああっ、はあ、ん、あんっ!」
カルエルが動き始めて、少し経った頃。
クレアの声も、表情にも、甘いものが混じり始めていた。
「クレア、痛く、ないの?」
「うんっ、あんっ、ふあっ! ほんとに、んあぁ! きもち、いいっ、んっああぁ!」
二人の結合部から、止めどなく透明な液体が溢れ出てくる。
カルエルが腰を動かすたびに、ぐちょぐちょといやらしい音と、ギシギシとベッドが軋む音が部屋中に響いた。
「んあっ、あっ、んはぁ! あっ、あっ、ふああぁ!」

―クレアがだらしなく開けた口元から涎を垂らし、視線もどこか宙を泳いでいる。
違う角度で彼女の中を突くと、一段高い声を上げて自分の腕の中で艶めかしく躰が踊る。
普段は大人しくて、清楚なクレアが快感に煽られ、女の表情を見せている。この僕だけに―

そう思うと、カルエルは知らず知らずに独占欲と支配欲を刺激され、己の怒張をさらに膨らませる。
その変化にも敏感にクレアは反応した。
さらに、カルエルは色んな角度で腰を動かし、クレアの喜ぶ場所を探していった。

410:『cantabile』
11/02/10 20:16:08 a+edQAIY


「んああぁ! そこ、いいっ、カルっ、きもち、いいよぉ、あ、はぁ!」
「クレア、ここ? ここがいいの?」
「うんっ、うんっ、そこいいっ、ふああっ、んっ、すごいぃ!」
やがて、クレアの弱点を見つけたカルエルはそこを集中的に攻め始めた。
感極まって、一突きされる度に達してしまいそうなクレアは堪らず、カルエルの身体を引き寄せ、唇を奪った。
「…んんっ、ちゅっ、んあっ! は、ぅむっ、ちゅぶぶ、カルっ、すきっ、あっ、すきぃ、ふああっ!」
「はぁ、はぁ、クレアっ、んっ、僕も、好きだ、クレアっ、ちゅ、好きだっ」
愛の言葉を紡ぎ合いながら、二人は行為に没頭していく。
互いの身体を強く抱き寄せ、片手は指を絡ませながら繋いで、上と下の粘膜を重ね合わせながら、
二人は一つになっていく。
何もかもが融け合って、自分と相手の境界が分からなくなっていく。

「クレアっ、僕、もう…」
「あんっ! ふあっ、カルっ、きて、このままっ、んあっ、いっしょに、ひあぁっ!」
カルエルのストロークがどんどん早くなっていく。
体中を密着させて、クレアの中をかき混ぜていく。
クレアの言葉を受けたカルエルは、彼女と一緒に果てることしか考えることが出来なくなった。
そして。
「…うっ、くっ! クレア!」
「んあぁっ、もう、だめっ、ふあぁ! カルっ、あっ、ああぁ! んっ、あああああああっ!」
カルエルは自身をクレアの一番奥に突き入れて。
クレアは脚をカルエルの腰に絡ませて。
二人は一緒に、果てた。

411:『cantabile』
11/02/10 20:16:38 a+edQAIY




 どれくらいまどろんでいたのか。
クレアは意識を取り戻すと、ゆっくりと瞼を開いた。
「おはよう、クレア」
すると、すぐ隣からカルエルが声を掛けた。
「カル…うん、おはよう」
クレアも返事を返しながら、体ごとカルエルの方に向き直る。と、
カルエルは全裸だった。そして、自分も。
「――っ!!」
そのことに気づいた途端、先程までの睦事をはっきりと思い出したのか、クレアは体中を真っ赤に染めて
頭からシーツを被り、ベッドの中に潜ってしまった。
「~~~~~っ」
「クレア、どうしたの?」
カルエルが不思議そうな顔で、シーツの上部を少し捲ると、クレアが鼻先より上を覗かせて、
目線だけをカルエルに向けた。
「カ、カル…私達」
「ん?」
天然なのかワザとなのか、カルエルはクレアが恥ずかしがる様子に、頭の上に疑問符を浮かべるばかりだった。
「その…さっきの」
「あぁ、エッチしたこ―」
「こ、言葉に出して言わないでっ!」
カルエルの言葉を遮ると、自分の胸が見えないように、クレアはシーツから顔を出した。
「その、カルは…私のこと、軽蔑してない?」
「え? なんで?」
「だって、私、あんなに乱れて、大きな声も出しちゃって…はしたない女だと思うでしょう?」
「全然?」
クレアの質問に、なぜそんなことを聞くのかと言いたげな表情でカルエルは返す。
「ほ、本当?」
「うん。むしろ、すごく可愛かった」
「~~~っ! カル、からかわないでっ」
「からかってなんかないよ。ホントのことだもの」
「…カル、何か余裕が出来たみたいでちょっと、くやしい…」
「そうかな、自分ではよく分からないけど」
そんなカルエルの様子を見ながら、クレアの頭の中に一つの不安がよぎる。

412:『cantabile』
11/02/10 20:17:01 a+edQAIY


―英雄色を好むと言うけれど。王族もその範疇に含まれるのだろうか。
女性を手玉に取るカルエル。自分だけではなく、他の女性とも―

クレアはすぐさま首を振って、おかしな考えを振り払った。

―カルエルは自分を取り戻すために、今まで全力を尽くしてくれた。
彼は私を選んでくれたのだ。そのことにもっと、自身を持たなくては―

「そうだ、クレア」
唐突に声をかけられて、クレアの意識はカルエルへの向けられた。
「なに? カル」
「実は、受け取って欲しいものがあるんだ」
「?」
心なしか、先程までの余裕のあるカルエルとは打って変わって、身体が固く、緊張しているように見える。
カルエルは一回大きく深呼吸すると、覚悟を決めたように小さく頷いて、ベッドに付いている小さな引き出しから、
こぶし大の真っ白な立方体型のケースを取り出して、クレアの前に差し出した。
そして、脇についているボタンを押すと、ケースが真ん中から横開きに開いた。
そこには―

413:『cantabile』
11/02/10 20:19:39 a+edQAIY


「カル、これ…」
「うん、空軍のお給金で買ったんだ。新米だからまだ実入りも少なくて、大した物は買えなかったんだけど…」
そこには、よどみのない銀色をたたえた飾り気のない指輪が、ライトの光を受けて、まばゆく輝いていた。
「僕はまだ飛空士としては未熟で、男としてもまだまだ足りないものがいっぱいあると思う。
君に苦労をかけたり、辛い思いをさせてしまうこともあるかも知れない。でも、そうさせないために
僕は今以上にがんばる。飛空士としての腕も磨いて、人間としてももっと成長して、
いつかは養父さんや『海猫』さん以上の男になってみせる。絶対に君を幸せにしてみせる! だから」
練習してきた言葉とはちがうものが、クレアへの想いが、自然と口から流れ出てくる。

―自分の言葉に嘘は一つもない。クレアと約束して。必ず奪い返すと約束して。それを成し遂げたように。
いつか絶対、成し遂げてみせる。そして、もう二度と君を手放したりなんかしない。だから―

「クレア。僕と、結婚してほしい」

「…っ、…カルっ…」
クレアの瞳から、涙が一筋、二筋、いや、どんどんと溢れ出てくる。
「…うんっ…うんっ…!」
出てくる嗚咽を止められない。カルエルに対する感情を、止められない。
「私、もっ…ひっくっ…あなたが…あなたにっ…ひぐっ…」
伝えたいことが中々言葉に出てこない。カルエルは真剣な表情で返事を待っていた。
クレアはゆっくりと深呼吸をして、気持ちを何とか落ち着かせてから、再び口を開いた。
「私も、あなたとずっと一緒にいたい。十年経っても、二十年経っても、…おばあちゃんになっても、
あなたとずっと同じ道を歩いて、同じ空を飛んでいたい。いつも賑やかで、笑顔が耐えなくて、どんな
辛いことでもみんなで乗り切っていける、そんな家族を、カルと一緒に作りたい。だから」

―いつまでもあなたへ、私の歌を…恋の歌を、あなたへ歌い続けたい。だから―

「カル。私と、結婚してください」


414:『cantabile』
11/02/10 20:20:09 a+edQAIY



   †††

 四ヶ月後。
バレステロスへと戻った私達は、沢山の人達に祝福されながら、結婚式を挙げた。
ウェディングドレスを着た私を見て、カルは、綺麗だと目を輝かせながら褒めてくれた。
教会で誓いを立て、リングを交換して、誓いの口づけを交わした。
そして、私達は『家族』になった。
そう。
私の中には、もう、新しい命が宿っている。
カルと初めてを共にした夜。
その時私は、彼の子供を授かっていた。
最初その事実を知った時、私もカルもとても驚いたけど、すぐに抱きしめ合って喜びをかみしめた。


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