【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ9球目at EROPARO
【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ9球目 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/10/22 23:06:22 yL7nVtRG
過去スレ
【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ7球目
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3:名無しさん@ピンキー
08/10/22 23:06:55 yL7nVtRG
このスレでのお約束事

・基本sage進行(メール欄に半角でsage)
・気に入らないカプやシチュ及び荒らしには爽やかにスルーで対応
・パクリ作品駄目絶対
・マターリエロエロやっていきましょう


4:名無しさん@ピンキー
08/10/22 23:48:36 8dcqyz5H
乙バッチー!

5:名無しさん@ピンキー
08/10/23 06:34:22 yoV2Ao1g
1乙!
たくさん投下があるといいな

6:名無しさん@ピンキー
08/10/23 13:43:23 a2tiXSqg
いちおつ

7:名無しさん@ピンキー
08/10/24 22:17:30 40nV5ge0
11巻でチアもキャラ立ってきたし、ダンス部・姉妹ズも出たし、新カップリングにwktk

8:名無しさん@ピンキー
08/10/24 23:20:10 EaDEwKb6
現時点でも新キャラの女の子バリエーション豊富だよね
そのうち、野球部員とも仲良くなるだろうから楽しみ

友井紋乃:
7組絡みでアベアヤ、ミズアヤ、ハナアヤ
応援団絡みでハマアヤ、ウメミア、カジアヤ、マツアヤ

小川美亜:
7組絡みでアベミア、ミズミア、ハナミア
応援団絡みでハマミア、ウメミア、カジミア、マツミア

深見智花:
応援団絡みでマツチカ、ハマチカ、ウメチカ、カジチカ

野々宮翔子:
応援団絡みでマツショコ、ハマショコ、ウメショコ、カジショコ

越智先輩
ハマオチ

友利先輩、双子姉妹、栄口姉、も誰かとカップリング

9:名無しさん@ピンキー
08/10/25 00:13:01 a6DwmdvE
紋乃ちゃんはショートカットで髪縛ってるから田島の好みストレートっぽいなと思った。背も低いしね

双子は双子同士でいかが? さすがに高2→小学生?はきついかww

10:名無しさん@ピンキー
08/10/25 19:56:02 SOqmAHrO
前スレうめてからに…て、過疎だしなあ…

11:名無しさん@ピンキー
08/10/26 22:16:02 pKkokP5h
前スレが埋まっていませんが、スレを跨ぐと読みにくいのでこちらに投下します。

・前スレ>>642-646の続きスヤチヨです。
・巣山がやや手フェチ?だったり、篠岡が妄想気味だったりします。

苦手な方はスルー願います。

12:スヤチヨ 13
08/10/26 22:16:46 pKkokP5h

練習を終えると、巣山は一足先に部室を抜け出した。
真っ暗な階段を一段ずつ上がる。
足元でスニーカーの靴底が、静まり返った校内にぎゅっと耳障りな音を立てる。
誰もいない校内に響くラバーの摩擦音は、どうにも居心地が悪い。
巣山は思わず身を聳やかせて、静寂を破らないよう足音を忍ばせた。
目的の階で顔を上げると、廊下にはどこからも明かりは洩れていなかった。
巣山は、静まり返っているいくつも並んだ教室の扉を前に、深い溜め息を吐いた。

今日の朝練終わり、ベンチで荷物を纏めていると、篠岡からそっと話しかけられた。
「あれ」以来、できるだけ近付かないよう、目を合わせないよう努めていたからか、
篠岡からも殆ど話しかけられることはなくなっていた。
それが突然、話がある、という。

『練習後に七組の教室で待ってる』

篠岡はそれだけ囁いて、何もなかったように巣山の傍を離れた。
他の部員に気付かれるどころか、巣山の返事すら待たなかった。

あの時以来、随分露骨に接触を避けてきたから、きっとそのことだろう。
どうして、そんなことをするのかと、問われるのに違いない。
巣山は気が重くなった。
いつか、こういう日が来るだろうとは思っていた。
その時がずっと来なければいいと思い、同時に、来るなら一刻も早く来てくれた方がいいとも思った。
覚悟を決めなければと思いながら、けれど実際、篠岡に話があると切り出されると、
差し込む暗鬱は拭えなかった。

七組の教室にも、明かりは点いていない。
男子部員より先に上がった篠岡は、もう軽く一時間は一人で待っているはずだった。
暗がりで、一体なにを思っているのだろう。
一体どんなことを言われるのだろう。

巣山は細く息を吐くと、扉に手を掛けた。

       *

篠岡は窓際の一番後ろの席に座っていた。
巣山が教室に入ると、振り向いて立ち上がる。

「上がったんだ。お疲れさま」
「お疲れ。―待たせて悪い」
「ううん、私が誘ったんだもん。巣山くんこそ、皆と用があったりしなかった?」
「いや。別に」
「ならよかった」

少し笑ったようだった。
窓の外から差し込む淡い光が逆光になって、表情はよく見えない。
篠岡の輪郭だけが描き出され、白いシャツの袖が青白く光る。


13:スヤチヨ 14
08/10/26 22:17:49 pKkokP5h

篠岡はしばらくなにも言わず、両手を自分の前でやんわりと組んだ。
指先同士が重なり、覚束ない様子で爪を擦って落ち着かない。
躊躇いが手に取るようにわかった。
けれど待たされる分だけ、巣山は居た堪れなさに苛まれることになる。
止めを刺されるなら早い方がいい。
いっそ一思いにやってくれ。
巣山は半ば自棄だというように、自分から訊いた。

「話があるんだろ。なに」

篠岡が弾かれたように顔を上げる。
言い掛けて、篠岡がどう切り出せばいいのか考えてまた俯く。

「あの…」

篠岡が口を開くのを黙って待つ。
かすかに傾げられた小首と、小さく揺れた髪の影を見ながら、巣山は内心で思う。
なにを思われていても、どんな言葉を投げつけられても、それが篠岡から向けられる言葉なら、
自分は黙って受け止める。
実際、それだけのことを、篠岡にしたのだから。

「あの時。…少し前に、私が指を切った時のこと、覚えてる?」
「ああ」
「巣山くん、私の手取って、…舐めた…よね。…どうして?」
「……」
「私、あの時、すごくびっくりして」
「そう」
「…すごく怖くて、…痛くて…」

篠岡の両肩が小さく震えて見えた。
両手を胸元で握り合わせ、顔を上げてこちらを見る。

「どうして、あんなことしたの?」
「悪い」
「謝って欲しいんじゃない。私は理由が知りたいの」

ああ。どうしてだろうな。
理由なんか、多分ない。ただ、そうしたかったからだ。
でも、そんな答えじゃ篠岡は納得しないだろう。誰より自分がそうだ。

「ねぇ。教えて」
「わかんねぇ」
「どうして?」

篠岡は、困惑から、子供のようにどうしてを繰り返す。
巣山は暗澹とするあまりに、この場のことがかえって他人事に思えた。
現実味を失って、感情まで淡々と凪いでいく。
答える声は、妙に落ち着いた響きになった。

「どうしてか、オレが一番知りてぇよ」
「そうやって、またはぐらかすの?」
「はぐらかす?」
「だってそうでしょ。巣山くん、全然答えてくれない!」

篠岡は急に声を荒らげた。握り締められた掌が、小さく震えている。
巣山は驚いて、思わず言葉が出なくなった。


14:スヤチヨ 15
08/10/26 22:19:09 pKkokP5h

「あの時も『おかしいんだ』なんて言って笑って。全然答えになってなかったよ。
 私、わからなくて、あれからすごく考えて、悩んで」

篠岡はままならない感情にゆるゆると首を振る。
下ろした髪が肩口で揺れる。
薄闇の中で俯く佇まいは、酷く頼りない。

「頭の中がめちゃくちゃだよ。なのに巣山くんは全然平気な顔してて。
 なんにもなかったみたいな顔して、みんな忘れちゃったみたいにしてて。
 私のことなんか全部無視で…。そんなの、ずるい…」

声はどんどん小さくなり、今にも落ちそうな木の葉のように揺らいでいる。

「どうして、巣山くんは平気なの。どうして、私ばっかり巣山くんのこと考えるの?」

電流が走ったように、身動ぎも出来なくなる。
巣山は思わず目を瞠って篠岡を見た。
篠岡は泣く寸前の小さな子供のように、肩で息を継いだ。

「あんなに驚いたのに、…怖かったのに、どうしてこんなに巣山くんのことで頭がいっぱいになるの?」
「……」
「どうして、私、こんなにおかしくなるの?」
「篠岡…」
「巣山くんがおかしくしたんだよ。ねぇ、どうして?」

篠岡が両手で顔を覆った。
巣山は鳩尾が痺れたようになって、しばらく篠岡を見つめていた。
動揺に震える篠岡はいたいけで、今すぐにもこの腕に閉じ込めてしまいたくて、
巣山は突き上げる衝動に喉が渇いてゆく。

「教えてよ…」

問い続ける声が涙で揺らぐ。
巣山は取り乱す篠岡に、内心で問い返す。

―なぁ篠岡。篠岡こそどうして、オレのあの行為にそんなにも乱される?

怒るのでも気味悪がるのでもなく、動揺するのは、どうして。
窓辺で立ち尽くす篠岡の方へ、巣山はゆっくりと足を運んだ。
一歩一歩、近付くごとに心臓がうるさく脈打つ。
掌をきつく握り、声に妙な抑揚が表れないように、巣山は慎重に言葉を継いだ。

「…確かめてみるか? 篠岡」
「え…?」
「どうして、そんな風にあのことばかり考えるのか。もう一度―」

そんなに知りたいというのなら。
自身の内側に起こる感情が、一体なんなのか。
あの時と同じように手を重ね、指を絡めて。掌に唇を、舌を這わせて、確かめてみればいい。

もっとも、そうしてみた後で自身の内に呼び起こされるだろう衝動を、
もう一度抑えられる自信は、巣山にはない。
確かめたら最後、引き返すことはできないだろう。
それでも、自身の心の奥底を覗いてみる勇気が、もし篠岡にあるのなら。


15:スヤチヨ 16
08/10/26 22:20:15 pKkokP5h

篠岡の中にある感情が、一体なんなのか。オレも知りたい。
ゆっくりと歩いて、篠岡に近付く。あと数歩。手を伸ばすにはきもち遠い。
僅かな距離を残して立ち止まる。

「―どうする?」

乾いた唇で呟くと、篠岡はゆっくりと顔を上げ、躊躇いながら手を伸ばして来た。
巣山の手に、指先が覚束なく重ねられる。
いいのかと問う前に、篠岡が手指を深く絡めた。
潤んだ目が静かに揺れている。
篠岡が小さく頷く。潤んだ目が静かに揺れていた。
かすかに怯えながら、しかしそこにはなにかを待っている従順さが湛えられている。
巣山は組み合わせて捉えた指の先に、小さく口付けた。
篠岡が小さな吐息を零した。

戯れるように啄み、手を解きながら甲に唇を落とす。
浮いた骨に弱く歯を当て、表情を見ながら指の付け根に舌を捻じ込むと、
篠岡は息を飲んでかすかに眉根を寄せた。
手を返して、掌を開かせる。
柔らかい中心に大きく口を開いて噛む真似をし、それから音を立てて吸った。

「……っ」

あの日の、乾きかけた血の跡を思い出して、軽く舐める。
脳裏に鉄錆の感覚が蘇って、巣山はあの日と同じように舌を這わせ、ゆっくりと指へと進んだ。
中指の先。薄暗い教室では、跡が残っているのかもよくわからない。
けれど、あの日、確かにここから血が流れ、巣山を逆上させた。
舌先を尖らせ、抉るようにそこを舐める。
口内に指全体を誘い込み、舌全体で包むようにすると、篠岡が小さく呼気を零した。

「ん…」

静かな教室に、かすかな水音が大きく響く。
わざと音を立てて舌を使うと、篠岡は羞恥に顔を伏せて額を巣山の肩に押し付けた。
寄せた小さな肩が自分の胸に納まる。

「巣山くん、私、おかしいよ…」
「なにが」
「怖いのに、…すごく怖いのに、続きが…知りたくて…」

確かめるように顔を覗くと、篠岡の長い睫毛が淡い影を作って震えていた。
苦しそうにかすかに乱れた息を継ぐ。

「…触って欲しくて…、もっともっと、って…」
「……」
「こんなの、おかしい」

篠岡は泣きそうに表情を崩して言う。
巣山が黙って見つめて続きを促すと、篠岡は今にも涙の零れそうな目で、縋るように見つめ返した。

「こんなの変だってわかってるけど、自分でもおかしいって思うけど、でも…、
 私、巣山くんのことが、好き」



16:スヤチヨ 17
08/10/26 22:20:57 pKkokP5h

自分はおかしいのだ、と自嘲したあの日から、巣山の日常は感情を殺すことで過ぎた。
きっと篠岡に気味悪く思われているだろう、蔑まれるのならそれもいい。
皮肉な諦めで心を満たして、けれどそれを誰にも悟られないように、平静を努めた。
話があると呼び出された時も、最悪の結果をばかり思ったのだ。

なのに、篠岡は巣山のことが好きだという。

「おかしいのは、私の方だよ…」

よく出来た冗談みたいだ。
しゃくりあげる篠岡を見つめたまま、巣山は確かめるように思う。
空いていた手で篠岡は何度も涙を拭っている。
好きで、もっと触って欲しいと思う自分に戸惑って、篠岡は泣く。
こんなのは卑怯だ。かわいくて、堪らなくなる。
思わず手を伸ばして、ぎゅっと抱きしめた。
篠岡は、かすかな声でもう一度、好き、と言った。


教室の窓に背中を預けて、篠岡が小さく喘いだ。
唇を合わせながら、胸をまさぐる。
シャツの裾から掌を忍び込ませて背中を辿ると、篠岡は意を悟って凭れていた背を心持ち浮かせた。
ブラのホックを外し、その下の肌を探る。
胸のふくらみをやんわりと包むと、肌が掌に吸い付いてくる。
柔らかい胸が手の中で形を変える。
シャツをはだけさせて、その頂きに唇を落とすと、篠岡は苦しそうに息を止めた。
舌の先で舐め、転がすように愛撫する。
先が反応してかたくなり、篠岡はかすかに身悶えするように身じろいだ。

「ん…」

巣山の後ろに回された手が、何度もシャツを握り締めるのがわかる。
足元で小さく、きゅっと音がした。
靴の爪先が床を踏み、踵が不自然に浮き上がってはまた下ろされる。
篠岡が自分を抑えようと、無意識にしているのだろう。
巣山はその仕草に一気に昂ぶり、身体中が熱くなるのを感じた。

スカートの中に手を滑り込ませると、篠岡はにわかに怖じた様子で腰を引いた。
巣山はそれを追うように身体を密着させると、下着の上から指を這わせた。
「あ…っ」
湿りを帯びたそこに、指を強く押し付けるように愛撫する。
やがて小さく硬いそれの感触を見つけ、指の先で優しく撫でた。

「や…っ、そこ…、や…ぁ」

身体は与えられる刺激に素直に反応を返し、細い腰が揺らめいている。
篠岡が擦り合わせるようにして閉じた両膝に、巣山は半ば無理やり足を割り入れた。
足を開かせ、下着の隙間から指を差し入れる。
「や、…」
わざとぬかるむ中心に触れず、ぬめる指で芯の周りを誘うように辿る。
粘膜のくぐもった濡れ音が耳を打ち、篠岡の声が更に甘く高まった。

「はぁ…、あ…ん」

乱れていく篠岡がかわいくて、少しだけ意地悪がしたくなる。
巣山は篠岡の耳に口を寄せ、乾いた声で低く囁いた。


17:スヤチヨ 18
08/10/26 22:21:56 pKkokP5h

「どうする?」
「…巣山…くん?」
「今ならまだ引き返せる」

上目遣いに巣山を見る篠岡の頬は、薄闇の中でもはっきりと紅潮しているのがわかる。
近くで目を見合わせると、篠岡の目にはそれまでになかった色が浮かび、
零される乱れた熱い吐息には、あきらかな艶を帯びている。

「…ずるい…よ、そんなの…。もう…」
「もう…?」

巣山は先が欲しくて焦る気持ちを抑え込み、篠岡の言葉のままを聞き返して追い詰める。
篠岡は巣山が先に進まないことを悟ると、視線を揺らしてくしゃりと表情を歪めた。
わずかな逡巡の後、乱れた息を吐き出し、篠岡は巣山にきつく抱き付いた。
篠岡から唇を合わせ、深く口付けられた。
差し入れられた舌がたどたどしく巣山を誘い、懸命に巣山の官能を煽ろうとしている。
目尻に溜まった涙がかすかに光って、理性は音を立てて切れた。



恥ずかしがる篠岡を無理やり、机に押さえ込む。
指を中に差し入れる。指を増やし、動かして奥をほぐすと、篠岡は胸を喘がせた。
「は…」
いやらしい水音が巣山の興奮を煽る。
張り詰めたものを宛がうと、篠岡は息を飲んだ。
そのかすかな呼気さえ、甘く溶けて巣山を刺激する。
圧し掛かるように侵入すると、中は狭くて、そのきつさに眩暈がする。

「―っ」

篠岡の顔が歪む。痛みに、掌が肩を掴んで握り締められている。
巣山は動きを止めて、掌をそっと重ねる。
ゆっくりと解き、篠岡の手を口許に運ぶと、その右手にキスをする。
「ふ…」
中指を咥え、舌で柔らかく包む。口腔全体で優しく吸うと、篠岡は小さく息を吐いた。
次第に身体の緊張が解ける。巣山は身体を奥まで進めた。

締め付けられて、今にも達しそうだった。
熱くて、頭が真っ白になる。
「篠岡」
呼ぶと、篠岡が重そうに瞼を上げた。
大丈夫と答えるように、巣山の首に腕を伸ばす。


篠岡の中は溶けそうに熱く、肌は身体の奥の熱を伝えるように火照った。
「あぁ…あ、…んっ」
粘膜が擦れる音に、篠岡の堪えきれない嬌声が交じる。
奥を突き、身体を引くと、篠岡の柔らかい中が絡みつくように応える。
まるでそこが蠢き、飲み込まれるようで気が遠くなる。
徐々に高まる射精感を堪えて、巣山は何度も篠岡を突く。
篠岡の細い体はがくがくと揺さぶられながら、欲望を受け入れ、その熱を飲み込み、更に増幅して応えた。


18:スヤチヨ 19
08/10/26 22:22:34 pKkokP5h

「ふぁ…、あ…っ」

喘ぐ声が跳ね上がり、篠岡の限界に近いことを教える。
快感に支配されているのか、篠岡はもう目を瞑ったまま、ただ意味を成さない声だけを零している。
その声が、更に巣山を追い上げる。

「は、あ、あ、あぁ…」

篠岡の身体が、髪が、胸が、巣山の律動で揺れ、思考に白く靄がかかる。
「や…ぁ、ん…んんっ」
足元からぞくりと官能が這い上がり、巣山は身震いする。
欲しいまま貪り、果てなく昂ぶる。
「はぁ、あ…、もう…っ」
篠岡の身体がぶるぶると震え始め、足が巣山に纏いついた。
もっと深くと求めるように、腰をきつく絡めた。

「も…う…っ」
「篠岡…っ」
「あぁ…、あ、あ…、―っ」


       *




19:スヤチヨ 19
08/10/26 22:24:19 pKkokP5h

「ふぁ…、あ…っ」

喘ぐ声が跳ね上がり、篠岡の限界に近いことを教える。
快感に支配されているのか、篠岡はもう目を瞑ったまま、ただ意味を成さない声だけを零している。
その声が、更に巣山を追い上げる。

「は、あ、あ、あぁ…」

篠岡の身体が、髪が、胸が、巣山の律動で揺れ、思考に白く靄がかかる。
「や…ぁ、ん…んんっ」
足元からぞくりと官能が這い上がり、巣山は身震いする。
欲しいまま貪り、果てなく昂ぶる。
「はぁ、あ…、もう…っ」
篠岡の身体がぶるぶると震え始め、足が巣山に纏いついた。
もっと深くと求めるように、腰をきつく絡めた。

「も…う…っ」
「篠岡…っ」
「あぁ…、あ、あ…、―っ」


       *




20:スヤチヨ 20
08/10/26 22:25:33 pKkokP5h

動きを止めると、篠岡は堪えていた息を吐き出した。
しばらく首筋に顔を埋めていた篠岡が、掠れた声で囁く。

「巣山くん、好き…」

巣山は咄嗟に言葉が出なくなった。
「好き…」
言われるたび、胸がいっぱいになる。
鳩尾が痺れていく。巣山は奥歯をきつく噛み締めて、細く息を吐いた。
「大好き」
篠岡は歌うように言う。
巣山は、汗が浮いて張り付いた篠岡の前髪をそっと払った。
篠岡が蕩けそうな表情で目を細める。巣山の手を取り、指先を優しく絡めた。
巣山は取られた手を逆に引き寄せて、指先に口付ける。
やがて好きにさせていた篠岡が、その手をするりと解いた。
指先をそっと伸ばし、辿るように巣山の頬を撫でる。

「この間、叩いちゃってごめんね。痛かった?」

巣山は首を振って答える。

「あれはオレが悪い。篠岡こそ、怖かっただろ」
「少し。でも手に触れられるのはすごく好き。
 巣山くん、前に私の手褒めてくれたことがあったでしょ。あの時も、すごく嬉しかった。
 だからこの間のことも、私の手心配してくれたのかなって思うと、怖かったけど、今は嬉しいの」

一方的に怖い思いをさせられたのに、篠岡はそんな風に言う。
巣山は覚えず目を瞬き、篠岡をまじまじと見た。
そもそも以前、篠岡の手を褒めたことを、覚えていてもらえるとも思っていなかった。
篠岡の底のない優しさに、巣山は眩暈にも似た、いとおしさが突き上げる。

「…篠岡。好きだ」
「うん」
「もうずっと前から…、本気で、おかしくなるくらい」

血を吐くような気持ちで呟いたあの日。
篠岡は、巣山の告白に凍り付いたように言葉を失っていた。
けれど。今、目の前にいる篠岡は、同じ言葉を聞いて、表情を綻ばせた。

「おんなじだね」
「同じ?」
「私もあれからずっと、巣山くんのことばっかり考えて、おかしくなりそうだったもん」
「……」
「ううん、多分、今もずっとおかしいままだよ、私。もっと巣山くんのこと知りたくて、
 もっともっと巣山くんに触って欲しくて、今でもずっと苦しい」
「篠岡…」
「私達、きっとお似合いだよ」

まだ紅潮の残る頬を柔らかく笑ませ、篠岡は静かに言葉を継ぐ。
潤んだ目で巣山をみる篠岡がかわいくて、巣山は胸の底にあたたかい感情が滲むように溢れた。

巣山はやっと心の底から穏やかな気分で、篠岡を抱き締めた。




21:名無しさん@ピンキー
08/10/26 22:28:37 pKkokP5h

終わりです。

過疎の埋め草のつもりだったのだが、
19の重複投下など、色々gdgdですいませんでした。
最後に、投下途中にレスくれた方、ありがとうございました!

22:名無しさん@ピンキー
08/10/26 23:59:26 hI2CBoG0
GJGJGJ! 惜しみなくGJ!

巣山最後まで気持ち伝えないつもりかとちょっとハラハラしてたら
最後グっと締めてた! もう超GJ!

23:名無しさん@ピンキー
08/10/27 18:28:38 pvDgbshg
GJ!
久々に潤った感!
ありがとでした。


24:名無しさん@ピンキー
08/10/28 22:43:26 l6FJVVvi
うぃき管です。

スヤチヨを手フェチとしてまとめさせてもらいました。
タイトルも判別のためこちらで振らせてもらってます。

不都合あればお知らせ下さい。

25:名無しさん@ピンキー
08/10/29 02:15:48 xOCjrp82
>>24
管理人さんいつも乙です

スヤチヨ職人も超GJ!いいエンドで良かった・・・
埋め草と言わずこれからも投下してくだされ!

26:21
08/10/29 22:11:31 9Ao5wA0x
感想レスくれた人ありがとう
嬉しかったですー

>>24
すばやい更新作業乙です
タイトルやシリーズ名付記など、問題ないです!
関連SS、すごく見易くまとまってると思います
ありがとうございます!

27:名無しさん@ピンキー
08/11/01 22:12:00 IyLaNOZ0
保守

28:名無しさん@ピンキー
08/11/02 12:12:49 /aax3WGg
pixivで「おおきく振りかぶって R-18」と検索してみたがモモカン以外の女子勢には出合えなかった

……絵はスレ違いですね

29:28
08/11/02 12:43:55 /aax3WGg
訂正、見直したらそんなこともなかった

再度スレ違いごめん
絵スレ……は無いみたいですね

30:名無しさん@ピンキー
08/11/06 08:53:38 MG3rwOFw
保守


31:名無しさん@ピンキー
08/11/07 16:02:39 M28Bsrvx
個人的には絵も見たいからロダ借りて来てそこにうpってのもいいと思うけど
絵は身バレの可能性があるからなぁ
投下する絵師はあんまりいなそうだね

32:名無しさん@ピンキー
08/11/08 01:49:10 Y+kcRdg+
うん。絵も見てみたいけど、難しいだろうな・・・。
というよりも、絵師さんがいるスレってかなり珍しいっていうか。

それと前スレをどうにかしないとな。まだもうちょっと容量残ってる。

33:名無しさん@ピンキー
08/11/12 01:28:10 0I/Q6A2w
誰でもいいから何か書いて

34:名無しさん@ピンキー
08/11/17 09:08:38 9ITHg8B/
ほしゅ

35:名無しさん@ピンキー
08/11/22 07:11:30 /4QleFIV
やっぱアフタ出て、何か動きが無いと過疎っちまうな…

36:名無しさん@ピンキー
08/11/22 16:28:27 kIOp6luU
スレ住人もそろそろ年末に向けて忙しいんだな
と前向きに?解釈することにした。
年明ける頃には投下も…コンスタントにあるといいな

37:名無しさん@ピンキー
08/11/25 05:50:58 xtJSDoV8
8球目消えたー
誰か何か書いて読みたい

38:名無しさん@ピンキー
08/11/25 16:14:34 RRgRdzh/
書きたい人はブログやサイトで個人的にやってるんじゃないかな

39:名無しさん@ピンキー
08/11/25 21:25:50 /zPqVH7U
どんなのが読みたい?


40:名無しさん@ピンキー
08/11/25 22:16:17 rZx/FOzF
水谷が



41:名無しさん@ピンキー
08/11/25 23:26:10 IZn03/Zo
千代と

 ↓

42:名無しさん@ピンキー
08/11/26 00:31:19 2Whklw/c
部員の前で公開プレイ
結局乱交

43:名無しさん@ピンキー
08/11/26 03:06:42 QpF2FHdf
いや、そこは衆人環視のままの方がおいしい

44:名無しさん@ピンキー
08/11/26 10:42:14 nMn22Yvn
パンツ脱いでご近所さんにツーホーされるんですね。
わかります。

45:名無しさん@ピンキー
08/11/26 15:32:07 nE4dBcpH
>>43

賛成

46:名無しさん@ピンキー
08/11/29 06:57:13 bnn72NpM
ニーズを無視して保守代わりにシガモモ。ただやってるだけ。
----------
「くっ……!」
鎖骨をなぞるように唇を滑らされて思わず声が出てしまう。
その間も無骨な指が脇の下を辿りながら乳房には触らずにそのすぐ下、
肋骨の上を薄い肉と皮膚が覆うだけの場所をゆっくりと何度も撫ぜる。
平生の長い講釈が鳴りを潜めたかのようにこんな時この男はいつも無口だ。
その代わりに愛撫は長く、そしてしつこい。
「ん、あふっ」

今まで寝たことのある男達は決まって私の大きな胸ばかりを攻めてきた。
しかしこの男にはそういう様子があまりない。
鎖骨、背筋、鼠頚部、足首、耳の裏。
普段の生活では触られることがほとんどないために慣れてない、
しかも肉付きが薄い場所から触れていく。
そうして私の体が出来上がった頃になってようやく両胸を揉み、先端を弄るのだ。
「んはぁ、ふ、あ」
もう既にとろとろになって溢れ出しそうな私の中に触れるにも、
この男は周辺であちらこちらへ指を遊ばせ、私がたまらなくなって腰をくねらせてから
ようやく芯を捉え、そして内壁へと触れていく。
殊更に指を動かさなくてもくちゅくちゅと音を立てて迎え入れる私の中は、
もう男のものを待ち望んで涎を垂らしている。
眼鏡を外すといかつさが更に増す男の顔が、ふ、と笑みで崩れた。
ここに至りようやく愛撫から開放され、のぼせながら荒く息を吐くけれど
スキンをつけ終えた男はすぐに私の中へと体を沈めてきた。
「は、あ、あっ、あ」
抱えられた腰を揺らされ、男の腰の動き以上に私の膝が跳ねる。
激しい動きではないのに全身が熱を持ったように熱く、口から喘ぎがこぼれるのは
それまでに体がすっかり出来上がっているからなのだろう。
終わってからならばそう分析できるのに、最中にはそんな理論的な思考など出来ない。
ただ体が欲する快楽のために腰を動かし、嬌声を上げ、
何もかもわからなくなるまでそれを繰り返す。それしか出来ない。

「志賀先生」
情事が終わり、ようやく口を開けるようになってから呼びかけると
既に眼鏡を掛けて身支度を整え始めた男が顔を向ける。
「なんですか、百枝監督」
「今日も私だけ先にいかせて、ご自分はいってらっしゃらないんじゃないですか?」
一瞬怪訝な顔をすると、男は静かな微笑で口を開いた。
「それは大した問題にはなりませんよ。自分でいくのは二の次ですし、
いつも部のために頑張ってもらっている監督に少しでも悦んでもらえるなら、ね」
その余裕ある態度をいつか崩してやりたいとは思いながら、
いつも崩されるのは私の方だということを再確認しただけだった。
恋愛などではなくただ体だけの情事ではあるけれど、崩されるだけなのは性に合わない。
次こそ私が翻弄してやる。

47:名無しさん@ピンキー
08/11/29 22:20:55 /SPUUbZN
えろーいワクワク (0゚・∀・) テカテカ

48:名無しさん@ピンキー
08/11/30 20:33:34 0MfkGDK5
おお、シガモモ投下乙!
ありそうで、意外に見ない組み合わせだな。
大人のエロいいよー!また是非!

49:名無しさん@ピンキー
08/12/03 00:26:21 4W38cvk9
ほしゅ

50:名無しさん@ピンキー
08/12/03 14:15:03 dPpbofgB
書いてみたくなったんだが、浜チヨとか微妙かなー?

51:名無しさん@ピンキー
08/12/03 23:37:09 mn9CfduO
>50
需要大

52:名無しさん@ピンキー
08/12/04 01:31:57 bRibI8Cy
望む所だ

53:名無しさん@ピンキー
08/12/07 06:52:09 4KaXn3Fe
読みたい

54:名無しさん@ピンキー
08/12/08 02:22:11 cgev1e7z
越智の下の名前って出た?なんと呼ばせればいいんだかわからん

55:名無しさん@ピンキー
08/12/11 10:40:29 6kh6RIHu
越智先輩は名字しかでてないよ。
ほっしゅ

56:名無しさん@ピンキー
08/12/13 16:04:17 Q97iq9vH
「越智・・・」って苗字で呼んだほうがエロイ

57:名無しさん@ピンキー
08/12/18 00:11:04 SkiPY66a
ほしゅ

58:名無しさん@ピンキー
08/12/19 14:18:18 +ZOMNBHB
阿部の誕生日も何もなかったのでクリスマスに期待してます。
それとも年末のイベントに向けて職人様忙しい?

59:名無しさん@ピンキー
08/12/19 23:46:44 cD5v6ERF
ここは阿部スレじゃねーよ

60:名無しさん@ピンキー
08/12/20 10:07:32 S86VnVoK
浜田の誕生日も何事もなく済んだしね

61:名無しさん@ピンキー
08/12/20 11:12:05 te6bou3U
前もそうだったけど「阿部以外で」とか書かれたらやりにくい

62:名無しさん@ピンキー
08/12/20 11:29:24 97ZaD46n
URLリンク(dl.illusion.jp)

63:名無しさん@ピンキー
08/12/20 11:31:22 WiokDrxD
書きたいように書いて読みたいのだけ読めばいい


64:名無しさん@ピンキー
08/12/20 18:28:51 ZLGO6MT5
>>61
わざわざ浜田の誕生日に>>58みたいなこと書くから
叩かれたんだと思うが

65:名無しさん@ピンキー
08/12/20 20:53:05 Tv2ut1h+
誕生日まで気にして書き込みしろってことですね

66:名無しさん@ピンキー
08/12/20 23:52:44 kmJ865V6
なんかよく分からないけど阿部にやたら厳しい人いるよね。
とりあえず書き手さんの邪魔はして欲しくないな。

67:名無しさん@ピンキー
08/12/21 01:38:32 EKBgnMH6
浜田誕生日だったのか
それはおめでとう


68:名無しさん@ピンキー
08/12/21 20:47:42 E5WAWEvU
>>65
阿部の誕生日がどうのと書かなければ、気にしなくていいんじゃない?

69:名無しさん@ピンキー
08/12/24 15:49:16 aW2wdoQu
誕生日とかクリスマスとか期待しちゃうけど
雑談も難しいんですね……

70:名無しさん@ピンキー
08/12/24 18:31:13 0L3pnm9q
これだけ指摘されてるのに何がダメだったか理解しないんだな
阿部厨頭悪すぎ

71:名無しさん@ピンキー
08/12/24 19:37:10 bADI4tZ6
もう投下する職人様いないんじゃないの?

72:名無しさん@ピンキー
08/12/24 23:52:09 t86gPcl/
書いてはいるけど、投下までたどりつけない
やっぱり年末は忙しいよな

73:名無しさん@ピンキー
08/12/25 00:30:30 Tq8bG3nb
まったりと待とうね。とにかくさ。

74:名無しさん@ピンキー
08/12/25 09:47:13 CgYkoo5u
阿部厨を目の敵にしてるやつももうすこし空気よめ

75:名無しさん@ピンキー
08/12/28 10:05:10 vEahRXhv
>>43
衆人環視のママ?
やっぱり水谷×ママンが一番だよな

76:名無しさん@ピンキー
08/12/31 02:07:45 gm6Zc+eb
今年一年、SS投下してくれた職人さん達ありがとう
来年もよい年になって、スレにぼちぼち投下がありますように
と保守

77:名無しさん@ピンキー
08/12/31 04:48:04 9Anc4Hei
流れを読まずに投下。
チヨ→アベ
キャラ崩壊注意。
一応コミックス未読者は退避願います。

78:チヨ→アベ
08/12/31 04:49:31 9Anc4Hei
今日はミーティングのみだったため普段より早い時間に
野球部の面々は校門へと自転車を押し進めていた。
そのうちの一人がケータイの画面を見たまま固まっている。
「どーしたのー? メール?」
「え、あ、うん。友達が待ってるみたいだから私戻るね。
 じゃあみんな、また明日」
「うーい、おつかれー」
「おつかれっすー」

もと来た方へと向かった篠岡は9人の姿が見えなくなるのを確認してから
もう一度ケータイを開いた。
『話がある。部室で待ってる』
用件だけの簡潔なメールの差出人は、データ整理のために残ると言っていた阿部だった。

話って何だろう……
阿部くんのことだからデータのことだよねきっと。
でも二人きりになることなんて滅多にないからちょっとラッキーだね。

「おつかれさまでーす」
はやる気持ちを抑え、明るい声を出して部室へ入って行くと
阿部は畳の上にノートを数冊広げ、あぐらに頬杖をついて見入っていた。
背中を向けたまま「おつかれ、悪いな」と一言。
篠岡は慎重に戸を閉めたあと、阿部の肩越しにノートを覗き込んだ。
「どこか間違えてた?」
「んー、いや……」
……、
……?
髪が肩にかかりそうなくらい近くにいるのに
阿部はどこかを見つめたまま動く気配を見せない。
「あのー阿部君? 話って?」
阿部君のことだから野球の話なんだろうけど。
篠岡は阿部の正面に回って座った。
「あ~~~、あのさ」
一度顔を上げたもののまたすぐに視線を落として言った。
「その……付き合ってるヤツとか、いる?」

!!

79:チヨ→アベ
08/12/31 04:51:30 9Anc4Hei
え、え、え、それって、それってどういう意味?
まさか阿部君も……?
ううんでも阿部君に限ってそんなことはない。ないない。
それはいつも見てる自分が一番よく知っている。
「ど、どうしてそんなこと聞くの?」
チ、と小さく舌打ちしてから横を向いたまま答えた。
「三橋が……篠岡のこと好きみてーなんだけど」

…………はい?

「オレの勘なんだけど確かだと思う。
 ほら、あいつって何かってーとすぐグルグルすっけど
 そばにいて支えてやれる人間がいたら男としての自覚もできて
 もう少し安定するんじゃないかと……」

阿部の御託を篠岡はもう聞いていなかった。
足元が音をたてて崩れるような感覚を覚え、畳に両手をついた。
そう、私が一番よく知っていた。
この人の頭の中には野球しかないんだってこと。
どうして、どうしてこんな人のことが好きなんだろう!

うなだれたまま動かない篠岡の手元に、パタッと何かが落ちる音がした。
「お、おい篠……、!?」
歯と歯が当たりガチッと音がすると
次の瞬間には押し倒された阿部の上に篠岡が馬乗りになっていた。
阿部は状況を理解しきれずただ押し付けられる身体と唇とを受け止めていた。
かすかに血の味がする。
「!? !?」
「阿部君……」
耳元で篠岡が囁く。息がかかる。
「……いいよ、三橋君とお付き合いしても。
 でもね、そういう関係になってこういうことするようになった時、
 私がうまくリードしてあげなくちゃいけないよね……?
 自信をなくして投球にまで支障をきたすようになっちゃ困るでしょ」
静かな低い声と密着する身体から感じる熱。心地よい重さ。
どこか現実味がない。
「だから阿部君も協力して……」
「な……」
言葉を遮るようにもう一度、今度は優しく口づけをした。
絡ませる舌と受け止め応える舌。
身体が中心から少しずつ熱くなってくる。
「ん……」
かすかな息遣いだけが部室に広がった。

どうしてこんなことをしているんだろう……
ぼうっとした頭の片隅でそんなことを思うがもうどうでもよかった。
二人は考えることを放棄した。

80:チヨ→アベ
08/12/31 04:55:03 9Anc4Hei
篠岡は黙って阿部のベルトに手をかけた。
カチャ、という金属音がやけに響く。
取り出したモノを前に逡巡している彼女の手を取り彼は自身を握らせる。
「こう動かして、そっちの手はこっち」
2人ともとても冷たい手をしていたが それ はとても熱かった。
ゆっくりと手を動かすとだんだん硬度を増していき
先端から透明な液体が滴ってきた。
舌をのばしてペロッと舐めてみる。
「ぅわっ」
「えっ」
「……ワリ。続けて」
全体を口に含むとさらに硬くなる。
「ん、……ふ」
ぎこちない篠岡の手の上に右手を重ね
左手で後頭部を押さえ逃げられないようにしてから扱きだした。
「んっ、ん、ぅ……」
「く、」
だんだん速くなる動きに、歯を立てないようにするのが精一杯だった。
「~~~~~~!!」
口中に発射されたそれを篠岡は必死で受け止め、涙目になりながらもなんとか嚥下した。
「……わりぃ」
「いいの。大丈夫」
頬をほんのり上気させ微笑んだ彼女の顔は、初めて見る顔だった。
部活もクラスも同じで毎日顔を合わせているのに。
また俯いて先端に残る液体を舐めながら言った。
「阿部君が気持ちよかったら嬉しい」

81:チヨ→アベ
08/12/31 04:55:46 9Anc4Hei
阿部はなおもくわえようとする篠岡をひきはがし畳に押し倒した。
無茶苦茶にリボンを外しブラウスをたくし上げブラジャーをずらすと胸を隠す手があった。
「やだ、見ないで……」
「なんで」
「~~~胸、ないから、恥ずかしいっ」
「大きさなんて関係ねーだろ」
抵抗する両手を頭の上で左手でひとつにして押さえると
彼女のささやかな胸があらわになった。
抜けるように白く、頂はピンクに色付いている。
「うまそう……」
「えっ」
阿部は吸い寄せられるように先を口に含んだ。
「あ……っ」
もう片方も愛撫しながら舌を転がすとまた声があがる。
肌理細やかな肌を堪能しつつ右手をゆっくり降下させ
スカートを捲り下着の中まで到達するとビクッと身体が揺れた。
しかし抗議はなさそうなのでさらに進める。
割れ目にそって指を入れるとそこは濡れてはいたが
未だ固く侵入者を拒んでいるようだった。
阿部はチ、と小さく舌打ちをして身体を起こすと
おもむろに下着を抜き去り、篠岡の太腿を抱え上げた。
「え、やぁ……っ、あぁっ」
抗う隙を与えず花芯に舌を絡ませ目の前の蕾を揉みしだいた。
「や、あ……やめ、てぇ……あっ」
言葉とは裏腹に声は熱を孕み蜜を溢れさせる。
指を這わせ刺激を与えるたびにピクンと身体が跳ねる素直な反応が可愛くて
ずっと続けていたかったがこんなうまそうなモノを前にしてそう我慢できるはずもなかった。
いただきます、と心の中で呟きながら篠岡の中に自身を沈めていった。
「! た……」
「わりぃ」
「いいよ……気に、しないで、好きなように、動い……て」
涙を浮かべ辛そうな顔をしながらも笑顔でそう言った。
篠岡のそこは狭くきつく締め上げられ阿部も痛かったがもう止められなかった。
再奥に到達して一度息を吐いてからゆっくりと動き始める。
「ん、ん、はぁ、あ……」
篠岡の甘い声と結合部から漏れる卑猥な水音が蛍光灯に照らされる。

82:チヨ→アベ
08/12/31 04:59:13 9Anc4Hei
やべー、すげぇ気持ちいい
オレ……何でこんなことしてんだっけ
篠岡ってこんな、顔も、するんだな

阿部君と、しちゃってるんだよね、私……
たぶんこれが、最初で最後
ちゃんと切り替えるから、お願い、
今だけは私を見ていて

「痛いか?」
篠岡の頬を伝う涙を親指で拭う。
柔らかな微笑を浮かべ首を振ると手をのばし阿部にキスをねだった。
融けてしまいそうなキスだった。

限界が近い。
動きが早まるにつれ嬌声も高くなる。
「あっ、あっ、は、……ん、」
「篠岡、オレもう」
「あ、阿部く、ん、あべくん、……き……」
「篠岡、しの、おかっ……、……あぁあッ!!」
直前で引き抜くと篠岡の腹の上に派手に欲望をブチ撒いた。
荒い息遣いが部屋を支配する。

「……………ごめん」
「あはははっ」
「?」
「さっきから謝ってばかりだよ」
「そうか?」
手早く後始末と着替えを済ませた篠岡はもういつもの篠岡だった。
のろのろと服を着ている阿部の前に立つとさっと右手を差し出す。
反射で手を出し握る阿部。
「約束は守るよ。じゃあね、また明日! おつかれ!」
にっこり笑って踵を返し鍵を開け颯爽と部室を去っていった。

「なんだ鍵閉めてあったのか、
 じゃねー、約束って何だ? ……」
『いいよ、三橋君とお付き合いしても』
「あれか? そもそもどうしてそんな話に……あ」

最初に馬鹿なことを言ったのはオレか。
でもあいつ三橋と付き合うって?
オレとこんなことしといて?
練習台は数のうちに入らねェってか!
クソ、女って、女ってわっかんねェ!!

阿部は身体の奥と掌に残る熱を握りしめて盛大に舌打ちをした。

83:名無しさん@ピンキー
08/12/31 05:01:41 9Anc4Hei
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。

84:名無しさん@ピンキー
08/12/31 05:05:53 9Anc4Hei
>>77
ごめんコミックス未読者じゃなくてアフタ未読者だった

85:名無しさん@ピンキー
08/12/31 18:34:35 +pQELb16
>>77-83
GJ!いいもん読めた
エロいし、うまそうといただきますで笑った。こんな時にもそれ言うか

86: 【大吉】 【143円】
09/01/01 22:06:49 7P6qLDoH
アベチヨ好きだから、読めて嬉しかったよ
でも、ちょっとストーリーが性急やな……


87:名無しさん@ピンキー
09/01/03 23:36:38 1TKSppl2
慌ただしい年末年始に投下してくれるなんて乙すぎる!
積極的な千代いいな
いい年始になった。ありがとう!

今年もいろんな作品が読めますようにー

88:名無しさん@ピンキー
09/01/07 22:15:14 6V4GSxbB
ほしゅ

89:名無しさん@ピンキー
09/01/10 11:34:48 uK+0hb/k
エロ少なめなのにやたら長いアベチヨ前提の水谷失恋話を投下してもいいでしょうか?

90:名無しさん@ピンキー
09/01/10 15:07:19 PldeKRAw
OK待ってる!

91:名無しさん@ピンキー
09/01/10 17:02:20 jFYcTHtq
サイトでやれば?

92:名無しさん@ピンキー
09/01/10 19:32:40 5ur2Y1ON
>>89
超待ってる

93:名無しさん@ピンキー
09/01/10 23:37:13 /nzoSSgX
是非お願いします!

94:名無しさん@ピンキー
09/01/11 00:01:18 uK+0hb/k
89です。
大変申し訳ない。不快にさせてしまう方もいるみたいなので、今回は自重します。

待ってると言ってくださった方にもすみませんでした。
またいつかちゃんとスレの主旨に添ったものを投下します。

95:名無しさん@ピンキー
09/01/11 00:27:25 M/5RUlqA
書きたいものをただ書いて、無心で投下するのが吉。
お伺いを立てる必要はなし。
受ければ絶賛のレスがついて、ダメならスルーされる。

カモーン

96:名無しさん@ピンキー
09/01/11 09:09:49 qZ1tm5LN
>>94
あなたみたいに投下するそぶりを見せておきながら少し批判されたぐらいで投下止めますーってのが一番ガッカリする

97:名無しさん@ピンキー
09/01/11 22:09:21 Bvlk3EfK
>>94
SSの内容の問題じゃなく、
~の需要はあるか?みたいな「誘い受け」レスが
嫌がられたんじゃないのかと思う。

元々いろんな人の集まる場所だから、
~ってアリ?と聞けば、
アリとナシ、両方の意見が出るのは当たり前。
趣味や嗜好の違う全員に楽しんでもらえるSSなんて多分ない。
だから、どんな内容でも注意書き添えた上で突然投下でいい。
またなにか書いたら、次は意向とか聞かず
ガンガン投下してくれると嬉しい。

98:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:28:41 uWKBfy1U
もう二度とこなくていいよ

99:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:41:55 uLeItuPg
カリカリしてる人が多いなあ。みんなカルシウム摂れよ。
人を選びそうなものを落とすぜ。ケダモノ注意。
----------
ご主人様がお風呂から出てきたので尻尾を振って待っていたのに、
「あーハイハイ、アイちゃんいい子だねー」って頭をおざなりに撫でただけで
ベッドに寝そべって何かをぱらぱらめくっている。
ご主人様は「やきゅう」というのに熱心なのはいいのだけど、
最近私のことを構ってくれない。
何度か連れてってもらった外で見た「やきゅう」は確かに楽しそうだったけど、
それでご主人様が私を邪魔にするのはなんだか気に入らない。

ベッドに前脚をかけてよじ登り、ご主人様の足の裏をぺろりと舐める。
「っひゃっ! あ、アイちゃん、だめよ、メっ!」
ご主人様は起き上がると私を抱き上げてくれたけど、
ここんとこずーっと私、ほうっておかれたんだから。勘弁してあげないんだから。
前脚でご主人様の胸をつんつんと軽くつつく。
身を捩じらせたご主人様は私を落っことした。ひどーい。

「ああ、ゴメンゴメン」
私の頭を撫でようとしたその手を舐める。
指の間を何度も舐めると、ご主人様が上げた声がなんだかさっきと違う響きになってきた。
私もご主人様も女の子ですからね、気持ちいいところはお見通しなんですよ。
ご主人様が油断している隙に再びベッドへと上がりこみ、ご主人様のキャミソールの中へ潜った。
ご主人様、出かけない日のお風呂あがりはブラつけませんものね。
「あ、ちょっと、アイちゃん、ダメよ、あぁっ」
おっきなおっぱいをぺろぺろ舐め回しながら時々前脚でたしたしっと叩くと
ご主人様の声がどんどん甘くなって、下からはオンナの匂いがしてきた。
ご主人様、気持ちいーんだ。

100:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:43:01 uLeItuPg
すっかり仰向けになったご主人様の体から後ろ脚とお尻でよちよち降りると、
脚の間をぺろぺろ舐めてオンナの匂いのする方へと近づいていく。
「あふ、あ、アイちゃん、んん、も、イタズラしちゃ、ダメ」
そうおっしゃいますけどね、普通なら私をさっさとどかすはずのご主人様は
今私のされるままで無抵抗なのは気持ちいいからでしょ?
薄い布越しにぺろぺろ舐めていくと、ご主人様の声はどんどん甘く色っぽくなって、
オンナの匂いも強くなっていく。ご主人様の体が熱くなっていくのがわかる。
どんどん舐めていくと、急にご主人様の手が私を押さえつけた。
怒られると思ってビクッとすると、ご主人様はすっかりびしょびしょになった下着を脱いで
手を後ろについて上体を支えるようにして座るともう一度足を開いた。
「アイちゃん、今度は直接。ね」
はあいご主人様、もっと気持ちよくしてあげますからね。

さっきと同じあたりを舐めると、ご主人様の中からしょっぱい水が溢れてくる。
舐めているうちに反応が他のところと違う、ぷっくり膨らんだ場所を何度も舐めると
ご主人様の声は人間というより動物のそれに近づいてきた。
「アイちゃん、そこ、そこが、っは、い、イイのぉっ」
メス犬仲間として、もっともっとご主人様を気持ちよくしてあげる。
「はぁ、も、やぁ、ああん、あ、ああああーっ!」
ご主人様の腰がビクビクっと跳ねて、それからぐったりと動かなくなった。


「……っていう夢を見たんだ」
「いやー、エロ話は泉と水谷で2トップかと思ってたのに」
「まさか沖がねえ」
「そんなオヤジ向けエロ小説みたいな内容をなあ」
「しかもモモカンとアイちゃんってことはレズと獣姦ダブルかよ、根が深いぜ」
「沖、何か心配事があるんなら言いなね、相談に乗るよ」
仲間の哀れむような目を受けながら、沖は盛大にため息をついた。
----------
夢オチでゴメン。沖ゴメン。じゃあの。

101:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:51:31 slD6YLz0
吹いたwwwww沖wwww
GJ !!

102:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:09:03 Vn7eeOe7
流れを読まずに投下。
>>78-82のチヨ→アベの続きのチヨ×アベ。
キャラ崩壊、バカップル注意。
一応アフタヌーン未読者は回避願います。
6レスほど頂きます。

103:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:10:20 Vn7eeOe7
「わーすごいね、阿部くん! 懐かしいな、これ持ってたよ」
椅子に座り勉強机に頬杖を付いて、自室に女子がいるという不思議を感じながらオレは
野球関係の本棚の前から動かない篠岡の背中を眺めた。
「あー、あの選手の引退特集な。いいこと言ってんだよな」
「ショートの神様と言われた人だもんね」

どういう話の流れか、気付いたら篠岡とヤッてた次の日も
あいつはいつもと変わらない態度でオレに接してきた。
した事は夢だったのかと思うくらい、ただの一選手とマネジだった。
気まずくなっても恋人面されても困るところだったから
オレも黙ってそれに乗った。

三橋とは相変わらずで、夏に比べればずいぶん話せるようになったが
篠岡に告白するつもりはあるのかといった類の話なんてできるはずもない。
ただ、部活以外でのキョドりにイライラすることは減って来たらしい。
どういう心境の変化だと栄口に聞かれた。
知るか。チッ。

とにかく。
この1ヶ月は何の動きもなかったのに、昨日いきなり用があると言ってきたので
練習休みの今日、オレはこいつを自分の家へ連れてきた。
外で会ってるところを誰かに見られても困るしな。
「どれでも持ってっていーから。
 何か相談があったんじゃねェの」
「あっ、そうだった!」
やっと振り向いた篠岡は肩にかけていた鞄をおろし、中をごそごそと漁った。
「あった。ほら、これ!」
買ったばかりのCDでも見せびらかすような気安さで差し出したそれは
所謂 ゴム というヤツだった。
オレの顔は蒼白になっていたに違いない。

104:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:11:18 Vn7eeOe7
「なんでンなモン持ってんだよ!!」
「この間はね、たぶん大丈夫だと思ってたんだけど
 やっぱり生理が来るまでは心配で仕方なくて。
 野球じゃないことで試合に出られなくなっちゃダメでしょう?」
「ぐ……」
「着けてみていい?」
「はァ!?」
「お願い! 練習させて?」
いつもなら明るい太陽が似合う彼女の笑顔が小悪魔の微笑に見えた……

返事がないのを肯定と受け取って、篠岡は椅子に座るオレの前に跪き
ベルトを外しジッパーを下ろしていく。
前は余裕がなかったけど改めて見るとスゲー光景だな。
あーもうちょっと待て、オレ。
なんとか引っ張りだしたモノを顔を赤くして見つめる篠岡。
「これ……」
「まだ、無理」
「…………」
篠岡は柔らかさの残るそれを軽く握ってそろそろと顔を近づけた。
ちゅ、と音がするのと「う」と声が漏れるのとが同時だった。
先端部分を味わうようにじっくり舐めた後、少しずつ頬張っていく。
背筋をにじり寄る波から気をそらすように
篠岡の頭をそっと撫でると髪留めがあったので外してみた。
さらけ出された腹に落ちる柔らかい栗色の髪が気持ちいい。
伏せられていた睫がわずかに持ち上がり
頬に掛かった髪を気怠げにかきあげる。
普段の彼女なら決して見せない匂いたつ仕種にドキリとする。
「……く」
「ふふ」
「?」
「阿部君、かわいい」
「か!!」

なんなんだこの女は!
クソッ。負けてられるか!
「んーっ」
ブラウスの上から乱暴に胸をまさぐり先端を揉み潰すと
抗議の(声にならない)声があがるが手と口を離されることはなかった。
それに気をよくしてスカートを捲り下着の奥まで手を這わす。
湿り気を帯びたそこにいきなり指を突っ込み中をかき回した。
「ひゃ、あぁっ!?」
奥は熱く、誘い込もうとするかのように締め付けられる。
「や、あ、あぁん」
「おまえ……」
「へ……?」
「何でもねー。出すぞ」
「えっ、んむっ」
頭を押さえつけた篠岡の口に無理矢理ねじ込み
数回扱くだけで呆気なく果てた。
「んぅ……ん、んんっ」
口を手で押さえしばらく俯いていた篠岡はパッと顔をあげると
眉間にしわを寄せ「ヘンな味ー」と舌を出して笑った。
「味わうんじゃねェ!」
「あはは、
 あ。出ちゃったら……」
二人の視線が股間に集中する。
「もうできない?」
「なワケねー。立って」
オレが左手を出すと篠岡は素直にそれを取った。

105:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:14:04 Vn7eeOe7
無造作に肩にかかる髪、曲がったリボン、だらしなく裾の出されたブラウス。
羞恥に背ける赤い頬。白い鎖骨。
どれもが今までグラウンドや教室で見てきたマネジとは別人だった。
「ジャージ持ってねェの?」
「……今日は持ってないよ。
 …………阿部君のえっち」
「はー? 篠岡ほどじゃねェよ」
「えぇ!?」
「……」
「……」
二人でしばし見つめ合い、同時に吹き出した。

手を軽く引っ張ると篠岡は簡単によろけてきた。
篠岡が椅子に座ってるオレの頭をお腹で抱く格好。
女子特有の細い腰を抱え、深呼吸すると甘い匂いに包まれる。
優しく頭をナデナデされて心地良いが何か違う。
ブラウスのボタンをひとつづつ下から外していった。
ブラジャーのホックも何とか外し、小振りな胸を手中に収める。
「ぁ……」
そーそー、これこれ。
もう片方の胸に口付けし、空いた手は背中から腰、お尻へ。
まだそこにあった下着を忌々しく抜き去ると最奥を探り、
溢れそうな液体を掬い突起の周辺に撫で付ける。
「ふぁ……」
芯を囲うようにゆっくりじっくり円を描くと身悶えし
オレの手を封じるように太腿が閉じられた。
「や、めて」
「離してほしいのか?」
本気で嫌がってるわけじゃねェよな?
この体勢じゃどんな表情をしているのか伺えない。
「……っ」
篠岡の腹に頭を預け、囁く。
「どうしてほしい?」
「……阿部君の意地悪……」
「褒め言葉どーも」
「~~~~っ!」
「しのおか?」
「…………さ、わって」
言っている顔を見られなかったのが非常に惜しいが
小声でもちゃんと言ったのでヨシとするか。
片膝に座らせるとやっと目が合ったのにすぐ逸らされた。
逃がすか。
片手で顎を掴んで強引にこちらを向かせ唇を重ねる。
今日初めてだな、なんて頭の片隅で考えながら。

「はぁっ、あ、あっ、あ……」
遠慮なしに一番反応のいい所を執拗に責め立て続けると
背中に回された両腕に痛いくらい力が込められる。
イっちまえ!
「───っ!」
ふるふるふると痙攣した後全身のこわばりがすうっと消えていった。
支えていないと崩れていってしまいそうだった。
篠岡の重みを全身で受け止めていた。

「阿部、君……」
「気持ち良かったか?」
「~~~~もうっ。そんなこと聞いちゃダメ!」
「……ハイ、すんません」
「ねえ、もう大丈夫かな!?」
復活早ぇなぁ……

106:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:15:29 Vn7eeOe7
篠岡は細い指で小袋をピッと裂いてゴム製品を取り出した。
「い、行きます……」
その手にあるものを見詰めるにはそぐわない真面目な表情に思わず笑ってしまう。
フツーこーゆーのって男が用意するモンだよな?
でもオレが買っといて待ってるってのもおかしな話だ。
わっかんねーなー。
「なんでそこまでするワケ?」
「私の身体だもん、私が気をつけるのは当たり前だよー」
「ふーん。自分で買ったの」
「ナイショ。あげないよー?」
「いらねェよ!!」
「あはははっ。
 できた!よね?」
ゴムを装着できたことを誇らしげに報告する女なんてヘンだ。
理解できねー。

「はい、おつかれー」
膝立ちの篠岡をそのまま後ろ向きにして上半身をとさっとベッドに押し倒した。
辛うじて引っかかっているスカートを捲れば
普段は隠されているそこがゆらゆらと濡れているのが丸見えになる。
「え、す、るの?」
「ちゃんと着けれてるかどうか確認しなきゃわかんねーだろ」
「そういうもの……?」
「んー、まーな」
ここまで来てやめれるかっつーの。
篠岡のお尻に手をかけ狙いを定めると一気に突き挿した。
十分に潤うそこは何の抵抗もなくオレを受け入れた。
「あ……っ」

肌のぶつかる音と水音、荒い息が静かな部屋を支配する。
「声、出せよ」
「……だっ、て」
「いーから」
手を前へと滑らせ、両胸を大きく掴むと堰を切ったように吐息が流れだす。
「……は、あ、あぁ、あ……あべくん……」
何故だか篠岡が泣いているような気がしたので
上半身を起こして振り向かせたが泣いてはいなかった。
一度抜いてベッドを背に胡座をかいた上に座らせる。
「あ、ぁん……」

107:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:17:06 Vn7eeOe7
すぐ近くにとろんと目を潤ませた篠岡がいる。
キスももうずいぶん慣れた。
ずっと抱いていたい。
でもどこかがチリチリと焼け付いている。
駄目だ。
何が駄目なんだ?

「……阿部、君」
「あ?」
「んっ、阿部く、んも……声、出して」
「はー!? 出すかよ!」
「え、ぇ、声、好きなん、だけどな」
「ウルセーもー喋んなっ」
「んっ、あっ、あ、や、ぁんっ」

こいつは~~~~黙ってりゃ結構かわいいのに
なんでこうどっかおかしーんだ。
それに好きなの声だけかよ!
……アレ?
何ならいーんだ?
「あっ、あ、べく、ん……?」
チ、余計なことばっかり考えてたら終わらねェぞ。
何も考えるな! 今はこっちに集中!
目の前の篠岡に……

篠岡の手がオレの両頬を抱え柔らかく微笑みながらキスをしてきた。
おまえ、いつの間にそんな顔するようになったんだ。
ヤベェ。
…………だから何がってんだよ!!!


最後はもう無茶苦茶に篠岡を突き上げていた。
案外胸あるじゃんとか思ってたことは口が裂けても言えない。



108:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:19:43 Vn7eeOe7
「はーーーー」
疲れた、という言葉をすんでのところで飲み込んだ。
「疲れた?」
「はっ、これくれー何でもねーよ」
「ちゃんとストレッチしてね」
「今日休養日だっつうのに……クソ」
器用に髪をまとめ身支度を整えた篠岡はうーんと大きく伸びをした。
ひとり清々しい表情をしている。
「もうしねーからな」
「阿部君」

篠岡はしゃがんでじっとオレを見ていた。
ぴたりと照準を合わせ、放そうとしない瞳に吸い込まれそうになる。
「甲子園、行こうね!」
「お、おう」
あまりにも真剣に言われたのでつい普通に返してしまった。
にこぉ、といつものマネジの笑顔になる。
ちょっとホッとしたのも束の間。
「今日はありがと! じゃあまたね」
チュッと唇にキスを落として篠岡は帰っていった。


……理解しようとしても無理だ。
篠岡のことは深く考えない事にしよう。
そーする他ない。

109:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:21:39 Vn7eeOe7
以上です。
ありがとうございました。

110:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:32:51 yIhCH5uM
リアルタイムで読めた!
>>104の「まだ、無理」 …がなんかかわいかったw

阿部が大好きなので、千代やモモカンとのエロをいっぱい読みたい
みなさま、どんどん投下してくださると嬉しいです!
 


111:名無しさん@ピンキー
09/01/12 16:22:05 AbzuAtn4
>>94
>>89の「エロ少なめ」「長い」「アベチヨ前提」「水谷失恋話」の4つを
そのまま前置きにして投下すればいいんだよー(4つめはネタバレだけどあったほうがいいのか?)

ホモスレなどでは「エロ無し注意」「エロ少ない」と前置きして投下される例もあるよー

112:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:19:57 lofFYepU
>>110
しね

113:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:48:56 oYCE5hLS
釣りかと思った。やっぱり来ましたねアンチw

自分も過去に「エロ無し」と前説してから投下したけど
何も言われなかったよ

114:名無しさん@ピンキー
09/01/13 03:46:31 ABzDW5gz
>阿部が大好きなので
あの、女の子のエロスに萌えにきたんですけど
ここは棒要員の男に欲情する所なんですか・・・?

115:名無しさん@ピンキー
09/01/13 09:27:26 x0/EeOzN
>>102GJ

釣りでしょ
阿部アンチしつこい

116:名無しさん@ピンキー
09/01/13 18:19:45 SVpPh6EW
>>94
つい心無いレスをしてしまった…すまん。
批判じゃなくて注意されたくらいで投下やめちゃう職人さんもたまに見掛けるもんだからカチンときちゃって。ごめんね。
まぁみんなSSをすごく楽しみにしてるってことです。

117:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:40:28 Tr6q/do6
>94誘い受けしたくなる気持ちはわかる。
つか、自分も昔してしまったしな。
その時ガツンときついお叱りもらって目が覚めた。
それ以来ゲリラ投下しかしてない。

「エロパロ」であれば、何を投下したっていいんじゃね?
そしてエロスは千差万別。

ということで楽しみに待ってる。

118:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:50:08 RK2XL0aL
注意書きさえしてたらなんでもいいんじゃね
自分が書きたいもん書いて投下すれば


119:名無しさん@ピンキー
09/01/14 01:40:53 Ep6gtCo4
>>114
両方ともアリだろ

つーかおまいら>>94が好きなのはよくわかったから
そろそろやめてやれw

120:名無しさん@ピンキー
09/01/14 14:04:00 cgFLRkRw
過去に投下された職人様が新しく
エロパロを書いて投下されたら嬉しいです。
あと続き待ってるのはハルスズ?

121:名無しさん@ピンキー
09/01/15 05:53:19 H+qXFGPH
投下してくれるなら
以前からいる職人さんでも、新規参入でも
俺なら待てる!

122:名無しさん@ピンキー
09/01/18 04:17:52 4mYKkyoa
今日はニットのワンピースにレギンス、下着も白で揃えたしと考えてたら阿部ぇが覆いかぶさってきたお^p^
「沖、・・・ふぅん あ」とすごい勢いで阿部が舌を絡めてきてびっくりするお
唾液の量もいつもより多くて鼻息も荒いお
わかってたけお沖はびっくりするお

阿部ぇは今度は強く唇をすいながらワンピースをたくしあげるお
一気にキャミソールまでたくしあげられ沖はブラをはずしやすいように背中を浮かすお
阿部ぇは焦ってるせいか中途半端にブラをはずし力強くもんでくるお
円をかくように大きく胸をもみしだいた後ふいにキスしてた唇をはなしたお
沖はブラのホックが背中に挟まれて痛かったけど気にしないふりして笑ったお
すると阿部ぇは再び口内に舌を入れてきて乳首に触れてきたお
最初はそっと、乳首がたってきたらだんだん弾くように^p^
思わず声をあげると阿部は今度は舌で乳首に刺激を与えてきたお
胸がスースーするお
乳首がテラテラしてきた頃阿部が再び顔を上げたお^p^

123:名無しさん@ピンキー
09/01/20 14:51:40 V325wkqF
捕手

124:名無しさん@ピンキー
09/01/22 14:23:33 gbCZ5ZD9
埼玉って雪積もります?
冬に自転車通学は無理かな

125:名無しさん@ピンキー
09/01/23 01:46:51 65CqxKqs
カスカビアンだが、降る時は降る。が、積もることは滅多に無い。
今年は降ってないなあ。

リアの時、まさにチャリ通だったが、
積雪4cmくらいで、家から次の角を曲がるまでに諦めて駅に向かった。
雪ン中、ちゃんと学校来てる奴は少なかったな。
伊勢崎線、野田線、薄い雪でも止まるしな。

126:名無しさん@ピンキー
09/01/23 19:03:01 BiSQ1nIK
>>125
ありがとう!

127:名無しさん@ピンキー
09/01/26 23:21:18 iugtPTIT
本編準拠でも、全然無視の妄想カプでも
明るくかわいい純愛でも、暗いくて荒んだ無理やりでも
熱烈で歓迎するぞ保守

128:名無しさん@ピンキー
09/02/02 10:36:59 3H1XqWz1
切ないエロとかバカらしいエロとか
期待して保守

129:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:06:15 PSTjriVv
流れを読まずに投下。
ごめんエロ無し。

>>78-82 のチヨ→アベ
>>103-108 のチヨ×アベの続きのチヨアベ。完結。
キャラ崩壊注意。
コミックス派の方、ミハチヨ・ミズチヨ好きの方は回避願います。
9レスほど頂きます。

>>89 微妙にネタカブリごめん。投下待ってる。
>>125 Special Thanks!

130:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:07:21 PSTjriVv
2月も半ばになり、だんだん日暮れが遅くなってきていることを実感していても
部活を終える時間にはすっかり暗い。
野球部の部室前では着替えをすませた部員たちが
まだ出てこない仲間を待ちながら適当に喋っていた。
吐く息がいくつも白くたちのぼる。

巣山や沖と何やら楽しそうに会話している篠岡の視界から外れたところで
水谷が阿部にそっと声をかけた。
「あべー、しのおかから貰ったチョコ、どんなだった?」
「は? おまえも同じの貰ってるだろ」
「本当に同じやつ? 見せてよー」
「なんでンなこと気にするんだ。ほら」
「ホントだー」

そんな二人のやり取りを横目で見ていた泉が三橋に言った。
「そういえば三橋、結構な数もらってたよな」
「一番多かったのはオレだけどなー!」
「えっ あ、うん、田島君が 一番!」
「三橋ー、食うなとは言わねーけど、食った後はしっかり歯ァ磨けよ!」
「う、うん!」
後ろから不躾に飛んできた阿部の声に背筋を伸ばして答える三橋。
苦笑いしつつ見守る栄口。
いつもの光景だった。

「なー、三橋は好きな子からもらえたか?」
田島からの質問に三橋は頭をウーンウーンとゆっくり回転させて考えてみた。
今日チョコをくれた人はたくさんいたけれどそのほとんどは名前も知らない女の子たちだった。
それでも順番に思い浮かべた中によく知った顔があったのでそのまま口に出した。
「し、篠岡 さんっ、」
誤解されそうな言い方だな、と泉がフォローを入れるより先に田島が大声で叫んだ。

「三橋はしのーかが好きなんだな!」

なんの前触れもなくいきなり炸裂した爆弾発言に驚き振り向いた篠岡は
声の主である田島や当の三橋よりも先に、彼らのすぐ後ろに立っていた阿部と目が合ってしまった。
三橋と付き合うと言いつつ身体を重ねた3ヶ月前のあの日のこと、
はっきりした言葉もないままずるずると関係を続けたそれからの日々のこと。
泣いたこと、笑ったこと。
いろんなことが頭の中を駆け巡ったが、時間にすればほんの3秒ほどだったかもしれない。
先に目を逸らしたのは阿部だった。

「た、た じまくん、ち ちが、ちが……」
部員たちが注視する中、真っ青になって震えていた三橋は
居たたまれなくなり逃げ出そうとしたが、その腕を田島にがしっと捕まえられた。
「しのーか! 今付き合ってるヤツとか好きなヤツいんの?」
今度は篠岡に視線が集まる。
少しだけ目を伏せてから顔を上げ、はっきりと言った。
「どっちもいないよ」

「……ウソだ」
水谷から漏れたつぶやきを聞いたのは隣にいた阿部と栄口の二人だけだった。

「じゃあさー、三橋と付き合わねーか?」
「うん、いいよ!」
「かるっ!」と間髪入れず泉から入ったツッコミに異を唱える者はいない。
教科書貸して、といわれた時と大差ない返事に栄口・巣山・沖は冷や汗を垂らした。


131:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:08:10 PSTjriVv
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「なんだ、水谷もコクんの?」
「そ、そうじゃなくて……
 しのおか、好きなヤツいるよね?」
「……え?」
「オレ、見てたから……わかったんだ」
それは告白してるも同然だろうと幾人かは心の中で涙した。

水谷の発言の真意は計りかねるが、何かを知っているわけでもなさそうな様子に安心した篠岡は
ゆっくり歩を進めながら言葉を選ぶ。
「えーとねー、正直に言うといたよ、好きな人。
 でも去年ふられちゃったから、今はいないんだ。
 だからなんの問題もないと思うんだけど、ダメかな、三橋くん?」
田島にガッチリ腕を掴まれ逃げられなくて小さくなり泣いている三橋の正面に回り
目線の高さを合わすようにしゃがみこんだ。
やっとおそるおそる顔を上げた三橋に、怖くないよーと笑顔を見せる。
「ダメ、じゃ ない……」
「よかった! じゃあこれから、よろしくね」
篠岡の差し出した右手に三橋がおずおずと右手を重ね握手したかと思うと
「よっ、と」小さなかけ声とともに立ち、つられて三橋も立ち上がる。
「いろいろお話したいから、一緒に帰ろ!
 じゃあみんな、また明日。おつかれさまでしたー」
「おー、おつかれ!」
「お、おつかれ~……」
引きずり引きずられ去っていく二人に違和感を覚える者は少なくなかった。

「うまくまとまってよかったじゃん!」
「田島、今のは」
「そうだな」
何かを言いかけた泉の言葉を遮り、阿部は強引に話を終わらせ帰っていった。
場に微妙な空気が流れる中、部室の戸が開いて花井と西広が出てくる。
「おー、待たせて悪かったな、
 ……ん? どした?」
「べっつにーい?」


132:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:09:04 PSTjriVv
「阿部」
一人自転車置き場へと歩く背中に声がかかった。
ちらっと見やると栄口が小走りでやってきて横に並ぶ。後ろには珍しく不機嫌そうな顔の水谷もいた。
「あのさ、……いいの?」
「─何が?」
「いや、ほら、あの二人……」
「いーんじゃね? これで三橋もちったーしっかりするだろ」
「違うよ、篠岡だよ!
 ……その、阿部、篠岡と付き合ってるだろ?」
「はあ!? 付き合ってねェよ」
「え? アレ? 違った?」
「なわけねーだろ」
「そっかあ。最近いい雰囲気してたから隠れて付き合ってんだと思ったのになー」
「……」
「……いいの?」
「だから何がだよ。好きなヤツいたっつってたじゃん。オレには関係ねーよ」
「それ……おまえだろ?」
後ろから刺さってきた言葉に足を止め振り返る。
水谷は悔しそうに眉をひそめ阿部を見据えながらもう一度言った。
「篠岡が好きなのって阿部だろ」
「何バカなこと言ってんだよ。ねーっつの」
「─本気で気付いてなかったのか? おまえといる時だけ顔が違うこと……!」
「知るかよ、何か言われたことだってねェし……
 ……あ?」
阿部は過去の自分の発言と篠岡の反応とを隈無くさらい出す。
顎に手をあて考え込む姿を見て水谷の顔がくしゃりと歪んだ。

栄口が二人の交際を疑うようになったきっかけは、阿部の家の近くで篠岡を見かけたことだった。
元々同中だった篠岡がその辺りにいたところで不思議はない。
それに特別二人でいるようになったり会話が増えたりしている様子もない。
けれどどことなく二人を取り巻く空気が変わっていった。
ゆっくりの微妙な変化だったから巧妙に隠してるなと思ったし
自分以外に気付く者がいるとも思えなかった。
でも水谷は篠岡の想いを知っていた。
きっと、ずっと真剣に見つめていたんだろう。
篠岡のことを。

「し、篠岡さん……?」
突然三橋の声がした。
すぐそこの校舎の角を曲がったところにある自転車置き場からのようで姿は見えない。
三人は思わず息を止めた。
「ご、めんなんでもないよ」
篠岡の声は微かに震えていた。
「……っ、」
「……私、さっきふられたって言ったでしょ。本当はまだちょっと引きずってたんだよね。
 でももう吹っ切れた気がする。ありがとう、三橋君!」
「オ オレ は 何も」
「へへっ。それでもいいの。帰ろっか」
「う、うん」

遠ざかる二人の気配が完全に消えてからやっと動き出した阿部は自転車に跨がって独りごちた。
「切られたのはオレの方か?
 ま、もうどーでもいーけどな」
吐き捨てるように言った阿部の表情は見えない。
「なんだよそれ! もう諦めんのかよ!
 ─バカはおまえだ、ばかやろーっ!」
水谷の叫びは夜の闇に吸い込まれていった。
「しのおかも、誰でもいいのかよ、ばかやろう……」


133:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:09:51 PSTjriVv
……チ。
全速力で自転車をこいでも頭から冷水を浴びても腹いっぱい飯を食べても阿部のイライラは治まらなかった。
もう寝てやるとベッドに入れば、乱れた格好でココに横たわっていた篠岡が目蓋に浮かぶ。
「クソッ」
観念して起き上がり、3分で日課をこなしてとりあえず一息ついた。

水谷が言っていた篠岡が自分のことを好きだったという話は多分本当だろう。
今なら、実感としてわかる。
愛だの恋だのといった甘い言葉のない体だけの関係だったとしても
互いに求めていたから一度きりで終わらなかった。
回を重ねるごとに大胆になり、練習後の真っ暗な教室で強引に繋がったこともあった。
もしあれが教師に見つかりでもしたら累は野球部にまで及ぶだろう。
このまま流されていくわけにはいかない。ちょうどいい潮時だったってことだ。
篠岡に、本当に好きなヤツができたのなら祝福だってしてやる。
でもそうじゃないかもしれない。
甲子園に行くために三橋をしっかりさせるとかまだ言ってんじゃねェだろうな。
そりゃあ最初に言い出したのはオレだけど、三橋をなんだと思ってんだ。

─というよりもしかして、それを オレ が望んだからか?

嫌な汗がどっと噴き出した。
無意識に目を逸らしていた罪状を突きつけられ、足元が揺らぐ。
盗塁するランナーを刺したと思ったのに刺されたランナーは自分だったなんて、そんな馬鹿な話あるか。
篠岡の暴走を止めなければ─

目を閉じ思案しているとケータイのメール着信音が鳴る。
差出人は三橋だった。
本文にひとこと、『ごめんなさい』。
もう夜遅い時間だったが阿部はすぐさま三橋に電話をかけた。

「どうした、何かあったのか!?」
『あっ、あべ、君……
 ……ごめ、んなさ い……っ』
「だからどうしたっつってんだろ!」
『ゴ……ッ あ の、し、篠岡、さんっ
 阿部君 篠 岡さん、ス、スキなの知って たのに あんなコト……に、』
一瞬ふうっと気が遠くなるのを感じた。
自分ですら今日やっとぼんやり自覚したことをどうして、それも三橋が知っているのか。
「オレァ別に篠岡のこと、なんとも思ってねェから気にすんなよ」
『わかる、よっ、栄口君 シューチャク、なくなってきた て』
「……オレがおまえに執着しなくなったって栄口が言ったのか?」
『うん! オレ……き、嫌われたと思ったけど、ちがう、イイコトだって。
 どうしてか見てたら 阿部君、篠岡さん、いつも 見てた……』
「……チ。まー万が一そうだと仮定しても! 篠岡が選んだのはおまえだよ」
『ち、ち、ちがくて、あの 篠岡さん スキなの、たぶん
 オレじゃ……ない』
消え入る語尾に三橋の傷を見た気がする。
そもそもあんなことを言い出さなければ付かなかったはずの。
「わり……。
 全部オレの責任だ。お前は悪くない。
 ─明日、篠岡とちょっと話をしてみる」
『うん! がんばって、ね!』
「何をだよ。いーからおまえはすぐ寝ろ。明日遅刻すんじゃねェぞ」


134:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:11:07 PSTjriVv
4時限目の終了を告げるチャイムが鳴り、1年7組の生徒は三々五々理科室を後にした。
黒板を消す日直の篠岡をしばらくじっと眺めていた阿部は
大方の生徒がいなくなった頃合いを見計らって教卓を挟んで話しかけた。
「おい」
篠岡は手を休めることなく、黒板に向かったままのんきな声で答える。
「はぁいー?」
「ちょっと聞きてェことがあんだけど」
「なにー?」
話しかけられてるのにこちらを向こうともしない篠岡は初めてだった。
顔を見るのも嫌ってことか。
阿部は腕を組みじっと待った。
残念だったな、待つのは慣らされてんだよ。
黒板はきれいになりチョークも揃い、することのなくなった篠岡は仕方なく振り返った。
教室内にまだクラスメイトが数人残っているのを見てほっとした色が見て取れる。
人目があれば話がおかしな方向へ流れることもないだろうと安心したか。

阿部の表情は声のトーンに違わず厳しい。
「前にオレが言ったこと、真に受けてんじゃねーだろうな」
「……阿部君はそういうことには無頓着な人だと思ってたんだけどな」
「おまえがオレをどーゆー人間だと思ってんだか知らねェが
 返答次第では力ずくでも止めさしてもらう」
「止めない場合もあるんだ」
「本気であいつの未来を背負うつもりなら止めねーよ」
「野球部の未来は?」
やっぱり、そっちか。
阿部は眉間の皺を一層深くし、はーっとため息をついた。

傍目にもわかる険悪な雰囲気で対峙する両名を不安そうに見つめる女子生徒たちを
水谷はそっと理科室の外へと連れ出した。
「ちょっと部の方針について話し合ってるだけだから心配ないよ!」
得意のニッコリスマイルで廊下の角を曲がるまで見送り、他にはもう誰もいない中へと戻った。
篠岡は唇をきつく引き結んで少し泣きそうな顔で阿部を鋭く見つめていた。
それを居丈高に眺める阿部。
どうしてこんな男がいいんだよ。どうしてこいつの前でだけそんな顔をするの。

「野球部の未来なんて誰かが背負うモンじゃねェ。
 中途半端な気持ちなら三橋から手を引け!」
「……っ!」
出入り口を塞ぐようにして立つ水谷の背後に人の気配がした。
「阿部、と篠岡? 何があったんだ」
「しのーかー? 大丈夫かー?」
いつの間にか花井をはじめとした野球部員が全員集合していた。
にらみ合う阿部と篠岡はそれに気が付いているのかいないのか。

「……私にできることがあるならどんなことでもしたい。支えになりたいの」
「おまえはもうマネジの仕事を充分にやってるだろ」
「もっともっとがんばりたいの!」
「なんのためにだよ。自分や人の気持ち無視してまでやることかよ!」
「阿部君にそんなこと言われたくない!」
篠岡の大きな瞳から涙が一粒零れ落ちた。
頬を紅潮させ怒りを露にする彼女に一同は息を呑んだ。
ここまで負の感情をむき出しにする篠岡など見たことがない。
女子の涙に免疫のない阿部はひたすら焦るばかりだった。
「~~わ、悪かった。謝るから、泣くな……」
「泣いてない!」
「チ、どー見たって泣いてんだろ……あ。」
「……なに?」
「イヤ、前も見たけど確かにこうじゃなかったな」


135:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:12:35 PSTjriVv
仲裁に入るタイミングを伺っていた花井たちの頭にハテナが浮かんだ。
「前にも?」
「篠岡が泣いたの見たことある?」
「ないない」
顔を見合わせた一同が再び篠岡に視線を戻すと
彼女はあり得ないくらい真っ赤になって震えていた。
「……どうして今そんなこと言うの!?
 阿部君のえっち!!!」

篠岡の渾身の叫びに数人が半歩後ずさり、阿部はがっくりと肩を落とした。
「おまえな~~今のリアクションでバレたぞ」
「へ? え?」
篠岡は周りを見渡して初めて野球部員が勢揃いしていることに気付いた。
誰も彼女と目を合わせようとしない。
「いや~~~~~~~~!!」
目にもとまらぬ早さで走って理科室を飛び出していってしまった。
深くため息をつく阿部に花井が言った。
「話が全く見えねーんだが……」

「まとめると、阿部が、みんなのマネジに三橋と付き合うよう勧めてるうちに
 エッチと罵られることをして泣かせて、今日また更に泣かせたということだね」
「~~そこまで言うかよ西広……
 三橋には悪いことをしたと反省してる。ごめん」
阿部は深々と頭を下げた。
「あ、べ君……」
「阿部はしのーかのことが好きなのか?」
「あー、たぶん。でも付き合いたいとかそーゆーのは思わねーし
 篠岡が誰と付き合おうと勝手だけど、いい加減な気持ちで引っ掻き回されるのは迷惑だ」
「痴話喧嘩かよ、クダラネー。オレは帰るぜ」
泉が退室するのを受けて巣山・沖・西広も出て行った。水谷は既にいなかった。
「チ、勝手に来といて何言ってんだあいつ」
「なんだよー、取っ組み合いの喧嘩してるっつーから飛んできたんだぞ!」と9組の田島。
「オレは野球部内戦勃発って聞いた」これは7組の花井。
「うちは野球部解散の危機だと」1組は栄口。
「ちょっと喋ってただけだっつうの……」
苦虫を噛み潰したような顔をして唸る阿部に田島が鋭い視線を投げ掛ける。
「でもしのーか泣かしたのはホントだ。どうすんだ、このまま放っとくのか?」
「オレが追いかけるわけにいかねーだろ」
バツの悪そうな阿部と目が合うと三橋はぱちぱちっと数回瞬きをした。
……オレですか?と背後に文字が書いてあるように見えた。
「オ オレ 篠岡さん スキじゃ、ない」
「はあ!? 昨日好きだっつったろ」
「ス、スキだっ」
「どっちだよ!」
「阿部、落ち着けって」
「オレの スキ……田島君 花井君 栄口君、篠岡さん ほかのみんな
 同じ スキ だから 阿部君とちがう。
 篠岡さん、スキなのも オレ じゃないカラ……最初から何も ないんだ! よ!」
「~~ンだよそれ!」
脱力してへたり込む阿部に栄口が笑った。
「行きなよ、阿部」
「どこにいるかもわかんねーのに?」
「もう見つけてるんじゃないかな」
栄口はケイタイを取り出した。


136:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:13:50 PSTjriVv
低い雲から小雪のちらつく中、第二グラウンドまで走ると泉・巣山・沖・西広がたむろしていた。
「篠岡いた?」
栄口の質問に巣山は黙って少し離れたところにあるベンチを示す。
両手で顔を覆い座る篠岡を水谷が必死になだめていた。

「し、篠岡さん……」
降ってきた声に顔をあげた篠岡の顔は涙でグチャグチャだった。
「三橋君、ごめんなさい、本当にごめん、なさい……」
「篠岡さん、があや、あやまることない よ!
 オレ、大丈夫! みんな、みんながオレのこと 大事に思ってくれてるって わかってる」
「三橋君……ごめんなさい」
「悪いことしたってわかってんならもういーよ」
冷たく言い放たれた阿部の言葉に篠岡は身を固くする。
阿部はうつむいたままの篠岡の肩にかけられたガーディガンを剥がし水谷に投げつけて
無言で自分のセーターを脱ぎ、頭から乱暴に被せた。
「わっ。阿部君……?」
そのまま何も言わずどっかと隣に腰を下ろす。
色々言ってやりたくて仕方のない水谷だったが敢えて呑み込み、三橋を連れてベンチを離れた。

「おかえり、水谷。おっつかれさん」
「さかえぐちぃ、すやまぁ。オレ泣いていーかな~」
「おう、泣け泣け!」
「三橋! 大丈夫か?」
「それでいいのか?」
「うん!!」


137:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:15:51 PSTjriVv
篠岡は項垂れ阿部は天を仰ぎ。ベンチは静寂に支配されていた。
向こうでバカ騒ぎしている部員たちの声が聞こえる。
「……さ、寒いでしょ。これ、」
「着とけ。いーから」
篠岡は黙ってセーターに袖を通すと身体を包み込む阿部の体温を感じて目を細めた。
「あのな、オレは篠岡のことが好きだ。
 でも、付き合ったりすることはできねー。理由はわかるよな?」
「うん、たぶん……」
「今は野球に集中したい。っつーか─自分があんなに見境なくなると思わなかった」
「……本当にごめんなさい……」
「ちげえよ!!」
思わず出してしまった大声に篠岡はきゅっと肩をすくませた。
さっと注目されたのがわかったので手の平を見せて侵入を阻止しておく。
やっぱ監視、されてんだよな。信用ねーなオレ。
ま、無理もねーか。
みんな篠岡のことが心配なんだ。大事な仲間泣かしたら怒るのも当たり前だ。
「……わり。責めてるわけじゃなくて─自分にイラついてんだよ。
 それに、謝んならオレの方だろ。最初にバカなこと言い出したのはオレだ」
「でも私はそれを利用、したよ」
「利用されてることを利用した。そこはお互いさまだ。
 もし全部終わって─……イヤ、やめとくか。
 篠岡は彼氏作れよ。本当に好きな男見つけてさ」
「無理だよ。私ずーっと前から阿部君のことが好きだったんだもん」
憑き物が落ちたようにリラックスして笑う篠岡が眩しい。
「そっか」
「もしかして知ってた? 私の気持ち」
「んー、まーな。ずっとってのは初耳だけど。
 つかそういや最初の日に言ってたじゃん、ココで」
阿部は自分の耳をトントンと指してニィッと意地悪な笑みを漏らした。
「う、うそ……」
「あん時の篠岡はかわいかったな、スゲー緊張してたし」
「お、お、お願いだから忘れて、阿部君!」
涙目の篠岡が身を乗り出して懇願してくると阿部の余裕もなくなってくる。
何しろ真っ赤な頬と潤んだ瞳はあの時の劣情を否応無しに引き寄せるのだ。
改めて意識し始めるとどんどん感情の波が溢れてくる。
ヤベー。好きだ。

阿部が手をのばして篠岡に触れようとすると、気配を察したのか
彼女はぱっと立ち上がって離れた。
「だめだよー」
にこおっといつものマネジスマイルが少し恨めしい。
イヤイヤ、もーしねーって決めたんだから!
頭を振って立ち上がると篠岡が素軽く近寄って小声で言った。
「アレ、どうして持ってたか教えてあげよーか」
アレって、アレか。篠岡が持ってたゴム。
「監督がくれたんだよ! 自分の身体は自分で守りなさいって」
「マジでか!
 あの人は~~~~どこまで知ってんだ……」
「さあ。もしかして全部知ってたりしてね。あははっ」
教え子のことは総て把握してそうなカントクも怖いがそんな話を屈託なく笑いながらする篠岡もコエー。


138:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:17:32 PSTjriVv
遠巻きにベンチを見守っていたチームメイトは、来た時とは打って変わった明るい表情で戻ってきた二人に
ほっと胸をなで下ろした。
「あの、今日はいろいろ迷惑かけて本当にごめんなさい! それと心配してくれて、ありがとう」
男物のセーターを着た篠岡が見慣れない女の子の顔で笑うので少し寂しい気分になったのは秘密だ。
「お、おう、仲直りしたのか?」
「仲直りっつーか……まーそっかな。元に戻ったわけだから」
「付き合うんじゃないの?」
「な暇ねーよ。甲子園行くんだぜ?」
「おお、そーだな!」
「こ、甲子園!」
「……なんなんだよそれええ阿部ー!!」
「コレで付き合ってねーとかよく言うぜ……」
「したいことするのに形式にこだわる必要はないよ」
「西広今日何気にキツくないか?」
「女の子を泣かせる男は許せないらしいよ」
授業5分前を知らせるチャイムが広いグラウンドに鳴り渡った。
いつの間にか青空が見えていた。
「お、予鈴か。走るぞ!」
「おおっ!!」
野球部員は元気に駆け出した。


4人が7組の教室に駆け込むともう一度チャイムが鳴った。
「ぎりぎりセーフ!」
「さっさと座れ野球部! 授業始めるぞ!」
「はい!!!!」
すぐ後ろからやって来た教師の声に慌てて席に着くと、何故か篠岡が周りの女子の注目を集めていた。
篠岡の前の席の子が振り向き、人差し指をピッと向けて小声で詰問する。
「どういうこと、ソレ!」
どれ?と篠岡が自分の胸に手を当てると遠くの席で阿部が教室中に響き渡るくしゃみをした。

139:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:18:26 PSTjriVv
以上です。
ありがとうございました!

140:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:32:18 DdvUNg+H
神きた。お疲れ様でした。

141:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:15:32 3XX+9WU0
やべえ朝からマジ泣き

142:名無しさん@ピンキー
09/02/04 09:14:10 D9hPJ4oH
うおおお疲れ様でしたっ
素敵なお話でした

143:名無しさん@ピンキー
09/02/06 23:59:39 eKeccx6W
gj次回作期待してる。

144:名無しさん@ピンキー
09/02/07 03:59:14 arePWXG4
ほんとよかったです!水谷くんが可愛かった(笑)また次回作まってますよ!(^^)d

145:名無しさん@ピンキー
09/02/08 19:45:36 JVV3ynmB
リアはカエレ

146:名無しさん@ピンキー
09/02/09 10:02:50 27x5uRss
ミハアベのSSとかって投下いいですか?


147:名無しさん@ピンキー
09/02/09 12:43:19 5PH37QSG
三橋×阿部みさえならおk

148:名無しさん@ピンキー
09/02/09 16:50:21 u20pyrPa
ミハアベ? こうですか?


『3番、キャッチャー、阿部君』
「あすっ」

─ふ~ん、あれが”アベクン”かぁ……

バッターボックスに立つ選手を三橋瑠里はじぃっと眺めた。
ルリは今日、イトコとの会話にいつもいっつも出てくるアベクンとやらを一度拝んでみようと
わざわざ西浦高校野球部の練習試合を見に埼玉まで来ていたのだった。

金属音が響き白球が外野に落ちた。
3塁ランナーがホームインしたというのに喜ぶでもなく淡々とした表情の阿部に
それまで聞いていた”アベクン”を重ね合わそうとしてみるがうまくいかない。
すぐ怒って怒鳴って口喧しいらしいから熱血漢だと思っていたのに。

攻守交代し、キャッチャーマスクをかぶり声だしをする彼に少しずつ興味がわいてきた。
本当の阿部君はいったいどんな人なんだろう。

(続きません)

149:名無しさん@ピンキー
09/02/09 21:18:32 foDdpAFG
ここは801じゃない

150:名無しさん@ピンキー
09/02/09 21:21:14 0Lx9ABD5
>>148
これはよいミハアベ

151:名無しさん@ピンキー
09/02/09 23:46:07 /rEwI6Ev
>>148
イイ!

152:ミハアベ
09/02/11 09:11:34 g+HE4k/o
投下します。読んでもらえると嬉しいです。

153:ミハアベ
09/02/11 09:12:39 g+HE4k/o
「じゃあ、最後―背番号14は?」
「あ、青木毅彦ッ……君。4番で、ショート! 左打席ッ! 特徴はッ……ブンブン振り回すこと!」
「………」
「………(どう?)」
「―おし、いいだろ」
「ッ~、はぁ~……」
 掛けられる阿部隆也の声に、三橋廉は大きくため息をついてテーブルに上体を預けた。場所はその三橋宅・
屋根裏の寝室―時間にして午後10時になろうかというところである。
 翌日に埼玉大会・桐青高校との第一回戦を控えた三橋は、その打ち合わせするべく女房役(バッテリー)で
ある阿部とこうして、対戦打者の攻略を読み合わせているのであった。
 しかしながらこの三橋、一週間前すでに渡されたこの桐青校レギュラーの打者特徴をほとんどといっていいほど
覚えてはいなかった。
 そのことを知り当然のよう怒り、そして問い詰める阿部に対し三橋は、練習嫌いや自惚れというのではなく
その理由を、『阿部が構えたところへ投げるだけ』と怯えながらに言い切った。
―『自信』てェより、俺への『信頼』か。
 目の前で何度も対戦相手のデータを読みしきる三橋を前に、阿部は練習後のグラウンドで感じたことと同じ
ことを思い返す。信頼されるということは、喜びであると同時に大いになる責任もまた背負うことだと阿部は
考えていた。
 つい数ヶ月前までは、『自分だけの野球が出来れば良い』と考えていた。そしてそんな阿部にとっての三橋は、
自分の指示通りに球を投げてくるるだけの『都合の良い存在』であったはずである。しかし練習を重ね、苦楽を
共にするうちにそんな気持ちは阿部の中から薄れていった。
 誰よりも三橋の努力とそして彼の、このスポーツに対するジレンマを知った今ではそんな三橋の努力を活か
してやりたい―勝たせてやりたいと願うようになった。
 そんな想いの果てに巡ってきたのが明日の晴舞台であるのだ。
 やれることは全てやってやりたい―ゆえにそんな想いは、練習後の深夜にも拘らず阿部に、この三橋との
打ち合わせへ熱を込めさせているのである。
「この2年の青木だけど、こいつは桐青の中でも去年ゆいいつ一年で甲子園の土を踏んでるヤツだ。前後の
島崎といい河合といい、この打順にはごまかしは通用しない。取れるならば確実に取っていかなきゃならないんだ」
「うん、うんッ。オレはッ、阿部君の構えたところに投げるよ!」

154:ミハアベ
09/02/11 09:13:34 g+HE4k/o
「だから、さっきの繰り返しになけどケース・バイ・ケースで対処していかなきゃならねー場面だって出てくる
んだ。その時にお前が自分で判断できなきゃヤベーだろ?」
「うん、でも……知ってても考えない。オレは、阿部君が、構えたトコ、投げるダケ、だカラ……」
「だからそーだとしてもッ……はぁ、ならいいや」
 自分の言葉にどこまでも怖気づきながら、そして挙動不審に答えてくる三橋を前に阿部も大きくため息をつく。
このやり取りも、練習後グラウンドで交わしたものと同じものであった。
―あとはなるようになるしかないか。俺もこいつも、全力を尽くすだけだ。
「じゃ、帰るからな。明日は当日で朝練は無ェーからって、寝過ごすなよ」
 そうして立ち上がり、阿部も帰宅の準備を始める。
「あ、阿部君……ッ」
 そんな阿部を前に三橋も何か言いたげに口元を菱に上下させる。
 そして、
「じゃあな、おやすみ」
 肩掛けかばんを袈裟にして阿部が立ち上がったその時であった。
「あ、阿部君ッ! まだッ、聞きたい!」
「あん? ―うあッ!?」
 立ち上がる阿部へとさながら、バックホームに飛び込むランナーのよう、三橋はその正面からタックルをして押し
倒していた。
「何すんだ三橋! お前はー!!」
「あ、あうあうあうッ……」
 ベッドの上へと倒れこみ、なおも自分の上に乗ったままの三橋のこめかみを、阿部は両こぶしの拳骨で締め上げる。
「こえーマネすんなよ! ふざけて怪我とかしたらどーすんだ!?」
「ご、ごめん! ごめんね! でもオレ、まだ阿部君に、聞きたいッ」
「打ち合わせか? だいたいはもう覚えただろ? 後は明日の試合をしながら俺がリードするから……」
「ちがうッ、それじゃなくて! ……ニーのこと」
「はぁ? なに言ってんだ? 聞こえねェよ?」
「だからオナニーッ。阿部君は、オナニーするの?」
「………あぁ?」
 自分の体の上そこから、見上げながらに尋ねてくる三橋の真っ赤な表情に、ただ阿部は怪訝に聞き返すばかりであった。

155:ミハアベ
09/02/11 09:16:18 g+HE4k/o
 そしてようやくその質問を理解し、
「ば、ばか! なに言ってんだ、お前!」
 阿部もまたその慌てふためかせた表情を三橋同様に真っ赤にさせた。
「た、田島じゃあるまいし、お前なに言ってんだよ!?」
「田島君が言ってたからッ、一日にオナニー1回するって。だけどオレ、3回してるし。多すぎなのかなって? 
だから、阿部君にも聞きたい!」
「な、なにをだよ……?」
 話の流れになにやら悪い予感を感じながら阿部も聞き返す。そしてその予感は、
「阿部君はッ、何回するの? オナニー、何回するの?」
 的中した。絶句する。
 そうして改めて見る三橋の表情。
 上下両唇の先を、口の中に巻き込むようにして作る小鳥のような笑み―三橋がコーフンした時に作るその、どこか
期待感に満ちた笑顔を前にしながら、阿部は勤めて冷静になろうとする。
「そ……そんなこと答えられるかよ」
「どうして? しないのッ? 阿部君はッ、オナニーしないの?」
「だからオナニーオナニー連発すんなよ! やらねーわけじゃねェけど、言えねーよそんなこと。―だいたいなぁ、
どうしてそんなこと聞くんだよ!? お前まで田島みたくなったらメンドーみきれねーぞ!」
「だ、だってオレ、オレ、阿部君のこと、好きだから!」
「ッ……!」
 思わず息を飲んだ。
「好きッて……なに考えてんだよ? だからって、そんなこと聞くかフツー?」
「だって、知りたいよ! 一緒に試合するんだもんッ。みんなのことも、阿部君のことも、何でも知りたいよ!」
「お前……」
 唇を菱形に尖らせて必死に、そして不器用にその想いを告げてくる三橋に、阿部もその心理を理解して小さく
ため息をついた。
―そうか……『本当のチーム』になってからの、初めての試合だもんな。
 三橋にとって今回の、この西浦高校に移ってからの第二戦目には特別な感情があった。
 前回、古巣である三星学園と一戦により過去の自分を振り切った三橋にとっては、今回の試合こそが初めての
チーム戦となるのだ。心ここにあらずで挑んだ前回とは違う。改めてこの阿部を始めとするメンバーを仲間と意識
して挑む、初めての試合―そこに掛ける三橋の意気込みは空回りながらも、それは強いものであった。

156:ミハアベ
09/02/11 09:16:59 g+HE4k/o
―こいつはこいつなりにチームや仲間のことを考えてるのかもな。
 それが判ると阿部は、またいつもの冷静な自分を取り戻していた。
―へたに邪険にして明日の試合に影響がでるのも困るな。ここは、軽く付き合って
   おいてやるか……
 そして改めてそう思い直すと、阿部も小さくため息をついて三橋へと応えた。
「アレのことだけど、したりしなかったりだよ。今はあまり興味ない」
「しないのッ? つらくない? 我慢できるッ?」
 以前阿部の上に乗り上げたまま三橋はその両目を輝かせて質問を重ねる。
「いまは練習も多いし、それどころじゃねーからな」
「じゃあ、じゃあさ! 一番最後にしたのって、いつッ?」
「い、一番最後って……一週間、くらい前か?」
「ホント? もう一週間も我慢してるのッ? ムラムラとかしない?」
「……別に。興味ねーから」
 徐々にその具体性を増してくる質問に、阿部のポーカーフェイスは汗顔に溶け出す。
「じゃあ、何でオナニーしてるの? 何を見てするのが好きッ?」
「そッ、そんなの人それぞれだろ! 三橋、お前いい加減に――」

「オレは、阿部君でオナニーしたこと、あるよッ」
「ッ………」

 なかばどさくさに紛れてされたその告白に、再び阿部は息を飲んだ。たれ目がちのまぶたを珍しく見開いて三橋の
顔を凝視する。
「あ、お前ッ……なにを急に………」
「オレ、阿部君のこと好きだよッ。だからオナニーしたんだ! ずっと、阿部君でしてる!」
 あまりの衝撃に言い返す言葉が探せずにいる阿部へと、三橋は預けていた状態を起き上がらせ、立ち膝になり
ながら制服のスラックスに手を掛ける。そしてそのベルトを解き、それと下着に開放されたそこに現れたものは―
「今だって、阿部君にドキドキしてるよ、オレッ」
「三橋………」
 衣類から開放された三橋の腰元には、申しわけ程度にその包皮から頭を出した陰茎が屹立をしていた。

157:ミハアベ
09/02/11 09:17:50 g+HE4k/o
「ば、ばか……しまえよ、早くッ。おかしいよ、オトコ同士でお前……」
 なぜか見つめていたくなるそこから視線を振り切り、阿部はどうにか冷静さを取り戻そうと口元を覆う。しかし
喋れば喋るほどに頭の中で思考は空転し、そして意識は三橋とその茎へと傾いてしまう。
「どうかしてる……どうかしてる……」
「阿部君。阿部君も、チンチン、大きいよ」
「ッ!?」
 思わぬ三橋の言葉に阿部はそらしていた視線を慌てて自分の下腹部へと移す。そうして見下ろすそこには―
スラックスにテントを作って勃起した自分の亀頭が、その下から三橋の陰嚢を突き上げている光景があった。
「阿部君も……阿部君も、オレのこと、好き?」
 呟くように語りかけながら三橋の手の平がそのテントをさする。
「あ、あぁ……ッ!」
 そんな布越しに包み込まれるような感触に、つい阿部も上擦った声を上げる。
 先にも言った通り今日に至るまでの一週間、阿部は自慰にいそしむ余裕も無かった。それだけに今まで溜められた
性欲と疲労は、今のこの状況に感応して勃起してしまっていたのである。……初の公式戦を前にして緊張しているのは、
阿部(じぶん)もまた然りであったのだ。
「見せてッ、見せてッ、阿部君!」
「あ、や、やめろ……ッ」
 鼻息も荒く、またあの唇をくわえ込んだ口元で、三橋はベルトを解くのもそこそこに強引に阿部のスラックスを
ずり下ろす。その勢いに下着も共にはがされ、そしてその反動に跳ね上げられたソレは―阿部の充血した陰茎は、
バネ仕掛けのよう三橋の前に立ち上がった。
「すごい……阿部君、大人だね……チンチン、すごくキレイだねッ」
「あ、うあ、熱ッ。お前、手の平……」
 直に亀頭の先端へと触れてくる三橋の手の平の熱に阿部は声を上げる。
 いつもはその自信の無さを象徴するかのよう冷たい三橋の手の平が、今は燃えんばかりに熱を帯びていた。そして
その手に握られて、阿部の意識はさらにぼやけて曖昧になる。
―あいつ、いつもこんな手でボール握ってたのかぁ……
 ついそんなことを考える。
 そしてそんな阿部をよそに三橋の行為もさらにエスカレートしていった。
「オッパイ、阿部君ッ、オッパイ見たい!」
 完全にそのスラックスを剥ぎ取ると、三橋は器用に上のワイシャツのボタンもまた解いていく。

158:ミハアベ
09/02/11 09:18:24 g+HE4k/o
 夏場でしかも練習帰りということもあってか、そこにシャツ一枚纏わぬ素肌の胸元が露とされる。
「ばかッ……そんなもん見るなよ、やめろよ……ッ」
 依然としてコントロールの戻らぬ体と意識のなか、必死に阿部は三橋の行為に抗おうとする。抗おうとするがしかし
―そんな阿部の、いつにないしおらしい姿を見るにつけ、三橋の欲情はますます以って高く熱くなっていく。
「硬くなった、硬くなったよ! 阿部君は、気持ちいいの? オレの、オナニー気持ちいいッ?」
「くッ……!」
 そんな阿部の無抵抗をいいこと、三橋は握り締めた茎を自分にするかのよう上下に扱き出す。そんな三橋の手の動きに、
ただ阿部は快感に耐え、涙のにじむ目頭を両腕で覆ってその表情を悟られまいとする。
 そうして我慢すればするほど、
「あ、あぁ……く……ッ」
 力をこめればこめるほどに、阿部の中の欲情は昂まっていく。
―だ、ダメだ……久しぶりだから、堪えが利かないッ。も、もう……!
「み、みはしッ……いいかげんに、しろよ……おまえッ」
 そして、ついには射精の予感を感じ、阿部は精一杯の声で行為の中断を訴える。訴えるが―
「フッ、フッ、フッ……」
 すっかり阿部のそれをしごく行為に没頭している三橋は、すでにそんな声の届かない場所にいた。
―こいつッ……なにが『阿部君(オレ)の言うトコに投げるよ』、だよ! 投手なんて、こんな
   ヤツらばっかりだ……!
 そんな三橋の身勝手さにそう思った瞬間―本当にその一瞬、阿部の脳裏にある人物の顔が浮かんだ。
 それこそは、榛名元希――阿部がもっとも否定する男であり、そして今日(こんにち)の自分を作り上げてくれた
要因となった人物の顔であった。
 そして皮肉にもその瞬間に、
「んッ? あ、んく……!」
「え? うはッ!」
 阿部は絶頂を迎え―射精した。
 液というよりはまるで、白い何かを引き抜いたかのような勢いと、そして大量の精液を阿部は放出していた。
「うっ? うっ? はわわ!」
 初めて見る自分以外の第三者の射精に、三橋は慌ててその亀頭の先端に手をかざし、阿部の精液を受け止める。
 そうして溜まりに溜まった一週間分の精液全てを放出し尽くすと―
「……、………」
 もはやうめきすら上げられないほどに疲弊して、阿部はベッドへと沈み込んだ。

159:ミハアベ
09/02/11 09:19:00 g+HE4k/o
 そうしてログキャビン風に板の張り巡らされた天井を見上げながら、
―よりにもよって、あいつのことなんか……。
 まだ醒めぬ射精の余韻とは裏腹に、阿部は冷静さを取り戻しつつあった。
―最悪だ、今日は。こんな……しかも三橋なんかに……。
 射精の後に来る罪悪感と、そして思わぬ榛名の回想に己を責めたその時であった。そんな余韻すら吹き飛ばす―
「ん? ぅあッ!?」
 激しい衝撃が体の奥底を突き抜けた。
「あ? あぁッ? んんッ!」
 その一瞬、自分の体に何が起こっているものか、自分が何をされているものか阿部には判断がつかなかった。そして
どうにか持ち上げた首の先、その視線の先を確認して、阿部はようやく自分の体に起こっているそれを理解する。
 その視線の先では―阿部(じぶん)の肛門に、深々と人差し指を挿入している三橋の姿が確認できた。
「み、三橋ぃ~。何やってんだよ、お前ッ!」
「ッ! うひッ!!」
 かろうじて上げるその声に、それを掛けられた三橋も両肩を跳ね上がらせて反応する。
「お、お尻に……阿部君の、お尻に指を、入れてみた……の」
「そんなことは判ってるよッ。オレは、『なぜそんなことをしてるのか』って聞いてんだ!」
 従来の阿部と三橋といった調子を取り戻しつつ、阿部は三橋へと尋ねていく。そんな阿部の質問に
「……セックス、できないかな、って」
 三橋は例のごとく挙動不審で、そして消え入りそうなその声で答えた。
「………。はぁ?」
 一方それを受け、ますます以って阿部は困惑の表情を強くさせる。
「なに言ってんだ、三橋ッ? できるわけねーだろ!」
「だって、でも、こんなにぬるぬるになってるし、指も入るし、それに……」
 答えながら三橋は、先の阿部の精液によって潤滑した人差し指をその肛門の淵に埋めていく。
 その、異物が体内に侵入してくる感触に必死に声を殺しながら、
「だから無理だってのッ」
 阿部も三橋の説得を試みる。

160:ミハアベ
09/02/11 09:19:40 g+HE4k/o
「三橋、こんなのセックスでもなんでもねーぞ?」
「う、うぅッ……」
「オレなんか犯してどーすんだよッ? すぐやめろって。だいたい……」
「で、でも、でもオレッ、好きなんだ!」
 説得してくる阿部を遮って、三橋は応えていた。
「好きなんだ、阿部君がッ」
「だ、だから何を―」
「投手でなくても、オレが好きって言ってくれたからッ、オレも阿部君のこと、好きなんだ! セックスしたい!」
「うッ………」
 思わぬ三橋の気迫に押されてつい阿部も口つぐんだ。
―こいつ、絶対テンションがおかしい。普段こんなこと言うヤツじゃないのに……。
 そうして依然、その雰囲気に気圧されたまま言葉を返せずにいる阿部へと、いよいよ三橋は体を乗りあがらせる。
そしてその手には―今にもはちきれんばかりに怒張した三橋の茎が握られていた。
「セックスしたい……オレ、阿部君と、セックスしたい……!」
「お、おい……」
 やがて二人が見守る中、三橋はその先端を阿部の肛門の淵にあてがう。
 先の指による愛撫で僅かに入り口の開いたそこへ、亀頭の尿道部をあてがい、そして次の瞬間―
「んッ! んんッ!」
「ッ! う、うあッ……い、いたぁ!」
 三橋は無遠慮に、それをねじ込んだ。
 そうして根元までまるまる挿入させ、茎越しに感じる直腸の熱(たいおん)に忘我する三橋と、その挿入の痛みと
異物感に顔をしかめる阿部。
―なんだよ、コレ……気持ち悪ィ……
 初体験の痛み以上に直腸に来る異物感は、なんとも『排泄』を阿部に強く意識させた。
―このまま抜かれたら、勢いで一緒に出ちまいそうだ……
「お、おい三橋……」
「はぁ~……、え? え?」
 阿部の語り掛けに、すっかり快感に口元を弛緩させていた三橋はようやく我に返る。

161:ミハアベ
09/02/11 09:20:07 g+HE4k/o
「もういいだろ? 抜いてくれ」
「え? え? 抜くの?」
「そうだよ、抜くんだよ。ただ、ゆっくりだぞッ? ゆっくり抜くんだぞッ!」
「う、うん。うん……」
 阿部の言葉に気味が悪いくらい何度も素直に頷いてみせると、三橋は慎重に阿部の直腸から茎を引き抜き出した。
 その竿部分がぬめりを帯びて校門の淵をすべる感触に、
―あ……な、何だよコレ? 力が、抜ける……
「あ、くぅ……ッ」
 つい阿部も声を漏らした。
 情けないとは思いつつも、抑えていようとは思いつつも、その感触に無意識に声は漏れた。
 やがて肛門間近にゴリゴリと亀頭のカリ首を感じ、阿部も完全にそれが引き抜かれるのを予感した次の瞬間、
「ん~、えいッ!」
「え? えうッ……!?」
 三橋はその八割方まで引き抜いていた茎を再び根元まで阿部の直腸に挿入した。それと同時、亀頭の先端が直腸
奥底の内壁を小突く感触に、思わず阿部もうめきを漏らす。
 そうして、
「お、おまえ……三橋ぃ~ッ。なに、また入れてんだよ!?」
 再び胎内に立ち上がった異物感と、なにか胸が締め付けられるような感覚に阿部も三橋の行動を問い詰めた。
「え、えッ? だって、抜いたから、また突いたんだよ? セックスって、出したり入れたりするんじゃ……?」
「バカやろう! オレが言った意味はそういうことじゃねぇ! 言葉通り『抜いてくれ』、『やめてくれ』って言ってんだよ!」
「ッ――!?」
 そんな三橋の返事についに阿部もキレた。
「もう、十分だろッ? 明日は試合だって言うのに、今からこんなことで体力使ってどうするよ?」
「…………」
「怒鳴って悪かったよ、もう怒ってねーから。お前だって大試合を前にしてテンパってたんだ」
「…………」
「だからもう降りてくれよ、な?」
 怒号と共感。阿部の緩急織り交ぜた語り掛けにすっかり三橋も黙り込んでしまった。そしてゆっくりと三橋も
項垂れていた顔を起こし、ようやく離れるかと思われたその時、
「降りない……オレ、降りたくないよ」
 三橋はいつにない真剣なまなざしで阿部を見つめ―そう言い放った。

162:ミハアベ
09/02/11 09:20:37 g+HE4k/o
「な、なんだよそれ? みは―」
「『こんなこと』じゃ、ないんだッ。大切な試合だから……大切な、阿部君との試合の前だからだから、したいんだ」
 そんな三橋の必死な……というよりは、どこかすがるようなその物言いに阿部はまた何も言い返せなくなる。
―こいつ………。
「だから、降りない、よッ。マウンドからも、阿部君からも、降りない! 阿部君がキャッチャーの限り……オレ
降りたくないッ。降りないんだ!」
「………」
―こいつ、完全にテンパってるな。
 そのことを察し、阿部はことさら大きくため息をついた。
 阿部や、そして他のメンバー達と『仲間』になって挑む初めての試合―そんな共に戦う仲間のことを、三橋は
いま誰よりも知りたいのだ。阿部は今日、対戦相手のデータを覚えろとこの三橋に言ったが、彼が一番知りたかった
のは誰でもない―仲間達(ナイン)のことであり、そして阿部(じぶん)のことであった。
―そんな想いにプラスして連日の猛特訓と禁欲生活だ……完全にこいつの中じゃ、欲情と友情
   がゴッチャになってる。……話してわからないヤツじゃない。試合前の緊張感と、脅迫めいた
   使命感が、こいつをおかしくしてるんだ。
 そう自分の中で今の状況と、そして三橋を動かすその心理を分析して阿部はため息をつく。そんなため息は、
三橋を突き動かす心情を理解する意味と同時に、もはやこの状況からは逃れられないことを悟る、諦観のため息でもあった。
「……早く終わらせろよ」
「え?」
 阿部のぶっきらぼうな物言いに三橋も思わず尋ね返す。
「だから、付き合ってやるって言ってんだ! ……お前の言うセックスに。それとももう、やりたくねーのかよッ?」
「うッ、ううん! やりたい! やりたいよ、阿部君ッ!」
「だったら早く―ってバカ、お前!? うあぁ……!」
 頷いて返答するやいなや腰を突き出す三橋の動きに、阿部も息を詰まらせ思わず声を上げる。
「あッ、あ、阿部君、気持ちいいよッ」
「ッ……(オレはいてーよ!)」
 依然、異物感に息を詰まらせる自分とは裏腹に、この世の喜びを一身に受けるかのよう恍惚とした三橋の表情に、
阿部はどこか苛立たしさを覚える。
 しかしそれでも、


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