【レシピ架空亭】草川為作品でエロパロ【パレット龍花】at EROPARO
【レシピ架空亭】草川為作品でエロパロ【パレット龍花】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/06/17 06:36:23 TK30ekxo
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしね!!!         <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´


3:名無しさん@ピンキー
08/06/17 07:50:39 WZqXhmJq
おお!!とうとう立ったか!
1乙です

4:146
08/06/17 08:25:57 KcNTkDSe
スレ立て乙です、少女スレ>>146です
がんばってるので気長にお待ち下さい






向こうのスレに誤爆った・・・・・・orz

5:名無しさん@ピンキー
08/06/17 18:55:10 h1RIfGUg
>>1

>>146
気長に待ってるから頑張って
龍/花も募集中

6:名無しさん@ピンキー
08/06/17 21:56:28 WZqXhmJq
>146
wktkしながら待ってますw


ガートルードもいつまでも待ってるので、どなたか神様が降りてきますように!

7:名無しさん@ピンキー
08/06/17 23:18:08 deeBdPOm
スレ立て乙です…まさか草川スレが立つとは!
146さんがんばってー!

8:名無しさん@ピンキー
08/06/18 00:16:23 lrZL/P3K
他スレ見たけど即死判定厳しいらしい
ってことで保守



9: ◆6lUxBDjekE
08/06/18 00:43:16 XX3RYSAC
>>4
誤爆ドンマイw
お互いグエセロ書き上げるまで頑張りましょう

ところで皆さんはどのカプが好き?
自分は公式カプは基本的に全部好きだけど、佐原兄妹とか
領主×シャクヤなんてキワモノも好きだったりするw

10:名無しさん@ピンキー
08/06/18 03:35:40 wZV55X1B
即死判定はたしか30までだったはず。
って事で保守

11:名無しさん@ピンキー
08/06/18 03:40:36 wZV55X1B
>>9
パレットが始まるまではガー×漱が一番だったけど
今は何をおいてもグエ×セロ。ああでも最近読み返したらカーティス×チェルシーに再燃してきた。
何はともあれ草川漫画のカプはどれも淡々としてて味があって好きだ。

12:名無しさん@ピンキー
08/06/18 15:54:12 PhqJBBMI
保守

13:名無しさん@ピンキー
08/06/18 22:16:51 FoxmIhTh
初めて読んだ草川作品がレシピでガー×佐原が1番だったけど
龍花で多夫一妻制に萌えて
今月号のパレットでグエ×セロにフィーバーが掛かった。

ガー×佐原もグエ×セロもキスの先を読みたいんだよおおおおお

14:名無しさん@ピンキー
08/06/18 22:28:47 YKr0awPa
>>9
それは面白そうだ
唾プレイですか

15:名無しさん@ピンキー
08/06/18 23:03:22 lrZL/P3K
>>9とは気が合いそう
草川作品深読みしたらエロくね?的な匂わせムードを感じるんだよ

パレットはあの状況じゃやってもおかしくないよ
って言いたかったけど少女漫画板のスレは全年齢なので控えた


16:名無しさん@ピンキー
08/06/19 00:31:53 3rEb7/yj
>>13
キスのその先はおまいが妄想して書けばいいじゃない

>>15
絵柄や作品の質はあっさりなのに変に色気あるよね>草川作品
勿論いい意味でw
龍花でシャクヤと半裸クワンが抱きあったまま次号に続いた時は
少女漫画板本スレでも「風呂場とベッドが近くにあるとかヤバスw」とか、
「掲載紙が少コミなら確実に…」とか結構言われてたようなw


17:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:03:54 JU26VnlQ


18:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:04:44 JU26VnlQ


19:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:05:16 JU26VnlQ


20:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:06:02 JU26VnlQ


21:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:06:45 JU26VnlQ


22:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:07:07 JU26VnlQ


23:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:07:46 JU26VnlQ


24:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:08:24 JU26VnlQ


25:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:08:54 JU26VnlQ


26:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:10:30 JU26VnlQ


27:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:15:01 JU26VnlQ
即死回避のためにとりあえず。連投スマソ。
これだけじゃなんなので、
作者サイトにあるグエセロのイチチャイチャイラストが大好きだとつぶやいてみる。

28:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:45:15 tYYKDSmA
ナイス即死回避
あのイラスト大好きだけどあれでグエセロに過剰な期待を
持ってしまった人結構いたんじゃないかな

29:名無しさん@ピンキー
08/06/19 07:14:31 3rEb7/yj
医務室のベッドに二人でイチャイチャだもんな
一見可愛く見えるけどエロい方向にいくらでも考えられる絵だw

30:名無しさん@ピンキー
08/06/19 10:57:05 yXXldWMu
これで30!

見る人間によって如何様にも深読みできるよねw>サイトグエセロイラスト

31:名無しさん@ピンキー
08/06/20 02:41:08 WcWZAQWU
即死回避は30までだっけか

カーティスはアンの魂じゃなく処女を貰う契約にすればよかったのに…とレクイエムを読むたび思うw
悪魔との契約で乙女が純潔捧げるってのも割とメジャーな話だよね?


32:名無しさん@ピンキー
08/06/21 00:17:19 la6ZcSg/
目を提供するのに(後で返してもらうにしても)
処女じゃ割に合わないんじゃない?
カーティスってガートルードを誘ってたからそっち系のキャラかと
思いきや百年の悲恋を引きずってる純愛悪魔でした

33:名無しさん@ピンキー
08/06/21 02:42:38 5JRTPQwx
まあそういう悲恋も
直前に感ずいてアンを守って
そこから目返さなくて良いからエロい流れへヒャッホウ!みたいな話になってもいいのが
この板での醍醐味というかつまり神様だれか書いてくださいお願いします。

34:名無しさん@ピンキー
08/06/21 06:13:51 kP71dedq
>>32
誘ってたって間違いじゃないけど違うだろwww

>>33
自分>>31だけど、代弁してくれてサンクスwつまりはそういうことなんだよね
カーティスは存在がエロいから妄想しがいがあるよ
綿あめ食べてニヤニヤしながらアンを見る四分の一柱のカット最高すぐる



35:名無しさん@ピンキー
08/06/21 20:36:48 5JRTPQwx
柱の綿あめいいよね。
もしくは悲恋のままエロはさむとしたら
「自分の命を奪う悪魔でさえもそばにおいておきたいほど心細かったくせに」
のくだりでそのまま別の部屋で寝るんじゃなくてエロへ突入とかか。
ちょうど翌朝カーティス真っ裸で寝てるし。

話は変わるけど
ずいぶん前に少女漫画全般スレの方でグエセロssが投下されてて
そのログあるんだが、こっちに転載ってok?
やっぱり投下主の許可ないと駄目だろうか

36:名無しさん@ピンキー
08/06/21 22:15:14 pWWa8a6X
保管庫にあるから、わざわざ転載しなくてもいいと思うんだけどなあ

カーティス×アンばかりじゃなくて、たまにはメインカプのガの字×佐原を思い出してください><

37:名無しさん@ピンキー
08/06/22 00:21:49 NZ3JiJdD
それを言うならたまには架空亭のことも思い出して下さ(ry

架空亭は草川作品には珍しい大人×大人カップルだけど、
一番進展がないまま終わったからエロが想像しにくいw
着物プレイとか色々おいしい要素はあるけど

38:名無しさん@ピンキー
08/06/22 01:31:05 g6h5zwBt
ガーか…
サハラが押さないとその気にならなさそうというか…
性欲薄そうで
グエル先生も薄いなあ…でもこっちはむっつりタイプだと思うが

39:名無しさん@ピンキー
08/06/22 03:11:15 MVVj21c9
ガーは満月になったら魔力といっしょに性欲もでてくるんだよきっと。

40:名無しさん@ピンキー
08/06/22 15:21:00 GAymUfTi
>>38
グエル先生は今までのあれこれを考えたら絶対むっつりだろ
性欲あるけど生徒だからとか自分のこと卑下して無理やり押し込んでむっつりになってそうだ


ガーは色んな悪魔のパーツを貰っているから、本体の生態にあわせて毎日が性欲記念日。
というのは流石にないかw


41:名無しさん@ピンキー
08/06/22 15:47:57 NZ3JiJdD
>>40
性欲記念日にカレー吹いたwww



この流れにガーとサハラのこんな会話が思いついた↓

「ねぇガートルード、ちょっと変なこと聞くけどいい?」
「何だ?」
「ガートルードって、エッチしたいとか思う?」
「ブフォッ!!…またいきなりだなオイ」
「いや悪魔ってそこのところどうなのかとふと疑問に。
それとも100年以上生きてるとそっちの方は枯れてたりするの?」
「ヒトを年寄り扱いすんなァ!つーかオレは悪魔の中で言えば全然若い方なんだよ!」
「やだ冗談よ。…で、どうなの?」
「……まぁ、個人差はあるが…悪魔ってのは基本的に楽しいことや気持ちいいことが好きな生き物だ」
「つまり性欲はあるのね」
「性…頼むからオマエはもうちょっと恥じらいを持てよ…」

サハラは実際そういうことをするとなると年相応に照れるけど、
口にするだけならサラッと言っちゃいそうなイメージ

42:名無しさん@ピンキー
08/06/22 23:24:17 enKv+/4E
>>35
すんません某146ですが実はそのSSの投下主でした
時間かかりそうなのでもし保守ネタがなくなったら投下してくだちぃ
保管庫からわざわざ出すような代物でもないですが(´・ω・`)

43:名無しさん@ピンキー
08/06/22 23:26:04 enKv+/4E
と、それだけでもなんなのでこっそりカーティスアン萌えをつぶやいて去ります
クロード→佐原のひねくれた複雑な兄妹愛も好きだけど

44:名無しさん@ピンキー
08/06/23 00:33:58 pKl4Yqtm
>>43
自分もクロードの妹への歪な愛情に萌えた
大切だけど傷つけてしまうんだよね
クワンもそんな感じなんだよな…

45:名無しさん@ピンキー
08/06/23 12:46:42 j/Fr3OGv
クロード→佐原なら、佐原を研究棟に暗示で監禁していたときに
絶対寝ている佐原の額にキスしていたハズと妄想してみる

46:名無しさん@ピンキー
08/06/23 14:45:23 JywIhhs1
むしろ額じゃないんじゃないかと妄想(ry

それからサハラの骨からレシピを取り出す術式の前に、
ワンピースに着替えさせたのってクロードなんだよなw
あれは着替えさせる意味が本当にあったのかとww

47:名無しさん@ピンキー
08/06/25 00:39:39 xjVGu3pj
>>42
投下主さん、許可ありがとうございます。>>35です。
では、もしレス150すぎても他のss投下無かった場合、転載させてもらうかもしれません。
そして新作も正座して待ってるので!

ワンピースに着替えた意味を考えてみる・・・儀式おわったら佐原死んじゃうし、
その前に妹がどれくらい成長したかを見ようと・・・駄目だ自分の妄想だとクロードが変態になるw

話は変わるけどガーのエロ考えた時に、真っ先にティンコの有無を考えてしまったのは内緒だ。
あるとして考えるとつまりそのパーツだけとられた他の悪魔がいるわけだから最終回以降かなりの強敵として
出るんじゃないかとまで考えてたなんてもっと内緒だ。

48:名無しさん@ピンキー
08/06/25 01:06:02 wN86fEoF
>>47
いや、自分も考えたことあるよww>有無
仮にあるとして勃つのかどうか、とか…
他は片耳だけとか細かいパーツに分かれてるけど、お腹から膝くらいまでは
男の悪魔一人のパーツなんだろうと脳内保管した


今月のララ読んで、西方領主はつくづく鬼畜凌辱系エロに使い勝手の良さそうなキャラだとオモタ
力消えてて龍に変身出来ない今、腕ずくでこられたらシャクヤ抵抗出来ないし

49:名無しさん@ピンキー
08/06/25 01:37:24 NPhYMoIv
そういや前の少女漫画スレでル/シン×シャクのエロ投下してくれた人
ここにいるんだろうか?
クワン派だけどあれ萌えた
今月二人で水浴びしてキャッキャッしてるのもイイ

50:名無しさん@ピンキー
08/06/29 03:32:44 x1eOpQKp
>>41
ありそうな会話だww

なんとなく乳談義を振ってみる。
大きさだとやっぱ

シャクヤ>甘喃>>佐原>>>>>超えられない壁>>>>>セロ

ってところだろーか。
読みきりのヒロイン入れて良いなら
契約パピヨンのウーとか特急HKのてっちゃんも結構上の方来そうだ。




51:名無しさん@ピンキー
08/06/29 18:15:06 9ZFBhtJh
>>49
ルシンと絡んでる時のシャクヤは基本的にほのぼの可愛いよね
そしてクワンと絡んでる時のシャクヤはミョーにエロくなるなとしみじみ思ったww

>>50
甘喃ってそんなにあったけ、とコミックス見返したら普通に胸あるね
連載前のカラー予告カットがセロ並にペタンコだったから貧乳と思い込んでたw
シャクヤ(でかい)>甘喃(普通)>>佐原(やや貧)
>>>>>超えられない壁>>>>>セロ(貧乳)

52:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:18:42 RwoZhpsF
誰もいないみたいなので保守代わりにこっそり投下。
グエルセロエロなし乙女寄り。コミックス派なので最近の展開はわかりません。

53:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:19:13 RwoZhpsF
「失礼しまー…あれ」
いつもの医務室で。私も不本意ながらいつも通りの彩色済みの指先。
なのに部屋の主がいない。紫色した彼の相棒も。
「また街の方かな」
と思ってたらヨーヨーが机の上を羽根で指差す。
ちょっとだけ神経質な細い文字は紛れもない先生の字だ。
職員会議。なるべく早く戻りたい。
やる気のないコメントがほぼ自分に向けられた私信であることに思わず笑みが漏れる。
「早くって書いてるから待ってよっか」


54:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:20:34 RwoZhpsF
いつも先生がうたた寝してるベッドは多分ちゃんとシーツとか洗ってるんだろうけど
先生の匂いがしてる。ミントみたいないい匂い。
「…セロ君?」
先生の声がした。ええとここはどこだそうだ医務室だ。
待ってる間にあまりにいい天気でちょっとだけベッドを借りようと思って。
「セロ君、寝てる?」
おでこに先生の指が触れてる。ひんやりして気持ちいい。
もうちょっと目を開けるのを先送りにしたいな。なんて思いながら目をあける。
「…おかえりなさい…」
私の寝てるベッドに腰かけて覗き込んでくるから思わずへらと顔がゆるむ。
「…ただいま」
思ったよりやさしい声とともに額に柔らかい感触が触れて本気で目が覚めた。
のと同時に果敢な抗議をしたヨーヨーは、よけてあったシーツに
くるまれて向こうのベッドに投げられた。そんなに早く反応できるんだ先生。
ヨーヨーを投げた分、ちょうど私の上にのしかかるような体勢になって
ベッドが二人分の体重で軋む。
「グエル先生…?」


55:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:21:17 RwoZhpsF
のぞきこむと少しだけばつの悪そうな顔をして、
そんな無防備な顔するから、と呟いた唇が重なる。
先生は唇もひんやりしてて柔らかくてドキドキする。
初めてではない感触。ただ唇同士が触れているだけなのに
どうしてこんなに気持ちいいんだろう。
わからないままに心地よさだけで何度もねだってしまう。
と。
口中に突然熱いものが忍び込む。それが先生の舌と気づく頃にはもう、
「…!っふ…ん…」
絡めとられて、熱がうつされる。おかしくなりそうな、熱さ。
溶けてしまいそうな感じがしてただ先生の白衣にしがみつく。
どれだけその状態だったのかもわからない。波に揉まれ自分の口から
変な声が漏れたことだけ覚えている。それを抑えようとした手を先生が
押さえつけたのだけ。
「…おしまい」
与えられる快感にうまく呼吸が出来なくなって、目の前が白くなった瞬間、
突然唇から存在が消えた。目をあけるともう体を起して白衣を正しながら立ち上がる先生。
「…先生…?」
「これ以上は保護者の前では出来ない、かな」
私の手を取り指先に軽く口づける。そこから流れ出るヨーヨーピンク。
色の持ち主ことヨーヨーは。
さめざめと泣いていた。

56:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:21:48 RwoZhpsF
「そ、れじゃあ先生、お先に…失礼します」
自分でも変になってるのが分かる。顔が熱い。両手で抱えるヨーヨーの感触まで
なくなってるみたい。
気をつけて、と言いながらそっと私の耳元に顔を近づける先生。
この間までそんな距離気にならなかったのに。今はすごく、自分の顔が赤らむのが分かる。
じかに目が見れない。
そっとヨーヨーを抱える手に重なる手。違う。ヨーヨーに目隠し。
「覚悟ができたらまたおいで」
そう囁いて。そっと私を医務室から出した。でもそれはつまり。
「覚悟ができるまでミスをするなってことですか先生…」
そのハードルの高さに私は扉の前で立ち竦まざるを得なかった。

一方そのころ。
(…グエルさんに危機が!危機!)
職員会議後に鳥舎に戻されていたオルガは地面すれすれの超低空飛行で
危機を察知していたとかいう。

57:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:22:29 RwoZhpsF
以上です。
通し番号もふってないよ…お目汚し失礼しました。

58:名無しさん@ピンキー
08/07/02 02:20:05 zfm4nqmv
うわー夜中にいいもの見た!GJです!!
先生カコイイよセロ可愛いよ

59:名無しさん@ピンキー
08/07/02 06:34:10 XsZ8uMte
さめざめと泣くヨーヨー噴いたw
GJ!

60:名無しさん@ピンキー
08/07/02 11:47:44 6Tc5cX0l
ヨーヨーかわいそうw医務室でイチャイチャ萌えましたGJ!


61:名無しさん@ピンキー
08/07/03 09:37:09 9QJT22rG
ヨーヨーかわいそすw
しかしそんな風にスマートにヨーヨーをあしらえる先生カコイイ!!
先生、さり気にセロに覚悟決めるように迫っているように見えます。
やっぱりむっつりなんですかw
GJGJ!!

62:52
08/07/03 21:47:07 dtzxkkIQ
GJって言われるのすごく嬉しい
初投稿で緊張していろいろおかしいところはあるけどうpしてよかったー
さあみんなも続くんだ!
>61
むっつりじゃない先生なんかいません!w

覚悟後の話も書きたいので
その際にはぜひおつきあいください

63:名無しさん@ピンキー
08/07/03 22:25:09 bOApTctf
>>62
ぜひぜひお待ちしてます!覚悟後の話!
GJしまくりますから
公式サイトのイチャ絵みたいな情景が浮かんだよ、GJ!

64:名無しさん@ピンキー
08/07/06 23:35:44 fdzd5IRW
そろそろあげときますよ

読み切りで何かエロス妄想したいけど、殆どがカップル未満だからうまいこといかないw
どなたかか千ハナとかジンロスイとかウーシャルロとか書いてみませんかー

65:名無しさん@ピンキー
08/07/07 02:50:49 IQEjxp/S
千ハナは読みきりの中で一番好きな組み合わせかもしれん。
あとガーの一巻にあった寿命三百年のじいちゃんと死んだおばあさんも
想像するだけで萌える。どれもエロにはたどり着かないが・・・

そして架空亭は真向がポルノ小説かハーレクイン小説家だったら
美味しい展開になったろうなと思った。

66:名無しさん@ピンキー
08/07/08 21:11:57 L8IIl8EY
逢瀬のアラムさんと旦那様はキスくらいした仲なのかが気になる
Hはないだろうけど

67:名無しさん@ピンキー
08/07/15 00:04:37 FkYrCFzQ
ここに投下するつもりでグエ×セロを書いているんだが
草川作品のノリでいくとどうしてもエロが進まない。
本番まで書き上げるのは難しそうなので
保守がてら触りだけ投下します。
ものすごく中途半端&続きは絶対に書けないので
それでも良いという方はご覧ください。
3レスかな。ヒロインは先生です。

68:グエ×セロ1
08/07/15 00:06:05 FkYrCFzQ

放課後の医務室で二人、そっと唇を重ねた。
もう何度目ともわからないキス。
話をしていて、ふっと空気が変わって、「あぁするんだな」っていうのが最近わかるようになった。
「先生……?」
唇を話したあと、セロ君が覗きこむようにして俺を見上げた。
「なに?」
「あの、ずっと聞こうと思ってたんですけど、私たちって付き合ってるんですか?」
「……え?」
セロ君は、いつも唐突だ。
「先生のこと好きだし特別だとは思いますけど、恋人って言うには違う気がして」
「……そう」
俺はコクリと頷いた。
っていうかそれ結構ショックなんですけど。
「一応私たちは教師と生徒だし」
うん、それは自覚している。
「キスだっていつも私からしてるし。」
そうだね、九割くらいはセロ君からだ。
「だからつまり、私は恋人の証が欲しいんです。」
「証……?」
「だから……っ」
セロ君の顔が、みるみるうちに赤く染まった。
え、何、つまり、どういうこと?


69:グエ×セロ
08/07/15 00:07:25 FkYrCFzQ
「セロ君それって……」
言いかけた俺の口を両手で塞ぎ、「皆まで言わないでください!」とセロ君が顔をそらす。
セロ君、耳まで真っ赤だ。
「わからなければいいんです!こういうことは自然の成り行きだと思いますし!
試験も次落ちたらさすがにまずいし、それにヨーヨーが……」
セロ君が何か言ってるけど耳にはほとんど入らず、その白い首筋をただ眺めていた。
俺の口を塞いでいたセロ君の腕を捉え、むきだしのうなじに舌を這わせる。
「……ひゃっ!!」
セロ君の体がビクンッと震えた。
俺は構わずセロ君の首筋を舐めあげ、赤くなった耳に舌を入れた。
「や……、グエル先生っ」
わざとピチャピチャと音をたてセロ君を刺激する。
「ん、あ……先生、あっ」
俺の舌に素直に反応してくれるセロ君を見て、なんだか感動してしまった。
やばいな、止められないかもしれない。
セロ君をぎゅっと抱き寄せて、深いため息をつく。
「……先生?」
「ずっと抑えてきたのに。セロ君が可愛いこと言うから……」
たぶん、俺の顔も赤くなってる。
「先生、今、ここで……?」
「うん、したい。する。」
貪るようなキスをして、それからセロ君をベッドに押し倒した。


70:グエ×セロ3
08/07/15 00:11:15 FkYrCFzQ
いつもとは違う、深く、相手に侵入していくキス。
舌を絡めとって奥まで貪ぼる。
赤くなって俺に応えてくれるセロ君が愛しくて、何度も求めてしまった。
ブラウスの上から胸に触れると、セロ君の体が硬直していくのがわかった。
「先生……」
「……ん?」
ブラウスのボタンを一つ一つはずしていく。
この時間がもどかしい。
「先生、私、胸ないですよ」
「うん。いいよ。」
「先生、あの、恥ずかしいです」
「うん。わかるよ。」
「先生、電気、消しませんか」
「うん。……それはやだ。」
「え!なんでですか!」
だって、もったいない。
くるくる変わるセロ君の表情をもっと眺めていたいと思ってしまったんだ。


71:67
08/07/15 00:15:22 FkYrCFzQ
本当に中途半端ですまん。
自分に書けるのはここまでだ。
以下名無しに戻って神の降臨をお待ちしてます。
休載頑張って乗りきろう

72:名無しさん@ピンキー
08/07/15 00:16:51 MWTfRS6z
>>67-71
GJ、いいもん見せてもらった。萌えたよー
ここまで書けるのにもったいない。
またいつか続き書けたら投下してほしいな。待ってるよ

73:名無しさん@ピンキー
08/07/15 01:55:23 bTUgtMSQ
たまたま来たら投下されてた!
GJ!萌えるよ萌えたよ
セロは自分で胸ないから…とか言いそうだと思ってたんだw
そっかエロ創作難しいのか草川作品は…

74:名無しさん@ピンキー
08/07/15 16:46:41 Cwyb/tcx
>>67-71
GJGJ!!
投下前書きコメの>ヒロインは先生です。に吹いたw
パレットはグエル先生が保険医だからベットがいつでも手近にあっていいよねw
セロは貧乳だから横になったら胸流れてまったいらになりそうだが
「敏感で可愛いな…」
ってセロ乳を愛撫しまくるむっつり先生が浮かんだww

>>73
妄想はできるがそれを脳みそからアウトプットして文章化するとなると
とたんに手が止まる草川作品…

75:名無しさん@ピンキー
08/07/15 19:58:15 XA7uamMp
>>71
GJGJ!!!!
電気は消してあげて先生www
セロの公式貧乳設定って色々おいしいよね
シャクヤの巨乳(美乳?)設定も

自分もちびちび書いてるけど、ベロチューかせいぜいペッティングまでで筆が止まる…
草川作品でエロが難しいのか単に自分が初心者だからなのかはわからんが

76:52
08/07/15 21:21:39 lCH08HoJ
>>67
GJです!それはやだって言っちゃう先生ラブだ。

だらだらと書いてきた>>53-56のその後。
グエル先生視点寄り無駄に長いぐだぐだ加減です。

77:名無しさん@ピンキー
08/07/15 21:22:25 lCH08HoJ
はやまったかな。後悔していた。
先日以来セロの様子がおかしい。以前の――極端に避けるというほどでは
ないにせよ、やはりちょっと挙動不審で。
仕方ないけどね。ため息をつきつつ野菜を切る。
無防備な彼女も暴走した自分も、その先に進もうとした自分も不可抗力だ。
それでもいずれは忘れて、なかったことになるだろう。
忘れなくても彼女が覚悟ができたと言わなければ進展することはない。
セロ君のことだから何の覚悟か解ってないかもしれないけれど。

覚悟。
自分にも果たして覚悟はあるのか。
自分が彼女の特別になる覚悟。
彼女を自分の特別にする覚悟。
もうこれは覚悟ではなく事実だ。だけどまだ今なら。
自分の感情と欲をしまいこんでその先に進めなくてもいい。
せめて彼女が一人のパレットになるまでは。何年先だ。

そんなことを考えながら作った夕食は自分一人では明らかにやりすぎの量で。
こういう時にこそテオが来てくれると助かるが、そういう日はまず来ない。
長期休暇で彼の愛娘も家に帰っている。来ない、だろう。
諦めて食べられる限り食べようと誓ったあたりで来客の音がした。
「こんばんは先生」
「…なにそれ」
入口で照れ隠しのように笑うセロ。
その手には重箱のようなものを抱えている。
「父が先生のところで夕食を頂いてるのを母が知りまして」
迷惑をおかけするせめてものお詫びに夕食をおすそ分けにですね。
言いながら視線をそらしたセロはテーブルの夕食の山に驚き、
照れ笑いが苦笑いに変わった。
「とても…間の悪いタイミングでしたね…」
「こっちもちょっと作りすぎたから」
セロ君やっつけるの手伝ってよ。つい誘ってしまった。

78:2
08/07/15 21:23:14 lCH08HoJ
「…かなり…難敵でした…」
「そうだね…」
食器を洗って拭く作業を並んでやるのはまるで新婚みたいだと考えて。
「先生どうかしました?」
「なにが?…変な顔してる?」
食器を拭く作業を止めてちょっと笑う。
「なんだか嬉しそう」
そんなセロが愛おしくなる。感情をしまいこめなくて、困る。
そう?と尋ね返しながら最後の皿を渡して水を止めた。
その皿をそっと棚に戻して。
「せんせい。この間のこと」
まだ幼さの残る声。せっかく封印したものを開けようとするなんて。
「教えてください。先生の気持ち。…それを聞く覚悟はしてきました」
うつむくセロの赤らんだ耳に目が行く。
わかっていても言葉にして欲しいと。そうねだっているように見えて。
「…好きだよ」
密やかに、感情の箱が開いた。
ぎゅ。 
「私も、先生が好きです」
背中にまわされる細い腕とやわらかな感触。
思いが確認できて緊張が解けたのかセロの体から力が抜け、安心して
こちらに体を預けてくるのが悔しい。こっちにはそんな余裕ないのに。
「セロ君」
「はい…?」
耳元で名前を呼ぶとこそばゆいのかちょっと笑う。
「次の覚悟、決めさせられないけど」
「はい?次って、っ!」
抱きしめて持ち上げる。そのまま寝室まで運びそっと力を抜いた。
わ、と小さい声をあげてベッドに座らされるセロ。抵抗されなかったのは
次の覚悟がやっぱり分からなかったらしい。
「先生、…次の覚悟って、何ですか…?」
「何だろ。…愛される覚悟?」
自分で言ってもどうかなと思いながらその頬に触れる。
予想外の発言と行動をされてあーとうーしか出なくなった相手に。
「セロ君」
返事を待つ。結局自分も分かっていても承諾を求めているのだ。
根負けしたセロはやがて小さく頷いた。

79:3
08/07/15 21:23:53 lCH08HoJ
額、頬、唇、耳、首筋、鎖骨。
ひとつひとつ自分のものだと印をつけるようにキスをする。
そのたびにセロは体を震わせ、小さく息を吐き出す。シーツが声に合わせて乱れる。
うわごとみたいに自分だけ呼び続けて。その声に酔う。
どれだけ自分らしくないことをさせるつもりなんだ。
「…っ!ちょ…ま、ってせん、せ…!」
不意に抵抗されたのは上の衣服をすべて剥いだあと。
制止されたことに驚いてセロの息が整うまで待つ。
「何?いまさらやめろと言われても無理だよ」
「ムッとしないで先生!…あのですね、こう…ゴスティさんほど
ダイナミックじゃないんですけど…大、丈夫ですか…?」
大丈夫かなどうかな。ていうか何が大丈夫かそれも分からない。
「セロ君に凹凸が乏しいのは知ってるよ」
思わず本音が出る。
「けどセロ君だから」
欲しい、と。最後まで言わずにその薄い胸を唇で触れる。
緩やかなカーブを舌でなぞり先端で止まる。頂をそっと舌で押すとびくりと体が跳ねた。
手のひらで包むとわずかに形を変えるささやかなそれをやわやわと緩く撫で回す。
じわじわと硬さを増す口の中の物体。
「んっ…ふ…ゃ…」
体を捩って逃げようとする体を逃がさずに何度も確かめる。蕩けた声が漏れるまで。
手のひらがそこから下降する。なめらかな腹を下り邪魔な衣服も取り去る。
「せんせい…」
ちょっと泣きそうな声。なだめるようにキスをしてから覗き込む。
「うん…怖い?」
「…怖いというか…先生が知らないひとみたい」
ちょっとだけ緊張が緩んだ。
「おかしくなってるのはオレも分かってるんだけど」
こっそり本当のことを言うとセロの顔に笑顔が広がる。先生オトナなのに。
「オトナだけど慣れてないこともあるよ…」
指をするりと秘裂に這わすときつく閉じたそこがわずかに湿っているのが分かる。
ゆるゆると周囲をなぞり小さな突起を探り当てる。
「あ、わ…っぅ…んんっ」
小さな体が縮まりこちらの首筋にしがみついてくる、その声の甘さ。
もっと聞きたくなる程。
おそらく彼女にとって未知の快楽を与え続ける、やましさ。その全てに欲情した。
先端と入口とに緩やかな刺激。水っぽい音が荒い吐息の合間に漏れる。
「せ、っんせ…ぇ…わた、し…っ」
我慢しなくていいよ。そう唆して、入口より奥へ中指を進める。
親指の腹で脈動的に尖るそこを細かく刺激しながら。
初めて異物を受け入れる最奥は抵抗が強いものの、
自らの発する液体のおかげで苦もなく入る。
セロの白い喉がのけぞりあられもない声があふれた。
異物感よりも快楽の方に意識をとられて。
「あ、あ、あ!…っや、ぁ!」
がくがくと体が激しく痙攣し、腕が助けを求めるように虚空をつかむ。
咥えこむ指を食いちぎらんばかりに締め付け、彼女は達した。

80:4
08/07/15 21:24:59 lCH08HoJ
くた、とベッドに身を投げ出すセロ。
自分の未だ大人気なく猛る情欲と、少女にこれ以上の負担を今与えることを
秤にかけ、悩むことなく後者をとった。そっと彼女にシーツをかけ頬を撫でる。
「先生?」
不思議そうな顔して見上げるセロを見てその判断を下せてよかったと思う。
「今日は、ここまで」
「嫌です」
ワーオ即答。内心の動揺は外見まではみでなかったらしく、もう一度セロは
いやです、とこまっすぐこちらを見て言った。
「まだ終わりじゃないもの」
「セロ君…多分ものすごく、痛いよ?」
自分では理解しえない女にしかない痛み。急いで得る必要なんてないのに。
「最後までしてくれなきゃ秘色で背中にこっそり甲斐性なしって書きます」
宣言しておいてこっそりもないし甲斐性かどうかもあやしいけれど。
「…本気で?」
「大マジです」
シーツから延びたセロの指が自分のそれに重なる。
自分よりはるかに覚悟の付いた、気丈な笑みをして。
「先生がちゃんと欲しいんです」
セロ君がいいならいいけど。ちゃんと言葉にできたか自信はない。

81:5
08/07/15 21:25:51 lCH08HoJ
「…加減は、できないと思うけど」
服を脱いでセロを組み伏せる。収まりかけたそれが再び暴れだしている。
「頑張ります…?」
何を頑張るのか自分で言いながら分からなくてセロの緊張が緩んだ、その瞬間に。
情欲の塊を奥へと捻じ込んだ。華奢な体が反る。
「っく、あ、あっ!」
痛みをこらえるように圧し出される声。目の端の涙。爪を立てる指。
それら全てに構わず暴れたくなるほどの強い快感に思わず奥歯をかみしめる。
「…大丈夫?」
なんとか衝動を抑えつけて。腕の下をうかがう。
「…た、ぶん…っ、も、ちょっとだけ…このままで、いいです、か?」
おそらくちっとも大丈夫ではないのだろうと分かる。理解は出来なくとも。
承諾を示す代わりに口づけを交わす。もう抵抗はされず、たどたどしく舌を絡めてくる。
「ん、ふ…ぁ…」
ずくりと奥から蜜があふれ、それだけ奥まで届く。
「頼むからあまり締め付けないで…わりと限界」
「せんせ、のが…大きくなるのが、いけないんですっ…こんな、奥に、ぁ」
自分の手を取り、ここまで、と白い腹を触らせた。
その言葉と行為に、理性が飛んだ。
重なる手を抑えつけ、無理やりに中を抉る。滑る肉がきつく噛みついて離れない。
「ん、んっ…ん!」
堪えようとする唇に指を割り入れる。指先に感じるぬたりとした舌の感触。
意識をそらそうとして指を咥える方に集中する姿。ちらちらと見える舌の赤さに
また、興奮する自分がいる。
濡れた指を口腔から引き出し、繋がる部分に滑らせる。その先の突起に。
「あ、や、そこ…っ」
弄りながら中を探る。限界は近いけれど、少しでも気持ち良くしてあげたい。
動くたびに指が滑りセロの声が甘く高くなる。
「せんせぇ…わた、っ、わたし…っ!!」
息を止め四肢が突っ張る。締め付けが不定期に激しくなり全てを搾りとろうとする。
脳の奥の痺れが爆ぜた。駄目だとなけなしの理性が最後の警鐘を鳴らし
無理やり体内から引き出す。
「…っ」
かろうじて。白い腹を汚すだけで間に合った。

82:6
08/07/15 21:26:27 lCH08HoJ
腕の中で溶ける彼女の髪の毛をいたぶる。意識はあるもののちょっと曖昧になっている。
「そういや…聞いてたほど痛くなかったです」
口調まで緩くなっている。寝言かもしれない。
「そう?」
眠気がうつったのかあくびが漏れる。
「…オレは年甲斐もなく必死だったよ」
「年甲斐っていう年じゃないです…」
ふふ、と笑う声はしても目蓋がどうしても重くなって顔は見えない。
「せんせい、すきです…」
それだけ言ってすう、とセロが睡眠に落ちたことを確認してから
ようやく自分も意識を手放した。
明日起きたら夢じゃなかったかもう一度確認しよう。そう思いながら。

83:52
08/07/15 21:29:48 lCH08HoJ
以上です。
やっぱり番号振り忘れてたw
低温加減が草川作品の魅力ではあるけど
それだけにエロパロしにくい。難しいっす。

84:名無しさん@ピンキー
08/07/15 22:44:20 Cwyb/tcx
>>76-83
ぐっじょおおおおおおおおおおおおぶ!!b
凹凸少ないってわかってても、それを口に出して欲情する先生に萌えたw
拝読中ニヤニヤが止まらんかったよww

神が2連続なんて、なんか今日すごいよww

85:名無しさん@ピンキー
08/07/15 23:10:31 7uau1s5V
>>76-83
ありがとうありがとう。またもいいもん見せてもらった。
幸せな話で幸せだー。

86:名無しさん@ピンキー
08/07/16 01:06:13 xIyyTjWB
>>76-83
GJです!お腹に手を触らせる辺り、セロの天然小悪魔っぷりが
発揮されてると思いましたw漫画読んでるとニヤリとする小ネタあったり
楽しく萌えた。文章書ける人ってすごいなー。




87:名無しさん@ピンキー
08/07/16 03:50:36 p2cNLJqK
GJー!萌えたよー、萌えた!
自分もお腹触らせるあたりセロエロいって思った。
よくぞ最後まで書ききってくれました!

88:名無しさん@ピンキー
08/07/17 04:51:31 L8g84geg
>>83
GJすぎる…!!

>明日起きたら夢じゃなかったかもう一度確認しよう。

確認とは朝からもう一度という事ですねわかります

89:名無しさん@ピンキー
08/07/17 23:03:48 wN5bkYRj
>>88
ウホッ!

エロパロを書くにあたり各キャラの好きそうな対位を考えてみた。
クワン……後背位(ドSっぽいから)
ルシン……対面座位(イチャイチャするのが好きそうだから)
グエル……騎乗位(面倒臭がりっぽいから)

バックで攻める先生なんて想像できません><


90:名無しさん@ピンキー
08/07/18 00:29:53 ttpXtphG
神のまたの降臨をお待ちしてます。
エロじゃないけどくさかわ作品は2次やりにくいって
所々で見たなあ。
糖度は低いけど主役結構ラブラブだから妄想の余地がないのかもしれない。

91:名無しさん@ピンキー
08/07/18 02:14:58 91bJiqxW
草川作品に限らず、少女漫画は少年漫画と違ってカップルや人間関係が公式で鉄板だからね
妄想の余地が少ないから少女漫画の二次創作は難しい
公式を壊さないよう崩さないよう気をつけすぎると何も書けなかったりw

しかしもう90レスいったのか
予想より早かったし神もいるしでウハウハだ

92:名無しさん@ピンキー
08/07/22 21:53:57 s9U+H3M4
「ためいきの金の色」(絵描きの卵な少年少女を描いた、コミクス5巻収録の短編)のエロい夢を見た。
文字にしようとすると途端に解けていっちゃっう…。
まあそれが夢だけどさ。
姐さんもエロい夢見たかったら寝る直前に元ネタ(マンガ)を読んでうつらうつらすると
見たい夢を見れるかもよー。

93:名無しさん@ピンキー
08/07/26 21:23:18 Lw5OlQV+
シャクヤは度々水浴び中にクワンと会話してたけど
あれってスタイル丸見えだと思うんだ
婚前交渉推奨なんですか龍の宮ww

94:名無しさん@ピンキー
08/07/27 01:27:25 Cj8kvdtg
>>93
クワンはシャクヤの身体見て順調に育ってますねとかサラッと普通に思ってそうww
前に本スレでクワンおっぱい星人説が出た時はねーよwwwと笑いつつちょっと萌えた

95:名無しさん@ピンキー
08/07/27 01:47:21 +NCSw2sV
クワンおっぱい星人は無いな
一番のエロキャラだと思うけど

96:名無しさん@ピンキー
08/07/29 00:49:09 ovbl6Ed1
保守あげ

ガートルードとサハラ読みたいなー
本番なしイチャイチャでもいいから

97:名無しさん@ピンキー
08/07/29 10:10:00 IsPRjZSh
クワンは胸より脚派だと思うんだw
引き締まった足首から脹脛、膝裏を辿って太腿をねっとりと撫で上げるイメージww

98:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:02:40 pFRDne0p
保守がてら投下します
>>96さんを見て思いつきました
初めてなので、見苦しい点もあると思いますが、読んでくれると幸いです
(携帯からなので余計見づらいかもです)

99:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:10:31 pFRDne0p
陽が傾き始めた夏のある日のこと。
博識屋の持ってきた本を読んでいると、屋敷の扉が開く音がした。
サハラだ。
「おじゃましまーす」
「んー」
俺は本から目を離さず、返事をした。
「あれ、プッペンとマリオットは?」
「あー、学校」
「また?好きだねぇ、二人とも」
くすくす笑うサハラが隣のソファに座る。
「でも珍しいな、サハラがこんな時間に来る、の…」
本から目を離し、ふとサハラを見て言葉が止まった。
いつもと違うサハラがそこにいた。
「え、あぁ今日はこれを持ってきたの」
じゃーんと言いながら何かを取り出した。
それよりも、
「なに、その格好」
見慣れない服に、これまた見慣れない髪型をしてそこにいた。
「浴衣だけど?」
「ユカタ?」
「あー知らないか。この国オリジナルの服なの」「へー」
「でね、今日はガートルードの分も持ってきたのよ」
「え?」
先ほどのじゃーん、がそれだった。
サハラが着てるのは薄い紫地に花が散らされたものだが、
俺の分と言われたものは紺色の割と地味なもの。「格好良いでしょ?お兄ちゃんが昔着てたのを借りてきたの」
「兄…クロードか」なんとなく複雑な気持ちになったが、言葉には出さなかった。
でも、俺の微妙な表情を見て、サハラはくすくす笑い出した。
「お兄ちゃんが大切に着ろ、だって」
「はいはい・・・で、どうやって着るんだ?」
見たところ布一枚でボタンもないし、
サハラが着てるものを見てもよく分からない。
その後、俺は服を脱がされサハラはてきぱきとユカタを着せていった。
まるで着せ替え人形になった気分だ。
「苦しくない?」
帯とかいう紐を腰に巻きながら、サハラが問う。
「ああ、大丈夫」

100:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:12:39 pFRDne0p
少しかがんでせっせとしてくれるサハラの姿に、何故かドキドキした。
少し伸びた髪を結い上げ、ユカタの隙間から鎖骨が見える。
「あー・・・、つかなんでこれ着るの?なんかあるのか?」
目を逸らしながら、無理やり話題を作ってみる。「夏と言えば浴衣だもの。それに、夜になったら花火しようと思って持ってきたのよ」
「ハナビ?あれか、火が出るやつか」
「うん、二人が帰ってきたら外でしようね」
「あいつら怖がるぞ。火が体にうつったら燃えるから」
「安全に遊べば大丈夫。よし、出来た!」
そう言って満足そうに俺を見る。
そんなサハラを見て、何故か笑えてきた。
「なに?」
キョトンとするサハラ。
「いーや、なんでも。…なんつーか、これ足元スースーするのな」
パンツを穿いてはいるが、なんとなく心許ない。
「慣れるまではね。私は下着つけてないからもっとスースーするよ」
「…つけてないの?」
「うん」
あっけらかんと言うところは相変わらずだが、
つけてないのか…
いやいや、深く考えるな。
こういう服を着るときのスタイルなんだよ。
あ、じゃあさっきの胸元も…って、いやいや。
なんとなくモヤモヤしだした俺をよそに、サハラは再びソファに座りだした。
そのまま足をかけて、ソファの上で三角座りになり、鼻歌なんかを歌いだす。
こらこら!そんな風にするとユカタの中が見えるでしょ!
女の子がはしたない…
なんて思いながらも、じっと目で追ってしまう。「?…どうしたの?」
そんな俺に気付き、首を傾げるサハラ。
「いや、なにも」
「なんか今日ガートルードおかしいよ」
「そんなことねーよ」
ふふっと笑うサハラの横に、どかっと座った。
「ああ、ダメだって。せっかく着付けたのに崩れちゃうじゃない」
サハラが少し近くに来るだけで、ドキッとしてしまう。

101:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:16:16 pFRDne0p
「あいつらおせーな」
意味もなく窓の外に目を向ける。サハラとは反対側だ。
でも、俺のそわそわした気持ちをよそにサハラが
「そうだねぇ」
なんて言いながら、すり寄ってきて俺の肩に頭を乗せだした。
「ふふっ」
自分でも分かるくらいドキドキする心臓の音を聞いていたら、
サハラがふいに笑い出した。
「なに?」
「早く花火したいけど、もうちょっとこのままがいいな・・・」
ああ、だめだ。
せっかくおさえてたのに。
「…っ」
サハラを引き寄せ、そのまま強引に唇を奪う。
なんだろう、いつもしてるはずなのに。
今日はちょっと止まらないかもしれない。
舌を絡ませると、びくっと体が震えたのが分かる。
ふいに襲った衝動に苦しそうにするサハラ。
俺にしがみつき、一生懸命それに応えようとしていた。
「…ん、ぁ…」
顔の向きを変える度に漏れるサハラの声に一層欲情する。
ようやく唇を離すと、サハラは肩で息をしていた。
「大丈夫?」
「…ん、」
抱き寄せると甘い香りが漂った。
結い上げた髪のせいであらわになったうなじからだ。
噛み付きたい。
と、思った瞬間にはサハラの首筋に歯を立てていた。
「やっ…だめっ…」
痛くないようにしたつもりだが、びっくりしたらしく俺の体を突き放した。
はだけた胸元を手で押さえながら、息も絶え絶えに
少し怯えた目で俺を見る。
「あー、わりぃ…」
しまった。やりすぎた。
俯くサハラの頭をそうっと撫でてやる。
はらりと落ちた髪の隙間に見える白いうなじには、
俺が噛んだ痕がうっすらと赤く残っていた。
「…もっと」
しばらくそうしてると、小さな声でサハラが呟いた。

102:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:21:16 pFRDne0p
「え?」
「もっと、やさしく…して?」
少し見上げて、顔を赤くして、俺の目を見る。
やっぱこいつ今日かわいいな。
遠慮がちに再びすり寄るサハラを、今度は俺の足の間に招く。
「もう、着崩れるって言ったのに」
サハラは少し不服そうに言いながらも、素直に俺の中に入ってくる。
ちゅ。
今度はゆっくり、軽いキスをする。
小鳥みたいなキスを何度か重ねたあと、
サハラの体をなぞるように手で確かめた。
首筋から肩までのライン。
肩から腕、そして胸。
唇を離し、耳元に口をつける。
「怖い?」
「ん、大丈夫…」
ふくよかとは言えないが、手に収まるくらいの胸をゆっくり触ってみる。下着をつけてない分、ほぼダイレクトに伝わる感触に俺もサハラも息が荒くなってゆく。
「…あっ、…ん」
俺はサハラの腰に手を回した。
んん?なんだこれ?
「なぁ」
「…え?」
すっかり俺に身を預けてるサハラは、のぼせたような顔で俺を見る。
その表情にドキドキしながらも、気になったことを聞いてみる。
「どうやって脱がせんの?なんか複雑な形してるけど」
男の俺とは違い、サハラの帯は綺麗に結ばれており
ちょっとやそっとでは解けそうもない。
「待って、お母さんがやってくれたから」
そう言って、後ろに手を回し、しゅるしゅるという音を立てながら
少しずつ解いていく。
それでも苦労している姿を見かねて、俺はサハラを抱き上げた。
「うわっ」
いわゆるお姫様抱っこの状態だ。
「とりあえず、寝室に行こっか」
寝室という言葉を自分で出しておきながら、何故か妙に照れてしまった。
「ふふっ」
帯を解くのをやめて首に手を回し、またくすくす笑い出すサハラ。
「なに?」

103:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:25:20 pFRDne0p
ばつが悪くて少し素っ気なく返すと、
「なんでもない」
俺の胸の中で笑いながら答えた。
そのまま寝室へ向かおうとすると ・・・

「ただいまー」
いつもの賑やかな声が聞こえた。
「プッペン、泥をはらってから中に入ろう」
いつもの声が、もう一人。
ああ…
「帰ってきちゃったね…」
「だな…」
残念だ。
深いため息をつきながらサハラを下ろすと、
「おあずけ?」
と、意地悪く聞かれる。
「ふん」
そっぽを向いた。
「あ、サハラが来てる。おーい、サハラー」
「ああ、プッペン、だから泥を…」
「はーい」
プッペンの声に返事をしながら身だしなみを整える。
そしてプッペンがこちらの扉を開ける直前、
「また、今度ね」
耳元でサハラが囁いた。
今度っていつだ。
そう思いながらも俺は、まぁ、いいか。なんて思ったりもしてる。
いつもよりかわいいサハラの姿が見れたし、焦っても仕方ない。
暮れる夕日を浴びながら、いつもの日常に戻る。
「やれやれ…」


そのあとは皆で花火をしましたとさ。
(マリオットはプッペンが振り回した花火のおかげで少し焦げました)
おわり

104:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:27:40 pFRDne0p
ふぅ…
いかがでしたでしょうか?
ガー視点にしてみたら、思春期の男の子になってしまいました
この先はどうしようか考え中です
頑張って書けたら書きたいと思います
ありがとうございました

105:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:34:09 SqfRVFT7
寸止め!生殺し!たまらん!
今度が楽しみで仕方ありません。
GJGJでした!

106:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:57:51 As1WLvws
ガートルードktkr…!
イチャイチャしてそうだけど色気のある展開に持っていくの
難しそうですね…ガーさん可愛いよGJです!


107:名無しさん@ピンキー
08/07/30 00:08:24 y2HzPumE
ガートルードキター!!
ガーさんかわいいよサハラもかわいいよGJ!
最後のマリオットカワイソスw

108:名無しさん@ピンキー
08/07/30 19:52:20 WyHS/AQa
すんごいよかった!!
思春期ガー思いの外たまりませんっw

109:名無しさん@ピンキー
08/07/30 21:48:05 H2tQBKJz
ガートルード k t k r !!
ありがとう神さま!ケータイから乙華麗でした!!
百歳越えるのに思春期なガーに萌えた!
このあと花火中にプッペンが騒いでマリオとプッペンの視線がそれたときに
ガーとサハラはこっそりキスするんですね、わかります

110:98
08/07/31 01:34:05 TAH0Loaw
うわー、ありがとうございます!
すっごく嬉しいです!
思い切って投下して良かった…

意外にも思春期ガーは好評なようですね
「今度」があるかまだ未定ですがw
もしその際はよろしくです
>>105-109さん(花火の妄想、笑いましたw)、本当にありがとうございました!


111:名無しさん@ピンキー
08/07/31 22:24:21 TEzE3VlC
>>110
>>96だがネタ振りしてヨカタw
続き楽しみにしてます!!

>>98の脚フェチクワンもおいしいな…

112:名無しさん@ピンキー
08/08/01 02:01:50 VnJ6Wbnm
>>31-35。
素敵な妄想をありがとう。投下行きます。

ガートルードのレシピ
カーティス×チェルシー=アン

113:Fullmoon-Serenade_1
08/08/01 02:03:00 VnJ6Wbnm
 鈴の音のような音楽が漏れ聞こえた。
 ずいぶんと控えめなその歌声は、この建物が宿主の財力相応に古びていても、隣の部屋で眠る賓客には届かなかったはずだ。
 だけど生憎、悪魔は耳がいい。鼻声交じりのその歌声は、夜空に溶ける前に綺麗にカーティスへと贈られた。
 カーテン越しに薄いガラスへと頭をぶつけて耳をそば立てる。
 途切れ途切れのそれは、母親が小さな子供へ歌う子守唄だった。
 声の主はもちろん、あの娘。チェルシー=アン=ブラウン。

 あんず色の長いふわふわとした髪。可愛らしい高い声。細く、だけど女性らしい白い身体。あめだまのような、丸く大きい瞳。だけどそこには確かに強い意志が宿っている。
 ―好みだったから。
 そう笑った彼女には頼りなげなそぶりは一切なく。
 ただ静かに、自分の運命を受け入れようとしているアンを見て、人間とは無力な癖に、どうしてかくも強くなれるのかとカーティスは不思議に思った。

 三日後には、アンの魂は自分のものだ。
 魂は悪魔の生きる糧であり、力の源で、命そのものだ。
 今までいくつのそれを体内に取り込んできたか、もう覚えていない。
 どんな色だったかも、味だったかも。その瞬間の高揚感すらも。
 体内に取り込むまでは、相手に執拗な執着をして見せたりもするのに、手に入れた瞬間にどうでもよくなってしまうからだ。
 悪魔は気まぐれだ。それが、悪魔だ。そのはずだ。
 チェルシー=アンと契約を結んでもいいと思ったのは単純に面白そうだったからだ。
 また過ぎれば忘れてしまう程度の、些細な娯楽のつもりだった。
 でも今夜のことは、彼女のことは、この先時折思い出すのだろうなと予感があった。

 かつて抱いたことのない感情を持て余たカーティスは、静かに錠を外して窓を開け、身を乗り出して夜風に頬を撫でさせた。
 歌声はぴたりと止んで、息を殺す気配がする。
 ゆっくりと隣を見やれば、驚きに目を見開いたアンが、自分と同じように窓から身を乗り出してそこにいた。
「いい月夜だね」
 口元だけで微笑んで、カーティスは満月には少し足りない上弦の月を指差した。
「そう思わないかい」
 返答を求められて我に返ったチェルシー=アンは、あわてて笑みを作って頷いた。掠れ声の、ええ、という小さな返答も心地よく耳に響き、カーティスは大いに満足をする。
 ついでに見えた、こっそりと涙をぬぐう仕草には気がつかないフリを決めた。彼女にはこちらの顔が見えていないのかも知れないが、生憎悪魔は夜目が利くのだ。
「眠れない?」
「……いえ、月が余りも綺麗だから、月光浴をしていたんです」
 月は人間にも悪魔にも平等に力を与える。こんな夜に、勇気がほしくなるのは極めて正しいことのように思えた。
 そう、と頷いて、窓枠に頬杖をついてアンを見つめた。
 吸い込まれそうな夜空を見上げたアンが、こちらを見ないまま口を開く。
「カーティス、お願いがあります」
「なんだい?」
「できたら満月の下がいいです。三日後は、ちょうど満月だし」
 主語の見当たらないその言葉に、一瞬だけ眉根を吊り上げたカーティスは、すぐにああ、魂を取る時の話か、と思い至る。
 月光の下で眠るように魂を手放すチェルシー=アン。
 行き過ぎた少女趣味に思えたが、なぜかその絵は容易に脳裏に浮かんだ。
 すばらしく彼女に似合うだろう、とも感じた。

「…………いいよ、そうしよう」
 

114:Fullmoon-Serenade_1
08/08/01 02:03:29 VnJ6Wbnm
 
 ぱ、と顔を輝かせこちらを向いたアンが、ありがとう、と言うと同時にくしゃみを漏らす。その余りの可愛らしさに、カーティスの頬は知らずに緩んだ。
 ちらりと見やったアンは質素な生成りの夜着を身にまとっただけの薄着だった。それでは夜霧もしのげまい。
「約束するさ。安心して、もうお休み」
「あ、あの、もう少し、お話をしてもらえませんか。眠れそうになくて」
 おずおずとしたアンの申し出に、今度は目尻まで緩んだ。

「いいけど」
 そこで言葉を切ると、アンが小首をかしげて不思議そうにこちらを見つめる。
 あめだまのようなそのまっすぐな瞳は、食べたらどんなに甘いのだろうとカーティスは考えた。

「窓を閉めてこちらにおいで。身体が冷えるからね」
「ああ、そうですね。カーティスが風邪をひいては大変です」
 嬉しそうに頷いたアンは、すぐに伺いますと言い置いていそいそと窓を閉めた。
「……悪魔は風邪なんてひかないよ」
 いまだ窓を開いたままのカーティスは上機嫌でぽつりとこぼしたけれど、生憎普通の人間であるアンの耳には届かないだろう。


*

 宣言どおりに、すぐにドアが控えめにノックされて、どうぞとカーティスは声をかける。
 若草色のショールを肩に引っ掛けたアンが、静かに室内へと身を滑らす。
 こんばんは、お邪魔します、と律儀に頭を下げる彼女に、ここは君の家だよと意地悪く返事をして微笑んだ。

 木製のチェアに腰掛けたアンが聞きたがったのは、不老不死の薬や美しさの秘密、金の在り処などではなく、カーティスが渡り歩いた国や土地や、出会った人・悪魔や天使のことだった。
 およそ悪魔への質問らしからぬそれに、カーティスは苦笑いを漏らしながら思いつくままにぽつぽつと答えた。
 そういえば、とアンが立ち上がったのは、秋の終わりに森を飛び回って葉を落とし、冬を呼んで回る妖精に出会った話をしていた時だ。
 頬を撫でられたのは一瞬だったのに、身が切れるかと思うほど冷えた妖精の手に驚いた、と言葉を終えたとき。
「そういえば」
 それまで興味深げに相槌を打つだけだったアンが前触れもなく立ち上がり、一歩踏み出してベッドに座るカーティスの隣に歩み寄った。
 距離の近さに少し驚いている隙に、カーティスの手のひらは捕えられて彼女の柔らかな指に包み込まれてしまった。やんわりと抵抗をする暇も与えないその素早さにぎょっとする。
「アン?」
「悪魔にも、体温はあるのですね」
 まあね、と口元だけで微笑みながらカーティスは、この娘が欲しい、と思った。
 欲しくて欲しくて、たまらない。
 突然の強烈な欲求と、それをどこかで否定する理性に驚いた。
 
 欲しい、けれど、簡単にそうしたくない。
 その感情の正体が判らない。
 今まで、欲しいものはストレートに手に入れてきたはずだ。

「……カーティス? どうしました?」
 不思議そうに見つめるその瞳が、潤んだらどんなふうにきらめくだろう。鈴のような声が甘く喘いだら、自分の心はどんなに満ち足りるだろう。彼女の柔らかな肌はどんなふうに溶けるのだろう。
 一度そう思ってしまえば、ふとよぎった自制などないにも等しかった。
 

115:Fullmoon-Serenade_3
08/08/01 02:04:17 VnJ6Wbnm
 
「ねえ、アン。悪魔に魂を売るってことがどんなことか、君は知っているかい?」

 当の悪魔にきらりと光る眼でまっすぐと射抜かれて、アンがびくりと肩を小さく震わせる。
 とっさに引こうとした指を強く握りこんでそのまま引き倒す。
 転がり込んできたアンの背中を、強く抱きしめて腕の中に閉じ込めた。
 身動きを封じられたアンが、息苦しそうな声を洩らす。
「……カー、ティスっ……!」
「アン。君にその覚悟が、ほんとうにできている? でなければ穏やかな死は望めないよ」
「できて、います。契約を交わしたでしょう? あなたの目は私が持っていますし、もう占いも済ませてしまいました」
 これ以上なにを、と声を震わせるアンの頬を撫でて、顎に指を添えてこちらを仰がせる。

「魂を売るってことはね、身も心も、すべてを僕に投げ出すってことなんだ」

 それは時と場合によるだろう。契約書には記載されてはいなかった。だけど生憎、悪魔はうそつきなのだ。こんなうそ一つでアンが手に入るのなら、お安いものだ。
 無理やりに心を縛って身体を奪う方法もなくはない。だけどそれは、カーティスがほしいアンではない。

「……覚悟は?」
 耳元にくちびるを寄せて、低く尋ねる。びく、と身体を揺らしたアンが、小さな声で呟いた。
「できて……います」

 語尾をかき消すように、カーティスは彼女のくちびるを塞いでしまった。
 アンがあげた小さな悲鳴をすべて呑み込んでしまって、舌を割り入れて呼吸を奪う。
 ぬるりとした生暖かい舌先を己のそれで、つん、とつつけば、腕の中でアンが盛大に肩を震わせた。
 なだめるように背を撫でながら、深い口づけを繰り返す。

 だんだんとこわばっていたアンの身体から力が抜けていく。
 初々しいその様子を愛しく思いながら、くちびるを解放する。あかく色づいたくちびるは、忙しない呼吸を繰り返していた。
 
 ぼんやりと焦点の合わない瞳を覗きこんで、大丈夫、と問いかけながら前髪を撫でる。
「あ、ええ……大丈夫、です」
「それはよかった」
 潤んだ瞳をゆっくりと瞬かせながら、アンはこちらを見上げている。とろんと溶けたその両目で見つめられ、ごくりと唾を飲んだ。

 彼女が酔ったのは、悪魔のキスにか。それとも。

 従順なその様子に気をよくしたカーティスは、軽くキスを落とすと、そのままくちびるを滑らせて頬をたどる。
 ぺろり、と赤い舌を出して耳朶に這わせれば、アンがまたびくりと身を震わせた。そのまま耳の中へぴちゃりと湿った音を立てて舌を突き入れる。
「あ、ぅん……ひゃ…んんっ」
 甘く高い悲鳴をあげながら、身を捩って快感から逃れようとするアンの背をぐっと抱き寄せて、執拗に耳を、あごを、くびすじを濡れた舌でちろちろとくすぐった。
 時折くちびるで熱い肌に吸い付きながら、服の上から膨らみにそっと触れる。
 女性特有のその柔らかな感触。
 すぐに直接触れたくなって、夜着のボタンに手を伸ばす。
 外気がつめたく素肌に流れ込んだアンが、何か小さく抗議の声をあげたような気がしたが、頓着せずにすべてのボタンを外してしまった。
 そっとくつろげると、白い肉体が月明かりの中にぼんやりと浮かび上がる。

116:Fullmoon-Serenade_4
08/08/01 02:04:44 VnJ6Wbnm
 
 無言のままそのうつくしい曲線を見下ろした。
 カーティスの視線に気がついたアンが、慌てて胸元をかき合わせた。
 それよりも一瞬早く両手を捕らえたカーティスは、そのまま顔を落として鎖骨にくちづける。

「っ…カーティス……あの、」
「ん?」
 恥ずかしいです、と消え入りそうな声で呟いた彼女の姿に、欲望が沸きあがってくる。
 そう、と意地悪く呟いて、ふるふると立ち上がりかけている胸の突起に吸い付いた。
「ああっ」
 抗議のような声を無視して、濡れたくちびると舌先でそこをこね回す。
 先ほどよりもさらに忙しなくアンは身を捩じらせて口付けから逃れようと背を弓なりに反らした。

 夜着の裾からそろりと伸ばした手を差し入れる。
 肌なじみのいい柔らかな足を撫で上げて、そっと下着の上から秘部へ触れると、そこは若干の潤いを帯びて悦びを表わしていた。
 何かを確認するようにその上から割れ目をなぞると、アンがもどかしげに腰を震わせる。
 粗末な布地をずらして、直に触れた。控えめに溢れ出た蜜を指先に絡めて、そっと内部に侵入をする。
「……あっ、な…に?」
「痛くない?」
 予想よりもずっと掠れた声が出て、己の余裕のなさに内心苦笑する。
 息を弾ませながらアンが、ゆっくりと首を左右に振ったので安心してカーティスはぐいと指の中ほどまでを沈ませた。
 幾度か抜き差しを繰り返すと、そこは別の生き物のような温度と収縮でカーティスを誘い込む。
「あ……ん、んんっ……」
 アンのくちびるから漏れる高い声の、余りの甘さにくらりとした。
 堪えられなくなったカーティスは、腕を引いてその細い身体をベッドに押し倒した。
「え、きゃっ……!」
 驚いて両目を見開くアンのくちびるをまた奪い、意識をとろけさせていく。体中の力が抜けきったところで、魔法のようにすばやく、彼女を覆う下着をするりと抜き去った。
 口内に溜まった唾液を舌伝いで彼女の中へ押し込むと、ごくりとそれを嚥下する様子がうかがえた。

 ゆっくりとくちびるを離して、細い片足を抱え上げて入り口に自身をあてがうと、身をかがめて頬をばら色に上気させた白い顔を覗き込む。
 不安そうに瞳を揺らした彼女に、なぜか、胸が熱くなる。
 めちゃくちゃにしてしまいたい、という欲望と、泣かせたくないという悪魔には似つかわしくない願意が同時に沸いてきて、カーティスは己の心が制御できなくなりそうな錯覚に陥った。
「大丈夫」
 自分にも言い聞かせるように優しく声をかける。
「力を、抜いて」

 両目を軽く閉じて頷いてみせたアンの、熱くぬめる内部へと自身を潜らせる。
 短く喘ぎながらカーティスを受け入れる彼女の魂を、早く手に入れたいとカーティスは思った。
 ずん、と最奥まで挿入を果たすと、はずみでアンの首にかかる彼の目が、白い胸の上で揺れた。
「あ……あっ…、カーティス……! カーティス!」
 悪魔の名を幾度も呼ぶ途切れ途切れの声と、二人の体液が混ざった水音と、カーティスの荒い呼吸が宵闇に溶ける。
 腕に引っ掛けたアンの白い足が、人形のように揺れている。
 手に入れた、と思った。カーティスの胸は歓喜に打ち震えた。
 何か飛びっきり甘い甘い言葉を囁いてやろうかと思ったけれど、そんな余裕もなくただ目の前の快楽をむさぼるべくカーティスは、本能のままに身体を揺らし続けた。
 

117:Fullmoon-Serenade_5
08/08/01 02:05:23 VnJ6Wbnm
 
*

 額にかかる髪をかき上げたら、空になった眼窩をぐるりと纏う包帯が指の先に引っ掛かった。
 汗に濡れたそれが心地悪く、カーティスは乱雑に頭から剥ぎ取った。その拍子に、後ろでひとつに纏めていたサンディブロンドが、さらりと頬に落ちた。
 すでに出血は止まっていた。用済みになった包帯を、枕元にぽとりと落とす。
 生成りのそれは、不要だといくら主張しても聞き入れなかった契約者によって無理やりに巻かれたものだった。
 巻きつけてくれた当の本人は腕の中でくったりと全身の力を抜いて無防備に眠り続けている。人形のようなその身体を見下ろし、カーティスはそっと息を吐いた。
 浅い寝息。ばら色に上気した頬。汗で張り付いた薄い夜着。その胸元から除く、赤い花を散らした白い肌。細いくびにぶら下がる己の目。ぐちゃぐちゃに乱れたあんず色の髪。
 未だ情事の痕が色濃く残るその身体にそっと肌掛けを被せたら、まぶたがぴくりと揺れてあめ玉のような瞳がぼんやりと開かれた。

「…………カーティス……?」
 控えめとはいえ散々に喘いだせいで、掠れてしまった声がなんとも艶っぽい。
 目元だけを柔らかく緩めて、カーティスはそっとあめだまの瞳を覗き込む。
「なんだい?」
「……あなたの髪は、とても綺麗ですね」
 腕の中のアンがくすぐったそうに微笑む。
 それはどうも、と呟いたその声の色に、何がおかしいのかくすくすと笑い肩を揺らす。
 その笑顔が、春の陽のように眩しくてカーティスは目を細めた。
「君は、」
「…………?」
 何かを伝えようとして、だけどすぐに言葉に詰まって仕方なくアンの額を撫でた。
 少し驚いたように両目を見開いた彼女は、うっとりと心地よさそうに瞳を閉じて彼の温度を楽しんでいるようだ。
「……まだ夜は深い。眠るといいよ」
 カーティスの言葉を聞いていたのかいないのか、よく判らないタイミングでアンが穏やかな寝息を立て始める。

 そういえば。今日は自分の話ばかりをしていて、彼女のことは何も知らないのだなとカーティスはふと考えた。
 例えば、何故占い師などになったのか、とか、占いで何を得たのか、とか。家族や恋人はいないのか、とか。
 他人に、まして人間などにあまり興味のない自分らしからぬ質問の類だ。

 明日起きたら、一つずつ彼女に問おうと悪魔は決めて、久方ぶりの安寧な眠りに身を預けた。腕の中の緩やかな温度は、彼を深い深い眠りへと誘ってくれた。

118:Fullmoon-Serenade_6
08/08/01 02:05:52 VnJ6Wbnm
 
**

 うたた寝から緩やかに覚醒を促したのは、さめざめとした湿っぽいすすり泣きの声だった。
 低い革張りのソファに行儀悪く横にまますっかりと寝入っていたカーティスは、ゆるゆると首を回しながら身を起こす。
 枕もとには、両手で顔を覆って乙女のようにむせび泣く、博識屋店主の姿がある。
 見なかったふりをしたい。
 心底願ったが、放っておくのもめんどくさいので仕方なく声をかける。第一、バイト中の居眠りを咎められたら何の反論もできない。
「…………君、なにをしてるの?」

「いえ、いいんです、カーティスさん! 何もおっしゃらないでくださいいいいい」
 そうは言ってもね、と居住まいを正したらぐいと首が絞められて、絶命時のカエルような変な声が漏れた。
 枕もとの男が、カーティスの黒いネクタイをしっかりと掴んで、ハンカチ代わりに涙と鼻水をぬぐっていたのだ。
「君ね、離してくれないかな」
 さて、どうやってこの男をイビろうかと思案を巡せたカーティスは、彼の黒い手袋にしっかり握られた数本のサンディブロンドを見つけてしまった。
 はたと気がつけば、後ろで括っていたはずの長髪はさらりと肩に落ちていて、視界の端に入る横髪の一束が耳の辺りですっぱりと切り取られている。

 ―やられた。

 カーティスは舌打ちをする。
 ここの店主の手癖の悪さは、重々承知していたというのに油断をした。
 誰にも話したことがない、甘くて痛くて重い秘密の記憶を抜き取られた。
 久方振りに懐かしい夢を見てしまったのも、こいつのせいか。
 お陰で胸が痛い。とっくに完治した怪我のせいではなく、もっと奥のほうがつきんと痛む。

「マーサくん」
 穏やかに名を呼ばれ、店主はびくりと肩を震わせた。
 伏せていた顔をゆっくりと上げて、引きつった笑みを真っ青に染まった顔に無理やり浮かべながら、カーティスに目を向ける。
「とりあえず、ネクタイを離してくれないか」
「あ……あ、あ、ハイ…………」
 カーティスの言うまま、操り人形のように従順にネクタイから手を離した瞬間に、片手で店主の頭を掴んだ。
「ぐおっ」
 指先に力をこめる。めりめりと音がしそうな勢いで、こめかみを締め上げられた意地汚い博識屋店主は、前髪の下のギョロ目から相変わらずだらだらと涙を流している。

「勝手に人の記憶を覗き見だなんて。やることが下品だね」
「あ、おっ美味しそうだったもので、つい! 味見を! あだだだ」
「つい、で許可も取らずにぺろりと行くわけか」
「ごっごめんなさ」
「後始末はどうつけるつもりだったのかな? ん?」
「ひぃぃぃぃ」
 カーティスはさらににこやかな笑みを浮かべて、店主の前髪をぐいと引っ掴んで隠れていた両目をむき出しにさせる。

「僕の記憶は安くない……相応の対価はいただくよ。ああ、君のギョロ目は遠くがよく見えそうだね」
 長く鋭く伸びた爪を、じりじりとギョロ目に近付けてゆく。
 店主は瞬きも出来ないほど追い詰められて、ただブルブルと身を震わせて絶叫をした。

「ももも申し訳ありませんっ。何でも! 何でもいたしますのでどうかお許しをっ! 神さま仏さまカーティスさまっ」
「いや僕悪魔だし。第一、そうやって謝罪の言葉を流暢に口にされるとドン引きするんだよね」
「あああああ! いたいぃぃっっ! ではっ! こここんな情報はどうですかっ」
「……ほほう、どんな?」
「百余年前、国一番の占い師になるはずだった少女の人生っ」

119:Fullmoon-Serenade_7
08/08/01 02:06:13 VnJ6Wbnm
 
 眼球まであと五ミリと言うところで、長い爪の動きがぴたりと止まった。
「………………いかがです?」
 冷や汗を浮かべたままにたりと笑う店主を見据え、悪魔はしばし思案の表情を浮かべる。

 まばたきを三度繰り返して、カーティスは大仰に溜息をついた。
「……………………やめておく」
 ぽつりとそれだけを呟くと、指の力をすうと抜いた。その隙に、マーサはカーティスの腕を振り払って後ずさり、取り合えず身の安全を保障できそうな位置へと距離を置く。
「よく考えたら、そんな大きな目では右目とバランスが取れないね。サイズアウトも甚だしい」
 博識屋にはすっかり興味がなくなった様子で、カーティスが言う。
 渡りに船、とばかりに、マーサが幾度も首を大きく縦に振った。
「そうでしょう! そうでしょうとも! カーティスさまにはもっと相応しい目がございますっ」
「そうだね……僕と同等以上の力を持った悪魔が、不幸にも目玉を落としたという噂が入ったら教えてくれるかい…………それで手を打つよ」
「ははははいっ」

 大げさに返事をしてみせた店主に向かって、くちもとを上げて表面上だけにやりと笑う。
「頼むよ」
 短くそれだけを言うと、くるりと踵を返した。


 アンの人生は、彼女の口から語られなければまるで意味がない。いまさらそれを知ったとして、何になるというのだろう。

 純金のドアノブを握った瞬間、背後から焦ったようなお声がかかる。
「どちらへ!?」
「夕食に招かれているんだ。今日は失礼させていただく。
 …………そうそう。僕の記憶はくれぐれも他言無用だよ」
 アルバイトのくせに態度が不遜だ、と自覚はあるものの、これ以上の感傷に陥りたくはなかったカーティスは、返事を待たずにさっさとドアを開けて、博識屋を後にした。

120:Fullmoon-Serenade_8
08/08/01 02:06:35 VnJ6Wbnm
 
 カーティスが飲み込んだチェルシー=アン=ブラウンの魂は、彼の中ですっかりと溶けて混ぜあわさり、一つになってしまっている。もう分離することも叶わない。

 あの時。
 
 がくんと軽くなった骸から出てきた魂に。
 柔らかく口づけをして飲み込んだ。あの甘さを、あの心地を、色を形を温度を感触を、この曖昧な命が続く限り忘れられないと思った。

 だけど、飲みこんで己の物としてしまったことが、正しいのかどうか今でも判らない。

 おかげでアンは転生を果たせない。
 融合を望んで、二度と巡り合えなくなったのはただの自己満足だったのではいか。
 この百余年、幾度も自問してきたが、回答は未だ見つからぬままだ。

 それでも。
 得難かった正解が、 あの二人に張り付いていれば見られるような気がしたから、毛嫌いしていた馴れ合いに身を置くようになったのだ。
 もう幾ばくか後には、それが得られるかもしれない。
 悪魔はにたりと、口が裂けたように笑った。

 ふと落とした視線の先に長く延びた影の背にに生えた翼が、まるで悪魔の象徴そのもののように尖っ見えて、カーティスは愁眉を浮かべる。
 ふと夜空を見上げると、そこには満月がぽっかりと浮かび上がっていた。

 月光は、人にも悪魔にも等しく力を与える。

 己の中の、愛しい彼女のに届けばいいと願いつつカーティスは、子守唄を口ずさみながら、月夜の夜道をらしくなく急いだのだった。


*

以上です。お付き合いありがとうございました。

121:名無しさん@ピンキー
08/08/01 02:35:08 WTNNRVbe
わーすごい…読み応えありました
この二人の話を拝めるとは思ってなかったよ
ラストしんみりしちゃった…カーティス切ない
このスレ神の宝庫ですね、作品毎にすごく愛を感じる…GJです!

122:名無しさん@ピンキー
08/08/01 08:58:44 qVdbWIGa
カーティス×アンktkr!!
良い…すごく良いです。
エロいしうまいわー。眼福眼福。
GJでした!

123:名無しさん@ピンキー
08/08/01 19:18:08 /tmyDzyA
泣いた。久々に泣いた。
エロも良かったんですが、ちゃんと恋をしていた二人の姿と心が
すごく良かったです。
GJでした。ありがとう。

124:名無しさん@ピンキー
08/08/02 02:19:01 WmZR5sZO
おおおおおおおお、本当に書いてくれる職人が来てくれるなんて・・・
萌語りしてよかった。ほんっとーによかった。GJ。ありがとう。
カーティスの心情が悪魔っぽくてすごい良かった(*´Д`)

125:名無しさん@ピンキー
08/08/03 20:49:47 Yx4/jmc3
神の後だと出しにくいことこの上ないですが
花わずらい、ルシン×シャクヤです。
自分はクワン派ですが本編でのあまりの不憫さと
>>89で電波を受信したので。
ヘタレてないルシンでよければお付き合いください。

126:ルシン×シャクヤ1
08/08/03 20:50:35 Yx4/jmc3
ルシンやっぱり駄目。やーめーてー!」
「駄目がダメ。無理。聞けない」
何でこんなことになったんだっけ。
いつも彼女はクワンクワンで。分かってるけど。待つ、つもりだけど。
あんなに目の前で嬉しそうにされると偶に本気で凹む。
そんなときに限って寄ってきて、勝手に罪悪感なんか感じて。
だから俺に付け込まれる。
たった一度だけの甘い情事。そんな記憶にすがる俺に。

「…ね、ルシン。やっぱり…やめよ?」
押し倒された寝台の上で、強く跳ね退ける事はなく。
あくまで自分が止めてくれることを待っている。律儀だなと思う。
信じるシャクヤを裏切ることが胸をちくりと刺す。それでも。
「…やめたら龍になってでも逃げるでしょ?」
わざと寂しそうに言うとシャクヤの抵抗の手が止まってしゅんとする。
「ごめん、言いすぎた。でも、逃げないで。…お願い」
額に軽くキスをする。そのまま鼻先を通って唇に軽く触れ、深く口づけた。
胸に感じ小さなる抵抗。舌を絡め取って口内も余す処なく自分の舌で撫でると
やがて抵抗からすがる指に代わる。
「んん…んっ、ふ」
その隙に胸元に手を伸ばし、そっと撫でつつ釦を外した。
まだ、本気では怒ってないかな。異変に気付かせないように立たせて
後ろからスリットから手を差し込む。太腿の外側に手をすべらせると
予想外からの攻撃で慌てるシャクヤ。
「待って待って待ってそこまでしていいとか許してないから!」
「駄目?…すごく嫌?」
耳元で囁く。拒まれるかもしれない、とは思っていたけれど。
「すごく…嫌、じゃあ…ないけど」
「俺はシャクヤがすごく欲しいよ?」
置いた手はそのままにうなじにキスをするとふわあ、と息が漏れた。
そっと太腿から手を放し、シャクヤの安堵の溜息を聞き流しながら
スリットの上、衣服を衣服たらしめる留め具を外す。
ただの布となったそれは容易に床に落ちた。

127:ルシン×シャクヤ2
08/08/03 20:51:20 Yx4/jmc3
まずいな。ちょっとからかってすぐ自由にしてあげるつもりだったのに。
全裸で手袋だけの姿は破壊力が高すぎる。飛んだ理性が帰ってこない。
ただひたすらに彼女の全てに指を這わせ、啼かせることに一心になる。
「ルシン、の…へんたい…っ」
耐えられなくなったシャクヤが吐いた吐息交じりの聞き捨てならない発言に
両手首をまとめて掴み、髪止めのひもで結んだ。
あくまで、すぐ取れるくらいの緩さで。
「傷ついたから1ペナ、ね」
ま、その発言はたぶんあってるんだけど。

少女は龍の化身と言われても納得いかないくらい華奢にできている。
こちらの方がシャクヤに飢えた、獣。いや…獣じゃないな。
見えないような細い糸で絡め取って動けないようにしてから捕食するのは
――蜘蛛だ。
寝台の上で手の自由を奪われ、いいようにされるシャクヤを見る。
「んぁ、はっ…ルシンっ…」
とろりと蜜が溢れる。さっきまで自分が指を彷徨わせたところから。
煽情的で、誘われるままに口を寄せる。
「や、ちょ、っ!…ホントに、っだめ…!」
抵抗しにきた両手の結び目に手をかけ、逸らせてから。
舌が触れた。白い裸体がびくんとのけ反る。
赤く咲く秘裂から蜜を舐めとり、陰核にそれをなすりつける。
尖らせた舌先で軽くはじき、わざと唾液を混ぜて啜りあげた。
もうそこに限界がきているのであろう、上ずる喘ぎ声。
「あ、あ、あ、ルシンっ、ルシンっ…!」
離したいのかもっと密着させたいのか、自由にならない手が自分の髪をかき乱す。
足の指がぴんと張り詰める、ちょうどそこ、で。唇を離す。

128:ルシン×シャクヤ3
08/08/03 20:52:05 Yx4/jmc3
「…ぁ…」
明らかに逃したことへの不満の声。体を起して唇を求める。
「…どうして欲しい?」
ちゃんとシャクヤの口から聞きたい。俺を、欲しがって。
「もうっ…ちゃんと…してっ…」
仰せのままに。

焦らすように先端だけ止める。それを蜜に絡めているとシャクヤがむずがる。
「は、ゃく…っ」
ねだる声の熱さに脳の隅まで溶かされ、言われるままに貫いた。
「あ、ふぁあ、んん…」
シャクヤは自分以外にも「こういうこと」の経験がある。
それも痛みでなく快楽を得るほどには。
そんな相手は一人しか思いつけず胸を痛みが灼く。
何もしなくてもシャクヤの呼吸に合わせて
ぬめり、自分の全てを絞り取ろうとしてくる。
それに合わせて動き出したい衝動の波が収まるまでじっと待つ。
「…ル、シン…?」
「なに?シャクヤ」
もっと気持ち良くなりたいけれど、自分からそこまではねだれない。
そんなシャクヤはただごにょごにょと愚図った。
「どうにかしてほしいなら…」
貫いたまま腰を抱え体を起こす。シャクヤの輪になった腕の中に自分の
頭を通して安定させる。
「自分でしていいよ?」
「ふぇ…え、あ…ん!」
下から軽く小突くいて止めると呼び水となったのかゆらゆらと体を揺らす。
自分から体を密着させて膝を立て前後にくねらせる。
それに合わせて体を動かしながらたわわに実る水蜜桃を手のひらで愉しむ。
「うん…ぅふぅ、ん…」
自由にならない腕を絡めて自分を貪るものになる。
互いの顔が見えないことで羞恥心が弱まるのか、ただ自分の快楽に忠実なシャクヤ。

129:ルシン×シャクヤ4
08/08/03 20:52:41 Yx4/jmc3
「かわいいね、シャクヤ」
「っ、んあっ、ルシ、ン、んんっ」
舌を絡めあい、腰を引きよせてわざと陰核に根元をこすり合わせると
「!あ、ひゃ、あっ、あふぁぁ」
嬌声が跳ねあがり、シャクヤの背がぶるりと震えた。
そのあふれる愛液で締め付けられる感触に自分の限界が見えてくる。
「ま、って…シャク、ヤ…」
「止め、ない、で…っ!」
まってそんな理性とぶこと言わないで止まれなくなる。
「ルシン…っ」
可愛くて、可愛くて。自分のものだと主張したくなる。
手首の拘束を解いてから後ろに押し倒した。シャクヤの赤くうるんだ瞳。
「我慢、しないから。辛かったら、ごめん」
「え、あ、あ、あ!ルシンっ、そんな、したらっ、わた、しっ」
宣言通りにただシャクヤの体を貪る。
届く限りのすべての場所にキスして時々痕を残す。
たとえ大人気ないマーキングだとしても、もっと自分を刻みたい。
右手の手袋だけ外す。細く残る痣が眼に痛い。
手の甲にわずかに咲く薔薇。
もっと増やしたくて、花に唇で触れ。自分の自制心を解き放った。
「ん、ぁ!あ、や、だっ、…ぃ、くぅ…っ!!」
ただ息をとめ自分の動きに体を震わせたシャクヤ。
「…っ!」
限界まで中で暴れ、白い腹に吐き散らかした。

「お、はよう、ルシン」
「おはよう」
いつもの屋敷。いつもの朝。
シャクヤの態度はぎこちないものの…軟化してるようにも見える。
「シャクヤ様、おはようございます」
ちょうど俺とシャクヤの間にするりと入り込むクワン。
途端。
「おおお、おはようクワン!じゃ、じゃあまた!」
シャクヤが脱兎の如く逃げる。
これは、やましさ、かな。だったらいいけど。
どうしても顔がにやける。憎い相手に優越感を感じて。
「…これは、意外ですね」
珍しく奴の表情から余裕の笑みが消える。ただそれも一瞬だけで。
「こちらばかりがどうにも有利で相手に不足を感じていたところです。
これでようやくいい勝負ができるのではないですか?」
それでも決して最後に勝つのは自分だと信じて疑わない相手に。
「…あたぼうよ」
ようやくスタートライン。こちらとて負けるつもりで勝負はしない主義だ。

130:125
08/08/03 20:53:08 Yx4/jmc3
以上。やっぱりあんまりヘタレてない…
書きたい所書いてから繋げようとしたけど満足しちゃったので
中間部分が投げっぱなしでスマン。

クワンのシャクヤ着たままプレイは神に任せます!

131:名無しさん@ピンキー
08/08/03 22:33:26 Xc05D1Zq
うわああああー
めちゃめちゃエロかったです!
ありがとう!
ヘタレてないルシン良いですね!
自分もクワン派ですが、この展開良いな…
GJでした!

132:名無しさん@ピンキー
08/08/03 22:55:17 LHvtEAFr
>>125
ルシン×シャクヤってどうも想像出来ずにいたけど、これはイイ!
ありがとうご馳走様です。

133:名無しさん@ピンキー
08/08/04 01:45:34 p1wPwFw/
そろそろ龍花来ないかなーと思ってた矢先に職人様が…!ルシンシャクヤGJです!!
このスレ神多すぎだろ常識的に考えて…幸せww

134:名無しさん@ピンキー
08/08/04 15:01:49 ly0YMYH8
ルシシャクキター
龍花は草川比でエロが濃いですね
二人とも手袋だけプレイしそうなのが…
このスレ需要が結構高いんだなー神様GJありがとう!

135:110
08/08/05 23:45:43 bp+kV7w+
ガー×サハラの続きです

バカみたいに長いので、お暇な時にでも読んでやって下さい

あれから数週間後の出来事です

136:ガー×サハラ1
08/08/05 23:50:12 bp+kV7w+
「プッペン、そろそろ行かないと間に合わないぞ」
マリオットが玄関先で叫んでる。
「んー…もうちょっと…よし、入った!」
さっきからリュックの許容量と格闘していたプッペンが満足そうにリュックを背負う。
「…詰めすぎだろ」
そんなプッペンを横目に俺はお茶を飲む。
外でツクツクボウシが鳴いていた。
夏ももうじき終わりだ。
「プッペン、なにやって…何だその荷物は!」
しびれを切らしたマリオットがやって来た。
「えー…だってチョコレートでしょ、キャンディにドーナッツ…
あ、プリンも入れなくちゃ」
「入れなくてよろしい!大体、私たちは合宿に行くのだぞ!
向こうで作ってやるんだからお菓子なんかいらないだろう!」
「それとこれとは別なんだよ!これは絵を描いてるときのおやつで、
マリオットが作ったのは食後のおやつなんだ!」
「つべこべ言わない!」
懲りずにキッチンへ向かおうとするプッペンを制し、マリオットが説教を始める。
今日は二人が在籍している美術部と家庭科部合同で
写生大会があるのだそうだ。
家庭科部は合宿所の料理担当として、合宿に同行するらしい。
美術部はともかく、家庭科部も合宿があるなんてよくよく考えると不自然極まりないが、
まぁ二人が何かしたのだろう。
「時間大丈夫なのか?」
マリオットがリュックのお菓子を出してはプッペンが入れの繰り返しを
見かねて声を掛けた。
「あぁ!部長に怒られる!ほら、行くぞ!
ガートルード、鍋にカレーを作っているので食べてくれ」
「…どうも」
「あぁぁぁー…プリンー…」
マリオットに引きずられながら、プッペンの声は遠くなっていった。
やれやれ…
ふと床を見ると、転げ落ちたキャンディ。
拾い上げて気まぐれに口に放り込む。
広い屋敷に一人。
ここ最近はパーツ狙いの悪魔や、何かとちょっかいを出しに来る輩が
ひっきりなしにやって来ていた。
どれも雑魚だったしいつものことなのだが、
こうやってぼんやりと出来る時間は久しぶりだった。
皆で花火をしたのも遠い過去のように感じる。
「やっぱあいつらいないと静かだな」
天井を見上げながらポツリと呟く。
そんな声もするりと溶けて消えてしまうほど、ただ静かに時間が流れ出す。


137:ガー×サハラ2
08/08/05 23:52:38 bp+kV7w+
カラン、と口の中で転がるキャンディが次第に小さくなり始めたとき、
サハラに会いたい、と言葉に出したのか心の中で思ったのか
曖昧な状態になっていった。

「また、今度ね」と言ったサハラの声は今でもはっきりと覚えている。
いつだったか、俺がクロードの結界を無理矢理破り、
手当てしてくれたサハラが家に戻るとき、
「もっといっぱい望みを考えておくように」と言った。
色んなことも解決し、平穏ではないけどサハラやあいつらと一緒に
過ごしていって、これ以上何も望むものは無いと本気で思っていた。
でも…
あの時は雰囲気に流されてあんまり考える余裕はなかったけど、
今は本当に思う。

サハラが欲しい、と。

生きていれば欲はどんどん増える。
一度自覚したら、それは溢れるようにあいつに触れたい、
ずっと抱きしめていたいと思うようになってしまった。
そんな気持ちはもちろん初めてだし、なんというかむず痒いものだ。
まさか人間に恋をするなんて思いも寄らなかったよ。
人間に作られた俺が人間に焦がれてしまう。
皮肉な話だ。
でも、幸せの在り方を教えてくれた人を愛することに、俺は唯一胸を張れる。
俺が俺であり続けることを良いと言ってくれたサハラが、欲しい。

ガクン、と体が落ちてハッと目を覚ます。
ソファからずり落ちたのだ。
気付けばすっかり日が暮れて、窓から心地良い風が吹いていた。
その中にふと良い匂いが紛れて鼻をくすぐる。
キッチンから鍋がコトコト煮える音も聞こえて、
あいつら一泊だったんじゃねぇのか…
なんて働かない頭で考えていた。
「あ、起きた?」
ひょいと顔を出したのは
「え…サハラ?」
おたまを片手にエプロン姿のサハラがそこにいた。
「気持ち良さそうに寝てたから起こさなかったの」
見ると体と一緒にタオルケットも落ちていた。
「ああ…」
そう、と言いかけてふと気付いた。
俺、夢見てたよな。
なんだっけ。
ええと、
「…!!」
「ん?どうしたの?」
こちらに笑いかけるサハラ。
「いや、別に」
とっさに目を逸らしてしまう俺。
今はまともに顔なんて見れなかった。
穴にでも入りたい気分だ。
何考えてんだ…
欲しいってなんだよ!
「?…顔、赤い」
サハラが明らかに怪訝な顔でこちら見てくる。
「別になんでもねぇって」


138:ガー×サハラ3
08/08/05 23:54:40 bp+kV7w+
ああ、なにやってんだろう。
これじゃますます怪しまれるじゃん…
でも、
「…。ご飯の用意が出来たから早く食べよ」
サハラはあっさりとキッチンに戻っていった。
「ああ…ってあれ?なんで二人がいないこと知ってんだ?」
ダイニングに向かうと、既に夕食の準備が整っている。
「ご丁寧に家のポストに入ってたの。合宿で一晩空けるから
一緒に夕食を食べてやってくれって」
エプロンのポケットから一枚の紙切れを出す。
「マリオットから?」
「そうよ」
見ると、走り書きでマリオットの神経質な字が見てとれた。
「ふぅん…」
律儀な奴。
でも、なんとなく今日はその親切な気持ちが嬉しいような嬉しくないような…
目の前にいれば嫌でもサハラのことを意識してしまう。
「いただきまーす。うーん、美味しい!」
「あぁ」
正直カレーの味はあんまり覚えてなかった。
その後は他愛もない話をして、食後にリビングでお茶を飲んだ。
「それでね、…聞いてるの?」
隣に座るサハラが俺の服を掴んで引っ張ってくる。
「…え、あぁ何?」
「…」
サハラは突然黙りだし、俺をじっと見つめてきた。
「え、なに?」
あまりにも話を聞いてなくて怒ったのかと焦り始める。
今なにを言っても全部嘘臭くなってしまいそうで、
でもとりあえず何かを言おうとしたら、
「別に。お茶、おかわりする?」
俺のほとんど口をつけてないカップを取り上げ、うん、ともいらないとも言わせてくれる猶予をくれずに、サハラは
さっさとキッチンへ持っていった。
しばらくしたら戻ってきて、「ん」とカップを渡してくれた。
「ありがとう」
そのあとは少し気まずくて、俺から話しかけることが出来なかった。
ほんと、俺なにやってんだろう。
ため息をついて、もう遅いから家まで送るよって言おうとした。
「サハラ、…!」
ふわっと甘い香りが漂う。
突然、振り向いたら口を塞がれた。
少しぎこちない、サハラからのキス。
首に手を回されたとき、ゾクリとした。
なんとなく震えてる気がするのは気のせいだろうか。
ぐっと引き寄せ、深いキスをする。
舌をサハラの中に入れると、遠慮がちに答えるサハラの舌を無理矢理絡めとる。
「ん…ふぁ…」
やはり少し伸びている髪に指を絡め、首筋をなぞってやると
「やっ…」
唇を離して、俺にしがみついた。
震えてるのは気のせいじゃなかった。
「気持ち良かった?」
耳元で囁くと、その耳が一瞬で赤くなった。


139:ガー×サハラ4
08/08/05 23:56:57 bp+kV7w+
「いじわるっ」
赤い顔をして俺を睨むが、それも俺にとっては可愛くて仕方ない。
ふふん、と笑ってやるとサハラもニッと笑った。
「ん?」
「いつものガートルードに戻った」
そう言いながら、サハラは何事も無かったようにまたお茶を飲みだした。
「え?」
「なんか今日変なんだもの、ガートルード」
「あぁ…それは」
なんて言えばいいんだ。
「だから、キスでもしたいのかなって思って」
「へ?」
キス?
「だって、最近忙しくてゆっくり出来なかったし
二人きりになることもあまりなかったから」
「…ははっ、なんだそれ」
そうか、そういう風に見えてたのか。
残念ながらそれは外れてるけど、
まさかサハラからキスをしてくれるとは思わなかった。
そんなことをされたら、責任取ってもらわなきゃ。
「さっ、めでたく解決したしそろそろ帰るね」
だから、すっきりした顔で立ち上がったサハラを
「帰るの?」
俺は
「うん、もうこんな時間だもの」
帰すつもりはなかった。
「サハラ」
「なに?」
二人分のカップを持っていこうとする手を掴み、サハラを見上げて言った。
「俺の望み聞きたい?」「…ん?うん」
「“今度”の続きがしたい」
一瞬首を傾げたが、すぐになんのことか思い出したようで、
あ、と小さく声を漏らした。
またみるみる顔を赤くさせていく。
「覚えてないとは言わせねぇよ」
このままじゃ落としかねないカップをテーブルに置いて、
赤くなって俯いてるサハラを抱き寄せる。
「…覚えてる、ちゃんと」
サハラは胸の中で小さく呟いた。
「寝室行こう」
そう言うとサハラはやっぱり、ふふ、と笑った。

「あ」
ベッドに寝かせてブラウスのボタンを一つずつ丁寧に外していると、
サハラが唐突に声を出した。
「なに?」
「家に電話しなきゃ」
「…あぁ、そっか」
鞄から携帯を取り出し、後ろを向いて電話を掛ける。
「もしもしお母さん?あたしだけど、今日さ、…っ!」
俺は待ってる間にシャツを脱ぎ、サハラを後ろから抱きしめた。
「あ、ううん!なんでもない!今日ね、友達の家に泊まっていくよ。
うん、うん、分かってるって」
耳まで赤くさせて声が上ずるサハラが可愛かった。
ちょっとからかってやりたくなる。
「うん、っ!…うん。分かった、じゃあね」
あわてて電話を切るサハラのうなじをそのまま愛撫してやると、
「もうっ、ガートルードの変態!」
キッと睨まれる。


140:ガー×サハラ5
08/08/06 00:00:06 bp+kV7w+
「ごめんごめん。用事は済んだ?」
「済んだ」
ちょっとムスッとしてるサハラを
俺の足の間に入れて、柔らかくキスをする。
握っていた携帯を取り上げて、床へ落とした。
「もう俺しか見んなよ」
「うん…」

「あっ…んんっ…」
薄暗がりの中、小さく控えめに聞こえるそれは、けれど確実に俺の耳に届く。
体のラインに手をなぞりながら、少しずつ下半身の方へ持っていく。
「ぁ…」
少し不安げな表情のサハラに俺はなだめるようにキスをした。
そこは、俺の指を少し湿らせる程度でまだ十分とはいかなかった。
少しずつ分け入って、そろそろと指を入れていく。
「あっ!…んっ」
「痛い?」
「少し…」
苦しそうにするサハラを抱きしめ、ゆっくり出し入れして慣らしてゆく。
しばらくすると、ぴちゃ、という音ともにサハラから吐息が漏れた。
「あぁっ…は、ぁ…」
しがみついてきて、耳元でそんな声出されたら。
もう、限界です。
指を抜き取り、蜜を舐める。
「やっ、だ!汚いよ」
顔を背けて恥ずかしがる姿が俺のS心に火をつける。
「汚くねぇよ。お前のだから」
無理矢理顔を向けさせ、舌を入れる。
「んっ、ちょっ…まっ…て」
口内を犯しながら、少しずつ自身のものを入れていく。
「いたっ」
「ごめん、大丈夫?」
侵入を止めて、腕の中で苦しそうにするサハラをなだめた。
「ん…ゆっくり」
時折、擦れ合う水音と少しずつ締め付けてくる中に
何度も理性を飛ばされそうになるが、
痛がるサハラに合わせて少しずつ押し進めた。
「…っ!」
額に汗を滲ませ、顔を歪めるサハラに今度は優しくキスをしていく。
「やめようか?」
見かねてそう言ってみた。でも、
「それでやめられるの?」
と、聞き返されてしまう。
「や、厳しいけど」
正直に言うと、サハラは辛そうにしながらも、
「やめないで」
真っ直ぐ俺を見た。
それを聞いた瞬間、やっぱり理性は吹っ飛んだようで、ちょっと強引にグッと中を押し広げた。
「あぁっ…」
すぐにでも腰を動かしたい衝動に駆られるが、
先にサハラを抱き締めた。
二人の荒い息だけがお互いの耳を行き来する。
「…ガートルード」
「ん?」
「あたしは、いつかあなたの子供を産むのかしら?」
顔を上げてサハラを見ると、ふっと笑って俺の顔をなぞった。
唇に手を伸ばされて、彼女の指を咥える。


141:ガー×サハラ6
08/08/06 00:03:27 bp+kV7w+
「くすぐったい」
指を離し、俺は言った。
「いつか、産んでくれるのか?」
見下ろすと、俺から流れ出た汗をサハラは受け止めた。
多分、そんなものよりももっと、色んな覚悟を。
彼女は受け止め、俺を見る。
「ええ、もちろん。あっ…」
サハラの足を持ち上げ、ゆっくり動かしてゆく。
まだ痛みに慣れないようで、俺にしがみつき背中に爪を立てる。
そのサハラの中を滑らせながらも、俺は泣きそうになるのを必死で堪えた。

久しぶりに穏やかな夜が訪れる。
今は腕の中で眠る彼女の髪を撫でながら、
これ以上ないくらいの満ち足りた気持ちでいた。
額に唇を落とす。
「ありがとう」
抱き締めると、また甘い匂い。
その香りに顔をうずめて、深い眠りに手を引かれていった。



今日も良い天気だ。

「あー、疲れた!」
「ただいま」
「おう」
ソファで本を読んでいると、二人が合宿から帰ってきた。
「あれ、サハラは?」
マリオットが荷物を解きながら訊ねる。
「とっくに帰ったよ」
「そうか、土産を渡そうと思ったんだが」
「また来るだろ」
「ああ…どうした?」
マリオットがじっと俺を見る。
「なにが?」
「嬉しそうな顔をしてるから。なにかあったのか?」
「…別に」
ふっと笑ってそれだけ答えた。
「マリオット!お腹空いたよ」
「さっき食っただろう!」
この慌しくも楽しいと思える日常、そう遠くない未来に、
もう一人増えることをこいつらはまだ知らない。


142:110
08/08/06 00:06:05 bp+kV7w+
以上です

ここまでお付き合い頂き、感謝します

あーもうすっごい満足だww
ありがとうございました!

143:名無しさん@ピンキー
08/08/06 00:11:12 ffYI312S
初めて職人のリアルタイム投下に遭遇したw
GJ。ガーとサハラのラブラブっぷりニヤニヤしながらリロってたよw
ガーがサハラをすごい大事にしてる描写がよかった

144:110
08/08/06 00:13:38 EYtlSc1C
追記

エロシーン下手くそでほんと申し訳ない
あれが限界ですorz

145:名無しさん@ピンキー
08/08/06 00:17:11 f000qBxt
ガー×サハラの続きだ嬉しい。
ありがとうご馳走様でした。やっぱり幸せなのはいいな!

146:名無しさん@ピンキー
08/08/06 00:17:16 OZ0AXPp1
リアルタイムに遭遇してしまった…!超GJ!!
>>144の書くガートルードはいちいちかわいくて何かツボだww
サハラへの愛が伝わってきてかなり萌えたよ

147:名無しさん@ピンキー
08/08/06 01:14:36 6wMpjXVT
ガー×サハラ、きたぜイヤッッホォォォオオォオウ!
ありがとう作者様!GJGJ!!
昼寝から目覚めて思春期してるガーに萌えたw
>「あたしは、いつかあなたの子供を産むのかしら?」
>顔を上げてサハラを見ると、ふっと笑って俺の顔をなぞった。
>唇に手を伸ばされて、彼女の指を咥える。
↑が特にときめく描写でしたw


148:名無しさん@ピンキー
08/08/07 00:28:33 zDrRGTkK
このスレは需要と供給のバランスが素晴らしすぎるww
覗きに来たら大抵職人様達の新作が読めるという…
触発されて自分も何か書きたくなるよ

ところで作者サイトのセーラー服姿のシャクヤが可愛すぎて
先生クワン×セーラーシャクヤとかブレザールシン×セーラーシャクヤを妄想してしまうw


149:名無しさん@ピンキー
08/08/07 00:35:55 9Uih+tnW
>>148
いやいや学ランルシンもよいでわないかww

150:名無しさん@ピンキー
08/08/08 18:34:50 Ibi+IbYv
>>148
さあ先生クワン×セーラーシャクヤを書く作業に戻るんだ

でも先生って言われて白衣しか思い浮かばなかったよ
どんだけ十二秘色に染められているんだ…

151:名無しさん@ピンキー
08/08/08 19:31:25 9idP/Oxi
問1.クワン先生の服装について答えよ

A.やっぱりスーツ+白衣!オプションは眼鏡です。教える教科は理数系でw
B.いやいやブランドジャージで保健体育!実技見本も華麗にこなしますw
C.ジャケットでスクエアな感じ!毎朝職員室で英字新聞をチェック!な英語教師w
D.ラフな私服で気取らないよ!書道も達筆、国語科教師!

152:名無しさん@ピンキー
08/08/09 00:02:59 mB2YHUTx
>>151
クワンはやはり隙のない男なのでCだな
眼鏡理数系も捨てがたい
ん?眼帯の上に眼鏡…なのか…?

153:名無しさん@ピンキー
08/08/09 17:02:06 W9qLsVEJ
つモノクル(片眼鏡)

154:名無しさん@ピンキー
08/08/09 18:16:29 I+PQ8HkK
それだと家庭教師のイメージだ

155:名無しさん@ピンキー
08/08/10 00:53:31 RJYbFnye
家庭教師か…それはそれでおいしいww
シャクヤの性教育はクワンがしたらいいよ

156:名無しさん@ピンキー
08/08/10 11:51:54 nAWd/yFj
そしてルシンがシャクヤの超絶技巧にうろたえるんですね、わかります

157:名無しさん@ピンキー
08/08/10 22:16:55 7mHOW2Jm
>>155でお嬢様(主)に使える従者のクワンを受信しますた
シャクヤを性教育でねっとりと最後の一線は越えずに開発する一方で、
婚約者のルシンを「お嬢様は任せられませんね」ってあしらうww

あれ?脳内でなぜかホテルマンな衣装のクワンになった……

158:名無しさん@ピンキー
08/08/12 19:19:31 MHVl9Kfd
ホテルマンと言えばキコクですね
ドジなうえにアホ呼ばわりで割と好きなんですけども。

キコク×ルピナもいずれは、とは思うものの
本編がひと段落ついてくれんことにはうっかり受信も出来やしねえ
ああ早く連載再開を!

159:名無しさん@ピンキー
08/08/13 01:31:25 qhhzBzTm
ハクライ×イトキなんてどうですか
女装モードでもいいし

160:名無しさん@ピンキー
08/08/13 08:26:18 Bs3QIUFj
龍花な流れの中パレットです
セロがパレットになって海外飛び回って逆に先生はおうちで待ってる感じ
結構長いのでしぶしぶおつきあいください

161:グエル×セロ
08/08/13 08:28:41 go4flpKw
「あ、先生…もう…」
次で何度達することになるのかセロはすでに曖昧だ。
かきまぜられあふれかえった蜜で、そこにまざりあう白濁で、互いの体が溶け合って久しい。
薄暗い室内は密やかに狂おしいほどの熱で満ちている。
「先生…、私…また…っ」
グエルは今夜、別人のようだった。
  
   ***

行ってきます、はい気をつけてとグエルに見送られ、共に住まう家を空けること数日。
小さな不運が重なりセロの帰宅の予定は簡単に延びてしまった。
仕事で海を渡るようになってからは珍しいことではないけれど、
どうやら悪い報せが間違って交錯してしまい、港は一時ただならぬムードになっていたらしい
──ということをずっと後で聞くことになる。
ともかくも家路につき、鳥舎に寄って愛しのピンクを預け、
すっかりくたびれ果ててただいまとドアを開けると無言で骨が軋むほど抱きしめられた。

ずれ込んだ日程のせいで帰宅は早朝だったが、グエルはかいがいしく世話を焼き、セロはまず睡眠を欲した。
ぐっすり眠って日も暮れる頃に目を覚ますとグエルはベッドの脇に腰をかけ彼女の手を握っていた。
重病人を看護でもするかのような静謐さで。まばたきもせず。
「どうしたんですか」
問いかけにはいつもの無表情で小さく首を横に振り、しかしながら縦にも振って寝室から出て行った。
不可思議なその態度は初めて見せるものだった。
セロは小首をかしげたものの、じきにキッチンから漂ってきた匂いに違和感は霧散した。
なにしろお腹がすいていたので、彼女の好きなものばかりならぶ夕食に没頭しないわけにはいかなかったのだ。
食後のお茶でくつろぎ、それから風呂に飛び込んでセロはうんと羽をのばした。

162:グエル×セロ 2
08/08/13 08:30:17 go4flpKw
星が無数に散らばった宵闇を心地良い風が渡ってくる。
やっぱり我が家はいいな、と鼻歌まじりの上機嫌でセロは寝室の窓を開ける。
風呂上がりの濡れた髪を乾かすため、ベッドに両膝をついて外へ身を乗り出した。
グエルのために買って来たみやげのことなどを思い出しているうち、ふと夕方の違和感が舞い戻った。
疲れてグースカ眠っているだけの自分の手を、彼はずっと握っていたのだろうか。
そんなに寂しかったの…?
夜風は花の匂いをはらんで甘い。
とりあえずそれを胸一杯に吸い込んでみたところで、背後からずぶぬれの腕に抱きすくめられた。
「わっ、先生?!」
盛大にしずくを滴らせた髪がセロの頬にかたくなに寄せられる。
自分の後で浴室に入ったはずのグエルだが、どうやら腰にバスタオルを巻いただけという格好ではないか。
シャワーの途中で飛び出してきたという状態だ。
セロの薄い生成りのワンピースはみるみる水滴を移され、まだらに濡れてゆく。
「何かあったんですか?」
驚いてグエルに向き直り訳を聞こうとするが、もがくほどきつく腕の中に捕らえられ動きを封じられた。
帰宅した時と同じ、骨も軋む強さ。
「先生…?」
顔をあげると言葉は舌でこじあけられた。
いきなり始まった搦めとるようなキスに思わずよろめくと、腰が窓枠に軽くぶつかった。
背中が戸外へ反ってしまいセロは慌てた。まずい、落ちる。
というか窓が開いたままだ。
「へ、へんへい…っ」
からんだ舌に間の抜けた振動が伝わるのも構わずグエルはセロを貪った。
いつにない激しさにセロは戸惑う。
ま、窓…。

ようやく唇を解放すると、彼はセロの耳朶を食み、首筋、鎖骨にかけて舌を這わせた。
形をなぞって、確かめるように。
「先生、待って待って」
キスだけで済まない予感に、焦って窓を閉めようと身をねじるが腕を振りほどくことができない。
ワンピースの胸は、グエルの肌を流れるしずくをとうに吸いつくし濡れそぼっていた。
はりついた布越しに舌でねぶられ、わずかばかりのふくらみがぶくりと頂きを露にする。
グエルはそこを歯列で数回かすめると、セロの意識が集まって来る頃合いで甘噛みした。
痺れに息を呑んだ瞬間、再び唇をふさがれ引きずり倒される。
セロはなんとか窓に手をのばし鍵をかける。
シェードを勢いよく降ろしたところで、さまようその手もベッドに押さえつけられてしまった。

163:グエル×セロ 3
08/08/13 08:32:02 go4flpKw
一体どうしたんだろう。
突然のことに鼓動が逸る。セロの頭は疑問でいっぱいだった。
寝室のランプには火が入っていたので、仄暗くゆらいだ陰影にかろうじて相手の表情が伺える。
見上げた視線の先には意外にも静かな眼差しがあった。
グエルはシーツに広がるセロの髪を両手でそっとすくいとり頬を包む。
そうして彼女の胸もとに、祈るように顔をうずめた。
しばらく押し黙って、ぽつりと。
「…帰ってこないかと思った」
消え入りそうな声が鼓膜を小さく震わせた。

それがやっと返された問いかけへの答えだと気づいて、しかしセロはまたわからなくなる。
「あ…あの…遅くなってごめんなさい…」

──そんなにも寂しい思いをさせただろうか?
帰宅が遅れることはこれまでにも時折あったことだ。
普段のグエルは多少不満げな顔をしてみせるくらいで勿論取り乱したりはしない。
帰宅予定はたしかに延びてはいるが、今回留守にしていた日数自体は比較的短いものだった。
それなのにどうして…?

164:グエル×セロ 4
08/08/13 08:33:34 go4flpKw
「先生、でも…」
かすかに顔をあげたグエルの眼差しが熱を帯びるのが見て取れた。
何がいけないんだろう。
何がいつもと違うんだろう。
セロにはわからない。
グエルの指先は既にくしゃくしゃになっているワンピースの裾から腿を撫であげ性急に秘所へと辿り着いた。
「あっ、や…っ」
下着の中まで滑り込んだ指に、淡い茂みの中で蕾をなぶられる。
グエルは手首の角度を変え指をもう一本滑らせると、潤みはじめているやわらかい肉へ強引にそれを沈めてゆく。
セロはたまりかねて目の前の肩にしがみついた。
そういえば久しぶりなのだ。
「…あ、あっ」
体の内側をなぞる少しだけごつごつした指をあっというまに蜜が呑み込んでいく。
なぶられ続ける蕾から早々と甘い痺れが広がって、
「だめ先生、いっちゃう…」
目を閉じてとりあえず流れに問題をゆだねようと思ったとたん、唐突に快感が途切れてしまった。
グエルは蜜にまみれたその指でセロの手首を掴み、肩からひきはがしてシーツに組み伏せたのだ。
続きが読めず見開いた彼女の視界には覆いかぶさる赤い髪。
視線から0センチ、睫毛のすきまから別の赤が滲んだと思ったら眼球をひと舐めされたところだった。
「わ…っ」
未知の感触に思わず怯む。
まぶたにも濡れたキスが落とされる。
次いで、こめかみに唇がおし当てられ、耳の淵から尖った舌で優しく蹂躙される。
「セロ…」
直接流し込まれる普段よりもうんと低い声に、セロはぞくりとした。
呼び捨てにされることは滅多にない。
いかに情事のさなかであっても珍しいことだった。
真意を乞うべく向けた視線の先でグエルは彼女の指を飴のようにしゃぶってみせた。
長い前髪に隠され、表情は判然としない。
少なくとも口元はこれまでになく扇情的でセロは釘付けになる。
今、どんな目で自分を見ているんだろう。
「グエルせん…」
呼びかけの最後は言葉にならず咽を抜ける。
「……っ!」
せり上がる熱がセロを一気に貫いた。

   ***

165:グエル×セロ 5
08/08/13 08:34:41 go4flpKw
あれからどれくらい経ったのか。
裏に表にとひっくり返されているうちに気づけば最初と同じ体勢になっていた。
甘い痺れに浮かされながらグエルを見上げる。
いくの次で何度目だっけ私…
「あ、先生…もう…」
シーツの上で律動を支えるグエルの腕に、身もだえて額をすり寄せる。
1度目の到達でヒクヒクと脈打った秘所は、中に残されたグエルに再び煽られるとたやすくのぼりつめ、2度目は彼をつれて絶頂を迎えた。
腹の上に吐き出された白濁を拭う間もなくさらに責められ、繰り返すほどにあっけなく到達は連続する。
先生は何度目…?
こんなにするの、はじめてだ…
もう限界だった。
ねじ込まれた熱に押し出される嬌声はとめどもなくて。
「先生、私…また…っ」
「まだ…だめ」
そう言いながらグエルは彼女がのけぞるほど容赦なく奥まで求めていく。
もっと深くでつながりたい。
欲しくて欲しくてたまらない。


船が沈んだという報せを受けてどうにかなりそうだった。
かつて味わった引き裂かれるような痛みをまざまざと思い出す。
誤報だと知れるまでの数日をほぼ眠らず、ろくに食事も摂らずで過ごした気がするが、それも曖昧な記憶だ。
愛する者を奪われる恐怖にただ蝕まれ続けていた。
2度は耐えられない。
変わらぬ姿で帰って来たセロを前に、傷は血を流し渇望した。
存在を確かめたい。
あたたかい体を味わいたい。
その衝動のあまりに強烈さに自分でためらった。
きっと彼女を驚かせる。過去と重ねた過剰反応なのだから。
遣り過ごせるものならその方がいい。
そうするつもりだった、のに。


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