08/06/15 13:53:06 OMHXV/Tn
「枢様以外の男としてること…僕が気付かないとでも?これ、誰の牙のあと?」
優姫に近づいた藍堂は彼女の首筋に薄く残る二つの傷痕をなぞる。
「…ッ!!」
指先が首筋を辿り、小さな顎先を持ち上げた。
青い瞳に強く見つめられて、思わず優姫は目を逸らした。
「枢様は君みたいな優柔不断な女をどうして側に置きたがるんだろうね…ねぇ、教えてよ優姫ちゃん?」
「…やっ藍堂センパイッ……ッ!?」
藍堂の唇が首筋に触れたのを感じ、抵抗しようとしたが、自分の足が動かないことに気付く。床と足元が凍りついて、その場から逃げることもできない。
「無駄だよ。優姫ちゃん。君はもう…」
「英…いい加減にしたらどうだ。もうすぐ玖蘭寮長が戻るぞ…」
低い声が壁際の暗がりから響いた。