08/12/08 00:53:01 WWfJtUep
空に星の影はなく、月とその影だけが妙に輝いて見えた。
「っ……」
乱暴に押し倒されその衝撃で一瞬息が止まる。
そして呼吸をする間もなく乱暴に唇を塞がれ「支葵の姿をした」ヴァンパイアが私に覆いかぶさった。
2人分の体重がかかったせいでベッドのスプリングがギシ、と悲鳴をあげた。
「はっ……離してっ…んんっ!」
酸素を求めて開いた口から「支葵の姿をした」奴の舌が私の口内に侵入してくる。
前歯をその舌でなぞり私の舌と絡めあう。
―その身体は、支葵のものなのに。
なんだか支葵に無理矢理犯されているようで、そんな自分に無性に腹がたった。
……それでも強姦まがいのことをされていることに変わりはないのだが。
十分に酸素の回っていない頭では目の前のこいつを引き離す方法も考えることが出来ない。
ただただ目の前の「支葵の姿をした」奴にされるがままにされた。
と、急に唇が離れその間を銀の糸が繋いだ。
それと同時に急に酸素が肺に流れ込みむせ返った。
「何?もしかしてキスだけで……感じた?」
「だ、誰が…ひっ……」
「だってほら、ここ……」
その指が制服越しに私の胸の頂に触れる。
「直接触ってほしいだろ?莉磨」
片手で私の身体を支え、もう片方の手で器用にブラウスのボタンを外していく。
そして唇は私の首筋にあてられ、ヴァンパイアが血を吸った跡のように華を散らせていった。
そのせいで抵抗する術もなく気がついたときにはブラのホックに手をかけられた後だった。
「嫌っ…ああっ…やめて……」
右手で乱暴に胸を揉みしだかれ、残った胸の頂は口に含まれ舌で弄ばれる。
声が漏れそうで両手で自分の口を塞いだ。
強姦されているはずなのに感じてしまう自分が悔しい。
そのうち快感に耐えられなくなり左手でシーツを掴んだ。
「こっちはどうなっているんだろうな?」
そう言うと「支葵の姿をした」奴の手がスカートの中に侵入してきた。
「嫌だ!!そこはっ……」
続きを言いかけたところで、まるで脳に電撃が走ったみたいな快感が私を襲う。
奴の指が、私をショーツの上からなぞる。
それだけで濡れてしまうのが私にもわかった。
「こうして触れているのは千里なのに何故そこまで拒絶するんだ?」
そう言いながらも指はショーツの上を往復し続け私の声はあられもない、言葉にならない言葉しか紡ぎ出さない。
(だって、あんたは支葵じゃないから)
外見は支葵そのものであっても中身は支葵じゃない。
私が求めてるのは外見も中身も支葵千里その人だけなのに。
「助けなさいよ……支葵…」
やっと出た言葉がこれだった。ついでに涙も流れた。
これじゃ情けない。