08/11/16 19:26:05 /1AVnrhR
182です。
遅くなりましたが、続きです。↓ネタバレ注意!
窓からは明るい光が差し込んでいた。
その光に照らされているのは、まだ幼さの残る白い裸体。
優姫は、先ほどの枢からの吸血で、もはや立ち上がることすらできない。抵抗してその腕を動かしても、何の意味もない。ただ衣服を剥がれたその体を力無くベッドに横たえるだけだった。
自分の体に、先日まで『枢センパイ』だった男の指が触れる度に、何とも言えない嫌悪感と悲愴感が体を支配する。
「枢お兄様・・・何でこんなこと・・・お願いです、やめてください・・・」
か細い声でそう訴える優姫の目を見つめながら、枢はその口角をほんのわずかに上げた。
「・・・やめたところで、優姫はどうするの・・・?僕から離れて、あの錐生のところにいくの・・・?」
最も残酷な質問だった。
もう零には会えない。それを分かっていて、言うのだ。
その言葉を聞いた瞬間、優姫はその瞳に涙を浮かべ、小さく泣き声を漏らした。
「そう・・・もっと思い知ればいい。君の居場所は、ここしか無いのだと・・・」
枢はそう言うと、優姫の首筋に顔を埋めた。
前回の吸血とは違い、今度は優しく、そして丁寧にその皮膚を吸い、舐め上げる。
「やっ、やぁっ!!やめて、お兄様!」
「何・・・?もしかして優姫はこれから僕がすることが分かってるの・・・?」
枢はそう言うと、優姫のまだ固さの残る小さな胸のふくらみを掴んだ。
「痛いっ!!」
「・・・まさか優姫、あの錐生に、もうこの体を・・・?」
優姫には、枢の言っていることが理解できなかった。
それどころか、今自分が置かれている状況すら理解できていないようだった。たった一つ分かっていることは、今目の前にいる人は、以前の優しかった彼ではないということだけだった。
「・・・返事は・・・無いのかい?」
その言葉に、優姫はただただ困惑するだけだった。
枢の瞳の色が、さらに赤く染まったような気がした。
すいません、まだまだ続きます・・・