08/07/02 00:23:57 6rAJ76oC
おまけ
ネタSS
~ し・か・え・し ~
紅まり亜が、昼間の学園内をうろつき一騒動起こしたその夜、
月の寮に忍び込んだ、というより駆け込んだ優姫は、ナイトクラスの面々が集まる
リビングのに通ずるドアを、けたたましい音を立てて蹴破り転がり込んだ。
呆然とするナイトクラスの生徒達を見回し、目標を見定めると、再び脱兎のごとく
駆け出した。
狙うは、藍堂 英である。
優姫は、ほとんど勢いは殺さず、藍堂に飛びついて、抱きつく。
「な、なんだい? 優姫ちゃん」
よろけつつも、優姫を受け止めた藍堂は、まだ、これから自分のみに降りかかるであろう
災厄に気付いていなかった。
「フッ…」
優姫は、藍堂のとりかけには応えず、不敵な笑みを浮かべた。そして、彼に抱きついたまま
あらん限りの大声を叫んだ。
「イヤ~ン! 藍堂先輩j、変なところ触らないでください! セクハラですぅ! ア~レ~!!」
「ちょ、いったい、なに―」
「怒り狂った枢先輩に殺されてしまえ、藍堂 英…」
このときはじめて、藍堂は優姫の目的に気付いた。そして、振り返った先には枢が立っていた。
この夜を最後に、藍堂の姿を見たものはいない。