09/05/31 20:11:57 ORZ4ElyX
女性の男爵も存在するんだが
386:名無しさん@ピンキー
09/05/31 20:42:54 2DUbvJeD
>>385
しかしその場合はバロンじゃなくてバロネスになるわけだが
387:名無しさん@ピンキー
09/06/02 20:56:25 CpVSXxxR
さてとこっちも保守っと
388:名無しさん@ピンキー
09/06/05 11:59:10 9jDT3GlL
火渡様が勃起しそうな毒島たんのロリロリ小説をですね
389:名無しさん@ピンキー
09/06/05 18:37:34 Y+8bGgAD
7月の発売予定にやっとエンバーミング2巻が・・・
390:名無しさん@ピンキー
09/06/06 00:38:31 s2hMnc6o
買わなきゃ
391:名無しさん@ピンキー
09/06/06 00:59:05 mFZrCnK8
今月のリッちゃんは勃起しっぱなしだったな
392:名無しさん@ピンキー
09/06/06 01:34:07 W/G2dhj5
エンバは応援してるけど、最近掲載順悪いし一行感想スレ見ても反応
芳しくないしちょっと不安だ。というわけでまひろは頂いていく
393:名無しさん@ピンキー
09/06/06 09:07:52 nDr62S2m
エンバーミングはよく出来た作品だけど人を選ぶからなあ。
かなりデフォルメされてるとは言え、内容的には相当にグロいしエグいし。
とりあえず今月のリッパー=ホッパーはチョトワロタwww
394:名無しさん@ピンキー
09/06/06 13:06:54 W/G2dhj5
>>393
それが一行感想スレを見ると、グロだから敬遠されてるわけではなさそうなんだ
アンケは出したほうがいいだろうね
395:名無しさん@ピンキー
09/06/06 14:59:20 mFZrCnK8
一行感想スレを作品評価の基準にするのはどうかと思う
396:名無しさん@ピンキー
09/06/06 15:31:25 UgGOUScx
いい加減スレチ
別漫画の話は荒れやすいからそろそろ切り上げよう
397:名無しさん@ピンキー
09/06/06 22:40:20 kQFQQivy
千歳を好む者はおらんのか。無表情でクールでナイスバディで綺麗なお姉さんなんだぞ。
398:名無しさん@ピンキー
09/06/07 12:34:10 86XkHQpU
クラスの皆を洗脳して
とっこさんをエロ衣装+ローターやバイブのまま登校させてエロ授業受けさせたい
399:名無しさん@ピンキー
09/06/08 09:26:23 xeB55rxd
ブラ坊&千歳さんはむっつりすけべいカップルだと思います
熱血&クールな外見からは想像もつかないようなことしてると思います
400:名無しさん@ピンキー
09/06/08 13:32:14 gwps8SXt
千歳×ブラ×千歳
401:名無しさん@ピンキー
09/06/09 10:43:09 GwR3i7MJ
>>398
ふだんのセーラー服以上にエロい服はない!
で、カズキので型を取ったバイブをですね。バックから差し込んで…
402:名無しさん@ピンキー
09/06/09 12:08:54 GhF0lVYi
>398
間接的な陣内×とっこさんですね
よし設定は固まった
403:名無しさん@ピンキー
09/06/12 11:01:12 hCYwWwLW
エロSSを読み女体化パピヨンに目覚めた。
パピヨンが女でも、俺は全然イケることがわかった!!
だが、しかし女体化してもパピヨンが180cmの高身長だと気がつき急速に萎えた。
おわり。
404:名無しさん@ピンキー
09/06/12 12:12:00 LKFXvlnq
>>403
今すぐ今週号のジャンプでワンピースのイワンコフを見てみるんだ!
もしくは蝶天才だから、安永航一郎の陸軍中野予備校に出てきた
中野式変装術(骨格や身長・乳寄せが自由自在)を使えるかもしれないぞ
405:名無しさん@ピンキー
09/06/13 19:34:18 Kn3X0fsR
『誓い』
「どうしたの斗貴子さん? 震えてるケド…やっぱ怖いの?」
オレは両腕で優しく彼女を包み込み、安心させるようにささやいた。
「ち、違うッ! …ただ初めてだから落ち着かないだけだッ!」
斗貴子さんは強がっているというか、緊張しているというか、
薄紅色の傷がさらに真赤になるくらいの表情で応える。
そう…オレ達は今日、本当の意味で一心同体になろうとしている。
勿論、これまでずっとまるごと全部斗貴子さんの事が好きだったし、
これからも一生彼女を守りたい気持ちでいっぱいだ。
しかも、オレ達は将来結婚し子供が生まれるのも判っている。
ソウヤの奴元気かな…。
でもよく考えたら、元気なソウヤをこの時代で
平和に育てるためには、どうしてもやらなきゃいけないコトがあった!
それをまぁ、これからやろうとしていたわけで。
でも実は、オレも初めてだから緊張してないというのはウソになる。
本音を言えば、斗貴子さんのおヘソを見られただけで満足してしまったのだけど、
それだけじゃあソウヤと誓った約束、「再会」は果たせない。
オレは意を決して斗貴子さんを抱きしめた。
次にふたりの手と手が絶対離れないように握りあってから、
斗貴子さんとの、そしてソウヤとの「誓い」を秘め、行動に出た。
「いくよ、斗貴子さん!」
◇
「あぁっ…あんっ!」
今、私はどんな表情(カオ)をしているのだろう…?
出会った頃、最初はきっと険しい表情。
それは、戦いの世界へ巻き込んでしまったカズキへの罪悪感が出ていたハズ。
でも、彼の笑顔は私を逆に戦いの世界から日常へと引き戻してくれた。
彼を守るつもりが実は守られていて、最後はこの惑星をも守ろうとした少年。
そんな彼が私は大好きだ。
それに最近はすっかりカズキ色に染められて、
表情も彼に似てきてしまったのではないかと危惧する始末だが。
サンライトイエローの綺麗な光は、例え武装錬金を発動していなくとも、
私の身体を明るく照らしてくれている。
例えどんな暗闇でも、方向を失わない優しくも力強い光。
灯りの消えたこの部屋であっても、カズキがどんなカオをしているか私にはわかる。
一生離れないと決意したあの日のように、私はカズキと身体を重ねる。
私達の「誓い」がいつまでもつづくように。
今、私はどんな表情(カオ)をしているのだろう…?
<了>
406:名無しさん@ピンキー
09/06/13 20:58:40 HlJb8BZG
ヘソだけで満足できるってどれだけヘソフェチなんだよw
エロイけど笑った
乙
407:名無しさん@ピンキー
09/06/16 10:17:42 GhBNEZ+G
>本音を言えばヘソを
嘘つけ!!!!!!w
つーか人いないなー
せっかく久しぶりに投下あったのに
見てもらえないんじゃ気の毒だなー
408:名無しさん@ピンキー
09/06/20 19:33:12 XB7hqy5u
人の集まり具合には波があるから、これは単純にタイミングでしょう
俺も今日かなり久しぶりに覗きにきたわけで
…とハァハァしつつ>>405乙!
409:名無しさん@ピンキー
09/06/27 20:12:57 XZ9iLibx
保守ついでにまっぴーはいただいていきますね。
410:名無しさん@ピンキー
09/07/01 19:56:39 kYWVnlxX
そろそろまっぴーは返してもらいますねv
411:名無しさん@ピンキー
09/07/07 20:23:50 Lk2LN1yo
まっぴー返すんで次は桜花先輩をつれて帰りますね。
御前様はいらないんでパピヨンにでも渡しておいて下さい。
その際、盗聴はしないようお願いしておいて下さると助かります。
それでは・・・
412:名無しさん@ピンキー
09/07/07 21:22:15 ZYAfDYFP
一時間たったしそろそろ桜花さんをあきみずに返してやってくれ
奴には姉さんしかいないし可哀想だろ
413:名無しさん@ピンキー
09/07/07 21:22:17 auJVrs/u
>>411
待て。桜花先輩はお前にお持ち帰りされたんじゃないぞ。
何か腹に一物あってお前についていったんだ。
騙されるな。
気を許すと骨までしゃぶり尽くされてボロ雑巾のように捨てられるぞ。
414:名無しさん@ピンキー
09/07/08 21:07:59 vYzE2zs4
桜花先輩は腹黒なんかじゃないぞ!
今日だって俺の健康を気遣って料理を教えてくれたし
俺が無駄使いしないようにお金の管理してくれるっていうし
「健康はいつまでも続かないのよ」って保険に入るように手配してくれたし
でも、こんなに良くしてもらっても俺からはなにもしてあげられないから
せめてものお礼に保険金の受取人は桜花先輩にさせてもらった。
明日からはご飯もお弁当も俺が作るよ。
水仕事なんてさせてあの美しい手を荒れさせたくないからな。
415:名無しさん@ピンキー
09/07/08 23:02:56 4Efm1p3p
・・・嗚呼、こりゃ>>414の寿命は後少しだな・・・
416:名無しさん@ピンキー
09/07/09 14:02:45 YBP6DnYz
上げ
417:名無しさん@ピンキー
09/07/10 03:15:05 g6CD8SuC
懐かし漫画スレの>>160 発生SS
「ハンバーガーなんかより人間のほうが何倍もおいしいのよ…」
くるりとカラクリ人形のような緩慢な動きでバイト子が振り向いた。
振り向かれたバイト子の口からはダラリと人のモノとは思えない長さの舌が垂れ下がっている。
「お腹 空いちゃった の 、ね 、テン蝶 何か …… ね ?」
すっと伸びてきた手がパピヨンの腹に当てられ胸元まで指でたどり、くるくると円を描く。
ゆっくりと口の端を吊り上げたバイト子の口の中には鋭利な歯が唾液混じりにギラギラと。
「ね 。 テン蝶 は完全 な ホムン ク、ルスじゃ ないんでしょ ?」
食べさせてお願いと涎で濡れた唇が動く。
蒼白の肌につーっと鮮血。
鋭利に伸びたバイト子の爪先がパピヨンの胸を突き刺した。
「欲しい・・ の 、ちょ ぅだい 。 あの ひと ナにもクレナカッタ」
長い舌を押し付けるようにパピヨンの傷口へと這わせたバイト子が血を舐め、啜る。
突き刺されたままの爪から滴り落ちる紅い体液がバイト子の前髪に伝い顔を染めた。
「不完全とはいえホムンクルスであるオレを食べるというのか、貴様は?」
パピヨンは哀れむような表情を浮かべ見下ろしているバイト子の髪を掴み引き離す。
胡乱な瞳を面倒臭そうにパピヨンに向けたバイト子は
「ホムンクルス ハ タベラレナイ ケド テンチョウ ハ チガウ 」
人の味がするの、だから、も、我慢できないとゆるゆる頭を振った。
「浅ましいコトだ」とパピヨンは鼻で笑い 胸元の傷口に自ら爪を差し込み肉を抉り出すと
顎が外れんばかりに開かれたバイト子の口に押し込む。
閉店後の薄暗い店内にバイト子が肉を喰らう音だけがただ響く。
「タリナイ タリナイ 」
「なんだ、もう食べ終わったのか?欲しければもっとくれてやるぞ」
「モット モット チョウダイ テンチョウ ガ ホシイノ イツモミタイニ モット イッパイ 」
「だが、その前に貴様をそんな体にした奴のコトを教えろ」
パピヨンの声には静かな怒りが秘められていた。
>>167へ
パピ×バイト子が苦手だったら、ごめんね
418:名無しさん@ピンキー
09/07/10 11:20:50 5+ZwVrea
いいよいいよエロイよバイト子…!
>パピヨンの声には静かな怒りが秘められていた。
嫉妬か?嫉妬なのか?
とにかく乙
419:名無しさん@ピンキー
09/07/10 11:47:21 Vu3i9PyG
>イツモミタイニ モット イッパイ
いつもしてたのかよ?!エロイよバイト子(*´Д`)//ア//ア
で、その様子はいつ投下ですか?
420:名無しさん@ピンキー
09/07/10 22:10:01 BSqcPR+F
バイト子とテン蝶って名称がギャグっぽいのに
グロくてエロくてゾワゾワするwww
セリフから妄想が膨らむSSですね
乙でした!
421:名無しさん@ピンキー
09/07/11 22:40:51 xmWgd93L
久々にパピヨンとバイト子のSSキター!!乙!乙!
バイト子がパピパーでバイトしていたのは必然だったんですね。
武装スレって週末に過疎っていること多いよな?
みんなリア充かよ、チッキショー裏山!
422:名無しさん@ピンキー
09/07/12 00:46:37 jXg9qrij
リア充中の>>414は今頃……
423:名無しさん@ピンキー
09/07/12 14:03:06 6tJ+vfaQ
>421
週末だけじゃないよ
夏休みとか、年末年始とか、クリスマスとか
クリスマスとか…
424:名無しさん@ピンキー
09/07/12 23:18:50 qdLIZZ1r
悲しいこと言うなよ・・・
俺は今日、朝から今まで寝ていたぜ!
充実してたなー・・・ぐすん・・・
425:名無しさん@ピンキー
09/07/13 21:41:45 Yt1v4Tph
多分>423はバタ爺
ここでは活躍できないからって
住人にAIWしかけるのやめてください
426:名無しさん@ピンキー
09/07/13 21:59:26 xz7iLE+I
※キャラ違う。※ごめん。※異常な程に女の子は皆オナニー大好き。※男の気持ちの分からない女の子達。
※セクスまでが長い。そして短い。
---
宿舎の一室、部屋中央にテーブルを配置し、その上にはチョコレートやクッキー、そして4つの紅茶。それを囲むのは1年生の仲良し3人に、新たに転入生の毒島を加えた4人だった。
そんな中、毒島は耳を大きくしつつ、真っ赤な顔を俯けていた。
全員が同性といえど、女同士の会話というのは、こうもオープンなものなのか。と思いながら。
「『アレ』・・・本当に凄いね。うん・・・」
「・・・あたしも使ってみたけど・・・ちょっとだけど・・・凄いね・・・アレ」
ほんのり頬を染めながら話すちーちんとさーちゃんを見て、恥ずかしがっているのは自分だけではない事に安心する。
しかし、
「ホント、すっごいよねー」
にこにこと笑って、率先してこの話題を持ち出したまひろには驚愕してしまう。驚愕で開いた口は紅茶を一口飲み込んで閉めなおす。ごっくん。
皆の赤らんだ顔など気付いていないかのようにまひろは続けた。
「あれバイブじゃなくてディルドーっていうんだね。あとあれ、だいたい男の人の標準サイズなんだって。13センチ。太さはどうなのか忘れたけど」
相変わらず天使のデフォルト状態のような人の良い笑顔なのに、とんでもない言葉を発する。
話を追うと、まひろ、ちーちん、さーちんの3人は、毒島の転入以前に、いわゆる大人の玩具を買ってみたらしいのだ。
ちーちんはまだちょっとしか使用した事がないらしいが、まひろとさーちゃんの2人は既にその玩具の実力を十分体験済みらしい。
話の内容は逃げ出したいくらいに恥ずかしかったが、毒島は逃げる事が出来なかった。
実際には、興味があったから逃げようとしなかったのだ。逃げようと思えば『そういえば今日は用事があるんでした。すみません』とかなんとか言えばこの場から『さらばだ!』とばかりに逃走できるだろう。
しかし毒島は少しでも多くの卑猥な情報を知りたかった。
現在絶賛(毒島自身が自分を絶賛)お付き合い中の愛しい火渡といつか卑猥な事をするために。
毒島の予想と偏見とを組み合わせると、火渡は多くの女性と交わった事があるはずだ。
さらに嫌な予想を膨らませると、今現在火渡が付き合っているのは自分だけではないのではないか。
偏見を膨らませると、火渡はとてもテクニシャンで、火渡に依存している女性がいて、毎夜毎晩求められているのではないか。
毒島は架空のいるかも知らないライバルに闘志を燃やしていた。いないかもしれないのに。
いや、いないかもしれないがいるかもしれない。敵には最大の装備で挑むべきだ。そして現在必要な装備は知識である。
それも卑猥なら卑猥なほど強い武器となる、はずだ。たぶん。
色々総合すると、付き合っているけど片思いな気がして、毒島は焦りを感じていた。
英語教師火渡と毒島が付き合っているということを知ってか知らずか、まひろは毒島にも発言を促した。
「華花ちゃんは? 使った事ある?」
「い、いえ、まだ・・・」
言って、毒島はハッとした。言葉の間違いとはいえ、気付いてからは遅かった。
まひろは既にニンマリと笑っていた。
「そっかぁ! 『まだ』かぁ!」
男性経験も既にある、まひろとさーちゃんからたんまりと口頭での技術指導。そしてちーちんも負けじとするかのように豊富な知識。
そして「これで華花ちゃんもデビュー!」とハイテンションでまひろが差し出した未開封のディルドー。
そしてさーちゃんとちーちんが「これもあげる」と女神のように微笑んで差し出した2冊の本。
それらを土産に、毒島は気付いたら自分の部屋にいた。未開封の玩具と2冊の本は鞄にしっかりと仕舞われていた。
皆、私と火渡様がお付き合いしている事、知っていたんだろうなぁ。
毒島は友人の心遣いに感謝して、一拍、やっぱり複雑な想いが駆け巡った後、
皆あんなに清楚で可愛らしいのにとんでもないことをしているんだという事に少なからずショックを受けてしまい、放心した。
427:火渡×毒島
09/07/13 22:02:26 xz7iLE+I
*
火渡は昼寝後のボケっとした頭を覚ますべく、タバコをふかす。紫煙は上るにつれて薄くなっていき、
パタパタと忙しく台所で動き回る毒島の上にある換気口に、料理の匂いと交じって排出されていく。
毒島は可能な限り火渡の飯をわざわざ作りに来てくれる。しかもどんどん上達していっている。いつ火渡が嫁に貰っても良いくらいだ。
強制したわけではなくとも、材料持参で来てくれるので、火渡は休みの日など、いつにもまして何もしなくて良いのがありがたかった。
既に毒島の存在は火渡の生活の面でも気持ちの面でも必要不可欠なものになっていた。
ロリコンと誰に笑顔で罵られようとも、相思相愛なら問題ないじゃないか。と開き直って煙をふかす。
元々毒島の好意には気付いていたが、憧れ的なものだと思い気にしていなかった。
だが、なんとなく毒島が火渡の食事をつくる習慣が根を張ってきた頃、
今のようにほとんど寝ぼけた状態の火渡に食事を並べた毒島が発した「ひ、火渡様! その、あの・・・私! 火渡様がすす好きです付き合ってください! お願いします!」との言葉。
頭が冴えきっていないものだから、何故毒島の顔が真っ赤なのかもスルーし、
つい「おー、別にいいぜ」と『嫌いじゃねぇし』くらいの思いで言ってしまった。あの時の火渡は本当に何も考えていなかった。
年の差とか思春期特有の憧れから言ってしまった衝動的なものに対する思いやりとか、年上が持つべき配慮は出来たてホカホカの料理の上に落としてしまっていたのだ。
食べてから気付いた。自分はとんでもない事に了承してしまったのだと。
そして思った。何故あのタイミングで告白したんだ毒島。
さらに思った。会うたびそんなに世界中の誰より幸せですと言わんばかりに嬉しそうにされては『ちょっと考え直させてくれ』など言えない。
しかし思いなおす。別に嫌いじゃないし嫁として貰って悪い事など何もない。いじらしい程懸命に尽くす最高の女じゃないか。
後悔し悩んでいる間に愛しさが募ったのも事実。
結果オーライだった。
「うまい」
今日の料理もがっつきながら感想を漏らす。
火渡よりもはるかに少ない料理をつつく毒島は、照れて頬を染めながら「ありがとうございます」と少し俯きながら幸せそうな表情をした。
428:火渡×毒島
09/07/13 22:03:32 xz7iLE+I
・・・普通に結婚生活と言っても間違いじゃないんじゃねぇか?
火渡は映画に食い入っている毒島を見ながら思った。
油断するとソファから落ちるかもしれないくらい前に出ている毒島は子供っぽいが、パジャマの柄も子供っぽいが、体つきもまだまだ子供っぽいが、・・・子供だな。
それでも、風呂上りの昼間よりぺたんこな髪やらに色気がない事もない。むしろそそり立つ。
なるほど、ロリコンといわれるわけだ。思いつつ火渡はいつも通り開き直った。相思相愛を免罪符に。
しかし、子供と思うのは年齢差がひらいているからで、同年代の奴等からみたら毒島の無防備なところなど、十分過ぎる色気ではないのか。
斗貴子とカズキは、普段から燃やしたいくらいにイラつく愛し愛されっぷりを周囲に見せ付けている、ドツキ漫才にも見えるが・・・。
あの2人の間に割って入ろう。ましてや略奪愛などはなからやる気が失せるというもの。
しかし、火渡と毒島の場合は、付き合っている事を知っていそうなのはあまりいない。
毒島が友人に話しているとしたら数人が知っているだろう。大多数が噂で知ったとしたとしても、確証は得られない。学校では完全に教師と生徒だからだ。
とすれば、自分にもチャンスがあると勘違いした発情期の男から毒島が誰かから好意を受けているという事もあるかもしれない。
火渡は毒島にまとわりつく男など考えただけで消し炭にしたいと常々思っている。
そんな発情期男が風呂上りの毒島(ガスマスクなし)を見てしまったらどうなるだろうか。
オレだったら犯す。
まだ毒島に接吻までしか手をだしていない火渡は思った。
そんなこんな火渡が考えた結果、休日だけでも火渡の部屋に毒島がお泊りというのは決定事項だった。
おかげで火渡は栄養の偏っていない健康的な体をしている。
*
429:火渡×毒島
09/07/13 22:08:15 xz7iLE+I
休日に付き合っている人のところでお泊り。
これが女の子をどれだけ緊張させて、尚且つ期待させるものなのか火渡様は分かっていない。そう毒島は思った。
手順1、キスをする。
ガスマスクなしで既に心臓が強張っているのかドキドキと脈打っているのか判別もつかない状態だけれど、
勇気を出して欠伸をして眠そうな火渡の傍に寄る。そうすると、火渡は毒島の期待を大人の余裕と言わんばかりに意地悪く笑ってキスをする。
その満足そうで火渡らしい笑みに体中の血液が沸騰しそうなくらい体温が熱く上昇して、毒島はいつも終わると俯いてしまう。
手順2、一緒にベッドに行く。
いつもこれが実行されないし出来ない。1の後、火渡は当たり前のようにソファに身を投げ出して寝てしまう。
お前はベッド使え、と言って。毒島が今一度勇気を奮い立たせている間に寝てしまう。
男らしいイビキも愛しい・・・。と思いながらも毒島はいつも不服だった。何故あの本の手順のようにならないのだろう、と。
ちーちんから毒島が頂いた本は、『女の子のお勉強』と題された、女性誌の付録らしい冊子だった。
初めて開いた時、前書きのように
『男にばかりまかせるのではダメ! 女も彼氏のために知識をつけましょう。よりよいセックスは恋人との関係を深くします』
と書かれていて、毒島は自分なりに考えていた事が正しかったと感動した。
自分も頑張るんだ! 火渡様に悦んでもらうために!
思うや否や、その本は読み終わっていた。『フェラチオ』や『イマラチオ』や『前立腺』等の性的快感を得るための行為や部位について、
項目別に辞書のように書かれた本だった。口頭でだいたいを教えてもらった事もあり、毒島自身、短時間で飲み込めた自覚があった。
この冊子には、バリエーションの富んだ『雰囲気作り』も紹介されてあり、特別なものを用意しなくても、
一番自然な流れで持ち込めるものを選び、ことさらよく覚えた。
しかしなかなか実行出来ないのだ。手順2へ踏み込めない。
毒島はさーちゃんから頂いた本も熟知し、学習面は完璧なのにも関わらずだ。
その本は、少女漫画だと思って読み進めていたらエロ漫画だった。毒島はすぐに悟った。これは男性の性欲を解消させるためだけのものではない。と。
漫画の主人公とヒロインは付き合っているが双方共にセックスが下手なので、一緒に気持ちよくなる方法を手探りで探していく。
という名目でセックスをするという内容の漫画だった。しかしそのセックス描写は、未体験の毒島にとって、とにかく分かりやすいものだった。
『そうそう・・・歯は立てないでね。裏筋のところも気持ちいいんだ』『もっと、奥まで口に含んでくれると気持ちいいよ』という男の台詞や、
『この亀頭の部分をひっかけるみたいにすると、凄く気持ちいいみたいね・・・』『喉の奥まで突っ込まれてるみたいで、ちょっと苦しい・・・けど、こうすると気持ちいいみたい』という女のモノローグ。
絵と詳しい説明文で紹介しているみたいで、頭の中でのシュミュレーションがやりやすかった。
毒島がまひろに頂いたディルドーも、『こんな形なんだ・・・』という驚きがあったものの、火渡との行為に向けて覚悟も決まりやすかった。
実際にそのディルドーを火渡のものだと想って行き過ぎたシュミュレーションもして、本番に向けては完璧だ。
後から冷静に学習したことを考えると、顔から火が出るほど恥ずかしいと身悶えしたが、あと毒島に必要なのは本番になだれ込む事だけだった。
そうだ、なだれ込め! 時には勢いも大切だと本にも書いてあった事を思い出し、毒島は『今週こそ! 今日こそ!』と火照る顔を振って決意した。
前よりずっと積極的になれた。前よりずっとずっと恥ずかしいなんて思わないで、自分に自身を持つことが出来るようになった。
430:火渡×毒島
09/07/13 22:09:38 xz7iLE+I
「ひ、火渡様!」
今その成長した自分を使わず、いつ使うのか。そう奮い立たせて、毒島は小さい声ながらも叫ぶように呼んだ。
一方、火渡は『さぁそろそろ寝ようか』等と考えていたようで、不意打ちにちょっと驚いたように毒島を見た。
しかし、毒島の切なげな表情を汲み取ると、毒島の小さな顔を押さえて近づく。毒島はすぐにきゅっと目を閉じて、火渡の体温を敏感な唇で感じ取った。
受身でいる毒島。これではいつもの自分だ。毒島はそんな自分を断ち切ろうと、おそるおそる両手を火渡の首にまわした。
手の支えを失ったソファとして活用していたベッドが軋む音がやけに大きく聞こえた。
首というものは温かいものだが、毒島にはその熱さが自分の体温なのか判別できていない。火渡が離れないように強張った力を込める。
少しして、羞恥が臨界点を突破したのかもしれない。頭の熱が沈むように胸に落ちてくるのを感じて毒島はそう思った。
一番近くで恋人を感じる。それがどれだけ幸せか、今の毒島には分かった。
落ち着いて火渡の体温を感じれば、自分と同じような温度な事を確認できた。唇も思ったより柔らかくて驚いた。
以前はそれを感じる余裕もないほど緊張していたけれど、それがどれだけ勿体無い事か。悔しくて、唇を小さくひらいて下唇をやわく食んだ。
─ぬるりと感じた事のない感触。びっくりして目を開けると、火渡はいつもより意地悪い表情を浮かべて、抑えた毒島の顔を動かないようにし、舌で毒島の咥内を嬲る。
「・・・んぅ・・・ぁ」
無理矢理開された唇に唾液が走った。毒島の動揺は何処で息をすればいいか一時忘れてしまうほどで、
小さな喘ぎと一緒になって出てきた時には、完全に恥ずかしさを取り戻してしまっていた。
自ら火渡の唇を食んだ毒島はもういなく、何も出来ず、絡め取られた舌をいいように弄ばれて瞳を潤ませているだけだった。
「ひぁ、」
─あ。
下腹部が熱い。その感覚になった時の事を思い出し、その途端温度が一気に上がったみたいになって、毒島は一層恥ずかしさに顔を染めた。
淫らな想像をした時は決まって下腹部を中心に全身が温かくなる。そしていつも信じられないくらいに濡れているのだ。
毒島にはもう自分の性器がいやらしくも濡れている事に気がついてしまった。
想像の中でも、火渡に見られて恥ずかしくて興奮してたまらなかったのに、本当に見られてしまったらどうなってしまうのだろう。
ようやく満足そうに目を細めて火渡は離れた。引いた糸に、毒島はぞくぞくと悦びを感じてしまう。
しかし、内心で湧き上がる興奮とは裏腹に、体は呆けたように動かない。
『衣類を自分から脱ぎましょう』『むしろ脱がせましょう』というマニュアル文章を思い出したが、飲まれるように火渡に見惚れてしまう。
首に絡めた腕だけは解かないように気をつけた。
そんな毒島の意図に答えるように、火渡は子供の着るようなパジャマに手を掛ける。やっぱり面倒だと思ったのか、下着に手を突っ込んだ。
「ひぁ!」
既にとろとろになっている部分を指で擦られる。その指には愛液が絡みつき、ぬるぬると撫ぜられながら、表皮で一番敏感な部分にも塗られる。
慰めていた時と同じような動きでも、火渡にされるとこんなにも違う。見透かされているような羞恥も重なり、毒島はより敏感になってしまう。
「なんだ、濡れすぎだろ」
「ですけど、火渡様が・・・」
責任転嫁。言ってすぐに後悔した。上司に責任を擦りつける部下とは何事か。
火渡様に愛される想像をして毎晩自分を慰めていました。ですから夢のような今、期待に溢れた末、淫乱でごめんなさい。
毒島はそう思い、申し訳ない気持ちと羞恥、いやらしい自身を隠したくて火渡の首元に顔をうずめた。
そんな毎晩の毒島の自慰など知らずに、火渡はやる事のない片腕を強く抱き寄せる事に使った。固定ともいう。
「─ぁんん!」
毒島が抱擁にほっとしたのも束の間、ぐちゅりと指が侵入してきた。あくまで少しだけだが、確認には十分だったようだ。
「・・・いれても大丈夫だな?」
「・・・はい・・・」
きゅぅんと胸が締め付けられるような気持ちになった。毒島はこれを待ちわびていたのだ。
ソファ代わりに扱っていたベッドに倒れこみ、毒島はじぃっと火渡を見つめた。
ズボンを脱いでぽいっと放り投げたのを見て、毒島も慌てて立ち上がりパジャマを脱ごうとしたが、
「・・・・・・」
大きい。
431:火渡×毒島
09/07/13 22:10:53 xz7iLE+I
ふと目に留まった火渡の男性器はまひろに頂いたディルドー(標準サイズ)とは一回りも二回りも・・・、突然の驚きに毒島は目を白黒させた。
そそり立つものは偽者を見たときの衝撃と比べ物にならなかった。
早く脱げよと言わんばかりの火渡の視線に気付き、はっとして勢いまかせに下だけ脱いだ。
寝苦しくないように作られている少し大きめの上着のパジャマの裾を引っ張って、恥ずかしい事になってしまっている股だけは隠そうと試みる。
何故か火渡が小さく呆れたうような溜息をついた。全部脱がないのが不満なのだろうかと思ったが、火渡も同じ格好なのだからこれ以上恥ずかしい格好は勘弁願いたかった。
「・・・・・・」
それにしても大きい。毒島は再度思った。心なしかさっき見た時より大きくなっている気がするのは気のせいだろうか。
毒島は自分を組み伏せるような体制をとろうとする火渡を一度止める。
「あ、あの・・・それ・・・」
「何だ? 触るか?」
「・・・触ってみたいです・・・」
火渡は意外そうだったが、あぐらをかいて座りなおした。
毒島はおそるおそる手を伸ばし、触れる直前に火渡の表情を確認した。
微妙な空気は火渡といえど気恥ずかしいようで、滅多に見れない複雑な表情をしていた。そのことに心脈を速めながら、ようやく本物の男性器に触れる。
柔らかいようで硬くて熱くて、多少は違えど冊子と漫画の絵とディルドー通りの形に感嘆した。
「・・・骨ってあるんでしょうか?」
「知るか。ねぇだろ」
疑問は解決したようで解決されなかった。
骨がないのにこんなに硬いというのが分からなくて、余計混乱した。
しかし順応力やや高めの毒島は即座に『これはこういうものなんだ』と納得する事にした。
次にすべき事は・・・と考え、『まず勃起させる』という文章を思い出すが、既にその状態である。
しばし悩んだ結果、その過程を飛ばすのも変な気がして、ゆっくりと口を開けつつ、近づいた。
しかし進行は妨げられた。
「いや、無理しねぇでいいぞ」
「え、あ、はい、すみません。─いえ、無理してないですよ! 本当に!」
額を手の平で猫を扱うように押さえられながら、毒島はあわあわと両手をバタつかせる。まるで舐めたくないという風に解釈されているのではないかとさらに焦っる。火渡は初めての毒島に対して気遣いで言ってくれた言葉なのに、こんな失礼な気がして仕方がなかった。
「違っ、好きです! 舐めるの好きです!」
これではただの淫乱女だ。
「好きというわけでもありませんが! 本当に舐めなくないなんて事な─」
「分かった、分かったから落ち着け」
落ち着きのない様子に呆れている火渡だったが、毒島は別の意味にとってしまう。
めんどくさいと思われている・・・!
毒島はさぁっと血の気が引くのを感じた。『処女は面倒だと思う男の人もいるので』云々とのマニュアル知識が頭をよぎる。
そう思われてしまっては今まで何のために偽者を漫画の見よう見まねでしゃぶったのかもそれ以降もやってみたのかも分からない。
またも勢い任せに、毒島は額を押さえる手を振り払って、ぱくっとした。「うぉっ」と本当に小さな声が火渡から出た。
「んんむぅ・・・ん」
よく分からない臭いに鼻をくすぐられ、眉根を寄せる。
ここまでやられておいてやめさせるのは・・・。と思いなおしたのか、火渡は毒島の頭に撫でるように手を置いた。
それが毒島をくすぐったいみたいな気持ちにさせる。
「ん・・・んぅ・・・」
片手で根元を掴み、頭を動かしながら手も運動させようとするがなかなか上手くいかない。
「ひぅえいひまう」
失礼しますと言ったつもりだが、火渡は「は?」と疑問符を浮かべる。
毒島が唾液を纏わりつかせて滑りを良くすると何か納得したようだった。
毒島は必死に様々な事に気遣いながら奉仕する。『唾液はべちょべちょになるくらいたっぷり』だとか『亀頭に唇を引っ掛けるように』だとか。
唾液が根元を掴む手にまで侵食してくる。
小さい口いっぱいに含みながらの丁寧な口取り。それを火渡は無理矢理終わらせた。
432:火渡×毒島
09/07/13 22:11:44 xz7iLE+I
「ふぁ?」
頭を押しのけられて、そのまま後ろに倒れる。覆いかぶさるように目の前にいる火渡に、毒島は期待に胸を鳴らした。
先ほどの行為で毒島も十分に興奮したため、太腿に愛液が垂れるほどに濡れている。
「ひわたりさま・・・」
「すぐ終わらせる。我慢しろよ」
毒島は髪の根元を梳くように撫でられ、またくすぐったい幸せを感じ、小さく頷いて目を瞑った。
それを確認した火渡は猛る性器をあてがい、先にぬるりとした愛液を馴染ませ、挿入した。
「んんっ」
毒島にも入ってきた感覚が分かり、なんとか落ち着くことですんなり入るようにと気遣う。
はぁ、と吐息した瞬間に、火渡は一気に貫いた。
「あ、ひぁっっっんんっ!」
玩具よりも大きいものの侵入に、初めて玩具を膣内に入れた時のような気持ち悪い異物感が襲ってきた。
しかし、入り混じる体温でそれらの不快感が抜けると、ぞくぞくっ、・・・駆け巡る体中の快感に毒島は惚悦する。馴染んで同じ温度になる感覚で卑猥感が増す。気持ちいいと感じる度に膣が呼応するように締まる。
毒島は悦ぶ自分を見られたくなくて、手のひらで顔を隠した。だから毒島は火渡のほんの少し表立った不機嫌に気がつかない。
火渡は毒島の肩を押さえつけた。同じ運動でも、それはより深い所を突く。
「ひぅっっっ! あっ、あぁっっ、あっぁ・・・ぁん!」
身体は互いの快感を促すようにきゅぅと締まり、火渡の支配欲を感じた胸が焼けるように熱くなっているというのに、毒島はあたかも未知の感覚から逃れたいかのように首をふる。
その間も最奥を突く勢いは増していく。
突然粟立つように身体が震えた。それは跳ねるように高まり、
「あっ・・・ひわっ─! や、ああぁぁぁ!」
逃れられない無理矢理の絶頂を迎えた。
「ひぁっ、ぃや! まだっ─もっ─!」
火渡さまいやですまだするのですかもうだめです無理です。そんな長い言葉が呂律の回らない今の毒島の口で紡げるはずもなかった。
身体が敏感になる絶頂直後が一番気持ちよく一番辛いのに、
「オレはまだイってねぇ」
火渡はすっぱり迷いなく断罪するように言い捨てて、毒島を押さえつける力を強めた。
尚も続く逃げ場のない体中を駆け巡る強い快感を耐えようとするが、身体の曲げられたつま先までもびくびくと震えて仕方がなかった。
毒島は下腹部だけに留まっていた快感など、所詮幼稚な独り遊びであった事を思い知った。
「あぁっ・・・はあぁっ! あぁっ、あっ・・・ふあぁっ─ああぁぁっっっっ!」
間隔短く次々と駆ける絶頂を繰り返した後、火渡が小さく呻いた。直後、何かが逆流してくるのを快楽に震える体で感じた。体内に注がれる精液に満たされる。
しかし、身体に無理をさせた代償なのか視界が暗転した。そんな中で、毒島が思い出したものは、コンドームの存在だった。
*
433:火渡×毒島
09/07/13 22:19:18 xz7iLE+I
朝、毒島がいない代わりに、今の季節に丁度良い厚さの羽毛毛布がきっちり掛けられていた。
いつもより目覚めがいいのは昨夜のお陰だろう。火渡は思い出して、良い目覚めがどん底に堕ちたと同時に怒りもわいた。
毒島の幼児体系から、まさか非処女という事はありえないという先入観。そのまさかだったとは。
意外ではあったが、ありえないこともないということで、火渡は自分を納得させた。『ヤりやがったのはどこのロリコンだ』と自分の事を棚に上げて思った。
その後すぐに二番底が火渡を待っていた。
中だしセックス。この世にこれほど男を歓喜させ絶望させるものはないだろう。
メイドバナナやパンチラ萌えなど、数多の卑猥な用語を並べたとしても中出しは別次元にあるものとして考えられるという説があってもおかしくない。なぜなら責任問題という政治にしか使わなそうな語とも関連性があるからだ。
火渡は昨夜を再度思い出す。自身に異常はなかった。むしろ泊めておいて手を出さない今までの方が異常だったのだ。
毒島も同意していたと解釈しているので、やったこと事態に罪の意識はない。
無理をさせたのは悪かったと反省をしているが。しかし、中出し。これには火渡といえど罪悪感と不安がのしかかっていた。毒島の生理について火渡は何も把握していない。
しかし『あの小学生のような体型で生理はまだだろう、今なら中だしし放題』と思うような悪人ではない火渡は頭をかかえた。
当の毒島は、既にひわたりよりも早く起き、朝食を作っておいてくれ、『今日はもう宿舎に直帰します。お邪魔しました』とのメモを残していなくなっていた。
直帰されたら何も聞けない上に、今日は2食も出前じゃねぇか。
不満と不安が交じりつつも、火渡は健康的な朝食をもそもそ箸をつけながら考える事にした。
毒島は休日に嫁のような事を十分やっている。掃除洗濯料理と。休日のみではあるが、嫁として何の不足もないだろう。
火渡は焼き鮭をほぐす間に『じゃぁ結婚してしまえばいいのではないか』と考えた。
その前に年齢の事を忘れていた。もちろん火渡は既に結婚が許される年齢だ。肝心の毒島はどうか。
現在どくしまは16歳にだったか。火渡はほぐした鮭を完食しながら「結婚できるな」と確認した。
婚姻届けに必要な、保証人について。火渡も毒島も知っている人間で、世話になった人がいいだろう。
そう考え、『同期の奴等とかその辺の適当な奴かな』とだけ脳みその隅に置いておくことにした。昨日の晩にも出ていたほうれん草のごま和えをつついた。
仕事について、給料にそこそこ安定性がある。『まぁ大丈夫だろう』と火渡は楽観的に考え、温かいご飯をかっこんだ。
妊娠してしまったことを前提として、あとの問題は出産だ。
毒島の休学は仕方ないとして、あの小さな体で人間1人を埋めるとは思えない。帝王切開というのは腹を切るが、術後痕が残るものなのだろうか。
痕が残るとしても見るのは自分だけなのだから大きな問題ではない。毒島の体を想えばそれが妥当だ。もし見た奴がいたら灰にする。
火渡は味噌汁を一気飲みして朝食を完食した。
〆
※一品食いは行儀が悪いので良い子はマネしないでね。
ちゃんと責任は負う火渡の話でした。お粗末さまでした。
>>426で火渡×毒島表記を忘れていました。すみません。
434:名無しさん@ピンキー
09/07/14 00:05:45 0t74hOcp
GJ!
健気な毒島と責任は取る男火渡が、どっちも可愛すぎてたまらんw
毒島の膜を奪ったのが男じゃなくて張型だと知った時の火渡が
どんな顔するかと想像するだけでニヨニヨが止まらないんだぜ。
435:名無しさん@ピンキー
09/07/14 01:47:45 uStyBzCq
火渡のためにがんばる健気な毒島ちゃんかわいいよ。
436:名無しさん@ピンキー
09/07/16 05:23:13 Jih4MSQR
毒島が可愛すぎる件について
火渡が真相を知るのはいつなのかについて
kwsk
437:名無しさん@ピンキー
09/07/18 20:33:12 FXwZKHAf
>>436
頑張ったけどkwsk考えきれんかった。ごめん。
「何を隠そうオレは妄想の達人だ!」と誰か颯爽と現れないものか・・・
妄想だだ漏れの文章になってないのでも読みたいんだぜ・・・
438:名無しさん@ピンキー
09/07/21 19:11:16 YlIzYxm3
>>437 ネット中を駆け回るんだ
武装のSSは意外なところにも落ちてるぞ
439:名無しさん@ピンキー
09/07/22 01:00:09 C4y/Aac8
>>438
お勧めとかある?
晒しにならない程度でヒント欲しい
440:名無しさん@ピンキー
09/07/22 01:38:30 nrQuWmFM
>>439 読みたいキャラ名+SS等の単語で検索としかいいようがない
ここが2ch(r
好みの作品に出会えるといいね!
441:名無しさん@ピンキー
09/07/22 20:58:32 hXlPPmoP
>>478
ありがとう。探しなおす事でまた幸せになれたw結構見落としているものですね。
毒島本当に可愛いわ。さすが俺のお嫁さん。
>>439が好みの作品に出会えますように。
なかったら自己生産おすすめ。
442:名無しさん@ピンキー
09/07/25 16:43:03 j1L5qS1T
TQNにぶちまけられたい
443:名無しさん@ピンキー
09/07/26 20:49:45 TYZ9wWqL
火毒にハマってからドラマCD聞いたら、
火渡・・・青姦する気満々じゃねぇか・・・と思ってしまった。
444:名無しさん@ピンキー
09/07/30 00:44:33 rWmHUn/x
和月作品でエロバロスレがあるのブソレンだけ?
るろ剣とかないよね・・・
445:名無しさん@ピンキー
09/08/03 00:28:14 6itIA1jF
昔はあったんだけどね
ネタがあるなら再建してもいいんじゃない?
446:名無しさん@ピンキー
09/08/03 10:48:46 5EBb1bKv
るろは巴と薫でいつも荒れるから難しいかも?
さっき久しぶりにマロン行ったらまだ↑やってるみたいだったし
447:名無しさん@ピンキー
09/08/05 15:26:15 tEtw3Jw6
るろの薫アンチは最凶アンチと呼ばれる程、
異常だからるろは無理かあ・・
448:名無しさん@ピンキー
09/08/13 00:43:29 AfFA1Tmh
とりあえずここが和月作品総合スレも兼ねてるみたいな感じでおk?
449:名無しさん@ピンキー
09/08/13 00:46:19 q8+AcsWq
>>448
いいえ。
450:名無しさん@ピンキー
09/08/13 21:28:09 9Ez6yqUc
武装以外の和月作品はジャンプ総合スレで
訊かれてないけどSQの作品もおkなスレだよ
451:名無しさん@ピンキー
09/08/19 12:58:01 8x08NZlY
452:名無しさん@ピンキー
09/08/30 22:44:26 KqJQHF2/
age
453:名無しさん@ピンキー
09/09/01 05:47:15 SnJKHW+m
全裸に剥いたTQNに大量浣腸した後でアナルバイブをつけさせ、雑魚のホムンクルスと戦わせたい
その光景をクラスメイトに見せ付けつつ、倒して行くごとにクラスメイトを少しずつ開放するものの浣腸の量は増やして行くんだ
最後は浣腸に入っていた媚薬成分で熟したTQNをホムンクルスにレイプさせつつ、バイブを抜いてぶちまけてあげたい
454:名無しさん@ピンキー
09/09/05 13:36:38 i36VQSOd
>>453
乙
455:名無しさん@ピンキー
09/09/07 10:43:35 hhYMt/Ni
456:名無しさん@ピンキー
09/09/07 12:48:28 v8pUHkq7
そういえばパピヨン×まひろってマイナーなんだろうか?
ドラマCD聞いてたらむらむらと妄想が沸いて来て……しかし、
花嫁姿のまひろに「相手はさぞかし苦労するだろうな」な傷心パピとか
「パピヨンさんのせいじゃないですか!」なまひろとか
最後のキスで「口紅が落ちるぞ」とか
そんな悲恋ENDしか思い浮かばないんだぜorz
457:名無しさん@ピンキー
09/09/07 12:53:59 Ue/DkoIo
保管庫にいくつかあったような。三局~の最後とか。
458:名無しさん@ピンキー
09/09/07 21:04:23 6w9mDU88
なんか雰囲気いいやつあったよね
パピヨン&まひろで悲恋って逆に新しい気がするので
もっと語っていきなさい。。。いやいってください
459:名無しさん@ピンキー
09/09/07 23:52:00 A8d7Fiqa
人間とホムじゃどうしても悲恋になると思うよ、片方は老いて
死んでゆくし片方は置き去りになるし子孫も残せない
パピヨンとまひろはドラマCDだといい雰囲気だったなー、
お前ら付き合っちゃえよ!!
460:名無しさん@ピンキー
09/09/08 08:47:16 XwEhfpfC
まひろ「わたし、こんなに歳を取っちゃった
もうしわくちゃのおばあちゃん
貴方は何も変わらないんだね……」
パピ「……キミも何も変わらない
50年前のようなおてんばのままだ」
と看取って去るパッピー
御免いまついHellsingが手許にあったもんで出来心なんでゆるしてください
461:名無しさん@ピンキー
09/09/08 20:37:44 LKpVQysP
ウワァァ━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━ン!!!!
462:名無しさん@ピンキー
09/09/12 09:31:28 i/n+rMVd
悲恋だ
463:名無しさん@ピンキー
09/09/13 19:07:09 yr+6B0Hc
保守
464:名無しさん@ピンキー
09/09/15 12:10:13 axcmQo2A
そろそろ圧縮か。
465:名無しさん@ピンキー
09/09/17 10:36:44 OWlV+c91
現代版のアレクさんと巨大ヴィクターで誰か描いて。
途中から海洋生物の死骸が自我持って寝取られる奴ね。
466:名無しさん@ピンキー
09/09/18 13:16:32 IQX+uObv
なんてニッチな…
467:名無しさん@ピンキー
09/09/19 22:56:55 cA3NbGwS
保守
468:名無しさん@ピンキー
09/09/21 08:58:54 mA/SwJkk
469:名無しさん@ピンキー
09/09/22 08:08:28 B4RR/kp4
470:名無しさん@ピンキー
09/10/01 22:02:09 bJq+WQG/
471:名無しさん@ピンキー
09/10/01 22:07:54 yn7uNKVC
オンリーあるから文字師達も忙しいのかな?保守
472:名無しさん@ピンキー
09/10/05 09:35:44 pBQ+HzgW
さらに保守
473:名無しさん@ピンキー
09/10/05 17:29:39 TS6Ov665
負けじと保守!
474:名無しさん@ピンキー
09/10/05 23:22:11 p0HRphsy
何を隠そう、俺は保守の達人だ!
475:名無しさん@ピンキー
09/10/12 05:14:45 QkC92lly
保守
476:名無しさん@ピンキー
09/10/13 08:41:32 OGMJQoyf
エロス!エロス!保守!
477:名無しさん@ピンキー
09/10/16 11:35:50 1xHrQgbZ
百合系はどこに落とせばいい?
かずき←桜花×まひろ→秋水って需要ある?
478:名無しさん@ピンキー
09/10/16 11:37:18 xI1KYK2g
何を隠そう俺は懇願の達人だ!
くれ!!
479:名無しさん@ピンキー
09/10/16 12:56:20 oVgt31/z
>>477
注意書き入れればココでいいと思いますよ?
レズ・百合萌え板には武装錬金スレ無いみたいですから。
もしくは、あちらに立ててそちらに投下というのもアリですが、×部分でなく←→部分も心理描写としてなされるなら
むしろスレ立てしてまで百合板へ投下するのは、お勧めできません。
百合板で女性同士以外への恋愛感情を描写すると、板違いと言われる公算大ですので…
480:名無しさん@ピンキー
09/10/20 11:19:40 rIpE+y9b
キマシタワー
481:名無しさん@ピンキー
09/10/23 11:11:23 0T3ch9ZI
ふたなりネタはNG?
482:482
09/10/24 08:40:23 B/b2CxW5
※基本はカズトキ、パピが横槍
※最近アニメを観ただけなので、原作コミック(特にアフター)、小説、ドラマCD等は未反映、その他設定が違う所+追加設定あり
※かなり長め、なのにエロ少なめ
*プレゼント*
空の低い場所を、色づき始めた雲が流れていく。
遠く連なる山の稜線にかかる靄も、西日を受けてうっすらと黄金色に光っている。
時折涼やかな風が吹き抜ける。
その風を受けて、女は微かに目を細める。
眼下に広がる町並みに、恐怖の残滓は見当たらない。
通りには人や車が行き交い、その喧騒が風にのって運ばれてくる。
あの騒乱と惨劇が嘘のように、銀成市は平穏な日常を取り戻していた。
屋上の給水タンクに一人腰を降ろす女の表情にも、かつての険しさはない。
顔を真横に横切る傷跡は、依然そのままだ。
その傷が、彼女のくぐりぬけてきた修羅場を物語っている。
だがその目は、この街を、そして世界を守った男と同じ優しい色をしていた。
彼女がこんなに穏やかな気分になったのは本当に久しぶりのことだ。
しかしその安らぎは同時に、どこか焦燥感にも似た甘い切なさを含んでいた。
女は腕時計を見て、大きく伸びをする。
何度も時計を気にしているのが自分でも可笑しくて、思わず苦笑が浮かぶ。
しばらくして、陽光が遮られた。
すぐに後ろを振り返る。
待ち人を期待して大きく微笑みかけた顔が、きつい表情に変わった。
どこからどう見ても変態としかいいようのないコスチュームの男が、空中にふわふわと浮かんでいた。
「津村斗貴子、ずいぶんヒマそうだな」
「……蝶野、攻爵」
「その名前で呼んでいいのは武藤カズキだけ。って、何度言えばわかるんだ。いい加減覚えろ。俺は超天才にして全ての生命の頂点、パ、ピ、ヨ~~~~ン♪」
男は宙に浮かんだまま両手を伸ばし、わけのわからぬポーズを決める。
斗貴子はあからさまに不快な表情で、吐き捨てるように言った。
「で、何の用だ?」
「武藤はどうした?」
「剣道場。早坂秋水につきあってる……」
「ふぅぅん、それで一人ってわけか。さてはお前、フられたのか。蝶サイコーに愉快な話だ」
「うるさい! たまたま先に一人で来ていただけだ。カズキは、えっと、……もうすぐ来る」
斗貴子の目がつり上がっていた。
跳ね上がるようにしてその場に立ち、罵声を投げ掛ける彼女に、パピヨンは小さく笑いを返した。
マスクをしてはいるが、その目があざけるように歪んでいるのは隠せない。
「まあいい。今日はお前に用があって来た」
「こっちにはない。カズキの手前生かしてやっているが、私はお前のことなど一切信用していないからな。死にたくなければすぐに消えろ」
「その尊大さ、相変わらずだな」
「お前が言うな」
「オレは人間でもホムンクルスでもない至高の存在─。尊大さもまた必然、見ろこのかぐわしいスタイル、そして美しきかほり」
483:482
09/10/24 08:42:01 B/b2CxW5
「さっさと消えろ、目障りだ」
「超蝶人にして超人気者のオレが、わざわざお前に忠告しに来てやったんだが」
「忠告? 笑わせるな」
「はっきりいってお前はキれやすすぎる。特に武藤が絡むとな。今も、フられたのかと言われただけで、そのザマだ。
……お前、恋に自信がないんだろう」
「な、何だと!」
今にも掴みかからんばかりの勢いで、斗貴子は全身を怒りに震わせている。
黒色火薬の羽で空中を漂うパピヨンは、ふわっと後ろに下がって言った。
「武藤カズキはこのオレが唯一認めた男。ヤツを慕う女が多いのも当然のこと。お前が武藤を好きになるのは当たり前だ。
……だが、お前自身はどうなんだ? ヤツにふさわしい存在か?
もちろん武藤もお前を憎からず思っているらしいことはオレも知っている。しかしそれは一種の幻想、一時の勘違いに過ぎない」
「わ、私とカズキは一心同体だっ。カズキだって、そう思ってくれている……」
「アイツならそう言うだろうな。
だが、お前のようにガサツで口汚く女らしさの微塵も感じられぬ態度をとり続け、しかもそれでよしとするような女に、いつまでその幻想が続くことやら……」
「なななっっ、何をっ」
斗貴子にしては、これまでよく堪えたといえるかもしれない。
だが、次のパピヨンの言葉で、さすがにブチ切れた。
「おまけにその貧相な身体で一心同体などと言われて、喜ぶ男がいると思うか?」
「き、貴様っっ、ハラワタぶちまけろっ!!」
怒号とともに、斗貴子の足が給水塔を蹴っていた。
核鉄は戦団に回収されている。今の彼女に武装錬金は使えない。
しかし、せめて拳のひとつ、いや、可能な限りのラッシュをその見苦しいマスクの顔にたたき込む……。
─頭でそう考えた訳ですらなく、ただ怒りに任せただけのジャンプだった。
それでも、訓練と実戦で鍛えられた脚力に加え、折からの風が軽い身体を思いの他遠くまで飛翔させる。
しかし相手はホムンクルスを超えた存在だ。
優雅な動きで空中高く舞い上るパピヨンに、彼女の攻撃は寸前で届かなかった。
「ちっ」と、小さく舌打ちをして、給水タンクの後ろに着地する。
息を整える斗貴子をあざけるように、パピヨンが高らかに笑った。
484:482
09/10/24 08:42:28 B/b2CxW5
「どうやら、思い当たるフシはあるようだな」
「ふざけるなっ!」
「お前、武藤に抱かれたか?」
「なななななっ、答えるか、そんなことっ」
「キスはしてるとヤツの妹から聞いた」
「くそっ、まひろのヤツ、余計なことをっ」
「なんだ、今度は逆恨みか?」
「黙れ馬鹿!」
「一心同体というくらいだ。当然、つがったんだろうな?」
「失せろ、変態っ!!!!」
「その様子では、もしかしてまだなのか……」
「うっ、うるさいっ! 死ねっ」
「まさか、その貧相な身体を出し惜しみしているというわけではないよな?」
「百回殺すっ! 脳漿ぶちまけろっ」
「津村斗貴子、お前がどうであろうとオレにはどうでもいい。だが、それが一時の幻想だとしても、武藤はお前を好きらしい」
「だっ、だからどうした?」
「ヤツにせめて人並みの悦びを与えたい。……そうでなければ、オレの心が羽ばたけない」
「……羽ばたくなっ」
憎々しげに睨みつける斗貴子に、パピヨンは不敵な笑みを浮かべる。
そしてマスクに手をやり、もう片方の手で自らの股間を掴み、空中でくいくいと腰を振った。
「何故さっさとヤツに抱かれない? お前のような女でも、好きな時に好きなように抱けるというなら、それはそれで価値があるぞ?」
「ふ、ふざけるなっ!! カズキはそんな、そんなっ、こと、望まないっ。……お前のような変態じゃないっ!!!」
「そうかな? 男は多かれ少なからず変態するものだ。まあ、オレのように超完ぺきな変態は遂げられないとしても」
「一緒にするなっ!! カズキは違うっ……」
「甘いな。─というより自分の甘えを武藤に背負わせるのか。なかなか上手いやり口だ」
「うるさいっ」
「まったく笑える……。傷つくことを恐れず闘いを好み、ホムンクルスはもちろん人間を殺すことすらいとわぬお前が、何故セックスを拒む? ははんっ、そのみすぼらしい身体を恥じてのことか、……あるいはすぐに飽きられ捨てられるのを恐れてか」
ぐっ、と喉を詰まらせて斗貴子が黙った。
相変わらず憎しみを込めた目で睨みつけているが、その奥で瞳が揺れている。
そんな彼女を、パピヨンは真剣な表情で見つめ返す。
「図星か? どうやらお前は、武藤を信頼しきれていないらしい……」
「ち、違っ……」
「だが、たとえ幻想だとしても、そんなお前を武藤は気に入っている。……というわけで、これ!」
パピヨンが妙に明るい声を出し、大きく腕を突きだした。
その手には、核鉄が握られている。
だがそれは、斗貴子が見た事のない薄紅色をしていた。
「何っ?」
「武装錬金!!」
パピヨンの掛け声と共に核鉄は姿を消し、かわりに夥しい数の蝶が現れた。
485:482
09/10/24 08:44:16 B/b2CxW5
毒々しい紅色をした小さな蝶たちは、優雅に宙を漂うパピヨンのまわりを覆い尽くすように飛んでいる。
斗貴子の顔に緊張が走った。
「何のつもりだっ!」
「超天才にしてハイセンスなオレが生みだした新しい核鉄、そこから生まれた新たな武装錬金、それがこれ、ニアデスハピネス・バイ・エロス!
これまでの核鉄が生命エネルギーと闘争本能を源として武装錬金を成すのに対し、この核鉄は性エネルギーと欲望を具現化する……」
パピヨンが指を鳴らした。
その途端、紅色の蝶がいっせいに斗貴子めがけて羽ばたいた。
ほとんど同時に斗貴子が跳んだ。
姿勢は低い。ほぼ水平に真っすぐ前へ向かって跳んでいた。
迫り来る無数の蝶の下をかいくぐり、かすんだ薄紅色の向こう側で身体を丸め、衝撃を吸収して着地する。
蝶たちはすぐさま方向を変え、再び一斉に襲いかかる。
だが斗貴子は、着地とほぼ同時に再び跳躍していた。
今度は高く舞う。
斜め後ろに身体をひねり、給水タンクの影に隠れた。
一瞬遅れて、そこへ蝶が押し寄せる。
タンクにぶつかり、みちゃっと嫌な音をたてて蝶が弾けた。
極彩色の飛沫が四方に散らばり、しかしそれはすぐに跡形もなく消えていた。
パピヨンがゆっくりと降りてきた。
給水タンクを回り込み、仁王立ちで斗貴子の前に立つ。
「核鉄なしでオレの武装錬金をここまで避けるとは、さすが錬金の戦士。……と言いたいところだが、どうやらすべては除け切れなかったようだな」
斗貴子はその場にうずくまっていた。
片手で腰のあたりを押さえている。
「き、貴様っ!!」
「残念だったな、すでに身体の内側に入り込んでいる」
「何っ?!」
斗貴子は腰を押えながら、鋭い眼光でパピヨンを睨みつける。
蝶人は自らに陶酔し、高らかに言い放った。
「ニアデスハピネスの名の通り、ハイパーな快感で『限りなく死に近い陶酔』を与える武装錬金。
ああ、なんというエスプリ、めくるめく絶頂、超サイコーのオルガスムス、死を望むまでのアクメ。
……ちなみにさっきの紅色の蝶は催淫効果のある特殊なコロイド、もっとも物質的な存在ではなく超エレガントなエネルギー体だが。
脳に入り込んだが最後、どんな女でも激しく欲情し男を求めるようになる……」
「冗談じゃないっ! そんなんなるかっ」
「頭部はうまくかわされたが、……でもっ! 問題まるでナッシング、超~大丈夫!
身体に入り込んだ蝶は小さな芋虫のように形状を変え、頭を目指して這い進む。名付けてメルトハニーキャタピラ!
ホムンクルス研究の余剰生産物だが、なかなか可愛い疑似生命体だよ。
……ほら、動いてるのがわかるだろ?
脳に到達するまで10分、長くても20分はかからない。
たどり着いたその先は、─そう、ハ・ピ・ネ・ス♪」
いかれたポーズを決めて、パピヨンが自己陶酔に浸る。
左右の唇の端は大きくつり上がり、いらやしい笑いを形作っていた。
486:482
09/10/24 08:46:09 B/b2CxW5
ぞくっと、嫌な感触が走った。
斗貴子はうずくまったまま腰に手を当て、微かに苦悶の表情を浮かべる。
だが、瞳の奥に滲む憎悪はさらに激しく、目の前に立つ異形の男を睨みつけた。
「絶対に殺すっ!」
「何を怒ることがある? このオレがわざわざお前を調教し、肉奴隷としての悦びを教えてやろうというのに」
「させるかっ!!」
「調教が済んだら、武藤の下に返してやるさ。最初は戸惑うかもしれんが、ヤツもすぐに満足するだろう。
お前にとっても悪い話じゃないぞ。素晴らしい快楽が手に入るのだ。
……肉体的な快楽はもちろんのこと、愛する武藤に奉仕する悦びは無限大!
なんという至福、それこそが最も麗しく正当な永遠の愛……」
「妄想乙っ」
「妄想ではない。隷属こそ真実の関係」
「あり得ないっ」
斗貴子は再び立上ろうとした。
だが、上半身を起こそうと床についた手の、肘から力が抜けた。
ぐらっと身体が崩れた。
驚きの表情を隠せない彼女を見下ろし、パピヨンが楽しげに言った。
「エネルギードレインだよ。ビクターほど強力なものではないが、身体の内側からお前の生命エネルギーを吸収している。
……オレは研究熱心なもんでね」
ぐっと喉をつまらせる斗貴子の手が、身体を押える場所を僅かに移動させていた。
腰の内側で、何かがゆっくりと這っている。
ぞわっと、全身に鳥肌が立つ。
特に痛みはないが、何かが動いているのがわかる。
押える手には何の感触もない。ただ、皮膚の下に何かがいる。
それは、次第に熱を帯びてくるようだった。
そして、確かに上へ向かって移動している。
いくらきつく手で押えても、その動きを止めることはできなかった。
「き、貴様っ!」
「知っての通り、錬金によって生成されたものは、錬金の力によってしか消すことはできない。核鉄すら持たぬ今のお前に、それを止める術はない」
「くそぉぉぉっっ!」
大声で叫び、彼女はその場に立ち上っていた。
体重を感じさせぬ動きで一瞬のうちに距離を縮め、パピヨンに掴みかかる。
だが、その手は何も掴めぬまま、空気をかき乱しただけだ。
自在に宙を舞うパピヨンは、すでにその場にいなかった。
487:482
09/10/24 08:47:00 B/b2CxW5
「無駄無駄。……それに、そろそろ効果が現れている筈だ」
パピヨンに言われるまでもなく、斗貴子は身体の内側にだるい熱を感じている。
それは移動するメルトハニーキャタピラから、身体全体に向かって放射されているようだった。
相変わらず、手足に力が入らない。
倦怠感が全身を覆っていた。
さらに、身体の内側を這い上る熱が、徐々に強くなっていく。
ほとんど無意識に、再び手のひらで押える。
おぞましい感触はすでに脇腹にまで到達していたが、押さえた手のひらには何の変化も感じられなかった。
人気のなくなった校舎を、一人の男子生徒が屋上に向かっていた。
鼻歌まじりに二段飛ばしで階段を駆け上がるのは、武藤カズキだ。
屋上の出口にたどり着き、スチールの重いドアを開く。
「斗貴子さん、お待たせー」
だが、見上げた給水タンクの上に、彼女の姿はなかった。
そのかわり、切迫した声で呼ばれた。
「カズキっっ!」
声の主を探して給水タンクを回り込む。
突然目に飛び込んできたのは斗貴子の姿ではなく、「ばぁっ」と顔を突きだしたマスクの男だ。
「蝶野、……来てたのか」
「待ちくたびれたぞ。そこの女がすぐに来るというからタイミングを見計らっていたのに、ずいぶん遅かったな」
パピヨンの向こうに斗貴子がいた。
だが彼女は、身体を折り曲げる形で床に横たわっている。
「斗貴子、さん? ……どうしたっ!」
慌てて駆け寄る。
一瞬カズキは、今にも泣きだすのではと思われるような彼女の顔を見た。
だが斗貴子はすぐに鋭い眼光を宿し、パピヨンを睨みつけて小さく叫んだ。
「気をつけろ、カズキ。こいつにやられたっ」
「何っ?」
斗貴子の身体を抱き起こしながら、カズキがパピヨンへ顔を向ける。
超蝶人は空中を舞っている。
「責められるようなことは何もしていないぞ」
「嘘だ、騙されるなっ」
斗貴子が小さく叫ぶ。
外傷は見当たらないが、両腕で支える彼女から、普段の活力が感じられない。
「斗貴子さんに何をしたっ!」
その目に怒りを浮かべながら、カズキが問い正す。
だが、パピヨンは小さく笑って答える。
「安心しろ。女を傷つけるようなことはしていない。……そう言っただろう」
「それなら、どうして?」
「詳しくはそいつに聞け。繰り返すが、傷つけるつもりはない。お前も、お前の女も、な」
斗貴子が叫んだ。
「嘘つくな! こいつは、……新しい核鉄で」
「新しい核鉄?」
カズキが二人の顔を見比べる。
だが、パピヨンは笑って答えず、苦しげな表情の斗貴子も何故か歯切れが悪い。
話しづらそうに、ようやく斗貴子が唇を動かす。
「コイツは新たな核鉄を完成させ、身体に直接作用する武装錬金を作り出した。悔しいが、それでやられた。私を拉致って、……その、奴隷にでもするつもり、らしい」
そういうと彼女は再び小さく呻き、カズキの腕の中で身じろぎする。
「ど、奴隷? ……蝶野、お前っ」
カズキがパピヨンを睨みつける。
488:482
09/10/24 08:47:35 B/b2CxW5
蝶人は相変わらずいやらしい笑みで答えた。
「津村斗貴子の身体には、メルトハニーキャタピラが入り込んでいる。─どんな女でも強制的に発情させる疑似生命体だ」
「は、発情!? ……斗貴子さんが? それって……」
斗貴子を見つめるカズキの目は、澄んでキラキラと輝いていた。
いつもの真っすぐな男の目だ。
だが斗貴子は、どこか期待の入り交じった好奇の色を感じ取った。
次の瞬間、カズキの頬が小気味のいい音をたてた。
強烈な平手打ちだった。
「や、ヤらしい目で見るなっ」
「ご、ごめん、心配だよ、斗貴子さん」
カズキは目をうるうるさせながら、謝る。
だが彼女は、目を三角にしてカズキを睨んだままだ。
赤く手のひらの形が浮かび上がった頬にだらだらと涙を流しながら、カズキがパピヨンに言った。
「そんなこと、このオレが、……もし本当なら楽しみではあるが、痛っー!」
再び、ぱしんと頬が鳴っていた。
もう片方の頬にも強烈なビンタの跡が浮かび上がる。
斗貴子が小さく吐き捨てるように言った。
「まさかお前ら、グルじゃないだろうなっ?」
「んなわけないだろ! 冗談だってば、斗貴子さん。……蝶野っ! そんなことオレが許さないっ!」
大真面目にそう言ってカズキはパピヨンを睨みつける。
だが、どこか真剣味の足りない声に、斗貴子の怒りは収まる気配を見せない。
「もういいっ、放せ、馬鹿っ」
「ホントだよ、オレがなんとかするから……」
ふりまわされる拳固を何とか除けながら、それでもカズキは彼女を支える腕を離そうとはしなかった。
二人が争っている僅かな隙に、パピヨンは空中をゆっくりと後方へ下がっていく。
気づいた時には、すでに数10メートル離れた位置を、ふわふわと漂っていた。
「……蝶野っ、待てっ!」
だが、カズキは追うことができない。
腕の中では、まだ斗貴子が暴れている。
パピヨンはニヤニヤしながら、二人に告げた。
「今日のところはこの辺にしておこう。ちなみに、メルトハニーキャタピラは30分もすればその役割を終え、勝手に消滅する。しかし、影響は最低でも数時間は続くぞ。楽しみだな、武藤」
489:482
09/10/24 08:50:35 B/b2CxW5
「楽しみ、……なんかじゃないっ。斗貴子さんを苦しめるなら、この俺が相手になる。戻ってこい」
「核鉄のない身で、オレと闘うつもりか?
……そうだな。武藤カズキ、確かにお前は普通の人間とは違う。
白い核鉄で元に戻ったとはいえ、もともと錬金の力で死から蘇った男だ。心臓の替わりに核鉄を埋め込んだことで、全身の血と肉に錬金の力が染み込んでいる。
だが、オレとの決着はついた筈だ。闘う必要はない。
それに、お前ならメルトハニーキャタピラに触れ、破壊することができるだろう。
……後は時間との勝負だな」
「破壊? どうすればできる?」
「そこまで教えてしまったら楽しみが減る。……じゃあな、武藤、また会おう」
「ま、待てっ」
カズキの制止に薄ら笑いを返し、パピヨンは天高く舞い上がった。
その姿はすぐに遠ざかり、やがて消えてしまった。
「ちくしょうっ」
腕の中で、斗貴子が小さく毒づいた。
その華奢な身体は、熱を帯びているようだった。
斗貴子はカズキに支えられて上半身を起こし、片手で後ろに手をついて横座りになった。
ようやく真剣に心配した表情で、カズキが顔をのぞきこむ。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないっ」
怒った顔でそういって、彼女はセーラー服の上着の裾をまくり、左の脇腹を右手で押えた。
白い腹部があらわになり、カズキは目を細める。
「前にも、ホムンクルスの幼生に寄生されたことがあったね」
「ああ。……だが、今度は目にも見えないし、こうして触ってみても、皮膚の外からはわからない。
ただ、身体の中を何かが移動している感触だけがはっきりある。もぞもぞしていて、正直気持ち悪い……。
ってキミ、ヘソばっかり見るなっ!」
490:482
09/10/24 08:50:57 B/b2CxW5
斗貴子は慌てて左手でヘソをカバーし、セーラー服を下ろした。
目のまわりが薄く染まっている。
「仕方ないよ。斗貴子さんのおへそ、可愛いから」
「うるさいっ。時間がないんだぞ。冗談言ってる場合か」
「冗談じゃない、ホントのことだ。……でも安心してくれ。斗貴子さんはオレが必ず守る。
ヤツが埋め込んだ虫の効果が出る前に、必ず破壊方法を見つけ出す!」
「だが、ホムンクルスの時みたいな余裕はないぞ。後10分もしないうちに脳に達する」
「ええっ?」
カズキはマジマジと斗貴子の顔を見る。
彼女は眉間にしわを寄せ、真剣な表情で彼を見つめた。
「キミが来る前に聞いた話だが、こいつはエネルギードレインで私の生命エネルギーを吸収し発動しているらしい。
私が生きている限り、活動をやめないだろう。
だから脳に到達する前に、私を殺せ!」
「そんなことできるわけないだろ? 簡単に自分の命を捨てるなんて言うなよ。
……それに、今回は別に斗貴子さんが化け物に変わってしまうわけではないんだ。
危険はそれほど大きくない。ただ発情してHにな……ぐぇっ」
全てを言い終わる前に、カズキは大きくのけぞった。
顎の下に、斗貴子の掌底がヒットしていた。
「いちいち言わなくていいっ。……そんな無様な姿を晒すくらいなら、死んだ方がマシだ」
「ぶぁ、ぶぁかった。そべべもボレは、斗貴子さんに生ぎていて欲しい。だがら、ボレが治すっ!」
打撃で舌を噛んだらしいカズキは、それでも毅然と言い放った。
そして、じっと斗貴子の目をみつめる。
その顔は真剣そのものだ。
まっすぐ見つめる視線の奥で、瞳が揺れていた。
見返す斗貴子の目も、複雑な色に塗れている。
「わ、わかった。頼む」
「じゃあ斗貴子さん、ごめん、あの……」
「ど、どうする気だ?」
「まずは敵の正体を知らないと。蝶野が、俺なら触れられるし破壊もできると言っていた。だから……」
「……そ、そう、だな。わかった」
「辛いかもしれないけど……、その、変なことはしないから」
「わ、わかってる」
そういって斗貴子は、再びセーラー服の裾をまくりあげた。
491:482
09/10/24 08:51:24 B/b2CxW5
カズキが手を伸ばし、彼女の脇腹に触れる。
一瞬、びくっと斗貴子の身体が震えた。
「……どの辺?」
「も、もう少し上だ」
カズキが指先を滑らせる。
すっと肩を竦めて小さく身じろぎしたが、斗貴子は何もいわない。
彼女の肌は、想像以上に滑らかで、しっとりとしていた。
それに、クールな外見に似付かわしくない柔らかさで、しかも強い熱を帯びている。
その熱を確かめるように、カズキはゆっくりと指を運ぶ。
「蝶野の言う通りなら、オレにはわかる筈なんだ」
「その辺だ……」
小さく掠れた声で、彼女がそう告げた。
カズキは自分の指先に、ちりちりと痺れるような感覚を感じた。
その感覚に導かれるように指を進めると、はっきりとした違和感が感じ取れた。
間違いなくそれは、皮膚の下を移動している。
指先で、その感触を確かめる。
だがすぐに、カズキの指から逃れるように、するっと移動していく。
少し強く押えた。
くっ、と、小さく斗貴子が喉を鳴らす。
「ごめん。痛かった?」
「痛くはない、大丈夫だ。その……、いや、何でもない。……どうやら見つけたようだな」
「うん、触ることはできる。後はどうやって破壊するか」
“それ”はすぐに指先から逃れ、脇腹を上に上っていく。
その動きを追って、セーラー服の奥へ手を進める。
逃げる疑似生命体の感触を追ううちに、指先がぴったりとした布地に届いた。
斗貴子が小さく身じろぎする。
溜め息と共に彼女が低くつぶやく。
「……じろじろ見るなよ?」
そう言うと斗貴子は身体をひねり、斜め後ろを向いてリボンを外し、セーラー服の上を完全に脱ぎ捨てる。
ふわっと、甘い匂いがした。
小さな胸の膨らみは、飾り気のないグレーのスポーツブラに包まれている。
華奢に見える肩や細い腕は、シャープなくせに女らしい曲線を描いていた。
白い肌が、ほんのりと桜色に染まっている。
内心の動揺を表に出さないよう真剣な表情で、カズキは彼女の胸の脇へ手を伸ばした。
492:482
09/10/24 08:51:47 B/b2CxW5
ブラの脇を押さえた。
生地が邪魔して感触がよくわからない。
ただ、指先がちりちりする感じだけは、相変わらず続いている。
強く押えると、“それ”が再び逃げる。
上へと進む侵攻を食い止められない。
すぐにブラの生地を通過し、わきの下へ潜り込もうとする。
それを追って、カズキも指先を進める。
「きゃっ、馬鹿っ」
甲高い悲鳴を上げて、斗貴子が肩を震わせた。
「ご、ごめんっ」
「は、早くしてくれ。くすぐったい。……それに、恥ずかしすぎて死にそうだ」
「わかった。頑張るっ」
だが、カズキが指を動かすと、また斗貴子が悲鳴を上げ、身体をくねらす。
そのせいで指が離れ、メルトハニーキャタピラの位置もつかめなくなってしまった。
上気した顔に恨めしそうな表情を浮かべ、斗貴子が小さくつぶやく。
「こ、こんなんじゃ無理だ……」
「なんとか脳への到達を防げれば……そうか!」
何を思いついたのか、カズキは大きく開いた左の手のひらで、斗貴子の首を掴んだ。
そのまま右手を彼女のわきの下へ差し込む。
指先でちりちりとした感触を探る。
するっと、逃げるものがあった。
「ひゃぁっ、やっ」
普段絶対に出さないような甲高い声を上げながら、斗貴子の身体がくねる。
だが、カズキはおかまいなしに指先を動かす。
「もう少しだから我慢して」
指先から逃れようとするものの速度が上がった。
わきの下から鎖骨へと回り込む。
だが、その先にはカズキの左手が首筋を押えていた。
カズキは両手で“それ”を挟むように、間隔を狭めていく。
そして、右手の指先が左手と重なった。
「よしっ」
カズキが小さく叫んだ。
一瞬、指先の痺れが強くなった。
だがすぐにそれは消え、確かに指先で捉えたと思った感触も見つからない。
首を掴んだ左手はそのままに、右手の指先で鎖骨の上のあたりを探る。
斗貴子が再び身体を震わせ、小さく鼻を鳴らした。
念のため、首の後ろにも手を這わし、気配を探る。
しかし、やはり疑似生命体の気配は見つからなかった。
493:482
09/10/24 08:52:08 B/b2CxW5
「くそ、逃がした……」
「……蝶野は30分で消滅すると言っていた。それが本当なら、脳に到達させなければそれでいい」
「わかった。でも、また上ってくる筈だ。今度は絶対に逃がさない」
カズキは斗貴子の目をじっとのぞきこみ、力強く頷いた。
斗貴子もうなずき返す。
彼女の息が上がっていた。
赤い顔で、はぁはぁと荒い息をしている。
かすかに潤んだようにも見えるその目は、まるでキスをせがんでいるようにも見える。
だがすぐにまた戦士の顔になって彼女が言った。
「……疑似生命体と言っても、ホムンクルスとは大分違うな。どうやら大した知能はないらしい。遠隔操作なのだとしたら近くにパピヨンがいる筈だがその気配もないし、恐らく単純なプログラム通りに動いているんだろう」
「オレは錬金の技術に詳しくないからよくわからないけど、斗貴子さんの言う通り、何か考えているようには思えない。もっと本能に近い動きで、動いているみたいだ。本当の虫みたいに……」
「……だが、それなら必ずまた、脳を目指す筈だ」
「うん。その時が最後だ」
斗貴子は小さく微笑みを浮かべ頷く。
だが、一瞬その表情に不安が混じった。
何かを探るように、瞳が大きく動く。
そして突然、ぶるっと身体が震えた。
「あ……」
小さく開いた口が完全には閉じずに、再び目をきょろきょろと動かす。
首筋を押えたままのカズキの左手の上に自分の手を重ね、そのまま強く身体をひねる。
「斗貴子さんっ、どうした?」
「あ、あの、いや……」
「必ず俺が何とかするからっ」
「え、嘘っ、そ、そのっ、……あああっ、ヤツが、胸にっ!」
小さく呻いた彼女の息は、さらに熱を増していた。
494:482
09/10/24 08:52:46 B/b2CxW5
一瞬すがるような目になった斗貴子は、しかしすぐにぷいっと顔を反対側に向けてしまう。
耳が真っ赤だ。
肩から首にかけてのラインもほんのりと桜色に染まっている。
カズキはそんな彼女の背中にまわり、力いっぱいその小さな肩を抱きしめた。
びくっと、彼女の身体が震えたが、すぐにそれは止まった。
「斗貴子さん……」
耳元で囁くと、再び彼女の身体が震える。
そして、ゆっくりとその背中をカズキに預けてきた。
「ど、どうしよう……」
彼女は自分自身を守るように、身体の前で両腕を交差し、その小さな胸を抱え込んでいた。
「……オレは斗貴子さんが好きだ。だから、その、いつか一つになりたいと思っている」
「言っただろう。わ、私とカズキはいつだって一心同体だ」
「うん。……だから、身体もひとつになりたい」
く、っと、小さく彼女が息を飲む。
それから、虫が鳴くくらいの小さな声で言った。
「わ、私だって、いつかそうなりたいと、思ってる……」
「よかった。オレだけじゃなくて、ホントによかった」
「あ、当たり前だ。くだらないことを言わせるな。顔から火が出そうだ」
「うん、ごめん。……でも、そうなるのは今じゃない。パピヨンの力のせいでそうなるなんて、オレは望んでいない」
「……私だってごめんだ。絶対に嫌だ」
「だけど、ヤツの武装錬金は何とかして解除しなけりゃならない」
「わ、わかってる……」
「できるだけ、すぐに終わらせる」
「……うん」
「だから、ちょっとだけ、我慢してくれ」
「だ……大丈夫だ、私のことは気にせず、好きにしろ」
そう言って斗貴子は、静かに目を閉じた。
カズキの手が、彼女の腕をつかんだ。
一瞬、僅かに抵抗したが、すぐに力が抜け、彼女の腕が左右に開かれた。
くふっ、と、斗貴子の鼻が鳴った。
495:482
09/10/24 08:53:20 B/b2CxW5
スポーツブラの上から、カズキの手のひらがそっと右胸を包み込む。
「こっち、だよね?」
「う、……うん」
彼女の声はか細く、そして甘く掠れていた。
カズキは指先で、気配を探る。
微かにちりちりと痺れるような感触がある。
だが、ブラの生地に邪魔され、位置まではわからない。
小さな胸の膨らみにそって、静かに指を移動させる。
くふん、と、再び小さな鼻息が漏れる。
少し強く押してみる。
ブラ越しだったが、何ともいえない柔らかさが伝わってくる。
「ん……」
斗貴子が小さく喘いだ。
だが、淫らな虫の位置は掴めなかった。
他に逃げないように、胸の膨らみ全体を手のひらで覆う。
「ここにいるのは確かなんだけど」
「わ、私も、……その、いるのは、わかる。ぞわぞわして、おかしくなりそうだ」
「ごめん、でも、正確な場所がわからない」
「そ、そうだよな……」
すっと、斗貴子が大きく息を吸った。
その丸い肩が小さく上下する。
「斗貴子さん、……あの」
「できるだけ急いで済ませろ」
カズキが小さくつぶやきかけた言葉に、怒ったような斗貴子の声が重なった。
それから彼女は突然大きく手を動かし、カズキの手を横へどける。
そして次の瞬間、自分でスポーツブラをまくり上げていた。
496:482
09/10/24 08:54:13 B/b2CxW5
ふわんと、甘い匂いが広がった。
その匂いがカズキの鼻の奥にまで入り込んできた。
小さいが美しい輪郭を描く胸の膨らみは、白く滑らかだった。
その頂点で、透き通った薄いピンク色の突起が震えていた。
「と、斗貴子さんっ」
「は、早くしろ、ヤツが逃げるっ」
「う、うん」
カズキの手が、膨らみを掴んだ。
首を反らして、斗貴子の唇から甘い吐息が漏れた。
「んっっ」
「あ、ご、ごめんっ。強過ぎた?」
「うる、さいっ、いいから作業に集中しろ。絶対に逃がすなっ」
「わかった」
指先で感触を探る。
今度こそはっきりと、“それ”の位置がわかる。
胸の膨らみを上下に移動しながら、なんとかカズキの追跡をかわそうとしているようだった。
─もう躊躇わない。
そう心に決めて、カズキは前よりも強く、乳房を掴んだ。
「あっ……」
驚いたような声で、斗貴子が身体を震わせた。
それと同時に、手のひらの下に感じる淫らな蠕動が、その動きを強めていた。
斗貴子の身体の中に入り込んだ疑似生命体を破壊する─。
何度も繰り返し頭の中で確認し、そのことはよくわかっている。
だがカズキは、手のひらで掴んだ感触の素晴らしさに、どうしても抗えなかった。
─メルトハニーキャタピラを追い立てるには、こうするしかない。
そう自分に言い聞かせ、その柔らかな胸をそっと揉みしだく。
「んくっ」
今まで一度も聞いたことのない斗貴子の喘ぎ声が、たまらなく刺激的だった。
それに、そのサイズからは想像もつかないほど、彼女の乳房は柔らかだった。
どこまでも指が沈んでいきそうだ。
にもかかわらず、ちょっと力を緩めただけで、カズキの指を押し返す。
その滑らかな肌は、手のひらに吸い付くみたいな感触だった。
乳房の内側に入り込んだ蠕動は、カズキの動きにあわせて逃げ惑い、力の及ばない場所へ向かって這い上がろうとする。
「あ、んっ、んんっ……」
斗貴子の喉が反らされ、甘い喘ぎが上がった。
497:482
09/10/24 08:54:57 B/b2CxW5
彼女の唇から漏れる吐息は、激しい熱を帯びているようだった。
時折、耐え切れないように身体をひねる。
だが、カズキの手から逃れるほどの力はない。
そして彼にも、斗貴子の羞恥心を気づかう余裕は、残っていなかった。
胸の膨らみを、きゅっと掴んだ。
「……あっ、やぁっ!」
いびつに歪んだ膨らみの先で、ピンク色の突起が僅かに色を濃くしている。
そこにはまだ触れていない。
内部を移動する淫らな芋虫は、まさにそこへ逃れようとしていた。
カズキは手のひらでその動きを感じ取りながら、追い立てるように乳房を揉みしだいた。
人さし指と親指が挟み込む肉の隙間を、するっと“それ”が抜け出るのがわかった。
びくん、と、斗貴子の腰が跳ねた。
「くぅっ!」
大きく胸が反らされた。
次の瞬間、カズキの指先がそこを挟んでいた。
斗貴子の乳首は小さい。
その小さな突起を逃さないように、付け根のあたりを親指と人さし指でつまんでいる。
「捕まえたっ」
「あ、あ、あ……」
僅かに力を加えた。
そこは、固く凝っていた。
そして、その内部では、逃げ場を失った疑似生命の虫が蠢いていた。
498:482
09/10/24 08:55:36 B/b2CxW5
斗貴子は、全身を火で炙られるような熱を感じていた。
苦痛はない。
もともと痛みには慣れている。
だが、今感じている熱は、痛みよりも余程苦しかった。
胸の奥では、心臓が弾けそうなほど脈打っている。
その脈は、間違いなく乳首に感じるきつい刺激と繋がっていた。
ずきずきと、泣きだしそうなほどの快感がある。
それが快感であると意識された途端、余計に苦しくなった。
「ああっっ」
また生々しい声が唇からこぼれた。
恥ずかしくてどうしようもなく、なんとか声だけはあげまいと我慢しているつもりだった。
にもかかわらず、勝手に声が漏れてしまう。
それがさらに羞恥心を煽った。
恥ずかしい。
カズキの指が、乳首に触れている。
ただそれだけで、切ない快感が絶え間なく湧き上がってくる。
そのことが、余計に恥ずかしい。
自分で触れてもそんな風にはならない。
淡い快感を感じたことはあるが、それとはあまりにレベルが違いすぎた。
このままでは、自分がどうなってしまうのかわからない。
身体の奥に突然熱が膨らむような感触と欲求は、カズキと唇を重ねた時に経験している。
自分の肉体がどう変化するかも、それなりにわかっているつもりだった。
傷を負うことは最初から恐れていない。
カズキに抱かれることだって、いつかはと望んでいたことだ。
確かに羞恥心はあるが、不安はさほどない。
だが、この快感とそれに煽られて沸き上がる欲求は、未知のものだ。
常軌を逸した状況に加え、錬金の力で強制的に生み出されたものだ。
カズキに触れられているだけでもおかしくなりそうなのに、乳首の内側に“それ”がいる。
カズキの指から逃れようと、くねくねと中で動いていた。
その感触がまた、異様な快感となって襲ってくる。
まるで電気を流されたような衝撃が、乳首から乳房全体へ広がっていく。
それが延々と続く。
今にも叫びだしそうな自分を何とか抑えて、吐き捨てるように斗貴子は言った。
「か、カズキっっ、終わりにしろっ」
「わ、わかった……」
きゅっと、強くそこをつままれた。
それだけで、全身が震えた。
「ああっっ!!」
「だ、大丈夫?」
「気にするなっ、さっさとやれ」
「うん……」
カズキの優しさが、今は余計につらかった。
固く目を閉じ、真っ赤に染まった顔を限界までそむけながら、斗貴子は叫んだ。
「いいから、もっと強くっ! 捻り潰せっ」
499:482
09/10/24 08:56:35 B/b2CxW5
聞きようによっては強引な愛撫の催促ともとれる言葉だった。
もちろん彼女にその自覚はないことを、カズキはわかっていた。
指の中で固く膨らんだ乳首は、燃え上がりそうなほど熱を帯び、どくどくと脈打っている。
その大きさと熱が、津村斗貴子のまだ知らぬ秘密を表しているように思えた。
「……斗貴子さん、ごめんっ」
指先で強く挟んだ。
そのままこりっと捻り、潰すようにした。
乳首の奥で何かが弾ける感触があった。
「くぅっっっ!」
斗貴子の身体が伸び上がった。
後ろから支えるカズキの身体を乗り越えようとするみたいに、大きく背中を反らす。
ぶるっと全身が震え、そしてすぐに腰が崩れる。
もたれかかってきた彼女の身体は力を失い、ただぜいぜいと荒い息を繰り返している。
いつの間にか乳首から離れてしまった指先が、何かに切り裂かれたような痛みをカズキに伝えてきた。
離れているにもかかわらず、じんじんと痺れる感触がしている。
慌てて彼女の乳首を探った。
「あんっ」
そっと触れただけで甘い声をあげ、斗貴子はまた身体を震わせる。
だが、その乳首から疑似生命体の蠕動は消えている。
念のため、その周辺を探る。
ソフトに指先で撫でるだけで、斗貴子の息がすぐに熱く切迫したものに変わる。
「か、カズキ……」
名前を呼ぶ声も、甘く溶けている。
だがやはり、疑似生命体の感触はどこにも感じ取れなかった。
胸からそっと手を離し、カズキは斗貴子に告げる。
「斗貴子さん、やったよ。なんとかやっつけたみたいだ……」
「そ、そうか……」
背中をカズキに預けたまま、彼女は身動きひとつしようとしない。
まるで快感の余韻に浸るように、あるいは離れた指の感触を惜しむように、大きく肩を上下させている。
「あの、……身体は大丈夫?」
「あ、……う、うん、まだ息が荒いが……平気だ」
ぎりぎり聞き取るのが精一杯の小さな声で、彼女が答える。
だが次の瞬間、彼女が小さく叫んだ。
「くそっ。まだだっ!」
「えっ、何っ?」
カズキの左手が、強く掴まれた。
斗貴子が手首を掴み、彼女の左脇腹に持っていく。
「そこにもう一匹いるっ」
ろっ骨の下あたりへ、手を押し付けられる。
カズキは慌てて指先で探った。
500:482
09/10/24 08:57:21 B/b2CxW5
すぐに例の痺れる感覚が生まれた。
慌てて周囲を取り囲むようにガードする。
「一体じゃなかったのかっ」
「すまん、カズキ。私の判断ミスだ。さっきの活発なヤツの動きに誤魔化され、複数いることに気づかなかった」
「斗貴子さんが謝ることじゃないっ。オレも迂闊だった」
「今は破壊に集中しよう。……その、できるだけその場で終わらせて」
そう言った途端、依然熱を帯びた彼女の身体が、小さく揺れた。
僅かにまた呼吸も荒くなっている。
カズキはすぐさま右手も伸ばし、指先で“それ”を追い込む。
脳を目指す疑似生命体の上昇を阻むために、左手は彼女のろっ骨に沿って、大きく広げて押えている。
右手の指先が、ちりちりとした痺れを伝えてきた。
そして突然、斗貴子が小さく悲鳴を上げた。
「あっ」
「えっ?」
ほぼ同時にカズキも声を出していた。
指先から、追いつめた筈の感触が消えていた。
慌てるカズキに、斗貴子が短く叫んだ。
「下だっ」
指を下ろすと、確かにくびれたウエストから、蠕動が伝わってくる。
「くそっ、待てっ」
思わず手で押える斗貴子の手のひらをかいくぐり、カズキは指先でそれを追った。
「嘘っ、何故だ?」
「ん? 何?」
カズキの問いに、小さく喘ぎながら彼女が答えた。
「本能的に脳を目指す筈じゃないのか? だけどコイツは下へ逃げてるっ」
501:482
09/10/24 08:58:21 B/b2CxW5
うっ、と、小さく呻いて斗貴子が腰を押える。
疑似生命体は予想外の速度で、彼女の腰にまで到達していた。
カズキは指先で追うが、すぐにスカートの生地に阻まれた。
「もう、嫌だっ」
彼女は自らの拳を勢いよくそこへ叩きつける。
何度も繰り返し自らを打ちながら、身体を震わせる。
「斗貴子さんっ」
その手を掴み、カズキは何とか彼女を止めた。
それでも斗貴子は怒りを収めようとはせず、今度は激しく足を蹴るように動かす。
ミニスカートからのぞく大腿がまぶしかった。
カズキの手をふりほどき、彼女は自分のふとももを押さえつける。
薄い水色の下着が露になっていた。
足の付け根、下着の縁のあたりを、斗貴子の白い指先が押えている。
「あああっ」
躊躇っている余裕はなかった。
カズキは彼女の指先に重ねるように、そこを押えた。
痺れるような感触が、ひときわ強く感じられた。
それは蠕動し、股の間に入り込もうとしていた。
「ごめんっ!」
そう言ってカズキは、指先を足の間に埋め込む。
くっと喉を詰まらせ、斗貴子の身体が震えた。
一瞬遅れて、彼女の口から熱い溜め息が漏れた。
今までの激しい動きが嘘のように、斗貴子の身体が止まっていた。
押えた指の位置にそって、手のひら全体を下腹部に当てる。
足の間、秘めやかな場所に触れているのは左手の薬指、中指、そして人さし指の三本だ。
その一番外側、薬指の脇に、疑似生命体の感触がある。
それは、脳を目指すのとはまた別の本能なのか、あるいは脳への到達が不可能だった場合に発動する別のプログラムか、─わかっているのは淫らな刺激を与えることを目的としているということだ。
その証拠に、芋虫にも似た動きで彼女の秘部に侵入を試みるかのように、度々薬指へ身体を押し付けては、また離れる動きを繰り返し、決してどこか別の場所へ消えようとはしなかった。
ぶるっと、斗貴子の身体が再び震えた。
「か、カズキ……」
「斗貴子さんの大事な場所は守った。すぐそばにいるけど、今のところ、入ってくる心配はなさそうだ」
「そ、そうか……でも」
「追ったら逃げるかもしれない。でも、なんとか上手くやってみる」
そういってカズキは左手をそのままに、斗貴子の背中からゆっくりと身体をずらしていく。
右手で彼女の頭を支え、仰向けに床に寝かせる。
斗貴子は何も言わずにそれに従った。
まくりあげられたブラからは白い胸を露出し、スカートもほとんどめくれ大腿を露にした姿で、錬金の戦士・斗貴子はしどけなく床に横たわっていた。
「頼む、カズキ……、頼むから、直接触るのだけはっ!」
「わかった」
逸らした顔も首筋も、ブラがひっかかったままの胸も、真っ赤だった。
股間に埋め込まれた指先は、ぞくぞくするような感触をカズキに伝えてくる。
恐らくパピヨンの開発した疑似生命体の発情効果もあるのだろう。
そこは信じられないほど熱く、そして濡れていた。
502:482
09/10/24 08:58:55 B/b2CxW5
触れているのは下着の上からだというのに、彼女が身体を震わす度に指先がぬるっと滑る。
その度に、彼女の口から切迫した喘ぎが上がる。
だが、それだけだ。
それ以上動くことはなく、声も上げない。
斗貴子の上げる喘ぎ声はとてつもなく可愛い。
彼女の乳房は最高に美しかった。
その乳首は信じられないほど敏感で、魅力的だ。
それに、彼女の身体からは甘い匂いがしていた。
その腰がくねる様も、震える身体も、何もかもが素晴らしい。
そして、指先で感じるぬるぬるした感触は、どうしようもなくカズキを興奮させる。
下着の中がどうなっているのか、知りたくてたまらない。
だが斗貴子は、何とか自分自身の感覚や欲求と闘っているらしかった。
そんな彼女をこれ以上辱めるわけにはいかない。
カズキはそう感じていた。
そして同時に、そんな彼女の乱れた姿を目に焼き付けようと思った。
床に横たわる斗貴子の左側にしゃがみこみ、彼はそっと右手を伸ばした。
半ばまくりあげられたスカートから投げ出された滑らかな大腿に、指先で触れる。
それだけでまた彼女の身体がびくんと反応する。
股間を押えた左手の指先で、カズキはそのぬるぬるとした感触を余すことなく味わっていた。
503:482
09/10/24 08:59:30 B/b2CxW5
太ももに滑らす指先をゆっくりと股間へ近づけていくと、斗貴子の息がすぐに熱い喘ぎに変わった。
「カズキぃぃっ、は、早くっ」
それは恐らく、一刻も早くこの拷問にも似た感覚の氾濫と羞恥の時間を終わらせたいという意味に違いない。
だがカズキには、もはや愛撫を求める声にしか聞こえない。
白い陶器のような大腿を回り込み、股間を押える左手の指先に、右手を近づける。
蠕動を繰り返すメルトハニーキャタピラは、押し当てられた指先に沿って、下着に守られた秘部のすぐ脇を上下に蠕動していた。
だが、右手を近づけたことで、その動きが変わった。
上から迫る指先に、それはさらに深く、股間の底に向かって移動する。
「し、まった……!」
それはカズキにとっても予想外の動きだった。
斗貴子の固く閉じられた股間は、それ以上手を差し込むことはできない。
だが、体内を進む疑似生命体にとっては、錬金の力を帯びたカズキの指先以外に障壁はない。
「あ、いっ、やぁっっ……」
びくびくと斗貴子の腰が跳ね、濡れた下着を指が擦る。
その刺激で再び彼女の腰が反らされる。
「斗貴子さんっ」
最早、彼女を刺激したいのか、疑似生命体を駆逐したいのか、それすら定かでなくなりながら、カズキはさらに指先を深く差し込んだ。
同時に、右手も大腿を押しのける。
斗貴子の股間が力なく開いた。
「やぁっっ」
拒否の言葉を口にしながらも、最早抗う力は彼女にない。
しとどに濡れ変色した下着を大きく突き出して、再び腰が持ち上がった。
一瞬離れた指先をカズキが再び股間にあてがう。
下着の底がぬるっと滑る感触とは別に、激しい熱を伴った痺れが感じられた。
「カズキぃぃぃぃっっ」
カズキの腕に、斗貴子がしがみついてきた。
背中を丸め、かがめた膝で股間に埋まった手を挟みながら、そのしなやかな大腿が細かく痙攣している。
下着の上から押えた指の下で、何かが膨らんでくるのがわかった。
それは物質的なものではなく、エネルギーの奔流とでもいうべき熱が大きくなる感触だった。
斗貴子のそこは熱く潤い、さらにどくどくと蜜を吐き出しながら、重く下着を濡らしていく。
そして、ついに熱が弾けた。
痛みに似た強い痺れが、カズキの指先を貫いた。
それと同時に、斗貴子の口からこれまで以上に大きな喘ぎが上がった。
時折びくっと震える以外、動きを止めていた彼女の身体が、突然大きく跳ね上がった。
その動きは止まることなく何度も繰り返し、やがて細かな痙攣に変わった。
「ああ、ああ、あああっっっ」
カズキの腕にしがみついたまま、彼女が大きく喉を反らした。
大腿がさらに激しく震え、何度も繰り返し膝で締めつけられた。
ぎゅっと、強い力でしがみつき、そのままの姿勢で彼女の動きが止まった。
そしてまたぶるぶると数回震えが走った。
やがてゆっくりと力が抜け、彼女はまた床に横たわっていた。
荒い息が少しずつ穏やかなものに変わる頃、カズキはようやく指を離した。
彼女の身体はいつまでも熱を残していたが、疑似生命体の気配は完全に消えていた。
504:482
09/10/24 09:00:14 B/b2CxW5
西の空が燃えているような赤に染まっていた。
東の方は、すでに群青色から濃紺に変わっている。
冷たい風を胸に感じて、斗貴子はようやく起き上がった。
「うわっ!!!」
胸をはだけ、スカートはまくり上げたままだ。
どうしようもなく乱れた自分の格好に気づき、慌てて後ろを向く。
背中からカズキが声をかけてきた。
「斗貴子さん……」
「こっち見るな!」
全身に残る甘い倦怠感を意識の隅に追いやって、なんとかブラを直す。
立ち上がり、いつの間にか遠くに離れたセーラー服の上を身につける。
リボンを通し、ぱんぱんとスカートの埃を払う。
手櫛で髪を整え、それから大きく深呼吸して、だがその後どうしたらいいのかが、彼女にとって最大の難問だった。
「……あの、斗貴子さん?」
能天気なカズキの声が耳に痛い。
身体の奥の熱い余韻が泣きだしたいほど恥ずかしかったし、生々しい記憶を呼び覚ます濡れた下着の感触も気持ち悪い。
「なっ、何も言うな! 何か一言でもくだらんこと言ったら殺すからな」
「わ、わかった」
ようやく決心がついて振り返った先には、いつもの笑顔を浮かべるカズキがいた。
だが、どうしようもなく気恥ずかしくて、目を合わせることができない。
「ひどい目にあった」
斗貴子は低い声で、つぶやくようにそれだけ言った。
カズキは小さく頷いた。
「だけどパピヨン、まったく困ったヤツだなあ。まさか、斗貴子さんをこんなふうに……ぐえっ」
斗貴子の拳が、カズキの腹にめりこむ。
それだけではなかった。
次の瞬間には、両頬にひとつずつ、赤い手形が張り付いていた。
「い、痛い、痛過ぎるよ……」
「うるさいっ。何も言うなといっただろう」
「オレはただ、パピヨンが困ったヤツだと……」
カズキの言葉はそこで消えた。
505:482
09/10/24 09:01:15 B/b2CxW5
斗貴子の柔らかな唇が、彼の口をふさいでいた。
一瞬強く押し付け、すぐに離された。
だが、彼女の腕はカズキの背中に回されたままだ。
「キミが黙らないから、く、口封じだ……」
「じゃあ、うるさくした方が得だね」
そう言ってカズキが笑う。
斗貴子もつられて微笑んだ。
「口封じは常に殴った後だが、それでもいいか?」
「口封じだけにしようよ」
そういってカズキが顔を近づける。
斗貴子は何度か瞬きを繰り返しながら、結局静かに瞼を閉じた。
今度はカズキから唇が重ねられた。
ちろっと、舌で唇を舐められた。
そのまま唇を割って、舌が入ってくる。
─んっ。
キスは何度かしている。
だが、こんなのは初めてだった。
柔らかな感触が、口の中を這い回る。
ドキっとした。
さっき燃やし切った筈の熱が、いっきに膨らむのを感じた。
身体がびくんと震えた。
恐らく、カズキにも伝わったに違いない。
恥ずかしかった。
だが、カズキの舌を拒む気持ちになれない。
身体の奥に残っていた余韻が、激しい快感を蘇らそうとしている。
─ああっ、おかしくなる。
甘く、苦しい興奮が満ちていく。
全身から力が抜けていく。
自分の荒い鼻息が気になった。
─駄目っ。
慌てて、カズキの身体を押した。
ようやく口が離れた。
その場でしゃがみこみそうになる彼女を、カズキの腕が支えた。
「息が、できないぞ。……殺す気か」
「まさか。オレは斗貴子さんと一緒に生きていたい。それにさっき約束したよね?」
「約束?」
「いつか一つになるって……」
「えっ? あ、ああ、……うん」
しどろもどろで下を向く斗貴子の手に、カズキの手が重なった。
「でも、今日はそろそろ帰らないと」
「ああ、そうだな」
二人はそう言うと手を繋ぎ、屋上を後にする。
後には、あたりを包みこもうとする静かな夕闇だけが残った。
<おしまい>
※以上、お目汚し失礼致しました。
506:名無しさん@ピンキー
09/10/24 15:02:03 agYeYL9O
GJ
507:名無しさん@ピンキー
09/10/24 17:37:27 ya8hcMIC
GJ
パピヨンならエロスな武装錬金も作れそうだなw
508:名無しさん@ピンキー
09/11/02 17:18:49 xsN7RXHU
保守
509:名無しさん@ピンキー
09/11/10 04:48:38 hiCMd4Ip
保守
510:名無しさん@ピンキー
09/11/17 17:23:27 dJ+k6z4B
保守
511:名無しさん@ピンキー
09/11/19 15:17:40 ps//Dais
482サンすばらしいです!GJです!
512:名無しさん@ピンキー
09/12/01 00:23:23 eNi41LCf
513:名無しさん@ピンキー
09/12/02 21:28:51 HXC+NYct
だれもいない・・・
はっ!ということはまひろたんのソックスは俺のもの・・・
514:名無しさん@ピンキー
09/12/02 23:45:28 5g8WgKwU
良作なのに人気出なくて打ち切りになったのが残念だよな。和月はあれ以来絞りカスだし。
もし長期に連載されていたらどうなってたんだろう。
515:名無しさん@ピンキー
09/12/03 17:35:04 6GDmLabJ
毒島タンの素顔・・・蝶・サイコー!
516:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:13:51 daF2+UZQ
最連載して欲しいぃ・・・・・
517:名無しさん@ピンキー
09/12/10 21:34:39 MIQ4qv9N
和月・・・まさか「空の境界」に出張ってるとは思わなかったぜ・・・
518:名無しさん@ピンキー
09/12/13 23:49:38 3R9a+JgM
最近、カズキのよう様子がおかしい。カズキに限らず、戦士長も何か隠し事をしているように見える。
何かあるのだろうか・・・。私はその夜、カズキの部屋に行って、カズキに聞いてみることにしてみた。
コンコン。カズキの部屋のとびらをノックする。 するとすぐにその部屋の主が出てきた。
「どうしたの?こんな夜に・・・。」 不思議そうな眼で私を見たが、とりあえず部屋の中には入れてくれた。
「どうしたの斗貴子さん。何かあったの?」
いつもの優しい眼で私を見る。カズキを疑うわけではないのだが、それでも私は聞いてみた。
「カズキ。最近何か私に隠し事をしていないか?・・・・・」
突然に質問に、カズキは戸惑う。
「え、いきなりなんで!?べ・・別に隠し事なんかしてないよ!」
やっぱり。この子はウソをつけない体質らしい。すぐに見抜くことが出来た。
「私に隠し事なんて、らしくないな。一体何があったんだ?。」
すこし強引に話を進める。
「い、いやホントに何もないって・・・・。」カズキの眼が一瞬悲しげになったのを私は
見逃さなかった。
「君が何かを隠すときは、いつも挙動不審になる。それとも、私には、私には言えない様な
ことなのか?・・・・・」
声が少し荒げる。カズキが隠し事をすることは何度かあったが、それは大体六枡や岡倉と手を組んで、
まひろちゃんの誕生日を祝うようなことぐらいである。もちろんそれには私も参加した。だが、今回
の件は、少し違う。しかも戦士長も参加してるとなると、戦団がらみのこともありうる。それが凄く
心配だった。
「戦士長も様子がおかしかった。カズキ。また戦いの世界に戻る気じゃ・・・」
今は戦団の活動は収縮してはいるが、まだどこかに生存するホムンクルスとの戦闘は終っているわけ
ではない。カズキと恋人同士になって、ようやく手に入れた平和なのに、また戦う気なのでは、またヴィクター
の件ようなことがおきるんじゃないか・・・。
真剣な眼でカズキは私を見る。私もカズキの眼をずっと見つめる。するとカズキは「これは極秘事項だけど、俺は
斗貴子さんにはウソをつきたくないから話すよ・・・・。」そういって話を続けた。
「白い核鉄を使って俺は人間に戻れた。けどまだ完全に戻れたわけではないんだ。」ゆっくりとカズキは言った。
「後3ヵ月後には一気に第3段階を越えるほどの化け物になるらしい・・・・・。」震える声でそう答える。
・・・・・・・そんな・・・。
カズキがそんな・・・・・・。
「そして、そうなるまえに俺は月へ飛ばされることになったんだ・・・。」
私は、頭の中が真っ白になった。
519:名無しさん@ピンキー
09/12/13 23:51:00 3R9a+JgM
駄作ですが、頑張って続けようと思いますw
520:名無しさん@ピンキー
09/12/14 05:15:28 +7vOWf0f
新作乙。乞う続き。意外な展開楽しみ。
欲いえば、ひとまとまり書き上げてから投下するとさらに良。
521:名無しさん@ピンキー
09/12/14 23:07:53 m8dkyUAC
ようやく頭の中が整理され、しかしそれによって受け止めたくない現実が頭の中をめぐった。
「な、なぜ。どうして!?あの時、パピヨンの作った核鉄が効かなかったのか!?・・・・・」
あの核鉄で確かにカズキは人間で戻れたはずだ・・・。なのに、どうして・・・・・
「確かに、一時的に抑制することができたけど、また再発するって戦団の研究者に聞いたんだ。」
これまで見たことの無いような悲しい表情で、カズキは続ける。
「実際、月ではヴィクターも同じようなことになっているらしいんだ。複製した白い核鉄で、
何度も抑えようとしたらしいけど、もうすでに第3段階にまで達してしまったらしい。」
・・・・ヴィクターが月で・・・・・・・。
そんなことが・・・・・。
「でも、幸い理性までは失われてないみたいで、ヴィクターも戦団と協力して抑制法を探してるんだ。」
「そして、俺もエネルギードレインが始まる前に、月へ行くことになったんだ・・・・。」
「明日の夜には、寄宿舎を出なくちゃならない。」
そこでカズキの話は終った。
私はショックのあまり何も喋れないでいた。
カズキが月へ行ってしまった事を私は忘れたことなど一度もない。
そしてカズキはまた、月へと行こうとしているのだ。
・・・・いやだ・・・・・。離れたくない・・・・・。
また、あの時と同じ気持ちが蘇る。私を守るため、一心同体の誓いを破ってまでも空に
消えていったカズキの表情も。
「本当に・・・ごめん・・・・」
その時言った、言葉も。
私は、カズキの袖を強くつかむ
「斗貴子さん?・・・・・」
「・・・離れたくない・・・・」
「え・・・」
「もう君とは離れたくないんだ!!」
必死になって言った言葉が、それだった。
522:名無しさん@ピンキー
09/12/14 23:10:02 m8dkyUAC
なかなか進まずにすみません・・・・
即興なので、上手く話をかみ合わせるのが難しくて、ww
少しずつでも確実に展開させていくつもりです!
523:名無しさん@ピンキー
09/12/17 23:18:10 kN7zNvZb
早く続きが読みたいけれど
自分のペースでかけばいいさっ
524:名無しさん@ピンキー
09/12/27 20:58:43 mLPVGHnX
525:名無しさん@ピンキー
10/01/04 01:35:45 CcUxQ98W
「ドンドン!」
突然とびらの叩く音が鳴り響き、二人は振り向く。
「糞ガキ!いるか?早く出て来い!」
とびらを叩いたのは火渡だ。とりあえず、カズキはドアを開けた。
「どうしたんですか?こんな夜中に。」
カズキが驚きながらも質問した。
「どうもこうもあるかッ!月では今大変なことになってる!ヴィクターのエネルギー
ドレインが予想以上に激しくなってるんだよ!」
火渡は続ける。
「エネルギードレインのせいで、研究しようにも近づけないんだ!抑制出来るのは、
防人とヴィクター化できるお前しか居ねぇんだよ。大戦士長からの命令だ。いますぐ
防人と月へ向かえ!!」
突然すぎる。どうすればいいか分からずおどおどしていると、火渡はカズキの胸倉を
つかみ、
「何ボサッとしてんだ!行くぞ!!」
無理やり連れ出そうとした。しかし、斗貴子がそれを止める。
「待ってください火渡戦士長!少しだけ時間を・・・・」
「うるせぇ。早くしねぇとコイツだっていつ化物化するかわからねぇんだ!
さっさと月へ送らねぇと大惨事になるぞ!」
「カズキは化物ではありません!!本当に、本当に少しだけ話をするだけ・・・」
ドスッ
火渡が、斗貴子のみぞおちを殴り、気絶させる
「斗貴子さん!!」
カズキが斗貴子に歩み寄ろうとしたが、火渡はそれすらも止めてきた。
「防人はもうバスターバロンに乗ってんだ。オメェがさっさと来ないと
任務に支障が出る。早く来い!」
また胸倉を強くつかまれたが、カズキはそれを振り払い、
「よくも斗貴子さんを・・・やっぱりお前は許せない!!」
胸に手を当て、ランスを出現させようとしたが、火渡の手が首をつかみ、
今度はカズキの腹を思い切り殴った。
「カ・・・ハッ・・・」
消え行く意識の中、カズキは火渡の顔を睨む。
「遊んでる暇はねぇんだ。つれてくぞ。」
そこで意識は途絶えた。
526:名無しさん@ピンキー
10/01/04 01:36:15 CcUxQ98W
「ドンドン!」
突然とびらの叩く音が鳴り響き、二人は振り向く。
「糞ガキ!いるか?早く出て来い!」
とびらを叩いたのは火渡だ。とりあえず、カズキはドアを開けた。
「どうしたんですか?こんな夜中に。」
カズキが驚きながらも質問した。
「どうもこうもあるかッ!月では今大変なことになってる!ヴィクターのエネルギー
ドレインが予想以上に激しくなってるんだよ!」
火渡は続ける。
「エネルギードレインのせいで、研究しようにも近づけないんだ!抑制出来るのは、
防人とヴィクター化できるお前しか居ねぇんだよ。大戦士長からの命令だ。いますぐ
防人と月へ向かえ!!」
突然すぎる。どうすればいいか分からずおどおどしていると、火渡はカズキの胸倉を
つかみ、
「何ボサッとしてんだ!行くぞ!!」
無理やり連れ出そうとした。しかし、斗貴子がそれを止める。
「待ってください火渡戦士長!少しだけ時間を・・・・」
「うるせぇ。早くしねぇとコイツだっていつ化物化するかわからねぇんだ!
さっさと月へ送らねぇと大惨事になるぞ!」
「カズキは化物ではありません!!本当に、本当に少しだけ話をするだけ・・・」
ドスッ
火渡が、斗貴子のみぞおちを殴り、気絶させる
「斗貴子さん!!」
カズキが斗貴子に歩み寄ろうとしたが、火渡はそれすらも止めてきた。
「防人はもうバスターバロンに乗ってんだ。オメェがさっさと来ないと
任務に支障が出る。早く来い!」
また胸倉を強くつかまれたが、カズキはそれを振り払い、
「よくも斗貴子さんを・・・やっぱりお前は許せない!!」
胸に手を当て、ランスを出現させようとしたが、火渡の手が首をつかみ、
今度はカズキの腹を思い切り殴った。
「カ・・・ハッ・・・」
消え行く意識の中、カズキは火渡の顔を睨む。
「遊んでる暇はねぇんだ。つれてくぞ。」
そこで意識は途絶えた。
527:名無しさん@ピンキー
10/01/04 01:37:50 CcUxQ98W
二重UPスマソ。
まだまだ続きは書く予定。
528:名無しさん@ピンキー
10/01/04 02:14:17 CcUxQ98W
凄まじい轟音が鳴り響く。その音でカズキは眼が覚めた。
「ここは・・・!」
「起きたか。」
振り向くと、ブラボーがシルバースキンに身を包んで立っていた。そして横には火渡が。
「お前・・・」
カズキはまた胸に手を当て、ランスを出そうとしたが、
「まて、カズキ」
ブラボーが中に入る。
「乱暴なことをしてすまなかった。全く。あれだけ騒がせるなと言っておいたのに・・・」
そういって火渡を睨んだが、
「おめぇが早くしろっていったんだろうが!文句言うんじゃねぇ」
と、タバコをくわえて、部屋から出て行ってしまった。状況がわからないカズキはただ黙るしか
なかったが、ブラボーがようやく話を切り出した。
「月の件はもうかなり前にはなしたな。」
カズキはうなずく。
「いきなり予定を変更してすまなかった。だが、今来てもらわないと、
事が進まなかったんだ。」
カズキは立ち上がり、
「事が進まないって・・・?」
そう答えた。
ブラボーは進める。
「うむ。エネルギードレインが悪化したのは火渡から聞いたらしいな。
案の定。今、月ではヴィクターに近づけず、研究が滞っている状態だ。」
そこまでは確かに火渡から聞いた。
「元々、白い核鉄はすでに完成し、後はどれくらいの出力で調整するかだけなんだ。」
なるほど。ヴィクターに対応した白い核鉄を作ると。
「しかし、この調整はかなり慎重にやらねばならん。」
「出力が弱すぎれば、黒い核鉄の力を抑制できず、免疫を持たせて白い核鉄が
使用不可になる可能性がある。」
白い核鉄をヴィクターに撃ち込んだ時の事が頭に浮かんだ。
「そして出力が強すぎれば、拒絶反応を起こし、原子核が一気に圧縮され、
本体は死に、広島、長崎に匹敵するほどの核爆発をおこす。」
核爆発!?そんなに危険なのか
「だから、一発でヴィクターに対応した白い核鉄を精製しなくてはならない
そのためにはまず、ヴィクターに近づき、黒い核鉄を調べなくてはならない。」
「それを俺達がやるんだ」
カズキは言葉を失った。
もし失敗すれば、生きて帰れない。
もう、地球には戻れない。
斗貴子さんに会えなくなる。
でも、やらなくちゃ誰かが傷つくことになる。誰かが死ぬことになる。
いや、絶対に成功させて、生きて地球に戻るんだ。
そしてまた斗貴子さんに会うんだ。
カズキは覚悟を決め、ブラボーを真剣な眼で見つめる。
「・・・・ブラボー。俺やるよ。やって必ず成功させる。」
カズキの眼を見て、ブラボーも小さくうなずく。
「間もなく月に到達します。」
バスターバロンの内線スピーカーが鳴り響く。
二人は近づく月面を見つめて、強く誓った。
「必ず・・・必ず成功させて、地球へ帰ろう。」