09/01/21 00:36:35 wLhb9+yM
>>294
じゃあ全裸にマスクで毒島さんに近づけばいいんですね?
296:名無しさん@ピンキー
09/01/21 15:32:17 4Oj3Y49H
>>295
それならオシャレだ!
297:名無しさん@ピンキー
09/01/26 00:38:50 3i7jWP9d
全裸にマスクで近づいたら、即消し炭だろjk…
298:名無しさん@ピンキー
09/02/01 18:13:57 UiLq0gtK
体に埋め込まれたホムンクルスの影響で痴女化しちゃったとっこさんとかが見たいなあ
授業中に教室を抜け出して、トイレで服を脱いで全裸でスニーキングミッション
1階のトイレから出発し、屋上の貯水タンクの陰に隠してある服を取りにいく!
ただし1階上るごとに1度オナニーせねばならず、10分以内にイけなかったら罰としてトイレで浣腸
屋上に到着するまでに漏らしてしまったら、再度浣腸して用意してあったアナルストッパーとバイブを装着して次の授業へ
なんて妄想が駆け巡った。どうしよう……
299:名無しさん@ピンキー
09/02/01 18:17:37 dWa1nKhk
>>298
いやそのなんだ。
臓物をぶちまけてこい。
300:名無しさん@ピンキー
09/02/02 17:31:22 ETP671aU
>>298
それ以上症状が進まないうちに病院に(つД`)
301:名無しさん@ピンキー
09/02/04 03:16:42 XSZFCqnB
>>300
戦団御用達の病院でつね(゚∀゚)
302:名無しさん@ピンキー
09/02/04 18:10:41 AbHv5orn
>>298
モーターギア・ナックルダスターry
303:名無しさん@ピンキー
09/02/08 22:01:06 i+AKn6ys
>>298
まあTQNはカズキの前では自然と痴女になるんですけどね。
304:名無しさん@ピンキー
09/02/13 22:09:42 ZBiO+kpX
まあなんだ
何を隠そう、俺(達)は妄想の達人だ!!
305:名無しさん@ピンキー
09/02/18 00:44:11 dPWJs1pa
>>304
え、エロスはほどほどにな(//^//)
306:名無しさん@ピンキー
09/02/18 14:56:56 LYAfOqx1
さらば俺の羞恥心!
307:名無しさん@ピンキー
09/02/24 01:15:02 wF2uMiIX
そろそろなんかSSでも書かないと駄目か。
だが、ネタが降りてこないorz
308:名無しさん@ピンキー
09/02/24 13:14:50 FNKBleYx
何を隠そうオレはネタ出しの達人だっ!
・・・と言うこともないけどカプとシチュは?
309:名無しさん@ピンキー
09/02/25 01:08:57 q47D5nGi
じゃあ王道のカズトキ超大甘路線をば。
310:名無しさん@ピンキー
09/02/25 03:53:00 F6Ndo+SP
じゃあ俺は防人×千歳かヴィクター×アレクでアダルトな展開を希望
311:名無しさん@ピンキー
09/02/25 08:58:15 Iyr7vd/7
>>309
バレンタインネタで今年流行の逆チョコをカズキが手作りする話
青汁なども入れたよ!とカズキが言うがとっこさんは「これは非常食…」と思い切って食べたら実はおいしいとか
>>310
千歳さんがブラボーをからかおうとして本気で迫られてそのままいたしちゃう展開希望
ヴィクアレならヴィクトリアの制作過程だな
312: ◆r3ErOsMnWo
09/02/27 02:33:38 uUBcUdUC
お久しぶりです。以前にカズキ×まひろもの「ふたりのじかん」を投稿した者です。
前回の投稿って去年の5月か…トリップはこれで合っているかな?
>>66-70の続き、「続々・ふたりのじかん」です。
「…えへへ、帰省して以来、かな。こういう風に2人で出歩くのって」
ある晴れた日曜日の朝、JR銀成駅前。俺の右腕に軽く自分の腕を絡めながら嬉しそうに笑うまひろを
見ると、俺もなんかちょっと嬉しくなる。
そう、なにせ今日は可愛い妹と1日デートだ。もちろん、斗貴子さんもこの件は了承済みだ。
まひろは可愛いから、連れて歩いている俺もちょっと鼻が高い。
今日の予定は…ま、普通のカップルのデートとあんまり変わらないのだけど、映画館やら水族館やら、
暗い場所をきっちりとコースに織り込んであるのは…ま、そういうことをするためだったりする。
俺もまひろも、動物は割りと好きだけど、映画ってあまり見ないからなぁ…映画館の人、不純な目的で
利用してごめんなさい。
まずは移動だ。あんまり近場で遊ぶと、知ってるヤツに見られて、あれこれと要らん邪推を…いや、
この場合は邪推じゃないんだけど、のちのち面倒なことになるとイヤだからな。
で、休日の満員電車。さっそく最初のお楽しみだ。
まひろをドア側に押し付けて、その後ろにぴったりと俺がくっつく。そして当然手は、まひろの
下半身へと伸びる。ま、いわゆる痴漢プレイってヤツだ。
「すっごい込んでるね~」
「ま、日曜日だしなぁ…しばらくの間だから我慢してな」
普通に言葉を交わしながら、まひろの下半身をまさぐる。喋ってないと、とんだ正義の味方が、
見ず知らずの女の子相手に痴漢してると勘違いして、「こいつ痴漢です!」なんて喚きかねない
からね。
それに平静を装って、こういうことをするのって、ドキドキして気持ちいい。
…まひろが足をモジモジしはじめた。心なしか、喋る声も上ずり気味な感じがする。それにしても
まひろの太ももって、なんでこんなに気持ちいいんだろ。パンツの手触りも…
結局最後の方は、俺も指を使うことに集中して、言葉少なになってしまった。最初からこんなに
飛ばして、今日1日持つかな~
「勝負パンツなのに、もう汚しちゃったよ~、お兄ちゃんのエッチ!」
すまんまひろ。お兄ちゃん、我慢出来ませんでした。
313: ◆r3ErOsMnWo
09/02/27 02:34:25 uUBcUdUC
さて、武藤兄妹が、日曜の満員電車の中で痴態を繰り広げている頃、早坂桜花もなにやら手土産を片手に、
どこかへと向かっているご様子。向かった先は…パピヨンのアジトだった。
桜花とパピヨンは、月に1~2回程度、お互い気が向いたとき、なにかつまみながら世間話をする
仲になっていた。友人といえる程、親しい仲かどうかは微妙であるが、カズキ以外の人間に執着を持たない
あのパピヨンが、特に拒むことなく付き合っているのだから、まあ、悪い関係でないとは言えるだろう。
…とはいえ、パピヨンの方から、桜花を訪ねてくることは、ない。桜花の方が時折、陣中見舞い
のように、パピヨンの元を訪ねるのが通例であった。
今日の桜花は、手に下げている手土産のほかに、もう1つの手土産を持参していた。
言うまでもなく、カズキとまひろの一件だ。
「この話を聞かせたら、パピヨンはどんな反応を示すかしら…ふふふ」
自分の「確信」を、あの頭脳明晰な男なら、どう判断するだろうか。
「…到底信じられん話だな、桜花。ティータイムのネタとしてはまあ、面白くないこともないが」
顎の下で手を組みながら桜花の話を聞いていたパピヨンは、そういって薄く笑った。
「貴方がそう言うのも分からなくはないけどね。疑うに足るだけの状況証拠にはなると思うわよ」
「武藤と妹が…どう想像力を働かせても想像出来ん。確かにあの年頃の兄妹にしては仲は良いみたいだが、
桜花…自分と弟がそうだからといって、他人まで色目で見るのは、下種の勘繰りというものだろう」
「パピヨン…なんで貴方が秋水君と私のことを…」
「…これは面白い。お前まさか、周囲にバレていないとでも思っていたのか!」
これは堪らん、とぱかりに大口を開けて笑い出すパピヨンの声に一瞬硬直した桜花は、ふうっと一つ溜息をつくと、
「周囲には気を配っていたのに…それに誰からも秋水君とのことなんて、探られたことも…」
「LXEは人倫を重んじる組織などではない。それに、信奉者の姉弟がいつどこで乳繰り合っていようが、どうでも良いことだ」
カズキとまひろの話を振ったのに、思わぬところに話が飛び火してしまい、面食らった桜花であったが、そこはそれ、
あっという間にいつもの仮面を取り戻すと、途切れた話題の方に水を向けなおした。
「で、そのカズキ君とまひろちゃんの事なんだけど…」
「早坂桜花! 貴様、この俺に何をさせたいのだ! 何をたくらんでいる!」
パピヨンが桜花の言葉を遮った。
「貴様は油断ならん女だ。白い核鉄の時にも、あわや一方的に利用されるところだった。前にも言ったが、
俺は人を利用するのは大好きだが…」
「人に利用されるのは大嫌いだ、でしょ」
お返しとばかりに桜花もパピヨンの言葉に割り込む。そしてにっこり笑うと、形のいい唇を開いた。
「共通の敵に復讐するために協力しない? と言っているのよ、パピヨン」
314: ◆r3ErOsMnWo
09/02/27 02:35:06 uUBcUdUC
「今日はいい天気でよかったな」
そう言って笑うお兄ちゃん。さっきまで電車の中で、私のパンツの中に指を入れてかき回していた変態さんとは、
思えないくらいのさわやかさだ。それにひきかえ私は…さっきのアレで、腰がちょっとわらっちゃってる。
それにクロッチの部分がヌルヌルでちょっと気持ち悪い…かも。お兄ちゃん、朝から飛ばしすぎだよー
「いやまひろ、俺はあの程度じゃ、まだ飛ばしてないぞ!」
お兄ちゃんが興奮して、ズボンの中で精液を飛ばしたかどうかなんて、聞いてないんだけどな…ってまあ、
こうやってどこか言うことのピントがずれているのも、いかにもお兄ちゃんらしくていいかも。
「さてまひろ、どこに行こうか。まだ時間はたっぷりあるぞっ!」
じゃあまず私の下着を買いに行こう! そういった私を、お兄ちゃんはちょっとぴっくりして見ている。
パンツ穿き替えたいんだよね。それに、カップルで下着を選ぶのって、なんか恋人っぽくていいじゃない。
それに、お兄ちゃんのいたたまれなそうな姿ってのも見てみたいしね。さっきのいたずらのお返しだ。
「いやまひろ…流石にそれは勘弁して欲しいな…男がああいう場所には…」
そういって当惑するお兄ちゃんの腕を引っ張って私は、眼前の百貨店めがけて歩き出した。
さて、カズキがまひろの羞恥プレイの洗礼を受けている頃、パピヨン邸では恐るべき共同作戦遂行に向けて、
桜花が熱弁を振るっていた。
「私も貴方も、津村さんには恨みこそあれ、恩義などないはずよ。もし武藤君とまひろちゃんの一件が私の予想通りなら、
2人を後押しすることで、あの女に間接的に復讐が出来ると思うんだけど」
「恩義などない…とはこれまたとんだ恩知らずだな、桜花。俺の記憶が確かなら、貴様、ブチ撒け女の核鉄で
命を救われたのではなかったかな?」
「貴方から人としての信義について、お説教されるとは思わなかったわ、ふふっ」
「別に説教などしておらんよ。人間社会の信義だの恩義だの、俺にとってはどうでも良いことだ。ただ、お前は人間だろう?
人間のお前ならば当然拠るべきと思われる立場から、当然の疑問を発したまでだ、俺個人の意見ではない」
しれっとそう言い放つとパピヨンは、顎の下に手を添えてふうむ、と一言息をつくと、やおや話し始めた。
「…まあこの俺も、あの女に恨みはないわけではない」
ホムンクルスと化しても生きたい、そう願った人間の頃の自分に対し、「貴様など死んでしまえ!」と言い放ったあの女。
今となっては強烈な復讐の念こそ持たないものの、事あれば嫌がらせくらいはしてやりたいと思うのも事実だ。
「しかしそのきっかけが、貴様が持ってきたような不確定情報というのではな…まあ、それは構わぬか。どちらに転ぼうが、
別に俺が損をするというわけではなさそうだ」
…積極的にではないとはいえ、桜花の話に乗る素振りをみせたパピヨンに、桜花は一瞬してやったりという笑みを浮かべる。
「貴様の真の目的はブチ撒け女への復讐だけか? あの兄妹が自分と同じ境遇にあるなら、後押ししてやりたいと思っているのか?」
さあどうかしら、と曖昧な答えを返す桜花を片目で見やりながら、パピヨンはもう一つのファクターに思いを馳せる。
「武藤妹の桜花に対するカモフラージュが、桜花の言うとおりの意図だとしたら、あの能天気娘はなかなかの策士ということになるな。
桜花ならば自分たちの味方になってくれると踏んだのだろう…ふふ、にわかには信じ難いがな」
まあこれは今、あれこれ類推しても仕方のないことだ。パピヨンは桜花に向き直ると、口端を上げながらこう言った。
「お前の勘がどの程度のものなのか、ここは一つ乗ってみるとしよう。暇つぶしくらいにはなるだろう」
315: ◆r3ErOsMnWo
09/02/27 02:35:40 uUBcUdUC
下着売り場での公開羞恥プレイを存分に味わった後、映画館の一番後ろの端の席。人目につかないところで、俺はまひろと肩を並べて
スクリーンに目を向けていた。
けど、正直映画の内容なんかほとんど、頭に入ってこない。下半身の感触の方がどうしても気になってしまう。
ズボンのチャックから飛び出たペニスを、まひろの右手が規則正しく上下に扱いている。カウパー液が潤滑油になって、
亀頭から根本までねっとりと薄く覆っているのが分かる。
…それにしてもまひろの力加減は、まさに生かさず殺さずって限りで絶妙だ。さっきから透明な液が駄々漏れだけど、
精液本体を出すには至らないのだ。右手でこんなことをしながら、まひろは平然とスクリーンを見ているのだから、我が
妹ながら大したものだ。
たまにはきちんと映画を見たいと言うまひろ、映画なんかどうでもいいから、暗がりでエッチしたいという俺。
そして出てきた折衷案が、映画の間まひろが、ずっと俺のペニスを手で扱いてくれるという案だった。
それじゃ俺もまひろのアソコを指で…という俺の申し出は、「そんなことされたら集中できないでしょ」という言葉で
拒否されてしまった。くそう…次の暗がりデートスポット、水族館では絶対に俺がまひろを…
あれこれとエロいことを考えていたらいきなり、「お兄ちゃん、出そうになったら一言言ってね。床やシートに飛ばしたらまずいでしょ」
耳元でまひろにこう囁かれた。今の俺にはそれもこそばゆくて、興奮の起爆剤になってしまう。
何分くらい経っただろう。限界を迎えた俺が、「まひろ…」と呼びかけると、まひろは手早くスカートのポケットからハンカチを取り出して、
右手に持って俺の亀頭を包むと、左の手で根本を上下に扱きながら、ハンカチ越しに右手で亀頭を撫で回した。
薄い布地の中に、熱いものがじんわり広がっていくのを感じながら、俺は息を荒らげてシートに身を沈めたのだった。
「まひろ、ハンカチ大丈夫だったか」
化粧室から出てきた私に、お兄ちゃんが声をかけてくる。
「とりあえず洗ったけど、お兄ちゃん…凄い量。斗貴子さんとはちゃんとエッチしてるの?」
嫌がられるかな、と思いながら、どうしてもそこが気になってしまう。いや、べべ別に嫉妬しているわけじゃなくてね、
彼女とのエッチの回数が激減したら、ほら、浮気を疑われて、私たちの関係が斗貴子さんにバレちゃったり…ね。
「いや、まあ、そっち方面は全然変わらないけど…」
照れながらぼそっと話すお兄ちゃん。私とのエッチのときは結構大胆なのに、斗貴子さんの話を振ると照れるのも
なんか可愛い。
「そろそろお昼だね。お兄ちゃん、あんまり混まないうちに食べに行こう」
何を食べようかな。出した分のたんぱく質、ちゃんと補充しないといけないよね。だとすると…お昼は焼肉?
焼肉食べる2人は深い仲…とか…
なぜか妙に顔を赤くしているまひろの肩を抱きながら、カズキたちは、映画館を後にしたのだった。
316: ◆r3ErOsMnWo
09/02/27 02:37:22 uUBcUdUC
異常です。じゃなくて、以上です。
久々に続きを書いたもので、なかなかスムーズにかけなくてやや苦戦。
はてさて、これからどんな展開にすべきか、というより続きが書けるのだろうか。
それでは( ゚∀゚)
317:名無しさん@ピンキー
09/02/27 07:15:25 C30dNpGA
>>316
GJ!!(*´Д`)ハァハァ
相変わらずエロ過ぎ兄妹具合が良かったです。良ければ続きをぜひ。
318: ◆r3ErOsMnWo
09/02/28 03:47:17 3Dw2aQ1F
筆がのったので「続々・ふたりのじかん」の続きを投稿します。
エロやや抑え目、桜花が暗躍で波瀾の予感?
カズキとまひろがたんぱく質補給…もとい、昼食へと向かっているとき、パピヨンのアジトでも、桜花が
昼食用にと持参したミートパイが温められ、香り高い紅茶とともに、2人の昼食として供されていた。
「ただ…な。いくら興味深い話とはいえ、前提が単なる推測というのではどうしようもない」
切り分けられたパイを口に運びながら、パピヨンは桜花を見やる。
「まず、貴様の推測が事実であるかどうかの確認が必要だ。具体的な話はそれからのことだ」
「…どうやって事の真相を探れば良いのかしらね。2人とも、事が露見しないように最大の注意をしているでしょうし」
いかにも「困った」といいたげに笑いながらパイをつまむ桜花に、パピヨンは冷ややかな目線を向けた。
「それを探るのは貴様の仕事だろう、油断ならん女だ。さっそくこの俺を利用しようと企んでいる」
「2人を終始監視するなんて不可能よ。私も大学の授業があるし…それに尾行なんて自信ないわ」
「桜花、お前は俺に、武藤たちをストーキングして、現場を押さえろとでも言うつもりか?」
ふふん、と鼻を鳴らし、パピヨンはティーカップを持ち上げる。
「無粋な…この蝶サイコーな俺様に、ストーカーをしろだと?」
「貴方はもともと、武藤君のストーカーみたいなものじゃなくて? 私よりは適任だと思うんだけど。
…まあ、確かに貴方じゃ目立ちすぎて逆効果ね。事実は私が確認するから、何かいい知恵はないかしら?」
事実確認にパピヨンを巻き込むのは諦めた方が良さそうだ、と一歩引いた桜花に、パピヨンはニヤリと笑いながらこう言った。
「貴様の推測が事実ならば、一番確実な確認方法は、本人に直接聞くことだ。
武藤の妹がお前を味方に引き入れるため、敢えて兄との関係を匂わすようなカモフラージュをお前の前でしたというなら、
正面切ってぶつかるのがもっとも妥当な方法だ」
思わず考え込んでしまった桜花に、パピヨンは言葉を続ける。
「もし貴様の勘違いだったら、薮蛇になりかねんな、桜花…だが、この程度のリスクを平然と負えない様では、到底あの
ブチ撒け女への復讐など出来んし、俺も協力する気はないぞ」
桜花の決意を試すかのように、パピヨンは口角を釣り上げて、じっと桜花を眺めている。それを見た桜花は決意したように口を開いた。
「貴方の言うとおりね、パピヨン。まひろちゃんに直接当たって、事の真意を確かめてみるわ。
で、そこで貴方にも…」
桜花の話を聞き終えたパピヨンは、いかにも楽しげに、桜花に言葉を返した。
「…良かろう、その程度の労は取ってやる。では、早坂桜花のお手並み拝見と行こうか」
「う~、食べ放題とは言え、少々食いすぎたかな?」
「私もお腹いっぱいだよ~」
お昼ごはんは焼肉がいいー、となぜかハイテンションなまひろのリクエストで、焼肉を食べに行ったわけだが、
俺たちは高校生。ちゃんとした焼肉屋じゃ出費が嵩むし、質より量…ってなことで、食べ放題の某焼肉チェーンで
昼食をとった俺たちは、腹ごなしに腕なんぞしっかり組みつつ、通りをブラブラと歩いていた。
「お兄ちゃん…次の行き先は水族館?」
「ん? 俺はそのつもりだけど、まひろはどっか行きたい所あるのか?」
「ううん、聞いてみただけ、えへへ」
そう言って肩に頭をコツンと預けてくるまひろ。妹ながら本当に可愛い奴だ。
斗貴子さんとのデートもいいけど、まひろとのデートってのもいいものだなぁ。第一、斗貴子さんはまひろみたいに
デート中にエッチなことをしようとすると「人目がある!」って嫌がるし。
朝の電車での痴漢プレイ、映画館での手コキを思い出すと、また股間がムズムズしてくる。我ながら因果な性欲の強さ。
「お兄ちゃん…またエッチなこと考えてるでしょ。水族館はちっちゃい子どもを連れた親子とかいるし、人目もあるから
映画館のときみたいに、青筋立てたオチンチン出さないでよ、逮捕されちゃうし…ね、今度は私をいっぱい触ってよ」
こそっと呟くまひろの声に、また股間がズキンと疼いてしまう。斗貴子さんとのデートでは味わったことのない、感触。
「まひろ、水族館行きのバス、あと5~6分でくるぞっ」
動悸を隠すようにまひろに声をかけると、俺たちは少し足早にバス停へと向かった。
319: ◆r3ErOsMnWo
09/02/28 03:48:10 3Dw2aQ1F
一人で過ごす日曜日が、これほど暇とは思わなかった。
以前は一人でいてもこんな気持ち、微塵も感じたことはない。まあ、戦団に居た頃、休日は訓練に明け暮れていたからな。
今日カズキは、まひろちゃんと隣町に遊びに行った。映画館や水族館にいったり、ショッピングを愉しむそうだ。
「斗貴子さ~ん、日曜日、お兄ちゃん貸してちょうだい! このとおりっ!」
そう言って手を合わせて私にお願いするまひろちゃん。もとより私に異論などなかった。
前にカズキとも2人で話したけれど、カズキとまひろちゃんはもう少し、2人だけの時間を持つべきだと思う。たった2人の兄妹なのだから…
私は一人っ子で兄弟姉妹がいなかったから、仲の良い2人の関係はちょっと羨ましい。
普通、カズキくらいの年齢だと、異性のきょうだい同士は疎遠になるか、仲が悪いのが普通のようだが、あれだけまひろちゃんに
好かれているのだから、カズキは何だかんだ言って、すごくいいお兄ちゃんなのだろう。
…ああ、そういえばもう一組、私の知人でやたら仲の良い異性のきょうだい(姉弟)がいるが、アレはまた別だ。
あの2人はドロドロし過ぎていて、不健全極まりない。とても微笑ましいなどと形容できるような間柄ではない。
あまり想像したくないがあの2人、身体の関係を持ったこともあるのではないだろうか?
カラン、と氷の落ちる音がして、私は我に返った。昼時の喫茶店で、私はなんとまあ、非生産的な思索にふけっているのだろう。
ズズズッ、と薄くなったアイスコーヒーを一気に啜ると、私は伝票を片手に立ち上がった。
時間は12時45分。一日はまだ、長い。
私ももう少し、休日、一人で過ごす時間の使い方を覚えなくてはな。
「今日はなかなかに面白い話を聞かせてもらった。まあ…気が向いたらまた相手をしてやろう。
あと、日時と場所が決まったら、直ぐに教えろ。貴様が首尾よく目的を達成できるかどうか、この目で見てやる」
そんなパピヨンの言葉に送られて、早坂桜花はアジトを後にした。
「流石に抜け目ないわね…あっさりかわされた挙句、まひろちゃんに直接コンタクトするという言質を取られてしまったわ…」
やはり桜花は、カズキとまひろの関係を探るために、何とかしてパピヨンを利用しようと考えていたようです。
「けれど、私の推測は絶対に間違っていないはず。ならば恐れる必要もないはず」
まひろちゃんが私に白羽の矢を立てたのは、私が自分と同じ境遇に居るから、協力者になってくれると踏んでいるから。
具体的にどういう「協力」を求められるのかは分からないけど、それはおそらく、結果的には武藤君と津村さんの仲を引き裂くことに
繋がるはず。
まひろちゃんが私と津村さんとの間の因縁を、詳しく知っているとは思えないけど、私が津村さんにかねがね含むところがあるのは、
おそらく感づいているはず。
…こう考えると、いったいまひろちゃんが何を意図し、何を考えているのか、ますます気になってしまう。
私は携帯を取り出すと、まひろちゃんにメールを打った。
「桜花です。まひろちゃん、今週、時間作れるかな。2人で遊びに行かない? 冬物のバーゲンが…」
ささっと打ち終えて送信すると、私はふうっと大きく溜息をついた。あとはまひろちゃんの返事待ちだ。
…さあ、せっかくのお休みだし、気晴らしにどこかに行こうかしら?
320: ◆r3ErOsMnWo
09/02/28 03:48:54 3Dw2aQ1F
バスが来るとお兄ちゃんは、私を後ろから抱えるようにして乗り込むと、最後尾の座席の左側の窓際の席に私を座らせると、
その隣に腰を下ろした。もう…お兄ちゃん、映画館の時と同じじゃない。バスの中でくらい我慢してよー
「まひろ…シートに少し寄りかかるみたいに腰を掛けて…そう」
その言葉で私がシートに寄りかかるみたいに腰をかけると、お兄ちゃんは深く腰をかけて、上体を少し起こし気味の体制を
取ると、そのまま右手を私の太ももにおいて、スカートの中に指をもぐりこませ、内ももを指のお腹で撫で始めた。
座席はあらかた埋まっているけど、立ち乗りの人は前の方に固まっているし、横に座っている人からも、なにをしているのか
見えにくいかもしれないけど…お兄ちゃん…くすぐったい…
「水族館は久しぶりだなー、まひろもそうだろ?」
何事もないような素振りをしながら、お兄ちゃんの指は、少しずつ上に上に這い上がってきている。
うー、私が内もも触られるの、すっごく弱いこと知ってて愉しんでるな。それも朝の電車のときみたいに激しく指を使うんじゃなくて、
さわさわと撫でるように感触を愉しんでる。斗貴子さんとのデートでも、お兄ちゃんってこういうことしてるのかな。
「私も久しぶりかなー、前来たのは中学? ええと、小学生だったかな」
思わずちょっと声が震えちゃう。あまり意識しすぎると、またその…パンツを汚しちゃいそうで。
お兄ちゃんとのデート、替えの下着は必需品だ。次からは絶対に忘れないようにしよう!
それはそうと、お兄ちゃんと遊びに行くのに、替えのパンツ持ってく妹なんて、日本に一体何人いるんだろうか?
…エッチなお兄ちゃんを持つと、妹もいろいろ大変デス。
ていうか、お兄ちゃんやっぱり欲求不満なのかな。斗貴子さんとのエッチじゃ物足りないのかもね。
「桜花…」
カズキのいない休日。ただでさえちょっと憂鬱な上に、ばったりと見たくもない顔を見てしまい、私は思わず一瞬眉を
顰めてしまった。この腹黒女め、ホントにどこまでも祟る奴だ。
対する桜花は、相変わらず本心の見えない笑顔でにっこりと「津村さん、こんにちわ」などと悠然と挨拶なぞしている。
「ああ、珍しいな」
「せっかくの日曜日というのに、今日は武藤君とは一緒じゃなくて?」
なにが「一緒じゃなくて?」だ、この似非お嬢様め。見てくれだけなら、言葉遣いが見事にはまっているのも何とも腹立たしい。
「もしかして、武藤君にも愛想を尽かされたのかしら? ふふっ」
この野郎、いちいち癇に障ることを…あのときカズキの情にほだされて、核鉄を貸してやるんじゃなかった。
「カズキは今日は、まひろちゃんと遊びに出かけている」
「ふうん…で、貴女は仲間はずれ…要は妹さんと、武藤君を取り合って負けた訳ね」
「たまには兄妹水入らずで過ごすのもいいだろうと、私の方からも勧めたのだ。いちいち気に触る言い方をするな!」
桜花が私を挑発して楽しんでいると半ば承知しつつも、相手をしてしまう私も私だ。この手合いは何か言えば直ぐに言葉尻を捉えてくるのだ。
「ま、一人身の事情はさておきまして、せっかくこうして会った訳ですし、どうです、お茶でも…」
「断わる!」
「つれないですわね。彼氏以外の人ともたまにはちゃんとお付き合いしないと…ただでさえ、お友達があまり多くないのに」
丁寧語での憎まれ口を背中に受けつつ、私は踵を返して歩き出した。ホントにもう…散々な日曜日だ。
寮に帰ったら夜、カズキに慰めてもらおう。
321: ◆r3ErOsMnWo
09/02/28 03:49:22 3Dw2aQ1F
「ホント、つれない人…」
去っていく斗貴子の背中を見ながら、桜花はボソリと呟いた。
「でも、津村さんは、武藤君とまひろちゃんがただならぬ関係にある、などということはまったく、考えてないみたいね。
そして武藤君は今日、まひろちゃんと2人っきり…ふふ、私の推測が俄然、現実味を帯びてきたみたいね」
そう言いながらにっこりと笑みを浮かべる。
「これでまひろちゃんに真意を確かめて、2人の仲が本当だとしたら…これは傑作ね。
でも、津村さん、事実だとしても、貴女には教えてあげないから。当事者の中で、貴女一人は蚊帳の外よ。
まひろちゃんと武藤君の関係を知らないままのピエロを演じるのか、まひろちゃんに武藤君を奪われるのか、これは見ものね。
私と秋水君を殺そうとしたブチ撒け女は、生きながら地獄に落ちれば良いのよ!」
優しい笑顔の下で、こんなことを考えているとは…早坂桜花の斗貴子への恨み、もって知るべしというところだろう。
さて、ほぼ同時刻、カズキとまひろはと言うと…
水族館ではしゃいでいた。
映画館では、まひろの手コキ以外ではいまいち、テンションの上がらなかったカズキであるが、水族館では一変、さながら小学生の
ごときハイテンションで、移動しながら展示されている水槽を覗き込んでいる。
てっきりお触り攻撃で碌に水槽など見る暇もないのではないかと思いつつ、そんな痴態を期待していたであろうまひろはと言うと…
兄のカズキと同じくらいはしゃいでいた。
「クリオネ可愛いー♪」
「不思議な生き物だよなぁ」
手こそしっかりと恋人繋ぎで握られてはいるものの、それ以外は取り立てて、公然猥褻に該当するような接触もないまま、
まったりと水族館デートを愉しんでいた。インターバルというところだろうか。
2人の日曜日はまだ、終わらない。
322: ◆r3ErOsMnWo
09/02/28 03:53:06 3Dw2aQ1F
と、以上です。
やっぱりモノを書くときは、あまり時間を空けるべきではないですね。
さて、カズキとまひろの禁断の関係、行き着く先はどうなるのでしょうか。
そして桜花とパピヨンの暗躍がどう絡んでくるのか。なんとか書ききってみたいと思います。
それでは( ゚∀゚)
323:名無しさん@ピンキー
09/02/28 08:15:48 GUOlgqlZ
>>311 の「カズキが斗貴子さんに逆チョコ」という一文に触発されて書いてみたよ。
でもそれ以外なんも再現できなかったよ、ごめんね。
おまけにエロもないよ、ごめんね。
でも一応ネタモトは311だから、ここに落とすよ、ごめんね。
SSはまさに世紀末。
ああそう、、大甘展開注意ですよ。
「何を隠そう、俺はチョコレート作りの達人だッ!」
寄宿舎の調理室にて、仮面ライダーの変身ポーズで、華麗に宣言。
…ホントは、別にそんなこともないんだけど。でも、とりあえずコレは言わなくちゃだよな。
そんなくだらないことを考えながら、俺は目の前の調理器具群とチョコレートをにらみつけた。
「道具がそろって、材料もそろって、これからが腕の見せ所! さぁ、やるぞ!」
「何をやるんだ、カズキ?」
振り向くと、キレイな濃紺の髪。
「…? 何を驚いてる?」
この人に出会ってから初めて、顔を合わせたくないという瞬間だったのに、
どうしてあっちゃうの………。
324:名無しさん@ピンキー
09/02/28 08:16:46 GUOlgqlZ
さかのぼること、約1日。
「逆チョコ」
「は?」
登校直前、朝一番で俺の部屋に部屋にきたまひろが、たった一単語を俺にぶつけてきた。
「なに、なんて?」
「だから、逆チョコだよ。明後日、バレンタインデーでしょ。
お兄ちゃん、ちゃんとお義姉ちゃんにチョコレート用意してるの?」
まひろは何故か怒り半分でそう言った。
俺は驚いて、思ったままを言い返す。
「ちょ、ちょっと待て。バレンタインだろ?
……こんな言い方おこがましいけど、俺、もらう方―」
「お兄ちゃんの時代遅れーッ!」
頭に響くまひろのハイトーン。
「あのね、お兄ちゃん。今年は、男の人の方が女の人にチョコを送る、ってのが流行りなんだよ。
だから『逆チョコ』。……あとは、分かるでしょ?」
「……俺が、斗貴子さんに?」
俺がそう呟いて、やっと、まひろの顔がぱあっと明るくなった、
「そう! 手作りのね!」
「……斗貴子さんにチョコ………え、ちょ、ちょっと待って!」
斗貴子さんにチョコをあげる。そのことは全然いやなんかじゃなかった。
でも、今のまひろの発言は見逃せない。
「手作り? ハンドメイド?」
「そう手作り。ハンドメイドだよ」
「俺が?」
「そう、お兄ちゃんが!」
それはちょっと難しい、と言う前に、まひろが口を開いた。
「……お義姉ちゃん、喜ぶだろなー。
当たり前みたいに渡して、さりげなく手作りアピールしたら、すごく喜んでくれると思うよ?」
ふと、斗貴子さんの笑顔が脳裏に浮かんだ。
優しくて、抱きしめられたような気分になる、柔らかなほほえみ。
そんなふうに顔をほころばせて、『ありがとう』と言ってくれる斗貴子さん。
そのまま、俺の首に腕を回して、俺をぎゅっと抱きしめて……。
ああああっ、駄目だ駄目だ!
あぶないところまで進んでしまった想像を振り払い、でも心を決めた。
「まひろ……俺、頑張ってみるよ!」
325:名無しさん@ピンキー
09/02/28 08:17:48 GUOlgqlZ
そして、今。
調理器具はまひろに用意してもらったけど『作るのは全部お兄ちゃんの自力じゃなきゃ駄目』と
つっぱねられてしまったので、お菓子作りの本を片手にさぁ始めようかと思った、まさにその時。
「……ふむ、チョコレートか」
俺の前に並んだ品々を見て、そういう斗貴子さん。
「う……あ…うん、そうなんだ…」
どうして、あってしまうんだろう。
「あ、と、斗貴子さん?」
「うん? 何だ?」
「こ、こんな朝早くにどうしたの? 調理室に、何か用があったの?」
とりあえず、悪いけどこの場だけは斗貴子さんに出て行って欲しい。
さすがにサプライズを前提とした逆チョコ作りを見届けてもらうわけにはいかないし。
「あー……いや、まぁな」
何故かさっと顔を背けた斗貴子さんは、すぐに俺に向き直って同じ事を俺に聞いてきた。
「そ、そういえば、キミこそどうなんだ? キミが調理室なんて珍しい」
「それは……その…」
まずい、墓穴った。
今度は俺が視線をそらした途端、斗貴子さんが、あぁそうか、と呟いた。
「バレンタインデーだろう? 名前は何と言ったか……流行りらしいからな」
ば れ た 。
なんてこった。
最高に最悪だ……。
「ええと……そうだ、『友チョコ』というやつだろう?」
「うんそう友チョコ……え?」
斗貴子さんのまさかの発言に、斗貴子さんの顔を見直してしまった。
だが、斗貴子さんの表情はいつもと変わらない。
「キミは友達をとても大切にしているからな……男同士でもあげるとは知らなかったが。
まぁ、悪くない事だと思うぞ? 日ごろの感謝を形にすると言うのは……」
………驚くべき事に、本気だこの人。
斗貴子さんってちょっと変な人だとは思ってたけど……。
そんなことを考えていると、きっぱりと斗貴子さんがこう宣言した。
「……よし、私も手伝おう」
「…え?」
俺があっけにとられている間に、斗貴子さんは手早く動き始める。、
「あ、ちょ、ちょっと待って斗貴子さん! いいよ、一人でやるから…」
「じゃあ湯せんのやり方、言ってみなさい」
「え。……ちょっとまって、今調べるから」
「ほら見ろ。私が手伝ってあげるから、心配しなくてもいい。…どうせ、ついでだ」
いや、手伝ってくれるという事態が、心配事なんです斗貴子さん…。
326:名無しさん@ピンキー
09/02/28 08:18:57 GUOlgqlZ
どうしよう、斗貴子さんにあげるべきチョコを、斗貴子さん自身に手伝ってもらうなんて。
こんな情けない話があるだろうか。
俺がどうしようかとおろおろしてる間にも、斗貴子さんはてきぱきとチョコ作りの準備を始めている。
というか、ほぼ湯せん終わっている。
まずいなぁ……。
「ほら、カズキ。準備は終わった。で、どんなチョコを作りたいんだ?」
「え、あ、うん…ありがとう」
本格的に、まずい。
これ以上手伝ってもらうと、斗貴子さんにも申し訳ないことに……。
「と、斗貴子さん、これ以上はいいよ、ほんとうにありがとう。ここからは自分で―」
「今からこのチョコはどう加工するんだ?」
「……まだ、調べてないです……」
斗貴子さんは、全く、とため息を吐いて、腰に手を当てた。
……斗貴子さんは男らしいなぁ……。
そう思っていると、斗貴子さんは、さっきと比較にならないぐらい弱々しい声で、何かを呟いた。
「………か」
「え? ごめん、斗貴子さん、今なんて?」
「……迷惑、だったか」
斗貴子さんが真摯な目で俺を見つめた。
「その……キミにも秘密にしたいことはあると分かっていたつもりだったが……
軽率だったな、すまない。私は席を外すから、あとは―」
「ま、待って! 待って!」
いつぞやのように、がしっと斗貴子さんの両肩を捕まえて、斗貴子さんの目を見る。
「その…そういう意味じゃないよ」
「…じゃあ、なんで今日に限って私を遠巻きにしようとするんだ?」
「それは……」
それは。
言えないことだ。
327:名無しさん@ピンキー
09/02/28 08:19:33 GUOlgqlZ
……でも。
こんな事で斗貴子さんの心に傷をつけてしまうなんて、あまりにもばかばかしい事だから。
「……逆チョコ」
…言ってしまおう。
「え?」
「斗貴子さんは知らないみたいだったけど…。
逆チョコって、つまり、バレンタインに男から女の人に贈るチョコの事だよ。
それを作ってたんだ」
斗貴子さんは目を見開いて、きょとんとしていた。
「……もちろん、斗貴子さんに」
恥ずかしいけど、そう言い切ってしまった。
斗貴子さんは……。
「……………」
固まってしまった。
たっぷりの時間をかけて、首の下からかーっと赤くなっていってるのが何だかかわいい。
額まで真っ赤になった頃に、ため息を吐きながらくずおれてしまった。
「あ、と、斗貴子さん!?」
「なにかと思えば…そういうことだったのか」
斗貴子さんはもう一度大きくため息を吐くと、立ち上がって、またチョコに向かった。
そして、何事もなかったかのようにチョコ作りを再開する。
「あ、斗貴子さん?」
「…カズキ。私は逆チョコなんて、別にいらないぞ」
「え? どうして?」
「それは……」
振り返った斗貴子さんは、耳まで真っ赤に染め込んでいた。
「私が、キミにチョコをあげるからだ」
ぶっきらぼうにそう言うと、すぐに正面を向いてしまった。
「別にもらうのが嫌なんじゃ無いぞ。ただ、チョコを交換するより、
キミには何も考えず、私のチョコを味わって欲しいんだ」
湯せんされたチョコをヘラでかき混ぜながら、斗貴子さんが続ける。
「それに…こんなこと言うのもなんだが、キミはちゃんとホワイトデーにお返しをくれるじゃないか。
私にはそれで十分だから」
「斗貴子さん…」
思わず嬉しくなって、気づいたら後ろから斗貴子さんを抱きしめていた。
「あ、コラッ…」
驚いた斗貴子さんの手が滑って、ヘラから溶けたチョコのしずくが斗貴子さんの顔にかかった。
ちょうど、傷の辺り。俺は考えるよりもはやく―。
「あぁ、ンッ………」
「……えへへ、何にも考えず、味わわせてもらったよ」
「もう、バカ……」
斗貴子さんは一瞬、顔を背けた…と思ったら、瞬間にこっちを向いて俺の唇を……。
「んむ!? ……ぷはっ、と、斗貴子さん!?」
「……お返しだ」
頬を薄い紅色にした斗貴子さんが、悪戯っぽく笑った。
その後、俺が見てる前で、斗貴子さんが俺にくれるチョコを完成させた。
チョコには、大きな字で『本命』と刻んであった。
――了
328:名無しさん@ピンキー
09/02/28 19:14:50 W5excg7W
投下ラッシュキタコレ
329:名無しさん@ピンキー
09/03/01 00:04:12 xJ662c4t
>323-327
素直にGJ。そしてカズキ、発想が受けに回りすぎだw
>「ふたりのじかん」
姉弟そろって目が濁ってるwww
恩は仇で返す、それが早坂クオリティー
330:名無しさん@ピンキー
09/03/03 00:33:31 Eo8CwNA+
甘いぜ、コイツはとんでもなく甘いぜ!
331:名無しさん@ピンキー
09/03/10 12:20:30 0247bVNE
保守
332:名無しさん@ピンキー
09/03/13 16:13:59 I2pYu41s
さらに保守
333:名無しさん@ピンキー
09/03/18 18:13:56 VN9n0DTK
俺は保守の達人だぁぁぁぁぁ!!
334:名無しさん@ピンキー
09/03/20 23:44:20 ZuyLeyOR
ピンクのキャラサロンのスレ落ちちゃったな
335:名無しさん@ピンキー
09/03/21 10:32:15 6JREQoub
そんなのあったのか!しらなんだ
336:名無しさん@ピンキー
09/03/22 16:48:38 oef2GHt4
似た者同士
ヴィク子「貴方は好き嫌いが多すぎ」
ソウヤ「お前は裏表が激しいだろ」
ヴィク子「服のセンスが無い」
ソウヤ「目付き悪い」
ヴィク子「マザコン」
ソウヤ「ファザコン」
ソウヤ・ヴィク子「「アンタに言われたくない!」」
カズキ・ヴィクター「「二人とも仲が良いな」」
337:名無しさん@ピンキー
09/03/25 02:03:58 5h3u34FU
>>336
もう恋愛成立フラグさえ立っている気がする
338:名無しさん@ピンキー
09/03/27 11:57:29 +Ac2rQ2I
なんかもうそのまま結婚してもいいんじゃね?と思う
仲人はパピヨンで
339:名無しさん@ピンキー
09/04/01 00:09:30 od/2iatU
仲人の条件って「うまくいってる夫婦」だった気がする。
他の夫婦に頼むか、パピヨンに相手を見つけて貰うか…
340:名無しさん@ピンキー
09/04/01 01:11:09 yR8CLAox
武藤家の両親はすごく仲良さそうなイメージがあるが…
パピヨンにはまひろがいたじゃないか、ドラマCDでなつかれて満更でも無さそうだった
341:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:05:47 873gFF3I
とっこさんの太腿って、アニメじゃ中々むちむちだけど
原作じゃ凄く細いよな…
昔はそうでもなかったけど、今見直すと
漫画の細い太腿も結構エロいな
342:名無しさん@ピンキー
09/04/07 23:42:18 POy2MRAm
>>341
おそらく野ブヒ郎先生は細い太腿が好きで、アニメの監督はムチムチが好きなんだろう。
343:名無しさん@ピンキー
09/04/08 10:34:41 PNw9vZZy
>341-342
とっきゅんのへそ出しくらいでエロ?と思っちゃった野ブヒ先生が初心なんだよw
344:名無しさん@ピンキー
09/04/09 06:47:02 1XNMzK29
>>343
なにせ28冊もラブコメ続けても1コマしかキスシーン描けてない和月だしな。
345:名無しさん@ピンキー
09/04/09 13:28:46 WBQ+tQ3m
しかしエンバ-ミングの2巻がなかなか出ないのは
・
・
・
やはり1巻刷り過ぎたのだろうか?
いくら和月とはいえ、SQの知名度は低いし、作風も万人受けは厳しいし・・・
346:名無しさん@ピンキー
09/04/09 17:03:35 Q0Y0SW9I
>>345
1巻刷りすぎたのは事実だし、SQがマイナーとはいえ看板扱いだったし、
作風が受けづらいといってもSQスレではるろ剣や武装は好きという
人達から厳しい意見を出されてるんだよな。ちなみにエンバは好きだよ
よし、一緒にエンバ本スレ行こうか
347:名無しさん@ピンキー
09/04/10 23:37:00 bQAv1MCT
hosyu
348:名無しさん@ピンキー
09/04/11 21:44:23 NzP8XkoE
圧縮が近いな。
349:名無しさん@ピンキー
09/04/12 11:03:55 VBmL8MJT
今なら女体化でも男体化でも何でもおkじゃないだろうか
350:名無しさん@ピンキー
09/04/13 22:49:33 GgyXVjEU
ヴィクトリアものは来ないか。
351:名無しさん@ピンキー
09/04/15 23:12:18 xU5smb3I
相手がソウヤなのかパピヨンなのか。まずそれが重要だ。
352:名無しさん@ピンキー
09/04/16 00:37:04 KM29l3zm
>>351
カズキは?
353:名無しさん@ピンキー
09/04/16 01:35:46 6myw+QRv
斗貴子さんのおへそにキスの雨を降らせるカズキのSSはまだか
354:名無しさん@ピンキー
09/04/16 16:58:17 KaU+Hxgq
なんで蛙井の名前が挙がらないのだろう>ヴィクトリアの相手
ぶそれんのロリ男っつったらまずこいつだろ
しかも物語終結後には一緒に月にいるわけだし
355:名無しさん@ピンキー
09/04/16 20:46:50 plEi3RhF
ヴィク子に言葉責め(蛙井ヴィジョン)されて悦んでる図しか思い浮かばないわけで
356:名無しさん@ピンキー
09/04/16 20:55:45 CohP7TqA
蛙井×ヴィク子って、粘液責めとか子ガエル使って輪姦とか色々出来るじゃない
357:名無しさん@ピンキー
09/04/17 00:23:14 TWF0/d2x
ソウヤだったらノーマル純愛。シリアスorラブコメ
パピヨンだったら両極端。ギャグorひねくれアダルト
蛙井だったら陵辱オンリー
どれがもっとも受けるのか
358:名無しさん@ピンキー
09/04/17 11:10:06 j13Njzul
ヴィク子が蛙井に犯され孕まされボテ腹化、半透明の卵を
ボロボロ産み落とすとかえぐいのだったら書けるかもしれん
359:名無しさん@ピンキー
09/04/18 13:44:14 7Gy1FFAA
>357
あえてムーンフェイス。実年齢近いし。
お茶目な三日月で変人同士ほのぼのするもよし
残酷な新月…じゃねえななんだっけ?しはく?で殺伐とするもよし
全員出してカオスにするもよし
360:名無しさん@ピンキー
09/04/25 00:50:15 nscxnTp9
保守
361:名無しさん@ピンキー
09/04/25 20:44:05 cSRqvZdg
362:名無しさん@ピンキー
09/04/29 23:01:18 T7ZSNAGi
パピ!
363:名無しさん@ピンキー
09/04/29 23:34:26 6TKIWOSv
ヨ~ン!
364:名無しさん@ピンキー
09/05/01 23:42:46 h5aNSKGd
デュワッ!
365:名無しさん@ピンキー
09/05/02 00:47:44 vKQoly4i
パピまぴ補給
まひろ 「パピ!ヨ~ン!パピヨーン!!」
パピヨン「なんだ、またお前か。何の用だ」
まひろ 「ねえねえパピヨンって蝶野って苗字なんでしょ?
下の名前はなんていうの?教えて?」
パピヨン「知ってどうする。俺の名前を呼んでいいのは武藤カズキだけだ」
まひろ 「それでもいいよ。知りたいの」
パピヨン「教えてやらないよん」
まひろ 「ええー…」
パピヨン「…武藤カズキが言ったのか」
まひろ 「え?」
パピヨン「俺の苗字」
まひろ 「ちっがーう。お兄ちゃんは教えてくれなかったよ。
男の約束なんでしょ?」
パピヨン「約束?フン、そんなもんじゃない」
まひろ 「パピヨンって、お兄ちゃんが好きなの?」
パピヨン「俺と武藤の間にあるものは好意でも友情でもない」
まひろ 「そうっか…。ねえ、パピヨン。男の子って、いいね。
男同士の友情ってなんだか特別な感じがする」
パピヨン「友情じゃないと言ってるだろう」
まひろ 「わたしが男の子だったら、お兄ちゃんみたいな
強くて優しくてカッコいい人だったら、
わたしにも名前教えてくれた?」
パピヨン「人前で自分の兄をそんなに褒めるなよ」
まひろ 「わたし、男の子に生まれたかったな」
パピヨン「なら、男になればいいじゃないか。
俺にグダグダ繰言を言っていてもどうにもならんぞ」
まひろ 「違うよ…」
パピヨン「ん?」
まひろ 「パピヨン、わたし、あなたが好きなの!
本当は男とか女とかなんてなんてどうでもいい!
ただわたし、あなたの特別な人になりたいの」
「…」
パピヨン「なら、お前は女でよかったじゃないか」
まひろ 「え…?」
パピヨン「おい、武藤の妹。こっちへ来い。
女に生まれてよかったと思わせてやる」
補給終了
366:名無しさん@ピンキー
09/05/06 23:57:34 pTmdIzfS
保守
367:名無しさん@ピンキー
09/05/09 10:36:19 60MSDvN4
まっぴーみたいなナイスバディな子が
あの素敵なスーツを来たら胸とかお尻とかキツキツで
すごい目の保養になるんじゃないか
やべ辛抱たまらん
368:名無しさん@ピンキー
09/05/10 02:06:44 z7rcJ1RF
パピヨンパークやってたら無性に書きたくなった。
後悔はしていない。
注意、火渡×毒島ですが、なにかキャラが違います。
エロっぽくて実はエロくありません。
369:名無しさん@ピンキー
09/05/10 02:08:33 z7rcJ1RF
皆さん、こんにちは。
私は毒島華花、元錬金戦団の戦士で現在銀成学園に通っています。
え?このガスマスクですか?
えと……その、人前で顔を出すのが恥ずかしくって…。
学園ではかぶらないようにしているんですが……やっぱり恥ずかしくって…。
それに、今日はちゃんとした目的があって核鉄をお借りして来たんです。
本当は私的に核鉄を使ってはいけないんですけど、事情を知った円山さんがコッソリ貸してくれました。
そしてそのまま私は火渡様のお部屋にいるのです。
まず、火渡様のお部屋について説明しますね。
当初は管理人室にブラボーさんと一緒に住んでいたのですが、馬が合わないだのブラボーさんがたまに楯山さんを連れて来たりするのが嫌だとかで一ヵ月程で自分でアパートをお借りしたそうです。
ここはそのお部屋なんです。
で、少し経ってから火渡様は私に合鍵を渡してくれたんです。
『飯作れねぇから作りに来てくれや』
と、言っていました。
実際週末に寄宿舎を抜け出して火渡様のお部屋に行くとカップ麺の容器ばかり転がっていました。
洗濯物だって散らかってますし……。
なので週末は決まって火渡様のお部屋を掃除して、ご飯を作って火渡様の帰りを待っているのです。
火渡様も先生として忙しいらしく昼間は学園にいます。
なので帰ってくるまで時間があるのですが……その…。
私、つい火渡様のベッドで…。
はっ……これ以上は聞かないでください。
それでですね、ここからが本題なんですが……。
帰って来た火渡様はすぐさまご飯を食べるんです。
普段はあんな火渡様もちゃんと美味しいって言ってくれるから嬉しいんです。
それで食べ終わった後はお風呂に入ってすぐに寝てしまわれるんです。
すぐに寝てしまわれるんです。
大事な事なので二回言いました。
……ヒドいと思いませんか?
思春期の少女に家事をさせてまるで夫婦のような一時を楽しんでいらっしゃるのに……。
火渡様、私には一切手を出さないんですよ?
手を出さないんですよ?
大事な事なので二回言いました。
私、こんな外見ですが……あ、マスク外すと単なる子供です。
子供みたいな外見ですが一応……その…期待してるんです。
でも、いつもいつも頭を撫でるだけでキキキ、キスもしてくれず……私めげそうだったんです。
370:名無しさん@ピンキー
09/05/10 02:10:41 z7rcJ1RF
でも私から迫るなんて勇気は無くって。
それで、円山さんに相談してみたんです。
そうしたら、
『あら、毒島ちゃんったら大胆ね♪だったら………ゴニョゴニョ』
と、私にアドバイスと核鉄をくれたんです。
そして、今まさに火渡様が帰ってこられました。
作戦決行です。
『おう、毒島帰った……ぞ?』
『お帰りなさい火渡様♪』
『なんで武装錬金…?』
『エアリアルオペレーター(催淫剤+麻痺毒)』
ぶしゅ~。
『んなっ!!』
ばたっ。
上手くいきました。
私の武装錬金にかかればどんなにお堅いブチ撒け女さんでも発情期の雌猫になっちゃいます。
実践済みです。
今頃調教の達人さんとヨロシクにゃんにゃんしてるはずです。
体の自由を奪われた火渡様は体を痙攣させてます。
さすがに私じゃベッドまで連れていけないので待機させておいた戦部さんに運んでもらえました。
当面の目標は戦部さんに効く麻痺毒の調合になりました。
『あとは若い二人でゆっくりとな』
そう言って部屋を出る戦部さんを見送りながら部屋の空気を清浄に戻します。
空気がきれいになったところで武装錬金を解除。
こんなガスマスク姿じゃ火渡様も興奮できませんよね。
そんなこんなで火渡様も意識を取り戻しました。
『ぶっ……毒島…てめ…』
『心配はいりませんよ火渡様、私がキチンと勉強してきました』
『そういう問題じゃねぇ……』
『円山さんから聞いた火渡様の弱点や責めかたは全部記憶してます』
『あのカマ野郎!!ブッ殺してやる!!!』
痺れがあるので激しく暴れられません、残念。
『では……火渡様…』
『な……なにを』
私は引きつった表情を浮かべる火渡様のズボンに手をかけます。
『火渡様、こんな言葉があるんですよ……世の中は不条理…』
『不条理だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
一気にズボンを下げるとそこには激しく燃え上がる火渡様のブレイズオブグローリーが
ガシッ
『おい』
371:名無しさん@ピンキー
09/05/10 02:13:22 z7rcJ1RF
『あ…あら戦士長………』
『円山……何書いてやがんだ?怒らないでやるから言ってみろや』
『そ、その…押しの弱い毒島ちゃんの為にハウツー本をしたためて……』
『よぉし、いい度胸だ!!テメェ今からダブル武装錬金で焼いてやるからこっち来やがれ!!』
『怒んないって言ったのにぃぃぃ!!』
『うるせぇ!!世の中不条理に出来てんだよ!!』
『いぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
あれよあれよという間に円山さんが火渡様に連れて行かれました。
しばらくすると円山さんの叫び声と共に周囲の気温が急上昇。
取り敢えず半径300m圏内をエアリアルオペレーターで冷却しつつ、円山さんが書いていたハウツー本を見てみる事にしました。
『私こんなに積極的じゃないです……』
取り敢えず本を元の場所に戻しました。
たぶん、火渡様が後で燃やしてしまうでしょう。
それに私にはこんな本は必要ありません。
だって……火渡様は優しく…してくれますから。
『おい毒島』
『何でしょうか、火渡様』
『……今晩…な?』
『……はい♪』
372:名無しさん@ピンキー
09/05/10 02:17:17 z7rcJ1RF
いや、久し振りに武装錬金のSS書いたなぁ。
保管庫にあった昔の俺の書いた火毒SSなんて恥ずかしくって目もあてられないよ。
ん?どれがそうかって?
それは秘密だ!!
なぜならその方がカッコいいからだ!!
しかし照星さんは奥さんいるのかな?
あの歳でいないなら相当ないき……
『こちらへ……』
373:名無しさん@ピンキー
09/05/10 06:46:44 b3NxZKer
>>372
火渡×毒島大好きだからめっちゃ嬉しい
374:名無しさん@ピンキー
09/05/11 00:28:18 cr41tLB3
ちょっと>>372がそこでケシズミになってるけどGJには違いない
GJには違いない
円山さんを見習って二回ry
375:名無しさん@ピンキー
09/05/15 23:06:16 SiSXdiLi
照星さんの奥さんはバスターバロンだろ常識的に考えて
372乙
376:名無しさん@ピンキー
09/05/16 10:34:51 IkKwSgIX
照星「よろしい。本懐である」
377:名無しさん@ピンキー
09/05/16 18:12:54 ypSctuFS
バスターバロンって女性だったのか!
な・・・なんかハジマタ\(^o^)/
378:名無しさん@ピンキー
09/05/24 23:26:12 leqRbt5a
そろそろ保守
379:名無しさん@ピンキー
09/05/26 14:22:58 Utjm/+Uc
こっちはだれもいない…
ヴィク子のニーソックスを脱がすなら今のうち
380:名無しさん@ピンキー
09/05/26 17:24:02 Utjm/+Uc
ふぅ…
381:名無しさん@ピンキー
09/05/27 16:41:28 8uwIbfyy
バロンって日本語に訳すと男爵だよなアッー!
382:名無しさん@ピンキー
09/05/28 09:29:41 PsVLxEy5
「男爵」の男性名詞と女性名詞が同形体だったらなあ…って何言ってんだ
383:名無しさん@ピンキー
09/05/29 17:43:39 58Vl/e+v
誰かカズキがとっきゅんをイジメるSS書いてくれ
384:名無しさん@ピンキー
09/05/29 18:42:28 CiOik9Mz
×⇒イジメる
○⇒いぢめる
385:名無しさん@ピンキー
09/05/31 20:11:57 ORZ4ElyX
女性の男爵も存在するんだが
386:名無しさん@ピンキー
09/05/31 20:42:54 2DUbvJeD
>>385
しかしその場合はバロンじゃなくてバロネスになるわけだが
387:名無しさん@ピンキー
09/06/02 20:56:25 CpVSXxxR
さてとこっちも保守っと
388:名無しさん@ピンキー
09/06/05 11:59:10 9jDT3GlL
火渡様が勃起しそうな毒島たんのロリロリ小説をですね
389:名無しさん@ピンキー
09/06/05 18:37:34 Y+8bGgAD
7月の発売予定にやっとエンバーミング2巻が・・・
390:名無しさん@ピンキー
09/06/06 00:38:31 s2hMnc6o
買わなきゃ
391:名無しさん@ピンキー
09/06/06 00:59:05 mFZrCnK8
今月のリッちゃんは勃起しっぱなしだったな
392:名無しさん@ピンキー
09/06/06 01:34:07 W/G2dhj5
エンバは応援してるけど、最近掲載順悪いし一行感想スレ見ても反応
芳しくないしちょっと不安だ。というわけでまひろは頂いていく
393:名無しさん@ピンキー
09/06/06 09:07:52 nDr62S2m
エンバーミングはよく出来た作品だけど人を選ぶからなあ。
かなりデフォルメされてるとは言え、内容的には相当にグロいしエグいし。
とりあえず今月のリッパー=ホッパーはチョトワロタwww
394:名無しさん@ピンキー
09/06/06 13:06:54 W/G2dhj5
>>393
それが一行感想スレを見ると、グロだから敬遠されてるわけではなさそうなんだ
アンケは出したほうがいいだろうね
395:名無しさん@ピンキー
09/06/06 14:59:20 mFZrCnK8
一行感想スレを作品評価の基準にするのはどうかと思う
396:名無しさん@ピンキー
09/06/06 15:31:25 UgGOUScx
いい加減スレチ
別漫画の話は荒れやすいからそろそろ切り上げよう
397:名無しさん@ピンキー
09/06/06 22:40:20 kQFQQivy
千歳を好む者はおらんのか。無表情でクールでナイスバディで綺麗なお姉さんなんだぞ。
398:名無しさん@ピンキー
09/06/07 12:34:10 86XkHQpU
クラスの皆を洗脳して
とっこさんをエロ衣装+ローターやバイブのまま登校させてエロ授業受けさせたい
399:名無しさん@ピンキー
09/06/08 09:26:23 xeB55rxd
ブラ坊&千歳さんはむっつりすけべいカップルだと思います
熱血&クールな外見からは想像もつかないようなことしてると思います
400:名無しさん@ピンキー
09/06/08 13:32:14 gwps8SXt
千歳×ブラ×千歳
401:名無しさん@ピンキー
09/06/09 10:43:09 GwR3i7MJ
>>398
ふだんのセーラー服以上にエロい服はない!
で、カズキので型を取ったバイブをですね。バックから差し込んで…
402:名無しさん@ピンキー
09/06/09 12:08:54 GhF0lVYi
>398
間接的な陣内×とっこさんですね
よし設定は固まった
403:名無しさん@ピンキー
09/06/12 11:01:12 hCYwWwLW
エロSSを読み女体化パピヨンに目覚めた。
パピヨンが女でも、俺は全然イケることがわかった!!
だが、しかし女体化してもパピヨンが180cmの高身長だと気がつき急速に萎えた。
おわり。
404:名無しさん@ピンキー
09/06/12 12:12:00 LKFXvlnq
>>403
今すぐ今週号のジャンプでワンピースのイワンコフを見てみるんだ!
もしくは蝶天才だから、安永航一郎の陸軍中野予備校に出てきた
中野式変装術(骨格や身長・乳寄せが自由自在)を使えるかもしれないぞ
405:名無しさん@ピンキー
09/06/13 19:34:18 Kn3X0fsR
『誓い』
「どうしたの斗貴子さん? 震えてるケド…やっぱ怖いの?」
オレは両腕で優しく彼女を包み込み、安心させるようにささやいた。
「ち、違うッ! …ただ初めてだから落ち着かないだけだッ!」
斗貴子さんは強がっているというか、緊張しているというか、
薄紅色の傷がさらに真赤になるくらいの表情で応える。
そう…オレ達は今日、本当の意味で一心同体になろうとしている。
勿論、これまでずっとまるごと全部斗貴子さんの事が好きだったし、
これからも一生彼女を守りたい気持ちでいっぱいだ。
しかも、オレ達は将来結婚し子供が生まれるのも判っている。
ソウヤの奴元気かな…。
でもよく考えたら、元気なソウヤをこの時代で
平和に育てるためには、どうしてもやらなきゃいけないコトがあった!
それをまぁ、これからやろうとしていたわけで。
でも実は、オレも初めてだから緊張してないというのはウソになる。
本音を言えば、斗貴子さんのおヘソを見られただけで満足してしまったのだけど、
それだけじゃあソウヤと誓った約束、「再会」は果たせない。
オレは意を決して斗貴子さんを抱きしめた。
次にふたりの手と手が絶対離れないように握りあってから、
斗貴子さんとの、そしてソウヤとの「誓い」を秘め、行動に出た。
「いくよ、斗貴子さん!」
◇
「あぁっ…あんっ!」
今、私はどんな表情(カオ)をしているのだろう…?
出会った頃、最初はきっと険しい表情。
それは、戦いの世界へ巻き込んでしまったカズキへの罪悪感が出ていたハズ。
でも、彼の笑顔は私を逆に戦いの世界から日常へと引き戻してくれた。
彼を守るつもりが実は守られていて、最後はこの惑星をも守ろうとした少年。
そんな彼が私は大好きだ。
それに最近はすっかりカズキ色に染められて、
表情も彼に似てきてしまったのではないかと危惧する始末だが。
サンライトイエローの綺麗な光は、例え武装錬金を発動していなくとも、
私の身体を明るく照らしてくれている。
例えどんな暗闇でも、方向を失わない優しくも力強い光。
灯りの消えたこの部屋であっても、カズキがどんなカオをしているか私にはわかる。
一生離れないと決意したあの日のように、私はカズキと身体を重ねる。
私達の「誓い」がいつまでもつづくように。
今、私はどんな表情(カオ)をしているのだろう…?
<了>
406:名無しさん@ピンキー
09/06/13 20:58:40 HlJb8BZG
ヘソだけで満足できるってどれだけヘソフェチなんだよw
エロイけど笑った
乙
407:名無しさん@ピンキー
09/06/16 10:17:42 GhBNEZ+G
>本音を言えばヘソを
嘘つけ!!!!!!w
つーか人いないなー
せっかく久しぶりに投下あったのに
見てもらえないんじゃ気の毒だなー
408:名無しさん@ピンキー
09/06/20 19:33:12 XB7hqy5u
人の集まり具合には波があるから、これは単純にタイミングでしょう
俺も今日かなり久しぶりに覗きにきたわけで
…とハァハァしつつ>>405乙!
409:名無しさん@ピンキー
09/06/27 20:12:57 XZ9iLibx
保守ついでにまっぴーはいただいていきますね。
410:名無しさん@ピンキー
09/07/01 19:56:39 kYWVnlxX
そろそろまっぴーは返してもらいますねv
411:名無しさん@ピンキー
09/07/07 20:23:50 Lk2LN1yo
まっぴー返すんで次は桜花先輩をつれて帰りますね。
御前様はいらないんでパピヨンにでも渡しておいて下さい。
その際、盗聴はしないようお願いしておいて下さると助かります。
それでは・・・
412:名無しさん@ピンキー
09/07/07 21:22:15 ZYAfDYFP
一時間たったしそろそろ桜花さんをあきみずに返してやってくれ
奴には姉さんしかいないし可哀想だろ
413:名無しさん@ピンキー
09/07/07 21:22:17 auJVrs/u
>>411
待て。桜花先輩はお前にお持ち帰りされたんじゃないぞ。
何か腹に一物あってお前についていったんだ。
騙されるな。
気を許すと骨までしゃぶり尽くされてボロ雑巾のように捨てられるぞ。
414:名無しさん@ピンキー
09/07/08 21:07:59 vYzE2zs4
桜花先輩は腹黒なんかじゃないぞ!
今日だって俺の健康を気遣って料理を教えてくれたし
俺が無駄使いしないようにお金の管理してくれるっていうし
「健康はいつまでも続かないのよ」って保険に入るように手配してくれたし
でも、こんなに良くしてもらっても俺からはなにもしてあげられないから
せめてものお礼に保険金の受取人は桜花先輩にさせてもらった。
明日からはご飯もお弁当も俺が作るよ。
水仕事なんてさせてあの美しい手を荒れさせたくないからな。
415:名無しさん@ピンキー
09/07/08 23:02:56 4Efm1p3p
・・・嗚呼、こりゃ>>414の寿命は後少しだな・・・
416:名無しさん@ピンキー
09/07/09 14:02:45 YBP6DnYz
上げ
417:名無しさん@ピンキー
09/07/10 03:15:05 g6CD8SuC
懐かし漫画スレの>>160 発生SS
「ハンバーガーなんかより人間のほうが何倍もおいしいのよ…」
くるりとカラクリ人形のような緩慢な動きでバイト子が振り向いた。
振り向かれたバイト子の口からはダラリと人のモノとは思えない長さの舌が垂れ下がっている。
「お腹 空いちゃった の 、ね 、テン蝶 何か …… ね ?」
すっと伸びてきた手がパピヨンの腹に当てられ胸元まで指でたどり、くるくると円を描く。
ゆっくりと口の端を吊り上げたバイト子の口の中には鋭利な歯が唾液混じりにギラギラと。
「ね 。 テン蝶 は完全 な ホムン ク、ルスじゃ ないんでしょ ?」
食べさせてお願いと涎で濡れた唇が動く。
蒼白の肌につーっと鮮血。
鋭利に伸びたバイト子の爪先がパピヨンの胸を突き刺した。
「欲しい・・ の 、ちょ ぅだい 。 あの ひと ナにもクレナカッタ」
長い舌を押し付けるようにパピヨンの傷口へと這わせたバイト子が血を舐め、啜る。
突き刺されたままの爪から滴り落ちる紅い体液がバイト子の前髪に伝い顔を染めた。
「不完全とはいえホムンクルスであるオレを食べるというのか、貴様は?」
パピヨンは哀れむような表情を浮かべ見下ろしているバイト子の髪を掴み引き離す。
胡乱な瞳を面倒臭そうにパピヨンに向けたバイト子は
「ホムンクルス ハ タベラレナイ ケド テンチョウ ハ チガウ 」
人の味がするの、だから、も、我慢できないとゆるゆる頭を振った。
「浅ましいコトだ」とパピヨンは鼻で笑い 胸元の傷口に自ら爪を差し込み肉を抉り出すと
顎が外れんばかりに開かれたバイト子の口に押し込む。
閉店後の薄暗い店内にバイト子が肉を喰らう音だけがただ響く。
「タリナイ タリナイ 」
「なんだ、もう食べ終わったのか?欲しければもっとくれてやるぞ」
「モット モット チョウダイ テンチョウ ガ ホシイノ イツモミタイニ モット イッパイ 」
「だが、その前に貴様をそんな体にした奴のコトを教えろ」
パピヨンの声には静かな怒りが秘められていた。
>>167へ
パピ×バイト子が苦手だったら、ごめんね
418:名無しさん@ピンキー
09/07/10 11:20:50 5+ZwVrea
いいよいいよエロイよバイト子…!
>パピヨンの声には静かな怒りが秘められていた。
嫉妬か?嫉妬なのか?
とにかく乙
419:名無しさん@ピンキー
09/07/10 11:47:21 Vu3i9PyG
>イツモミタイニ モット イッパイ
いつもしてたのかよ?!エロイよバイト子(*´Д`)//ア//ア
で、その様子はいつ投下ですか?
420:名無しさん@ピンキー
09/07/10 22:10:01 BSqcPR+F
バイト子とテン蝶って名称がギャグっぽいのに
グロくてエロくてゾワゾワするwww
セリフから妄想が膨らむSSですね
乙でした!
421:名無しさん@ピンキー
09/07/11 22:40:51 xmWgd93L
久々にパピヨンとバイト子のSSキター!!乙!乙!
バイト子がパピパーでバイトしていたのは必然だったんですね。
武装スレって週末に過疎っていること多いよな?
みんなリア充かよ、チッキショー裏山!
422:名無しさん@ピンキー
09/07/12 00:46:37 jXg9qrij
リア充中の>>414は今頃……
423:名無しさん@ピンキー
09/07/12 14:03:06 6tJ+vfaQ
>421
週末だけじゃないよ
夏休みとか、年末年始とか、クリスマスとか
クリスマスとか…
424:名無しさん@ピンキー
09/07/12 23:18:50 qdLIZZ1r
悲しいこと言うなよ・・・
俺は今日、朝から今まで寝ていたぜ!
充実してたなー・・・ぐすん・・・
425:名無しさん@ピンキー
09/07/13 21:41:45 Yt1v4Tph
多分>423はバタ爺
ここでは活躍できないからって
住人にAIWしかけるのやめてください
426:名無しさん@ピンキー
09/07/13 21:59:26 xz7iLE+I
※キャラ違う。※ごめん。※異常な程に女の子は皆オナニー大好き。※男の気持ちの分からない女の子達。
※セクスまでが長い。そして短い。
---
宿舎の一室、部屋中央にテーブルを配置し、その上にはチョコレートやクッキー、そして4つの紅茶。それを囲むのは1年生の仲良し3人に、新たに転入生の毒島を加えた4人だった。
そんな中、毒島は耳を大きくしつつ、真っ赤な顔を俯けていた。
全員が同性といえど、女同士の会話というのは、こうもオープンなものなのか。と思いながら。
「『アレ』・・・本当に凄いね。うん・・・」
「・・・あたしも使ってみたけど・・・ちょっとだけど・・・凄いね・・・アレ」
ほんのり頬を染めながら話すちーちんとさーちゃんを見て、恥ずかしがっているのは自分だけではない事に安心する。
しかし、
「ホント、すっごいよねー」
にこにこと笑って、率先してこの話題を持ち出したまひろには驚愕してしまう。驚愕で開いた口は紅茶を一口飲み込んで閉めなおす。ごっくん。
皆の赤らんだ顔など気付いていないかのようにまひろは続けた。
「あれバイブじゃなくてディルドーっていうんだね。あとあれ、だいたい男の人の標準サイズなんだって。13センチ。太さはどうなのか忘れたけど」
相変わらず天使のデフォルト状態のような人の良い笑顔なのに、とんでもない言葉を発する。
話を追うと、まひろ、ちーちん、さーちんの3人は、毒島の転入以前に、いわゆる大人の玩具を買ってみたらしいのだ。
ちーちんはまだちょっとしか使用した事がないらしいが、まひろとさーちゃんの2人は既にその玩具の実力を十分体験済みらしい。
話の内容は逃げ出したいくらいに恥ずかしかったが、毒島は逃げる事が出来なかった。
実際には、興味があったから逃げようとしなかったのだ。逃げようと思えば『そういえば今日は用事があるんでした。すみません』とかなんとか言えばこの場から『さらばだ!』とばかりに逃走できるだろう。
しかし毒島は少しでも多くの卑猥な情報を知りたかった。
現在絶賛(毒島自身が自分を絶賛)お付き合い中の愛しい火渡といつか卑猥な事をするために。
毒島の予想と偏見とを組み合わせると、火渡は多くの女性と交わった事があるはずだ。
さらに嫌な予想を膨らませると、今現在火渡が付き合っているのは自分だけではないのではないか。
偏見を膨らませると、火渡はとてもテクニシャンで、火渡に依存している女性がいて、毎夜毎晩求められているのではないか。
毒島は架空のいるかも知らないライバルに闘志を燃やしていた。いないかもしれないのに。
いや、いないかもしれないがいるかもしれない。敵には最大の装備で挑むべきだ。そして現在必要な装備は知識である。
それも卑猥なら卑猥なほど強い武器となる、はずだ。たぶん。
色々総合すると、付き合っているけど片思いな気がして、毒島は焦りを感じていた。
英語教師火渡と毒島が付き合っているということを知ってか知らずか、まひろは毒島にも発言を促した。
「華花ちゃんは? 使った事ある?」
「い、いえ、まだ・・・」
言って、毒島はハッとした。言葉の間違いとはいえ、気付いてからは遅かった。
まひろは既にニンマリと笑っていた。
「そっかぁ! 『まだ』かぁ!」
男性経験も既にある、まひろとさーちゃんからたんまりと口頭での技術指導。そしてちーちんも負けじとするかのように豊富な知識。
そして「これで華花ちゃんもデビュー!」とハイテンションでまひろが差し出した未開封のディルドー。
そしてさーちゃんとちーちんが「これもあげる」と女神のように微笑んで差し出した2冊の本。
それらを土産に、毒島は気付いたら自分の部屋にいた。未開封の玩具と2冊の本は鞄にしっかりと仕舞われていた。
皆、私と火渡様がお付き合いしている事、知っていたんだろうなぁ。
毒島は友人の心遣いに感謝して、一拍、やっぱり複雑な想いが駆け巡った後、
皆あんなに清楚で可愛らしいのにとんでもないことをしているんだという事に少なからずショックを受けてしまい、放心した。
427:火渡×毒島
09/07/13 22:02:26 xz7iLE+I
*
火渡は昼寝後のボケっとした頭を覚ますべく、タバコをふかす。紫煙は上るにつれて薄くなっていき、
パタパタと忙しく台所で動き回る毒島の上にある換気口に、料理の匂いと交じって排出されていく。
毒島は可能な限り火渡の飯をわざわざ作りに来てくれる。しかもどんどん上達していっている。いつ火渡が嫁に貰っても良いくらいだ。
強制したわけではなくとも、材料持参で来てくれるので、火渡は休みの日など、いつにもまして何もしなくて良いのがありがたかった。
既に毒島の存在は火渡の生活の面でも気持ちの面でも必要不可欠なものになっていた。
ロリコンと誰に笑顔で罵られようとも、相思相愛なら問題ないじゃないか。と開き直って煙をふかす。
元々毒島の好意には気付いていたが、憧れ的なものだと思い気にしていなかった。
だが、なんとなく毒島が火渡の食事をつくる習慣が根を張ってきた頃、
今のようにほとんど寝ぼけた状態の火渡に食事を並べた毒島が発した「ひ、火渡様! その、あの・・・私! 火渡様がすす好きです付き合ってください! お願いします!」との言葉。
頭が冴えきっていないものだから、何故毒島の顔が真っ赤なのかもスルーし、
つい「おー、別にいいぜ」と『嫌いじゃねぇし』くらいの思いで言ってしまった。あの時の火渡は本当に何も考えていなかった。
年の差とか思春期特有の憧れから言ってしまった衝動的なものに対する思いやりとか、年上が持つべき配慮は出来たてホカホカの料理の上に落としてしまっていたのだ。
食べてから気付いた。自分はとんでもない事に了承してしまったのだと。
そして思った。何故あのタイミングで告白したんだ毒島。
さらに思った。会うたびそんなに世界中の誰より幸せですと言わんばかりに嬉しそうにされては『ちょっと考え直させてくれ』など言えない。
しかし思いなおす。別に嫌いじゃないし嫁として貰って悪い事など何もない。いじらしい程懸命に尽くす最高の女じゃないか。
後悔し悩んでいる間に愛しさが募ったのも事実。
結果オーライだった。
「うまい」
今日の料理もがっつきながら感想を漏らす。
火渡よりもはるかに少ない料理をつつく毒島は、照れて頬を染めながら「ありがとうございます」と少し俯きながら幸せそうな表情をした。
428:火渡×毒島
09/07/13 22:03:32 xz7iLE+I
・・・普通に結婚生活と言っても間違いじゃないんじゃねぇか?
火渡は映画に食い入っている毒島を見ながら思った。
油断するとソファから落ちるかもしれないくらい前に出ている毒島は子供っぽいが、パジャマの柄も子供っぽいが、体つきもまだまだ子供っぽいが、・・・子供だな。
それでも、風呂上りの昼間よりぺたんこな髪やらに色気がない事もない。むしろそそり立つ。
なるほど、ロリコンといわれるわけだ。思いつつ火渡はいつも通り開き直った。相思相愛を免罪符に。
しかし、子供と思うのは年齢差がひらいているからで、同年代の奴等からみたら毒島の無防備なところなど、十分過ぎる色気ではないのか。
斗貴子とカズキは、普段から燃やしたいくらいにイラつく愛し愛されっぷりを周囲に見せ付けている、ドツキ漫才にも見えるが・・・。
あの2人の間に割って入ろう。ましてや略奪愛などはなからやる気が失せるというもの。
しかし、火渡と毒島の場合は、付き合っている事を知っていそうなのはあまりいない。
毒島が友人に話しているとしたら数人が知っているだろう。大多数が噂で知ったとしたとしても、確証は得られない。学校では完全に教師と生徒だからだ。
とすれば、自分にもチャンスがあると勘違いした発情期の男から毒島が誰かから好意を受けているという事もあるかもしれない。
火渡は毒島にまとわりつく男など考えただけで消し炭にしたいと常々思っている。
そんな発情期男が風呂上りの毒島(ガスマスクなし)を見てしまったらどうなるだろうか。
オレだったら犯す。
まだ毒島に接吻までしか手をだしていない火渡は思った。
そんなこんな火渡が考えた結果、休日だけでも火渡の部屋に毒島がお泊りというのは決定事項だった。
おかげで火渡は栄養の偏っていない健康的な体をしている。
*
429:火渡×毒島
09/07/13 22:08:15 xz7iLE+I
休日に付き合っている人のところでお泊り。
これが女の子をどれだけ緊張させて、尚且つ期待させるものなのか火渡様は分かっていない。そう毒島は思った。
手順1、キスをする。
ガスマスクなしで既に心臓が強張っているのかドキドキと脈打っているのか判別もつかない状態だけれど、
勇気を出して欠伸をして眠そうな火渡の傍に寄る。そうすると、火渡は毒島の期待を大人の余裕と言わんばかりに意地悪く笑ってキスをする。
その満足そうで火渡らしい笑みに体中の血液が沸騰しそうなくらい体温が熱く上昇して、毒島はいつも終わると俯いてしまう。
手順2、一緒にベッドに行く。
いつもこれが実行されないし出来ない。1の後、火渡は当たり前のようにソファに身を投げ出して寝てしまう。
お前はベッド使え、と言って。毒島が今一度勇気を奮い立たせている間に寝てしまう。
男らしいイビキも愛しい・・・。と思いながらも毒島はいつも不服だった。何故あの本の手順のようにならないのだろう、と。
ちーちんから毒島が頂いた本は、『女の子のお勉強』と題された、女性誌の付録らしい冊子だった。
初めて開いた時、前書きのように
『男にばかりまかせるのではダメ! 女も彼氏のために知識をつけましょう。よりよいセックスは恋人との関係を深くします』
と書かれていて、毒島は自分なりに考えていた事が正しかったと感動した。
自分も頑張るんだ! 火渡様に悦んでもらうために!
思うや否や、その本は読み終わっていた。『フェラチオ』や『イマラチオ』や『前立腺』等の性的快感を得るための行為や部位について、
項目別に辞書のように書かれた本だった。口頭でだいたいを教えてもらった事もあり、毒島自身、短時間で飲み込めた自覚があった。
この冊子には、バリエーションの富んだ『雰囲気作り』も紹介されてあり、特別なものを用意しなくても、
一番自然な流れで持ち込めるものを選び、ことさらよく覚えた。
しかしなかなか実行出来ないのだ。手順2へ踏み込めない。
毒島はさーちゃんから頂いた本も熟知し、学習面は完璧なのにも関わらずだ。
その本は、少女漫画だと思って読み進めていたらエロ漫画だった。毒島はすぐに悟った。これは男性の性欲を解消させるためだけのものではない。と。
漫画の主人公とヒロインは付き合っているが双方共にセックスが下手なので、一緒に気持ちよくなる方法を手探りで探していく。
という名目でセックスをするという内容の漫画だった。しかしそのセックス描写は、未体験の毒島にとって、とにかく分かりやすいものだった。
『そうそう・・・歯は立てないでね。裏筋のところも気持ちいいんだ』『もっと、奥まで口に含んでくれると気持ちいいよ』という男の台詞や、
『この亀頭の部分をひっかけるみたいにすると、凄く気持ちいいみたいね・・・』『喉の奥まで突っ込まれてるみたいで、ちょっと苦しい・・・けど、こうすると気持ちいいみたい』という女のモノローグ。
絵と詳しい説明文で紹介しているみたいで、頭の中でのシュミュレーションがやりやすかった。
毒島がまひろに頂いたディルドーも、『こんな形なんだ・・・』という驚きがあったものの、火渡との行為に向けて覚悟も決まりやすかった。
実際にそのディルドーを火渡のものだと想って行き過ぎたシュミュレーションもして、本番に向けては完璧だ。
後から冷静に学習したことを考えると、顔から火が出るほど恥ずかしいと身悶えしたが、あと毒島に必要なのは本番になだれ込む事だけだった。
そうだ、なだれ込め! 時には勢いも大切だと本にも書いてあった事を思い出し、毒島は『今週こそ! 今日こそ!』と火照る顔を振って決意した。
前よりずっと積極的になれた。前よりずっとずっと恥ずかしいなんて思わないで、自分に自身を持つことが出来るようになった。
430:火渡×毒島
09/07/13 22:09:38 xz7iLE+I
「ひ、火渡様!」
今その成長した自分を使わず、いつ使うのか。そう奮い立たせて、毒島は小さい声ながらも叫ぶように呼んだ。
一方、火渡は『さぁそろそろ寝ようか』等と考えていたようで、不意打ちにちょっと驚いたように毒島を見た。
しかし、毒島の切なげな表情を汲み取ると、毒島の小さな顔を押さえて近づく。毒島はすぐにきゅっと目を閉じて、火渡の体温を敏感な唇で感じ取った。
受身でいる毒島。これではいつもの自分だ。毒島はそんな自分を断ち切ろうと、おそるおそる両手を火渡の首にまわした。
手の支えを失ったソファとして活用していたベッドが軋む音がやけに大きく聞こえた。
首というものは温かいものだが、毒島にはその熱さが自分の体温なのか判別できていない。火渡が離れないように強張った力を込める。
少しして、羞恥が臨界点を突破したのかもしれない。頭の熱が沈むように胸に落ちてくるのを感じて毒島はそう思った。
一番近くで恋人を感じる。それがどれだけ幸せか、今の毒島には分かった。
落ち着いて火渡の体温を感じれば、自分と同じような温度な事を確認できた。唇も思ったより柔らかくて驚いた。
以前はそれを感じる余裕もないほど緊張していたけれど、それがどれだけ勿体無い事か。悔しくて、唇を小さくひらいて下唇をやわく食んだ。
─ぬるりと感じた事のない感触。びっくりして目を開けると、火渡はいつもより意地悪い表情を浮かべて、抑えた毒島の顔を動かないようにし、舌で毒島の咥内を嬲る。
「・・・んぅ・・・ぁ」
無理矢理開された唇に唾液が走った。毒島の動揺は何処で息をすればいいか一時忘れてしまうほどで、
小さな喘ぎと一緒になって出てきた時には、完全に恥ずかしさを取り戻してしまっていた。
自ら火渡の唇を食んだ毒島はもういなく、何も出来ず、絡め取られた舌をいいように弄ばれて瞳を潤ませているだけだった。
「ひぁ、」
─あ。
下腹部が熱い。その感覚になった時の事を思い出し、その途端温度が一気に上がったみたいになって、毒島は一層恥ずかしさに顔を染めた。
淫らな想像をした時は決まって下腹部を中心に全身が温かくなる。そしていつも信じられないくらいに濡れているのだ。
毒島にはもう自分の性器がいやらしくも濡れている事に気がついてしまった。
想像の中でも、火渡に見られて恥ずかしくて興奮してたまらなかったのに、本当に見られてしまったらどうなってしまうのだろう。
ようやく満足そうに目を細めて火渡は離れた。引いた糸に、毒島はぞくぞくと悦びを感じてしまう。
しかし、内心で湧き上がる興奮とは裏腹に、体は呆けたように動かない。
『衣類を自分から脱ぎましょう』『むしろ脱がせましょう』というマニュアル文章を思い出したが、飲まれるように火渡に見惚れてしまう。
首に絡めた腕だけは解かないように気をつけた。
そんな毒島の意図に答えるように、火渡は子供の着るようなパジャマに手を掛ける。やっぱり面倒だと思ったのか、下着に手を突っ込んだ。
「ひぁ!」
既にとろとろになっている部分を指で擦られる。その指には愛液が絡みつき、ぬるぬると撫ぜられながら、表皮で一番敏感な部分にも塗られる。
慰めていた時と同じような動きでも、火渡にされるとこんなにも違う。見透かされているような羞恥も重なり、毒島はより敏感になってしまう。
「なんだ、濡れすぎだろ」
「ですけど、火渡様が・・・」
責任転嫁。言ってすぐに後悔した。上司に責任を擦りつける部下とは何事か。
火渡様に愛される想像をして毎晩自分を慰めていました。ですから夢のような今、期待に溢れた末、淫乱でごめんなさい。
毒島はそう思い、申し訳ない気持ちと羞恥、いやらしい自身を隠したくて火渡の首元に顔をうずめた。
そんな毎晩の毒島の自慰など知らずに、火渡はやる事のない片腕を強く抱き寄せる事に使った。固定ともいう。
「─ぁんん!」
毒島が抱擁にほっとしたのも束の間、ぐちゅりと指が侵入してきた。あくまで少しだけだが、確認には十分だったようだ。
「・・・いれても大丈夫だな?」
「・・・はい・・・」
きゅぅんと胸が締め付けられるような気持ちになった。毒島はこれを待ちわびていたのだ。
ソファ代わりに扱っていたベッドに倒れこみ、毒島はじぃっと火渡を見つめた。
ズボンを脱いでぽいっと放り投げたのを見て、毒島も慌てて立ち上がりパジャマを脱ごうとしたが、
「・・・・・・」
大きい。
431:火渡×毒島
09/07/13 22:10:53 xz7iLE+I
ふと目に留まった火渡の男性器はまひろに頂いたディルドー(標準サイズ)とは一回りも二回りも・・・、突然の驚きに毒島は目を白黒させた。
そそり立つものは偽者を見たときの衝撃と比べ物にならなかった。
早く脱げよと言わんばかりの火渡の視線に気付き、はっとして勢いまかせに下だけ脱いだ。
寝苦しくないように作られている少し大きめの上着のパジャマの裾を引っ張って、恥ずかしい事になってしまっている股だけは隠そうと試みる。
何故か火渡が小さく呆れたうような溜息をついた。全部脱がないのが不満なのだろうかと思ったが、火渡も同じ格好なのだからこれ以上恥ずかしい格好は勘弁願いたかった。
「・・・・・・」
それにしても大きい。毒島は再度思った。心なしかさっき見た時より大きくなっている気がするのは気のせいだろうか。
毒島は自分を組み伏せるような体制をとろうとする火渡を一度止める。
「あ、あの・・・それ・・・」
「何だ? 触るか?」
「・・・触ってみたいです・・・」
火渡は意外そうだったが、あぐらをかいて座りなおした。
毒島はおそるおそる手を伸ばし、触れる直前に火渡の表情を確認した。
微妙な空気は火渡といえど気恥ずかしいようで、滅多に見れない複雑な表情をしていた。そのことに心脈を速めながら、ようやく本物の男性器に触れる。
柔らかいようで硬くて熱くて、多少は違えど冊子と漫画の絵とディルドー通りの形に感嘆した。
「・・・骨ってあるんでしょうか?」
「知るか。ねぇだろ」
疑問は解決したようで解決されなかった。
骨がないのにこんなに硬いというのが分からなくて、余計混乱した。
しかし順応力やや高めの毒島は即座に『これはこういうものなんだ』と納得する事にした。
次にすべき事は・・・と考え、『まず勃起させる』という文章を思い出すが、既にその状態である。
しばし悩んだ結果、その過程を飛ばすのも変な気がして、ゆっくりと口を開けつつ、近づいた。
しかし進行は妨げられた。
「いや、無理しねぇでいいぞ」
「え、あ、はい、すみません。─いえ、無理してないですよ! 本当に!」
額を手の平で猫を扱うように押さえられながら、毒島はあわあわと両手をバタつかせる。まるで舐めたくないという風に解釈されているのではないかとさらに焦っる。火渡は初めての毒島に対して気遣いで言ってくれた言葉なのに、こんな失礼な気がして仕方がなかった。
「違っ、好きです! 舐めるの好きです!」
これではただの淫乱女だ。
「好きというわけでもありませんが! 本当に舐めなくないなんて事な─」
「分かった、分かったから落ち着け」
落ち着きのない様子に呆れている火渡だったが、毒島は別の意味にとってしまう。
めんどくさいと思われている・・・!
毒島はさぁっと血の気が引くのを感じた。『処女は面倒だと思う男の人もいるので』云々とのマニュアル知識が頭をよぎる。
そう思われてしまっては今まで何のために偽者を漫画の見よう見まねでしゃぶったのかもそれ以降もやってみたのかも分からない。
またも勢い任せに、毒島は額を押さえる手を振り払って、ぱくっとした。「うぉっ」と本当に小さな声が火渡から出た。
「んんむぅ・・・ん」
よく分からない臭いに鼻をくすぐられ、眉根を寄せる。
ここまでやられておいてやめさせるのは・・・。と思いなおしたのか、火渡は毒島の頭に撫でるように手を置いた。
それが毒島をくすぐったいみたいな気持ちにさせる。
「ん・・・んぅ・・・」
片手で根元を掴み、頭を動かしながら手も運動させようとするがなかなか上手くいかない。
「ひぅえいひまう」
失礼しますと言ったつもりだが、火渡は「は?」と疑問符を浮かべる。
毒島が唾液を纏わりつかせて滑りを良くすると何か納得したようだった。
毒島は必死に様々な事に気遣いながら奉仕する。『唾液はべちょべちょになるくらいたっぷり』だとか『亀頭に唇を引っ掛けるように』だとか。
唾液が根元を掴む手にまで侵食してくる。
小さい口いっぱいに含みながらの丁寧な口取り。それを火渡は無理矢理終わらせた。
432:火渡×毒島
09/07/13 22:11:44 xz7iLE+I
「ふぁ?」
頭を押しのけられて、そのまま後ろに倒れる。覆いかぶさるように目の前にいる火渡に、毒島は期待に胸を鳴らした。
先ほどの行為で毒島も十分に興奮したため、太腿に愛液が垂れるほどに濡れている。
「ひわたりさま・・・」
「すぐ終わらせる。我慢しろよ」
毒島は髪の根元を梳くように撫でられ、またくすぐったい幸せを感じ、小さく頷いて目を瞑った。
それを確認した火渡は猛る性器をあてがい、先にぬるりとした愛液を馴染ませ、挿入した。
「んんっ」
毒島にも入ってきた感覚が分かり、なんとか落ち着くことですんなり入るようにと気遣う。
はぁ、と吐息した瞬間に、火渡は一気に貫いた。
「あ、ひぁっっっんんっ!」
玩具よりも大きいものの侵入に、初めて玩具を膣内に入れた時のような気持ち悪い異物感が襲ってきた。
しかし、入り混じる体温でそれらの不快感が抜けると、ぞくぞくっ、・・・駆け巡る体中の快感に毒島は惚悦する。馴染んで同じ温度になる感覚で卑猥感が増す。気持ちいいと感じる度に膣が呼応するように締まる。
毒島は悦ぶ自分を見られたくなくて、手のひらで顔を隠した。だから毒島は火渡のほんの少し表立った不機嫌に気がつかない。
火渡は毒島の肩を押さえつけた。同じ運動でも、それはより深い所を突く。
「ひぅっっっ! あっ、あぁっっ、あっぁ・・・ぁん!」
身体は互いの快感を促すようにきゅぅと締まり、火渡の支配欲を感じた胸が焼けるように熱くなっているというのに、毒島はあたかも未知の感覚から逃れたいかのように首をふる。
その間も最奥を突く勢いは増していく。
突然粟立つように身体が震えた。それは跳ねるように高まり、
「あっ・・・ひわっ─! や、ああぁぁぁ!」
逃れられない無理矢理の絶頂を迎えた。
「ひぁっ、ぃや! まだっ─もっ─!」
火渡さまいやですまだするのですかもうだめです無理です。そんな長い言葉が呂律の回らない今の毒島の口で紡げるはずもなかった。
身体が敏感になる絶頂直後が一番気持ちよく一番辛いのに、
「オレはまだイってねぇ」
火渡はすっぱり迷いなく断罪するように言い捨てて、毒島を押さえつける力を強めた。
尚も続く逃げ場のない体中を駆け巡る強い快感を耐えようとするが、身体の曲げられたつま先までもびくびくと震えて仕方がなかった。
毒島は下腹部だけに留まっていた快感など、所詮幼稚な独り遊びであった事を思い知った。
「あぁっ・・・はあぁっ! あぁっ、あっ・・・ふあぁっ─ああぁぁっっっっ!」
間隔短く次々と駆ける絶頂を繰り返した後、火渡が小さく呻いた。直後、何かが逆流してくるのを快楽に震える体で感じた。体内に注がれる精液に満たされる。
しかし、身体に無理をさせた代償なのか視界が暗転した。そんな中で、毒島が思い出したものは、コンドームの存在だった。
*
433:火渡×毒島
09/07/13 22:19:18 xz7iLE+I
朝、毒島がいない代わりに、今の季節に丁度良い厚さの羽毛毛布がきっちり掛けられていた。
いつもより目覚めがいいのは昨夜のお陰だろう。火渡は思い出して、良い目覚めがどん底に堕ちたと同時に怒りもわいた。
毒島の幼児体系から、まさか非処女という事はありえないという先入観。そのまさかだったとは。
意外ではあったが、ありえないこともないということで、火渡は自分を納得させた。『ヤりやがったのはどこのロリコンだ』と自分の事を棚に上げて思った。
その後すぐに二番底が火渡を待っていた。
中だしセックス。この世にこれほど男を歓喜させ絶望させるものはないだろう。
メイドバナナやパンチラ萌えなど、数多の卑猥な用語を並べたとしても中出しは別次元にあるものとして考えられるという説があってもおかしくない。なぜなら責任問題という政治にしか使わなそうな語とも関連性があるからだ。
火渡は昨夜を再度思い出す。自身に異常はなかった。むしろ泊めておいて手を出さない今までの方が異常だったのだ。
毒島も同意していたと解釈しているので、やったこと事態に罪の意識はない。
無理をさせたのは悪かったと反省をしているが。しかし、中出し。これには火渡といえど罪悪感と不安がのしかかっていた。毒島の生理について火渡は何も把握していない。
しかし『あの小学生のような体型で生理はまだだろう、今なら中だしし放題』と思うような悪人ではない火渡は頭をかかえた。
当の毒島は、既にひわたりよりも早く起き、朝食を作っておいてくれ、『今日はもう宿舎に直帰します。お邪魔しました』とのメモを残していなくなっていた。
直帰されたら何も聞けない上に、今日は2食も出前じゃねぇか。
不満と不安が交じりつつも、火渡は健康的な朝食をもそもそ箸をつけながら考える事にした。
毒島は休日に嫁のような事を十分やっている。掃除洗濯料理と。休日のみではあるが、嫁として何の不足もないだろう。
火渡は焼き鮭をほぐす間に『じゃぁ結婚してしまえばいいのではないか』と考えた。
その前に年齢の事を忘れていた。もちろん火渡は既に結婚が許される年齢だ。肝心の毒島はどうか。
現在どくしまは16歳にだったか。火渡はほぐした鮭を完食しながら「結婚できるな」と確認した。
婚姻届けに必要な、保証人について。火渡も毒島も知っている人間で、世話になった人がいいだろう。
そう考え、『同期の奴等とかその辺の適当な奴かな』とだけ脳みその隅に置いておくことにした。昨日の晩にも出ていたほうれん草のごま和えをつついた。
仕事について、給料にそこそこ安定性がある。『まぁ大丈夫だろう』と火渡は楽観的に考え、温かいご飯をかっこんだ。
妊娠してしまったことを前提として、あとの問題は出産だ。
毒島の休学は仕方ないとして、あの小さな体で人間1人を埋めるとは思えない。帝王切開というのは腹を切るが、術後痕が残るものなのだろうか。
痕が残るとしても見るのは自分だけなのだから大きな問題ではない。毒島の体を想えばそれが妥当だ。もし見た奴がいたら灰にする。
火渡は味噌汁を一気飲みして朝食を完食した。
〆
※一品食いは行儀が悪いので良い子はマネしないでね。
ちゃんと責任は負う火渡の話でした。お粗末さまでした。
>>426で火渡×毒島表記を忘れていました。すみません。
434:名無しさん@ピンキー
09/07/14 00:05:45 0t74hOcp
GJ!
健気な毒島と責任は取る男火渡が、どっちも可愛すぎてたまらんw
毒島の膜を奪ったのが男じゃなくて張型だと知った時の火渡が
どんな顔するかと想像するだけでニヨニヨが止まらないんだぜ。
435:名無しさん@ピンキー
09/07/14 01:47:45 uStyBzCq
火渡のためにがんばる健気な毒島ちゃんかわいいよ。
436:名無しさん@ピンキー
09/07/16 05:23:13 Jih4MSQR
毒島が可愛すぎる件について
火渡が真相を知るのはいつなのかについて
kwsk
437:名無しさん@ピンキー
09/07/18 20:33:12 FXwZKHAf
>>436
頑張ったけどkwsk考えきれんかった。ごめん。
「何を隠そうオレは妄想の達人だ!」と誰か颯爽と現れないものか・・・
妄想だだ漏れの文章になってないのでも読みたいんだぜ・・・
438:名無しさん@ピンキー
09/07/21 19:11:16 YlIzYxm3
>>437 ネット中を駆け回るんだ
武装のSSは意外なところにも落ちてるぞ
439:名無しさん@ピンキー
09/07/22 01:00:09 C4y/Aac8
>>438
お勧めとかある?
晒しにならない程度でヒント欲しい
440:名無しさん@ピンキー
09/07/22 01:38:30 nrQuWmFM
>>439 読みたいキャラ名+SS等の単語で検索としかいいようがない
ここが2ch(r
好みの作品に出会えるといいね!
441:名無しさん@ピンキー
09/07/22 20:58:32 hXlPPmoP
>>478
ありがとう。探しなおす事でまた幸せになれたw結構見落としているものですね。
毒島本当に可愛いわ。さすが俺のお嫁さん。
>>439が好みの作品に出会えますように。
なかったら自己生産おすすめ。
442:名無しさん@ピンキー
09/07/25 16:43:03 j1L5qS1T
TQNにぶちまけられたい
443:名無しさん@ピンキー
09/07/26 20:49:45 TYZ9wWqL
火毒にハマってからドラマCD聞いたら、
火渡・・・青姦する気満々じゃねぇか・・・と思ってしまった。
444:名無しさん@ピンキー
09/07/30 00:44:33 rWmHUn/x
和月作品でエロバロスレがあるのブソレンだけ?
るろ剣とかないよね・・・
445:名無しさん@ピンキー
09/08/03 00:28:14 6itIA1jF
昔はあったんだけどね
ネタがあるなら再建してもいいんじゃない?
446:名無しさん@ピンキー
09/08/03 10:48:46 5EBb1bKv
るろは巴と薫でいつも荒れるから難しいかも?
さっき久しぶりにマロン行ったらまだ↑やってるみたいだったし
447:名無しさん@ピンキー
09/08/05 15:26:15 tEtw3Jw6
るろの薫アンチは最凶アンチと呼ばれる程、
異常だからるろは無理かあ・・
448:名無しさん@ピンキー
09/08/13 00:43:29 AfFA1Tmh
とりあえずここが和月作品総合スレも兼ねてるみたいな感じでおk?
449:名無しさん@ピンキー
09/08/13 00:46:19 q8+AcsWq
>>448
いいえ。
450:名無しさん@ピンキー
09/08/13 21:28:09 9Ez6yqUc
武装以外の和月作品はジャンプ総合スレで
訊かれてないけどSQの作品もおkなスレだよ
451:名無しさん@ピンキー
09/08/19 12:58:01 8x08NZlY
452:名無しさん@ピンキー
09/08/30 22:44:26 KqJQHF2/
age
453:名無しさん@ピンキー
09/09/01 05:47:15 SnJKHW+m
全裸に剥いたTQNに大量浣腸した後でアナルバイブをつけさせ、雑魚のホムンクルスと戦わせたい
その光景をクラスメイトに見せ付けつつ、倒して行くごとにクラスメイトを少しずつ開放するものの浣腸の量は増やして行くんだ
最後は浣腸に入っていた媚薬成分で熟したTQNをホムンクルスにレイプさせつつ、バイブを抜いてぶちまけてあげたい
454:名無しさん@ピンキー
09/09/05 13:36:38 i36VQSOd
>>453
乙
455:名無しさん@ピンキー
09/09/07 10:43:35 hhYMt/Ni
456:名無しさん@ピンキー
09/09/07 12:48:28 v8pUHkq7
そういえばパピヨン×まひろってマイナーなんだろうか?
ドラマCD聞いてたらむらむらと妄想が沸いて来て……しかし、
花嫁姿のまひろに「相手はさぞかし苦労するだろうな」な傷心パピとか
「パピヨンさんのせいじゃないですか!」なまひろとか
最後のキスで「口紅が落ちるぞ」とか
そんな悲恋ENDしか思い浮かばないんだぜorz
457:名無しさん@ピンキー
09/09/07 12:53:59 Ue/DkoIo
保管庫にいくつかあったような。三局~の最後とか。
458:名無しさん@ピンキー
09/09/07 21:04:23 6w9mDU88
なんか雰囲気いいやつあったよね
パピヨン&まひろで悲恋って逆に新しい気がするので
もっと語っていきなさい。。。いやいってください
459:名無しさん@ピンキー
09/09/07 23:52:00 A8d7Fiqa
人間とホムじゃどうしても悲恋になると思うよ、片方は老いて
死んでゆくし片方は置き去りになるし子孫も残せない
パピヨンとまひろはドラマCDだといい雰囲気だったなー、
お前ら付き合っちゃえよ!!
460:名無しさん@ピンキー
09/09/08 08:47:16 XwEhfpfC
まひろ「わたし、こんなに歳を取っちゃった
もうしわくちゃのおばあちゃん
貴方は何も変わらないんだね……」
パピ「……キミも何も変わらない
50年前のようなおてんばのままだ」
と看取って去るパッピー
御免いまついHellsingが手許にあったもんで出来心なんでゆるしてください
461:名無しさん@ピンキー
09/09/08 20:37:44 LKpVQysP
ウワァァ━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━ン!!!!
462:名無しさん@ピンキー
09/09/12 09:31:28 i/n+rMVd
悲恋だ
463:名無しさん@ピンキー
09/09/13 19:07:09 yr+6B0Hc
保守
464:名無しさん@ピンキー
09/09/15 12:10:13 axcmQo2A
そろそろ圧縮か。
465:名無しさん@ピンキー
09/09/17 10:36:44 OWlV+c91
現代版のアレクさんと巨大ヴィクターで誰か描いて。
途中から海洋生物の死骸が自我持って寝取られる奴ね。
466:名無しさん@ピンキー
09/09/18 13:16:32 IQX+uObv
なんてニッチな…
467:名無しさん@ピンキー
09/09/19 22:56:55 cA3NbGwS
保守
468:名無しさん@ピンキー
09/09/21 08:58:54 mA/SwJkk
469:名無しさん@ピンキー
09/09/22 08:08:28 B4RR/kp4
470:名無しさん@ピンキー
09/10/01 22:02:09 bJq+WQG/
471:名無しさん@ピンキー
09/10/01 22:07:54 yn7uNKVC
オンリーあるから文字師達も忙しいのかな?保守
472:名無しさん@ピンキー
09/10/05 09:35:44 pBQ+HzgW
さらに保守
473:名無しさん@ピンキー
09/10/05 17:29:39 TS6Ov665
負けじと保守!
474:名無しさん@ピンキー
09/10/05 23:22:11 p0HRphsy
何を隠そう、俺は保守の達人だ!
475:名無しさん@ピンキー
09/10/12 05:14:45 QkC92lly
保守
476:名無しさん@ピンキー
09/10/13 08:41:32 OGMJQoyf
エロス!エロス!保守!
477:名無しさん@ピンキー
09/10/16 11:35:50 1xHrQgbZ
百合系はどこに落とせばいい?
かずき←桜花×まひろ→秋水って需要ある?
478:名無しさん@ピンキー
09/10/16 11:37:18 xI1KYK2g
何を隠そう俺は懇願の達人だ!
くれ!!
479:名無しさん@ピンキー
09/10/16 12:56:20 oVgt31/z
>>477
注意書き入れればココでいいと思いますよ?
レズ・百合萌え板には武装錬金スレ無いみたいですから。
もしくは、あちらに立ててそちらに投下というのもアリですが、×部分でなく←→部分も心理描写としてなされるなら
むしろスレ立てしてまで百合板へ投下するのは、お勧めできません。
百合板で女性同士以外への恋愛感情を描写すると、板違いと言われる公算大ですので…
480:名無しさん@ピンキー
09/10/20 11:19:40 rIpE+y9b
キマシタワー
481:名無しさん@ピンキー
09/10/23 11:11:23 0T3ch9ZI
ふたなりネタはNG?
482:482
09/10/24 08:40:23 B/b2CxW5
※基本はカズトキ、パピが横槍
※最近アニメを観ただけなので、原作コミック(特にアフター)、小説、ドラマCD等は未反映、その他設定が違う所+追加設定あり
※かなり長め、なのにエロ少なめ
*プレゼント*
空の低い場所を、色づき始めた雲が流れていく。
遠く連なる山の稜線にかかる靄も、西日を受けてうっすらと黄金色に光っている。
時折涼やかな風が吹き抜ける。
その風を受けて、女は微かに目を細める。
眼下に広がる町並みに、恐怖の残滓は見当たらない。
通りには人や車が行き交い、その喧騒が風にのって運ばれてくる。
あの騒乱と惨劇が嘘のように、銀成市は平穏な日常を取り戻していた。
屋上の給水タンクに一人腰を降ろす女の表情にも、かつての険しさはない。
顔を真横に横切る傷跡は、依然そのままだ。
その傷が、彼女のくぐりぬけてきた修羅場を物語っている。
だがその目は、この街を、そして世界を守った男と同じ優しい色をしていた。
彼女がこんなに穏やかな気分になったのは本当に久しぶりのことだ。
しかしその安らぎは同時に、どこか焦燥感にも似た甘い切なさを含んでいた。
女は腕時計を見て、大きく伸びをする。
何度も時計を気にしているのが自分でも可笑しくて、思わず苦笑が浮かぶ。
しばらくして、陽光が遮られた。
すぐに後ろを振り返る。
待ち人を期待して大きく微笑みかけた顔が、きつい表情に変わった。
どこからどう見ても変態としかいいようのないコスチュームの男が、空中にふわふわと浮かんでいた。
「津村斗貴子、ずいぶんヒマそうだな」
「……蝶野、攻爵」
「その名前で呼んでいいのは武藤カズキだけ。って、何度言えばわかるんだ。いい加減覚えろ。俺は超天才にして全ての生命の頂点、パ、ピ、ヨ~~~~ン♪」
男は宙に浮かんだまま両手を伸ばし、わけのわからぬポーズを決める。
斗貴子はあからさまに不快な表情で、吐き捨てるように言った。
「で、何の用だ?」
「武藤はどうした?」
「剣道場。早坂秋水につきあってる……」
「ふぅぅん、それで一人ってわけか。さてはお前、フられたのか。蝶サイコーに愉快な話だ」
「うるさい! たまたま先に一人で来ていただけだ。カズキは、えっと、……もうすぐ来る」
斗貴子の目がつり上がっていた。
跳ね上がるようにしてその場に立ち、罵声を投げ掛ける彼女に、パピヨンは小さく笑いを返した。
マスクをしてはいるが、その目があざけるように歪んでいるのは隠せない。
「まあいい。今日はお前に用があって来た」
「こっちにはない。カズキの手前生かしてやっているが、私はお前のことなど一切信用していないからな。死にたくなければすぐに消えろ」
「その尊大さ、相変わらずだな」
「お前が言うな」
「オレは人間でもホムンクルスでもない至高の存在─。尊大さもまた必然、見ろこのかぐわしいスタイル、そして美しきかほり」
483:482
09/10/24 08:42:01 B/b2CxW5
「さっさと消えろ、目障りだ」
「超蝶人にして超人気者のオレが、わざわざお前に忠告しに来てやったんだが」
「忠告? 笑わせるな」
「はっきりいってお前はキれやすすぎる。特に武藤が絡むとな。今も、フられたのかと言われただけで、そのザマだ。
……お前、恋に自信がないんだろう」
「な、何だと!」
今にも掴みかからんばかりの勢いで、斗貴子は全身を怒りに震わせている。
黒色火薬の羽で空中を漂うパピヨンは、ふわっと後ろに下がって言った。
「武藤カズキはこのオレが唯一認めた男。ヤツを慕う女が多いのも当然のこと。お前が武藤を好きになるのは当たり前だ。
……だが、お前自身はどうなんだ? ヤツにふさわしい存在か?
もちろん武藤もお前を憎からず思っているらしいことはオレも知っている。しかしそれは一種の幻想、一時の勘違いに過ぎない」
「わ、私とカズキは一心同体だっ。カズキだって、そう思ってくれている……」
「アイツならそう言うだろうな。
だが、お前のようにガサツで口汚く女らしさの微塵も感じられぬ態度をとり続け、しかもそれでよしとするような女に、いつまでその幻想が続くことやら……」
「なななっっ、何をっ」
斗貴子にしては、これまでよく堪えたといえるかもしれない。
だが、次のパピヨンの言葉で、さすがにブチ切れた。
「おまけにその貧相な身体で一心同体などと言われて、喜ぶ男がいると思うか?」
「き、貴様っっ、ハラワタぶちまけろっ!!」
怒号とともに、斗貴子の足が給水塔を蹴っていた。
核鉄は戦団に回収されている。今の彼女に武装錬金は使えない。
しかし、せめて拳のひとつ、いや、可能な限りのラッシュをその見苦しいマスクの顔にたたき込む……。
─頭でそう考えた訳ですらなく、ただ怒りに任せただけのジャンプだった。
それでも、訓練と実戦で鍛えられた脚力に加え、折からの風が軽い身体を思いの他遠くまで飛翔させる。
しかし相手はホムンクルスを超えた存在だ。
優雅な動きで空中高く舞い上るパピヨンに、彼女の攻撃は寸前で届かなかった。
「ちっ」と、小さく舌打ちをして、給水タンクの後ろに着地する。
息を整える斗貴子をあざけるように、パピヨンが高らかに笑った。
484:482
09/10/24 08:42:28 B/b2CxW5
「どうやら、思い当たるフシはあるようだな」
「ふざけるなっ!」
「お前、武藤に抱かれたか?」
「なななななっ、答えるか、そんなことっ」
「キスはしてるとヤツの妹から聞いた」
「くそっ、まひろのヤツ、余計なことをっ」
「なんだ、今度は逆恨みか?」
「黙れ馬鹿!」
「一心同体というくらいだ。当然、つがったんだろうな?」
「失せろ、変態っ!!!!」
「その様子では、もしかしてまだなのか……」
「うっ、うるさいっ! 死ねっ」
「まさか、その貧相な身体を出し惜しみしているというわけではないよな?」
「百回殺すっ! 脳漿ぶちまけろっ」
「津村斗貴子、お前がどうであろうとオレにはどうでもいい。だが、それが一時の幻想だとしても、武藤はお前を好きらしい」
「だっ、だからどうした?」
「ヤツにせめて人並みの悦びを与えたい。……そうでなければ、オレの心が羽ばたけない」
「……羽ばたくなっ」
憎々しげに睨みつける斗貴子に、パピヨンは不敵な笑みを浮かべる。
そしてマスクに手をやり、もう片方の手で自らの股間を掴み、空中でくいくいと腰を振った。
「何故さっさとヤツに抱かれない? お前のような女でも、好きな時に好きなように抱けるというなら、それはそれで価値があるぞ?」
「ふ、ふざけるなっ!! カズキはそんな、そんなっ、こと、望まないっ。……お前のような変態じゃないっ!!!」
「そうかな? 男は多かれ少なからず変態するものだ。まあ、オレのように超完ぺきな変態は遂げられないとしても」
「一緒にするなっ!! カズキは違うっ……」
「甘いな。─というより自分の甘えを武藤に背負わせるのか。なかなか上手いやり口だ」
「うるさいっ」
「まったく笑える……。傷つくことを恐れず闘いを好み、ホムンクルスはもちろん人間を殺すことすらいとわぬお前が、何故セックスを拒む? ははんっ、そのみすぼらしい身体を恥じてのことか、……あるいはすぐに飽きられ捨てられるのを恐れてか」
ぐっ、と喉を詰まらせて斗貴子が黙った。
相変わらず憎しみを込めた目で睨みつけているが、その奥で瞳が揺れている。
そんな彼女を、パピヨンは真剣な表情で見つめ返す。
「図星か? どうやらお前は、武藤を信頼しきれていないらしい……」
「ち、違っ……」
「だが、たとえ幻想だとしても、そんなお前を武藤は気に入っている。……というわけで、これ!」
パピヨンが妙に明るい声を出し、大きく腕を突きだした。
その手には、核鉄が握られている。
だがそれは、斗貴子が見た事のない薄紅色をしていた。
「何っ?」
「武装錬金!!」
パピヨンの掛け声と共に核鉄は姿を消し、かわりに夥しい数の蝶が現れた。
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09/10/24 08:44:16 B/b2CxW5
毒々しい紅色をした小さな蝶たちは、優雅に宙を漂うパピヨンのまわりを覆い尽くすように飛んでいる。
斗貴子の顔に緊張が走った。
「何のつもりだっ!」
「超天才にしてハイセンスなオレが生みだした新しい核鉄、そこから生まれた新たな武装錬金、それがこれ、ニアデスハピネス・バイ・エロス!
これまでの核鉄が生命エネルギーと闘争本能を源として武装錬金を成すのに対し、この核鉄は性エネルギーと欲望を具現化する……」
パピヨンが指を鳴らした。
その途端、紅色の蝶がいっせいに斗貴子めがけて羽ばたいた。
ほとんど同時に斗貴子が跳んだ。
姿勢は低い。ほぼ水平に真っすぐ前へ向かって跳んでいた。
迫り来る無数の蝶の下をかいくぐり、かすんだ薄紅色の向こう側で身体を丸め、衝撃を吸収して着地する。
蝶たちはすぐさま方向を変え、再び一斉に襲いかかる。
だが斗貴子は、着地とほぼ同時に再び跳躍していた。
今度は高く舞う。
斜め後ろに身体をひねり、給水タンクの影に隠れた。
一瞬遅れて、そこへ蝶が押し寄せる。
タンクにぶつかり、みちゃっと嫌な音をたてて蝶が弾けた。
極彩色の飛沫が四方に散らばり、しかしそれはすぐに跡形もなく消えていた。
パピヨンがゆっくりと降りてきた。
給水タンクを回り込み、仁王立ちで斗貴子の前に立つ。
「核鉄なしでオレの武装錬金をここまで避けるとは、さすが錬金の戦士。……と言いたいところだが、どうやらすべては除け切れなかったようだな」
斗貴子はその場にうずくまっていた。
片手で腰のあたりを押さえている。
「き、貴様っ!!」
「残念だったな、すでに身体の内側に入り込んでいる」
「何っ?!」
斗貴子は腰を押えながら、鋭い眼光でパピヨンを睨みつける。
蝶人は自らに陶酔し、高らかに言い放った。
「ニアデスハピネスの名の通り、ハイパーな快感で『限りなく死に近い陶酔』を与える武装錬金。
ああ、なんというエスプリ、めくるめく絶頂、超サイコーのオルガスムス、死を望むまでのアクメ。
……ちなみにさっきの紅色の蝶は催淫効果のある特殊なコロイド、もっとも物質的な存在ではなく超エレガントなエネルギー体だが。
脳に入り込んだが最後、どんな女でも激しく欲情し男を求めるようになる……」
「冗談じゃないっ! そんなんなるかっ」
「頭部はうまくかわされたが、……でもっ! 問題まるでナッシング、超~大丈夫!
身体に入り込んだ蝶は小さな芋虫のように形状を変え、頭を目指して這い進む。名付けてメルトハニーキャタピラ!
ホムンクルス研究の余剰生産物だが、なかなか可愛い疑似生命体だよ。
……ほら、動いてるのがわかるだろ?
脳に到達するまで10分、長くても20分はかからない。
たどり着いたその先は、─そう、ハ・ピ・ネ・ス♪」
いかれたポーズを決めて、パピヨンが自己陶酔に浸る。
左右の唇の端は大きくつり上がり、いらやしい笑いを形作っていた。