桜蘭高校ホスト部 5at EROPARO
桜蘭高校ホスト部 5 - 暇つぶし2ch51:Voi che sapete 前編
08/01/02 21:44:16 5n0cBIXX
――ど、どうしよう。環先輩に、これはごく一部の進んだ人達だけの常識だって言わないと…、
 で、でも何か既にその気になってるみたいな感じだし……。
 そ、そりゃいつかは…だけど、今からなんて……!

「た、環先輩。自分は……」
「ハルヒ……?」
環が、熱っぽく見つめてくる。
ハルヒはやっとの思いで僅かに視線を逸らし、消え入りそうな声で言った。
「嫌…じゃ…ないです……」

環はゆっくりと頷き、頤に指をかけた。
そのまま人差し指のみを動かし、唇をなぞる。
「ん……」
神経の細やかな唇の表面に触れられた僅かなくすぐったさと気恥ずかしさに、
ハルヒは思わず目を閉じた。
そこに感じた彼の吐息によって、互いの唇が近付くのが分かる。
緊張感と少しの期待に、胸が高鳴った。

しかし、それから十秒ほど経っても状況が変わらない事を訝しげに思って目を開けてみれば、
環は唇に触れる寸前で動きを止めていた。
そして至近距離で見つめられている事に気付き、慌てたように距離をとる。
「どうしたんですか、環先輩……?」
ハルヒが声をかけると、環は微妙に視線を逸らす。
「い、いや。ハルヒと初めてちゅーすると思うと、何だか緊張して……」
その言葉にハルヒは、そういえば彼の指が微かに震えていることに気付き、笑みを漏らした。

「こ、こら!笑うのは失礼じゃないか、ハルヒ」
「…あ、すみません。てっきり、環先輩はこういう事平気で出来る人だと思っていたもので……」
そう言いながら、普段お客様相手に王子様モードで接する環の姿や、
以前自分の額にすんなりと口付けた時の事を思い出す。
「あ、相手がハルヒで、もう自分がおとーさんではないと自覚するとだな……。
やはりドキドキするだろう、どうしても…!」
「……環先輩も、自分と同じなんですね。少し安心しました」
と、ハルヒは微笑んで、再び目を閉じた。
程無く環の吐息がかかるのを感じ、今度こそゆっくりと二人の唇が重なった。

軽く触れて一度離れた後、環の舌が唇をなぞり、少しずつ口腔へと侵入してくる。
その熱さとぬるりとした感触に、ハルヒは小さく身を震わせた。
好きな人とする口付けは、額にされるのとは比べものにならないほど心地良く、胸を高鳴らせる。
順応力が高いためか、先ほどまで緊張に震えていたはずの環は、早くも積極的に舌を絡ませ、
口内を刺激していく。
ハルヒは戸惑いながらも、次第に柔らかで熱い感覚の虜になっていった。

 後編に続く


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