08/07/07 00:51:44 OjyZQe6B
前の流れを無視して>>360続き
「灯里ちゃん・・・・」
穏やかな、懐かしい日々の春の日差しのような暖かい声がした。
「あなたには随分苦労させちゃったわね」
懐かしさやこうなってしまった事の申し訳なさや嬉しさやら様々な感情が一気に
吹き出して大泣きしながら抱きついてしまった。
「アリシアさ~~~~ん」
「あらあら・・・大丈夫よ、私が付いているんだから」
「心も体もボロボロでも私が絶対に治してみせる」
随分と長い間一人で苦悩したせいかどっと力が抜けてくるのを感じた。
「でも、もうゴンドラを漕ぐことも出来なくて・・・」
「大丈夫、懐かしい友達がお見舞いにきているのよ、外を見てごらんなさい」
正直、外に出るのもウンディーネの制服を着るのも体がこわばってしまうよう
な状態で恐る恐る窓から外を見る。
泣いていた灯里だったがほんの少し笑顔がこぼれる。
忘れるはずもない黒いゴンドラ。
キズだらけで古びた、灯里とアリシアのウンディーネとしての始まりを見守っ
てくれた懐かしいパートナー。
灯里は思わず駆け寄って、自分がつけた左舷の大きな傷を撫でていた。
楽しかったあの頃が走馬灯のように蘇る。
「もう、寿命がきたんだけどなんとか乗れるように修理してもらったの」
「灯里ちゃんを立ち直させるのが最後の仕事にしたいんだって」
いつしか、灯里のゴンドラへの拒絶感が薄れていき、まるであの頃に戻った
ように感じていた。
あの日の誓い目指してまた一から漕ぎ出していけそうな気がした。
駄文でスマン、なかったことにしてくれ^^;