08/05/07 17:50:05 djjanNhQ
あかつきんと灯里は似合わないと思う
奴は何か知らんがうざい
270:名無しさん@ピンキー
08/05/07 18:17:55 Bu91dkkf
満足いかないなら自分で書けばいいのに
271:名無しさん@ピンキー
08/05/07 20:04:55 TfFUaR5d
保守
272:名無しさん@ピンキー
08/05/08 00:21:20 4OMiF/Lf
>>256-259
でっかいGJです!
273:名無しさん@ピンキー
08/05/08 00:36:47 ky65qK1L
自分はARIAにエロはいらん派なんだが、他作品のエロパロスレに良作非エロssが
たまに転がっているので、ここにもないかなと思って来てみた。
すごいタイミングでいいものに遭遇できた。神ss作者と素敵な奇跡に感謝!
274:名無しさん@ピンキー
08/05/08 03:00:19 iU4PkCqY
>>269
たぶん中途半端にイケメン設定&ろくに登場もしていないのに無理矢理絡む
が原因だと思う
あれは「殆ど関わりのない男が自分の好きな子にネタもないのに絡もうと
必死になっているのを目撃したとき」に近いウザさがある
275:名無しさん@ピンキー
08/05/08 19:10:14 0D9aNB9t
すまん……
水を差すようで非常に申し訳ないのだが………………
……………アイちゃん、確かあかつきん知ってたよな?
276:名無しさん@ピンキー
08/05/08 19:12:01 groqv3Ty
・・・あ
277:名無しさん@ピンキー
08/05/08 22:25:14 ky65qK1L
>>275-276
原作版と思えばおk
278:名無しさん@ピンキー
08/05/08 23:58:31 /sPEtiXN
>>274
ああ、正にそんな感じだわ
学生時代を思い出して更にムカついてきた
279:名無しさん@ピンキー
08/05/09 15:34:22 FjqV9afF
というか、普通に原作設定なんだと思ってた
280:名無しさん@ピンキー
08/05/12 08:49:30 PNPwyobS
>>278
俺も学生時代にそういうのあったよorz
女の前でだけ急に強引になる空気キャラってむかつくわ
281:名無しさん@ピンキー
08/05/12 13:07:49 5LZgUGwf
嫉妬ですね、わかります
282:名無しさん@ピンキー
08/05/17 00:25:48 oHNmx2oW
ネオヴェネチア中にいる灯里のお友達同士の間では結構ギスギスした人間関係が・・・
283:名無しさん@ピンキー
08/05/17 11:44:04 OsRGYJoV
>>282
灯里の人を惹きつける魅力は半端ないからな、灯里からみれば友達でも
相手からみたら恋愛感情込みとか、ネタ抜きでありそうだ。
284:名無しさん@ピンキー
08/05/19 23:27:59 ZczLrufR
なんて罪作りな子なの…
灯里…!!
285:名無しさん@ピンキー
08/05/20 08:17:26 aPl9Di0V
灯里は超大型の台風の目
灯里自身は通り名のアクアマリンそのままの
どこまでも澄み切った綺麗な心の持ち主
だけど、周りはアリシアを筆頭に物凄い嵐
286:名無しさん@ピンキー
08/05/20 09:33:16 LDZfe7vX
寿退社以後、人気急落中のアリシアさんのために
66レスでdat落ちしたキャラスレを立て直しました!
アリシアさんの性的魅力について語りましょう。
(アニキャラ個別)
【ARIA】アリシアさんたまんねぇPart9【白濁妖精】
スレリンク(anichara2板)
287:名無しさん@ピンキー
08/05/29 23:18:36 ZaFOmuqD
暁×灯里の小説が読みたかったりする
288:名無しさん@ピンキー
08/05/30 06:19:54 o3lbAbOR
暁って、なんか話に絡め難い気がする。
どういう流れでえちーに持ち込むのか想像つかん、みたいな。
ARIAって、基本、女の子が動く話だからかねぇ。
289:名無しさん@ピンキー
08/05/31 11:48:14 CDLNIufu
あかつきんはツンデレだからww
290:名無しさん@ピンキー
08/05/31 11:52:56 PGe3rMLa
アルくんが笑顔で藍華を嬲るのは割りと簡単に想像できる
291:名無しさん@ピンキー
08/05/31 21:27:13 2Cn8HgVi
ウッディ×アリスはどうなの?
292:名無しさん@ピンキー
08/06/01 12:11:06 /W5Ah2Zb
なんと言うかウッディ自体が薄すぎてなぁ……
293:名無しさん@ピンキー
08/06/01 18:59:27 ZZ1aq2Iw
>>291
アリスたんと杏たんが共謀してムッくんいぢりw
294:名無しさん@ピンキー
08/06/01 22:27:39 6j+XfBH/
灯里とあかつきんは恋人としては発展しそうにない気がする
アリシアさんみたいに灯里もいつの間にか結婚してそう
295:名無しさん@ピンキー
08/06/05 21:35:16 XKlIL+5r
ほ
296:名無しさん@ピンキー
08/06/08 11:41:46 H/U5qOPT
しゅ
297:名無しさん@ピンキー
08/06/09 20:11:07 LY7ybcOs
ほしゅひゅうまw
298:名無しさん@ピンキー
08/06/10 19:05:28 N3Nz4DmW
暁の兄貴の名前なんだと思う?
299:名無しさん@ピンキー
08/06/10 19:12:59 qYoBpQrA
出雲新太
ソースは月刊ウンディーネ
300:名無しさん@ピンキー
08/06/11 23:27:08 UdYHUa77
>>298
5巻のカバー外せ。
301:名無しさん@ピンキー
08/06/12 20:25:14 SZUX4MSQ
age
302:名無しさん@ピンキー
08/06/15 11:00:00 yAdn3N0M
なんか書いてよw 暁灯里で出来ちゃった婚とかw
303:名無しさん@ピンキー
08/06/16 00:34:14 A/TQV6zr
アイがアリアカンパニーに入社して、3ヶ月がたった
彼女はとても努力家で、操舵技術もメキメキと上達している
「灯里さん、練習行ってきます」
彼女は元気に出ていった。同じシングルの仲間との合同練習だ
「行ってらっしゃいアイちゃん」
そう言った灯里の笑顔は、対照的にどこか疲れているようでもあった
灯里は仕事の準備をしながら、自分の友人たちのことを考える
藍華は任された店舗の経営も上々で、自身も人気ウンディーネとして活躍している
アリスも既にオレンジプラネットのエースとして、先輩であるアテナすら追い抜く勢いらしい
一緒に頑張ってきた仲間が活躍する姿はとても嬉しいと灯里は思う
しかし同時に、自分の現状と比べると惨めにもなる
アリシアが引退してから、アリアカンパニーの業績は右肩下がりになっていった
初めはいろいろな人の紹介で来る客がいたので、なんとかやっていけたが、その客も二回目はほとんど来ない
「さて、私もそろそろ行こうかな」
ほとんど予約のない灯里は、朝から晩まで、街に出て客を探す
見つからないときには、昼食の時間さえ惜しみ、仕事をした
休日返上で働いて、生活を切り詰めて、どうにか会社を運営出来ている状態である
本音を言えば、アイにもトラゲットなどをして、少しでも業績の足しにしてほしい
しかし、アリシアが自分に自由にさせてくれたように、アイにも自由にさせたいのだ
夏場、炎天下の中、ろくな休憩も取らず、灯里は仕事をした
疲労と、経営に関する心労で食事も喉を通らない
「灯里さん……私が作った料理、やっぱりおいしくなかったですか?」
料理に手をつけない灯里に、アイは不安そうに聞く
「ううん、そんなことないよ。ちょっとお昼ご飯食べ過ぎちゃって……」
アイに心配させまいと、彼女の前では極力明るく振る舞う
「で……今日はこんなことがあって…」
合同練習の話を楽しそうに語るアイ
その笑顔を見て、やっぱり彼女には余計な心配や苦労はかけさせないようにしようと、改めて灯里は決意した
しかし、この状態をどう改善すればいいのだろうか……
それを考えるには、灯里はあまりにも疲れすぎていた……
304:名無しさん@ピンキー
08/06/16 00:54:23 r8z6Lf+5
>>303
どっか別のスレで見たなコレ。
個人的には欝モノはあまり・・・。
305:名無しさん@ピンキー
08/06/16 01:05:14 A/TQV6zr
>>303
灯里スレにも投下したことあるから多分それだと思います
306:名無しさん@ピンキー
08/06/16 22:57:10 OFP+KBfh
>>303
これは続きがきになるぜ。。
307:名無しさん@ピンキー
08/06/16 23:15:40 E0e9iL/y
灯里はすごく人当たりがいい娘だから、リピーターがつかないってことは無いと思う。
エロパロにするのはいいけど、キャラの設定を変えてしまったら元も子もないかと
308:名無しさん@ピンキー
08/06/17 00:18:10 I4IhbJUH
>>303
これは期待
309:名無しさん@ピンキー
08/06/17 00:43:29 uY3M6Ias
あんた、また痩せたんじゃないの?」
忙しい合間を縫って遊びに来てくれた友人の心配そうな声に、灯里は明るく返した
「へへ、ちょっと夏バテしちゃって……」
無理に笑顔を作ったが、付き合いの長い藍華には、灯里の体調の悪さが見てとれた
日々の激務から来る疲労、食欲不振、不眠症、最近では昼夜問わず頭痛がした
「会社、大丈夫なの?」
藍華の耳にもアリアカンパニーの業績悪化の話は届いているのだろう
「うん……なんとか」
弱音を吐くわけにはいかない。
「なんとかって……ほとんど休みもとってないんでしょ?」
灯里は二ヶ月前に会ったときよりも少し痩せて、顔色も青白く、疲労はピークに達しているように見えた
問題は体調面だけではない。以前はよく笑っていたのに、今は伏し目がちで、たまに見せる笑顔もどこか痛々しかった
精神的にもすっかり参ってしまっているのだろう
「あっ、紅茶もう一杯作ってくるね」
そう言って立ち上がった灯里だったが突然ふらつき、テーブルに寄りかかるように手をついた。その衝撃で、テーブルの上にあったティ-カップは床に落ちて、粉々に割れてしまった
「灯里大丈夫!?」
灯里の様子に驚き、慌てて駆け寄る
「あっ、ごめん藍華ちゃん。うん……平気、ちょっと眩暈がしただけだから」
灯里の額からは大粒の汗が流れ落ち、呼吸も荒かった
「こんなの……全然平気じゃないわよ……。こんなこと続けてたら……」
藍華は自分が泣いていることに気づいた
藍華はアリアカンパニーが好きだ
偉大なグランマやアリシアが守ってきた、この会社の大切さも分かる
でも……友人……本当に大事な友人と比べたら、会社や伝統なんて比較するのもくだらないほど卑小なものだと、藍華は思う
「灯里!もう……」
「藍華ちゃん、覚えてる?」
藍華の声を遮るように、灯里は話し始めた
「藍華ちゃんとアリスちゃんと私で、アクアで一番のウンディーネになろうって約束したよね」
その声はとても美しく、優しかった
「藍華ちゃんもアリスちゃんもその約束に向かって頑張ってる……だから私も頑張れるんだよ」
そのときの灯里の笑顔は、以前と少しも変わらない彼女らしい笑顔だった
藍華はもう何も言えなかった
このまま行けば、きっと取り返しのつかないことになってしまうだろう
それでも藍華は何も出来なかった
灯里がこれほど頑張っているのは、会社のためでも伝統のためでもなく、あの日の約束を守るためだと知ってしまったから……
310:名無しさん@ピンキー
08/06/17 00:47:21 O4TYGnVw
ヤバイ… 気になるじゃねぇか!
311:名無しさん@ピンキー
08/06/17 01:30:37 3TZ9cvNp
どんどん堕ちていってほしい・・
312:名無しさん@ピンキー
08/06/17 04:34:32 HdI3ZKMK
見たくない…。しかし見たい!
313:名無しさん@ピンキー
08/06/17 23:23:00 O4TYGnVw
つ…続きはまだか…
314:名無しさん@ピンキー
08/06/18 00:12:35 m1PnLjML
灯里が救われますように悪い方向に進みませんように(ToT)
315:名無しさん@ピンキー
08/06/18 01:15:23 lHqATczY
ううっ 涙が出てきよった…
316:名無しさん@ピンキー
08/06/18 01:21:29 9nLatzYW
借金するんだろ、これからw
で、返済に困るとかw
317:名無しさん@ピンキー
08/06/18 04:18:23 G09H2IU8
灯里が倒れた─
アイからその一報を受けた藍華は仕事を早々に切り上げ、灯里が運ばれた病院に向かった
院内に入り、灯里の病室の近くまで来たとき、困惑するアイを見つけた
「藍華さん…………」
アイはすっかり取り乱した様子で、藍華に駆け寄ってきた
「………………」
「わ、私、どうしたら……まさか灯里さんが……」
藍華は目の前が真っ赤になるのを感じた
アイの無神経さに腹が立ったのだ
そして次の瞬間には、平手でアイの頬を打っていた
「なんで気付いてあげなかったの!?灯里は……灯里はあんたのために……」
自分は卑怯だ、と藍華は思う
灯里はアイに余計な心配をかけないように振る舞っていた
だからアイが灯里の異常に気付かないのは、仕方がないことなのだ
一方自分はどうだろうか……
それに気付きながら、何も出来なかった。いや、出来ることはあったはずなのに……何もしなかった
そして今はアイに、その全ての責任を押し付けているだけではないか
「うっ……ぐすっ……」
立ち尽くしたまま、涙を拭うアイを残し、藍華は灯里の病室に向かった
灯里はベッドを起こし、窓の外の風景を眺めていた
「あ、藍華ちゃん来てくれたんだ」
病室のドアを開けた藍華に、灯里は笑みを投げかける
「……灯里」
その笑顔はシーツの白さと相まって、病的なほどの蒼白さを藍華に感じさせた
「えへへ、倒れちゃった。お医者さんは疲労がたまってたんだろうって」
灯里は不注意でカップを割ってしまったときのように、照れながら言った
「しばらくゴンドラは漕げないって……」
しばらく……と灯里は言ったが、もう二度と漕げなくなる可能性もある
肉体的な疲労はすぐ回復するだろう
しかし問題は精神的な方だった
毎日長時間働かなければ、会社を存続していけないという強烈なプレッシャーとストレスは、灯里の心を確実に蝕んでいた
「藍華ちゃん……お願いがあるの」
黙って、ただ俯いていることしか出来ない藍華に灯里は言った
「アイちゃんを、姫屋で預かってくれないかな」
なんとなく予想は出来ていた……
今回灯里が倒れたことで、ARIAカンパニーは休業せざるを得ないだろう
そのためアイが今まで通りの練習を続けるには、他会社へ移籍する他はない
「うん、いいわよ」
そんなことで灯里が少しでも救われるなら、いくらでもしてあげたいと藍華は思う
「ありがとう藍華ちゃん」
二人は久しぶりに笑顔を見せあった
しかしその笑顔も、かつて二人が同じ夢を目指していたころのそれとは、悲しいほどにかけ離れていた
「灯里は……完治したら……どうするの?」
藍華は最も重要なことを聞いた
彼女は本人さえ頷けば、アイとともに灯里を姫屋で引き取ることも考えていた
しかし灯里は藍華にとって最悪の答えを出していた……
「私は……もう少し頑張ってみるよ」
灯里は精一杯の笑顔で答える
藍華は愕然とした……
彼女はこれ以上、何を頑張るというのだろうか……
318:名無しさん@ピンキー
08/06/18 04:21:41 G09H2IU8
遅れてすいませんでした
前の2つは結構前に書いたものを投下しただけで、本来続きはなかったんですが、とりあえず書いてみました
もうネタ切れなのでたぶんこれで終わりです
319:名無しさん@ピンキー
08/06/18 17:57:54 loFSe8Y+
頼むから続き書いてくれ あと…できればハッピーエンドで頼む
320:名無しさん@ピンキー
08/06/18 20:30:45 HRs8pXQn
もし、318氏が続編を描かないのであれば、誰か続きを・・・
堕ちていく灯里がみたい・・・
321:名無しさん@ピンキー
08/06/19 00:15:20 SikKWZUs
誰か続きを書いて・・・
ハッピーエンドで
322:名無しさん@ピンキー
08/06/19 00:22:22 YlnuP5WJ
ハッピーエンドでもいいから、一度、堕ちるところまで堕ちて、
それからハッピーに持っていってほしい。・
といっても職人さんのモノに要望というのもおかしな話だが。
323:名無しさん@ピンキー
08/06/19 01:24:04 vb5Q1QyA
暁が灯里と結婚して灯里を支えればいいんじゃね?
324:名無しさん@ピンキー
08/06/19 05:37:45 5HLdxpGe
ハッピーエンドを…
昔の笑顔を…
325:名無しさん@ピンキー
08/06/19 07:22:02 /Iytr9Es
暁なんてそのへんのウンディーネAとでもくっついてりゃいい
326:名無しさん@ピンキー
08/06/19 12:26:45 AQ17UjS0
>>318乙でした。
でも面白いので続き見たいです…
出来れば更に鬱な展開を…
327:名無しさん@ピンキー
08/06/19 19:44:36 q+8td4tE
灯里は夢を見た…………
いつのことだったか、思い出せないくらい普通の、特別なことなんて何もない日常の風景
「こりゃ灯里、恥ずかしいセリフ禁止!」
藍華は灯里の頬を引っ張りながら、そう言った
「灯里先輩はでっかいロマンチストですね」
アリスはそんな二人を楽しそうに見守っていた
それはもう二度と戻れない、温かく優しい夢
灯里は静かに目を覚ました
(夢……か……)
灯里はベッドから起き、病室の窓を開ける。太陽はもう地平線に近づき、西の空はすっかり赤く染まっていた
ひっそりと静まり返っていた病室に、外の喧騒が流れ込んでくる
時折芳しい春の風が吹き、疲れ果てた灯里を優しく包んだ
「…………藍華ちゃん…………アリスちゃん…………」
大好きな友人たちの名前を口にする
無性に彼女たちに会いたくなった。以前はいつも一緒で、会いたいと思えばいつでも会いにいくことが出来たのに、今はそれも出来ない
今の自分には、彼女たちと顔を合わせる資格がないから……
私はどうしてしまったのだろう──
考えなければいけないことはたくさんあるのに、思い浮かぶのは昔のことばかりだ
目を瞑れば今でも鮮やかに思い出せる……
泣き出してしまいそうなくらい、懐かしくて愛しい思い出
灯里の目から涙が溢れ、頬をつたって落ちた
それを拭いもせず、灯里は沈んでいく太陽を見続ける
夜はもう、すぐそばまでやってきていた…………
328:名無しさん@ピンキー
08/06/19 19:50:00 q+8td4tE
>>317を書いたものです
短くて、ストーリーは何も進んでいませんがとりあえず書いてみました
私はネタ切れなので、どなたか続きを書いてくださっても構いませんよ
329:名無しさん@ピンキー
08/06/20 00:28:37 4RQt51n5
誰か書いてくれ!
330:名無しさん@ピンキー
08/06/21 01:20:03 LR0UCiev
雨が降り始めた。冷たく、悲しい雨。不思議なほど、寒さは感じなかった。
夜の闇を虚ろな目で歩く一人の少女。やがて彼女は、人気の無い桟橋の上にしゃがんだ。
そういえば、ここでトラゲットの仕事もしたっけ。あの時であった杏やアトラ、あゆみは
今も元気だろうか。
彼女はしばらく、夜の深い水を眺め続けた。
ふと、彼女は思い立ったように立ち上がる。その目には、絶望と決意の色があった。
―どうせ私は、もう水先案内人としてやっていくことはできない。
いつも一緒にいてくれたみんなに合わせる顔も無い―
「いいよね。私の人生だもん」
そう自分に語りかけ、桟橋に腰掛けて足先を水につけてみる。
「冷たい」
その足先から伝わる感覚に、少しだけ目が覚める。それと同時に、お世話になった
アリシアさん、グランマの顔が脳裏をよぎった。
―私がもしここで行ってしまったら、アリアカンパニーは…
それにアイちゃんも―
はっと我に返る。そして自分は何てことを考えていたんだと、自責の念で胸がいっぱいになった。
でもどうせ私なんて…と再び絶望に駆られる。もう一度足を水につけた。先ほどよりも深く、身を乗り出して。
遠くに聞こえるかすかな声。自分を呼んでいるように感じた。
「灯里ーっ!」
「灯里センパーイ!」
それは空耳ではなかった。向こうからかけてくる2人の影。やがてその姿ははっきりと見えた。
「藍華……ちゃん……アリスちゃんも……」
「何やってるのよ灯里!心配したじゃない!」
「灯里先輩が部屋からいなくなったって、でっかい騒ぎで捜してたんですよ」
「ごめんね2人とも。でも私、自分でもどうしたらいいかわからなくて……もういっそのこと……なんて」
灯里の目から、大粒の涙が溢れ出た。それは雨の夜でも十分にわかるほどだった。
次の瞬間、灯里の頬に平手打ちが飛んだ。藍華だった。
「あんたねぇ、何てことを考えてるの……!そんな、灯里だけ先になんて、絶対に、ぜったいに許さない
んだからっ……!」
「そうですよ灯里先輩、3人一緒じゃないと世界が滅びるって言ったじゃないですか」
そう言うアリスの目にも、うっすらと光るものがあった。
「ごめん、ごめんね……」
灯里はただ謝ることしかできなかった。
「謝らなくても……いいのよ……」
3人は雨の中、抱き合って涙を流し続けた。
331:名無しさん@ピンキー
08/06/21 01:22:22 LR0UCiev
とりあえず>>327の続き
文末の読点、小説的表現などこれまでの流れをぶったぎってますがお許しを…
332:名無しさん@ピンキー
08/06/21 01:52:11 Neh1yrDV
>>330読んだら、俺の書いたやつが糞に思えてきた
orz
まぁとにかく乙です
333:名無しさん@ピンキー
08/06/21 11:02:24 TTFhEcCr
よくやった 続きを頼む
334:名無しさん@ピンキー
08/06/21 11:06:51 5laKTybv
褒めて伸ばすタイプ
335:名無しさん@ピンキー
08/06/21 11:18:55 /JDmvr3k
いやいや、ストーリーってのはきっかけつうか書き始めが難易度高いからね。
>>330さんもみごとだけどそれは>>327までの出来がよかったからって理由も
あったと思うし。
336:名無しさん@ピンキー
08/06/21 12:11:08 4PeF2YBG
>>335
ひがみ乙
337:名無しさん@ピンキー
08/06/21 21:55:37 3gXmjHBB
>>336みたいなアフォは放置しといてとw
アリシアさん、グランマが助け舟だせないって状況はウンディーネ業界自体が危機的
状況で、アリカンを気にする余裕なかったってトコなんですかね。
あと、グランマもアリシアさんも誰かの重荷になるだけのアリカンなら潰して構わな
いって言うような気がする。
なぜなら、幸せになるために作った会社だから。
338:名無しさん@ピンキー
08/06/21 22:06:53 pdPp5oxK
>>330の展開から、どん底に堕ちる展開に希望
もう立ち直れないぐらいに。
339:名無しさん@ピンキー
08/06/22 20:43:54 lWE3g/a9
>>335
>>330みたいな素晴らしい作品にケチつけんなよw
ひがみか?
340:名無しさん@ピンキー
08/06/22 22:50:59 sWZ+GZzv
>>339
ケチつけているようには見えん
341:名無しさん@ピンキー
08/06/23 00:26:06 5643GYCZ
お前らわかったから少しおちつけw
342:名無しさん@ピンキー
08/06/23 14:46:26 /R0APhlN
アイちゃんがフェレットに化けて灯里の風呂覗くシーンが見たい………
343:名無しさん@ピンキー
08/06/24 19:26:42 tSgJYDLj
なんでフェレットなんだ?
344:名無しさん@ピンキー
08/06/25 23:50:35 6yxx+pMH
女同士なんだから、一緒にお風呂とかでも無問題だろww
345:名無しさん@ピンキー
08/06/26 17:47:08 dJjLaWpX
ウンディーネは若い美人と言うイメージだけど、うだつの上がらない三十女とかいないのか?
男の客を乗せてゴンドラを入り組んだ区画に進めてそこで大人のサービスなんて事を妄想してしまう…
346:名無しさん@ピンキー
08/06/26 19:13:38 ohk6n//c
主要3社以外の店のプリマならやりかねない
うん、俺の妄想がどんどん膨らむぜ
347:名無しさん@ピンキー
08/06/26 22:59:45 22j/XLmz
wikiで調べたら主要3社以外も存在すると知ったけど、制服のデザインなど不明な点も多い。
表向きはゴンドラ協会に入っていても裏では売春に始まり、ウンディーネの整形や豊胸は当たり前でゴンドラをオールを漕がなくても
巨大版マブチモーターwで動くようにしたりなどアクアらしくなさでマンホームからの観光客を持て成す会社があってもいい
でもぼったくりは勘弁w
348:名無しさん@ピンキー
08/06/26 23:38:48 hCKLn0iF
まあウンディーネのコスでプレイできるイメクラとかはありそうだな
観光地だから当然風俗は多いだろうし
349:名無しさん@ピンキー
08/06/27 00:18:04 /m5l3YKJ
とりあえず>>345の発想で書いてみるぜ
「その 麗しき水先案内人は…」
登場人物:主人公、オリキャラ
早いもので、俺がこのネオ・ヴェネツィアに来てからもう1ヶ月ほど経つ。
仕事の都合で来たとはいえ、とても住み心地のよい街だ。次の異動で
ここを離れることがほぼ確実なのが実に惜しい。アクア支社への転属を希望したいところだ。
だが、俺はネオ・ヴェネツィアンを名乗るには欠かせない事項をクリアしていなかった。
そう、俺はゴンドラでこの街を遊覧したことがないのだ。仕事柄ゴンドラに乗る機会は多いが、
大抵は荷物用かトラゲットだ。しばしばすれ違う遊覧船と、乗っている水先案内人を見ると
俺もあんな贅沢がしたい、と切に思ってしまう。「月刊ウンディーネ」なる雑誌も買ってみたりした。
読めば読むほど、乗ってみたいと思う気持ちは強くなっていった。(余談だが、俺的観光案内
してもらいたい水先案内人ランキング1位だったアリシアさんが引退してしまったのは惜しい)
しかし、観光案内付きの遊覧船ともなる料金はそれなりに高い。一時的な滞在なので、会社からは
最低限の旅費しか送られてこない。宿泊費を引いた残金ではとてもではないが乗れないだろう。
そんなことを考え、ここに転属するまでの辛抱だと半ば諦めていた。
ある日のことである。その日は仕事が早く終わったので、昼間の喧騒の中を帰ることとなった。
いつも俺が通るのは早朝か日没後の人もまばらな広場だから、この光景は新鮮に感じる。
明日が休日であることも手伝って、俺の心はすこし浮かれ気分になっていた。ちょっと寄り道でも、
とカフェ・フロリアンにてお茶をすすった後、気の向くままにぶらぶらしていると、桟橋の辺りに
札を掲げた水先案内人らしき人物が数人立っているのが見えた。そう言えば、プリマになったはいい
ものの客が集まらず自ら客引きに出向く水先案内人もいる、なんて話を聞いたことがあった。彼女
たちも大変だな、と思っていると、一人の水先案内人が手に持っていた札が目に入った。
"Dozzinale Gondola"
直訳で「安いゴンドラ」、多分他社に比べて安価なことを伝えたいのだろうが、dozzinaleは
「安っぽい」「粗悪な」といったマイナスの意味だったと記憶している。何とも笑える訳だ。ここ
ネオ・ヴェネツィアの公用語は日本語だから、「日本人的な間違い」なのだろう。economico(経済的な)
などの方がまだマシと思われる。どちらも下手な訳ではあるが。
それでもそんなに安いなら今の俺でも、と思い話しかけてみた。30代前半の大人のお姉さんといった
感じの水先案内人だ。美しく落ち着いた容姿と声は、俺の好みには合っていた。
「で、いくらで乗せてもらえるんですか」
「はい、当社では2つのコースをご用意させていただいております」
そう言って彼女は、紙を差し出してきた。どうやら"natura"、"costruzione"の2つのコースがあるようだ。
自然コースと建造物コースとは何と適当なコース名だろうか。本場のネオ・ヴェネツィアンなのだから、
もう少し高度なイタリア語を使って欲しい。
さて、どうしようか?
1.naturaコースで。
2.costruzioneコースで。
350:名無しさん@ピンキー
08/06/27 00:25:48 SdsSfW9A
ぐぐったら水先案内人及水先案内店ノ営業等ニ関スル法律というのがあったので、主要3社以外の店のプリマが手っ取り早く稼ごうと思うと法の裏をかく必要がありそうだ。
稼ごうと思えば顔をアリシアみたいに整形し、操船技術の甘さはこっそり取り付けたモーターのアシストでカバーして売春行為に及ぶ場所は傍目に付かずしかも潮が満ちてもゴンドラを通れる場所を
キープしておけば可能だろう。
351:349
08/06/27 00:57:59 /m5l3YKJ
とりあえず今回のコンセプトは
・一人称視点なので主人公=読み手の想像が容易
・濡れ場以外がただのオマケにならないよう少しは構成を考える
・相手は操舵術、容姿ともにそこそこで、整形やモーターなどのチートはなし
って感じで。需要あるか分からないけど一応最後まで書こうと思う
352:名無しさん@ピンキー
08/06/27 01:18:28 qsPWHJYz
オリジナル水先案内人って健全サイトにもある企画だったんですね。
このスレの住人としてはまだ日が浅いけど、神349の活躍に期待…
353:名無しさん@ピンキー
08/06/27 12:17:52 2AKi4A9g
>>343
淫獣でぐぐれ
354:名無しさん@ピンキー
08/06/27 20:56:47 YuA/406h
>>349
っ2.costruzione
355:349
08/06/28 21:29:10 qwIdF/l6
<2.costruzione>
「じゃあ、こっちのcostruzioneコースで」
俺は初めてだということもあって、値段が安かった方を選んだ。
「はい、かしこまりました」
大人の魅力を漂わせながら、彼女は笑顔で返事をした。流石水先案内人、
営業スマイルもバッチリ決まってるぜ。おっと、せっかくだしこういうことは
考えないようにしよう。
そんなことを考えていると、ゴンドラはゆっくりと動き出した。
乗り慣れている荷物用ゴンドラやトラゲット用のそれとは全く違う、優雅な
乗り心地だった。普段はゆっくりと味わう機会もないこのネオ・ヴェネツィアの
魅力を改めて知った気がした。
水先案内人さんとの会話も弾む。
「お客様、観光用ゴンドラのご利用は初めてで?」
「ええ。会社に言われて短期滞在してるだけなんで、お金もあまりないんですよ」
「あら、じゃあいつか出て行っちゃうのかしら」
「次の異動で戻ることになりそうです。でもここは本当にいい街ですね。いつか
アクア支社に転属したいところですよ」
「そう。是非またいらしてくださいね」
「もちろんです」
あまり人と話すのが得意ではないタチの俺だが、この人には何故かいろいろと
話せる気がした。俺はどうやら、大人の魅力を持つ女性の方が好きなようだ。
「そういえば水先案内人さん、お名前は?」
「私?うふ、亜美・I・ベッリーニです」
「亜美さんですか。素敵なお名前ですね」
俺も適当に自己紹介を済ませた辺りで、ちょうどよく出発した桟橋に戻ってきた。
「今日はありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ。もうお別れだなんて、時間はあっという間に過ぎるのね」
「そうですね。また機会があったら乗りに来ます」
「うふふ。またよろしくお願いしますね」
若い水先案内人だけじゃなく、あんな大人なのもいいなぁ、なんて思いつつ、
俺は家路に着いた。
「その 麗しき水先案内人は…」通常ルート ~完~
>>354の声に応えて2.から先に書いてみた
残念ながらこっちのルートはこのスレ的にはハズレです。
356:名無しさん@ピンキー
08/06/28 22:02:15 tXN0nBYO
(´-`).。oO(奇跡を待てば、きっと素敵なシチュが…
357:349
08/06/29 02:10:44 8CiOBwuq
<1.natura>
「じゃあ、こっちのnaturaコースで」
やや値は張るようだが、他の会社よりは確実に安いのでこっちを選ぶことにした。
たまには贅沢だってしてみたいというものだ。
「うふふ、ありがとうございます」
色っぽい大人の笑顔をたたえた彼女は、俺の目には実に魅力的に映った。
こんな贅沢もいいもんだな、なんて思っていると、ゴンドラは滑るように動き出した。
流石の操舵術。こうして一人で営業しているということは、彼女もまた、プリマの
一人なのであろう。一流の腕前を持っていても、あんな風に客引きに出なければ
ならないのか。なかなか厳しい業界なのだろう。
ゴンドラは順調に街中を進み、俺は観光案内を聞きながら、普段ゆっくりと見る暇も無い
ネオ・ヴェネツィアの美しい風景を堪能した。今日の俺はいくらか開放的な気分になっていた
ので、水先案内人さんとの会話も弾んだ。
「お客様、観光用ゴンドラのご利用は初めてで?」
「ええ、会社に言われて短期滞在してるだけなんで。なかなかこんな贅沢できませんよ」
「うふふ、お仕事お疲れ様です。短期滞在ってことは、すぐにこの街を出て行ってしまわれるの?」
「次の異動で戻ることになりそうです。でもここは本当にいい街ですね。いつか
アクア支社に転属したいところですよ」
「そう。是非またいらしてくださいね」
「そうですね、機会があれば」
聞けば聞くほどいい声だ。俺は大人の魅力を持つ女性が好きなようだ。
ここで会ったも何かの縁。尋ねておきたいことがある。
「ところで水先案内人さん、お名前は?」
「私?うふ、亜美・I・ベッリーニです」
「亜美さんですか。素敵なお名前ですね」
「あら、ありがとうございます。うふふ」
そんな会話をしているうちに、出発した桟橋が遠方に見えてきた。
「もうすぐ終わりですね」
「いいえ、ここからは特別ルートに入ります」
そういうと彼女、亜美さんは、巧みなオール捌きでゴンドラの向きを変え、建物の隙間の細い
水路へと船を進めた。
今日はここまで。エロSSは経験が浅いので本番シーンとか自信ない俺童貞orz
358:名無しさん@ピンキー
08/06/29 06:03:49 T1vj/t/I
久しぶりすぎて忘れてしまったかもしれませんが鬱ARIAを完結させようと思って最終話書いてみました。>>330の続きです
>>330氏の協力感謝します
359:名無しさん@ピンキー
08/06/29 06:12:40 T1vj/t/I
入院して1ヶ月、灯里は今日退院し、ARIAカンパニーへ帰ってきた
本来はもっと早く退院出来る予定だったのだが、病室を抜け出したことで、それも少し延びてしまった
「ただいま……」
返事はなく、灯里の声は1人では広すぎる室内に虚しく響いた
また1人になってしまったのは少し寂しいが、でもそれ以上にまたここに戻ってこれたことが、たまらなく嬉しかった
もちろん退院したからといって、すぐに仕事を再開できるわけではない
「しばらくは会社のことも仕事のことも忘れて、ゆっくり休んでください」
退院する際、担当医は灯里にそう注意した
(お医者さんさんはあぁ言ってたけど、やっぱり早く復帰したいな)
入院した当初は肉体的にも精神的にも衰弱していて、このままもう二度と、ゴンドラには乗れないのではないかとも思ったが、回復するにつれ、徐々に仕事をする意欲も湧いてきた
(そうだ……久しぶりに)
灯里はクローゼットを開ける
そこには綺麗に畳まれた制服があった
入院してる間に藍華たちが洗濯してくれたのだろう、制服からは、柔らかなピンクローズの香りが微かに漂ってきた
「えへへへ」
自然と笑みが溢れる
制服を胸に抱くと、その香りとともに、彼女たちの優しさまで感じることが出来るような気がした
三週間前、極限まで追い込まれ自殺まで図った自分を、涙を流しながら抱き締めてくれた二人
(藍華ちゃん、アリスちゃん……ありがとう)
灯里は丁寧に制服を広げ、ゆっくりと着替えていく
(制服ってやっぱりいいなぁ)
姿見で制服姿の自分を写す
以前は毎日のように着ていたのに、今はとても新鮮な気分だった
(お医者さんには止められてるけど、ちょっと漕いでみようかな)
制服を着てしまったら、もう我慢など出来なかった
やっぱり私はこの仕事が好きなんだ─
気分が高揚し、つい早足になってしまう
オール置き場から、4のナンバーが刻まれたオールを手に取った
(………………?)
そのとき灯里はほんのわずかな違和感を覚えた
注意していなければ、簡単に見過ごしてしまうくらい、小さな小さな違和感……
使い慣れたはずのオールが、上手く手に馴染まない感覚
胸に一抹の不安が宿る
(久しぶりだからだよね。きっと……ゴンドラに乗れば大丈夫)
自分にそう言い聞かせて、広がっていく不安を無理矢理掻き消した……
360:名無しさん@ピンキー
08/06/29 06:13:30 T1vj/t/I
灯里は外へと繋がる階段を降りて、係留ロープで繋がれたゴンドラへ近づいていく
プリマになったとき、アリシアから受け継いだ、美しい装飾が施された白いゴンドラ
灯里はロープを外し、今までと同じようにゴンドラの後ろ側に立つ
ずっと前から繰り返してきた、あまりに当たり前な行為
しかしその時、今度は無視出来ないほどの強烈な違和感が、灯里を襲った
足はきちんとゴンドラの底を捉えてるはずなのに、まるで足場がなくなってしまったかのような妙な浮遊感
まだ漕ぎ出してもいないのに、オールを握る手はぐっしょりと汗で濡れていた
(漕がないと…………)
頭では分かっていても、体が強張っていうことをきかない
心臓は気味が悪いくらいに、強く鼓動を打っていた
「…………ハァ…………ハァ…………」
呼吸が苦しくなって、視界は徐々に狭く曇っていく
そうしている間にも、気持ちの悪い浮遊感は一層強さを増し、灯里はもう立っていることさえ出来なくなって、その場に蹲った
灯里の手から離れたオールは、どこまでも青く広がるネオ・アドリア海の水面に落ちて、大きな波紋を描いた
その波紋が消えるのとほぼ同時、船底にポツリ、ポツリと水滴が落ちる
それが灯里の額から落ちた汗なのか、それともどうしようもない苦しみから来た涙だったのか、灯里自身にも分からない
ゴンドラに乗ることへの恐怖感と、それを感じてしまう自分への絶望とで、灯里は蹲ったまましばらく動くことが出来なかった
ぼんやりとした思考の中、灯里は考えた
(……なんで……こんな風に……なっちゃったんだろ……)
灯里は今度こそ気付いてしまった………
自分はもう……
ゴンドラに乗ることが出来ないということに………
361:名無しさん@ピンキー
08/06/29 09:45:51 jW60Kw1e
つ、続きが気になる・・・
でも灯里が救われますように!!
362:名無しさん@ピンキー
08/06/29 10:46:11 6LSaumyY
どうか…どうか灯里が助かるようにしてくれ
363:名無しさん@ピンキー
08/06/29 12:54:43 AOHHQlyI
そ、それで最終話なのか!?
364:名無しさん@ピンキー
08/06/30 00:01:42 wb76wYSX
どうか灯里が救われますように…
365:名無しさん@ピンキー
08/06/30 18:02:06 RuM4XOuJ
作者の意思を尊重してこのまま終わらせ、ハッピーエンドにしたい人は各自の想像で補うのか
ハッピーエンドを希望する人のために誰か加筆するのか
難しいところだ
読みたい人だけ読んでくださいってことでどっかのろだにzipで…ってSS的にそれはアリなのだろうか
366:名無しさん@ピンキー
08/07/01 22:20:58 iAFiY845
ハッピーエンドにしたい人は各自の想像を投下するのはおkか?
渋滞にはまってる間にアイデアをひとつ思いついたし
367:名無しさん@ピンキー
08/07/01 22:42:49 ytms01+p
自分としてはおk。むしろ歓迎!続きが見たい。
ただ製作者はあれで完結のつもりだったのかな?
368:名無しさん@ピンキー
08/07/01 23:30:11 0LBsbMQj
>>367
自分としてはあれで完結させたつもりですが続きあれば好きに書いちゃっていいですよー
俺がハッピーエンド書くとかなり陳腐になっちゃうんで……
369:名無しさん@ピンキー
08/07/02 00:34:08 383mHKes
思いつきと言うか消去法で救うにふさわしいキャラが見つかっただけです。
アンナは晃を丸くした感じの印象だったし、きっとアリシアより人間ができてるので、パートと言う形ででも
復帰して会社を切り盛りしつつ灯里が回復したらアリシアから学べなかったことを教えれば灯里も成長し、
結果的にアンナも稼ぎたいときだけゴンドラに乗れる自分サイズの幸せを手にできるだろうと感じた。
でもSSにする程の意外性はないな('A`)
370:名無しさん@ピンキー
08/07/02 05:21:07 +ukavUXu
身も心もボロボロになった灯里はあてもなく街をさまよっていた。
そして、いつもと変わらぬ暁と出会う。
「どうしたのだ、もみ子?」
いつもと変わらぬ暁に何故か涙が溢れてしまう灯里。
「おっ、おい、もみ子?一体どうしたと言うのだ?」
暁の胸に飛び込み泣きじゃくる灯里。
「あ、暁さ~~んっ!!」
困り果てる暁だがそっと灯里の肩を抱くのだった。
どれだけ時間がたったのだろうか?
ようやく落ち着きを取り戻した灯里は暁から離れる。
「すいません、暁さん、みっともないところ見せちゃって」
痛々しいつくり笑顔でなんとか暁に言葉を発する灯里
「もみ子よ、アリシアさんが、引退した今、おまえがそんなんでどうする?」
空気の読めない暁は灯里に説教を始める。
「アリシアさんの築き上げたアリアカンパニーをおまえが守っていかなくてどうするのだ?」
そんなことは灯里も分かっている。
でもどんなにがんばろうが、ダメなものはダメなのだ。
自分はアリシアさんがいないと何もできない現実。
灯里は暁の言葉にさらに打ちのめされるのであった。
「暁さん、ありがとうございます・・」
一応の礼をしつつ、暁のもとから離れる灯里。
「もみ子よ、今日のようなことは今回限りにしてくれ。」
「誰かに見られでもしたら勘違いされてしまうからな、はっはっはっ!」
最後まで空気の読めない暁にいらつく余裕さえない灯里
この人には二度と頼らないようにしようと、心に誓うのだった。
371:名無しさん@ピンキー
08/07/02 06:15:20 YcCInJow
>>370
最後の一文でフイタ
372:名無しさん@ピンキー
08/07/02 12:08:35 kUx0t4kZ
恥ずかしいから一緒に帰りたくないってときメモかよw
暁はアリシア寄りだし、少年の心を持ちすぎてるから女のピンチを救ってモノにするなんて芸当は不可能かも
もし灯里が浮き島に来てたら飛び降りるかもしれないので、街中でよかったと信じたい。
ウッディーやアルやケットシーに期待しよう。
373:名無しさん@ピンキー
08/07/03 05:19:53 eovF2I4l
そんな暁と別れ、気分の晴れない灯里がアリアカンパニーに帰る。
っと、その時、中から話し声が聞こえた・・・。
「(アイちゃん、と誰?男の人??)」
聞き耳を立てる灯里。
「ですから、是非あなたをオレンジプラネットへご招待したいのですっ!」
「一緒に働いてみませんかっ!」
はわわ、、これって引き抜き!?
「え、あのその私は・・・」
アイちゃんの戸惑う声が聞こえる。
「アイちゃんは、アイちゃんなら断るよね・・・」
さらに聞き耳を立てる灯里。自分の心臓の音がやけに大きく感じる。
「すいません、少し考えさせてもらえますか・・・」
「!?」
「なんで?なんでアイちゃん、はっきりと断らないの?」
膝をついてがっくりうなだれる灯里。
だけど、すぐにその理由に気づいた。
「(私だ・・。私がだらしないから、・・・。)」
中の男の人の声がさらに続く。
「ええ、いいですとも、良いお返事を期待しておりますぞっ!」
目の前が真っ暗になる灯里。
アイちゃんにも見放された私は、一体何なのだろう・・・。
っとその時、目の前のドアが開く。
「おっと、これは失礼・・」
灯里を見下ろす男は灯里をニヤリと一瞥すると、去っていった。
「灯里さん・・・。」
「アイちゃん・・・。」
しばし見詰め合うふたり。
「アイちゃん、いってきなよ。」
気丈に振舞う灯里がやっと出た声でそうつぶやく。
「灯里さん・・・私。」
「アイちゃんはこんなところで立ち止まってちゃダメだよ。」
自分で自分が何をいってるのかもはや分からない。
それだけ灯里の頭の中はまっしろだった。
374:名無しさん@ピンキー
08/07/04 10:51:34 UiO4lUtz
過疎
375:名無しさん@ピンキー
08/07/06 14:15:16 pb9nLl+A
続きは?
376:名無しさん@ピンキー
08/07/06 16:20:31 fgLjEzqJ
そして、アイちゃんがアリアカンパニーを辞めて数日が経った。
灯里はアリアカンパニーを再興するために、どうすればいいかをひとり考えていた。
「一体、どうしたらいいんだろう?」
どうすれば、アリシアさんのようにお客さんに指名してもらえるか。
灯里はずっと部屋にこもって考えていた。
「ねぇ、どうすればいいですかねぇ、アリア社長・・・。」
灯里がつぶやくが返事はない。
「(あ、そうだった、アリア社長はもういないんだった・・・。)」
そう、アリア社長はアイちゃんが出て行くと同時ぐらいにいなくなっていたのだった。
「(社長もいないのに、何がアリアカンパニーなんだろう・・・フフ。。)」
自嘲気味に灯里は笑った。
その時、灯里にひらめきがあった!
「そうだ、アリア社長亡き今、アリアカンパニーである必要はないんだっ!」
社名を変えて、一から出直そう!そう灯里は思い立ったのだった!
「アリアカンパニーに変わる名前・・・」
灯里はすぐに思いついた!
「灯里カンパニー・・・、アカリカンパニー、がいいよ!」
藍華ちゃんには安直と突っ込まれそうだが、それしか思いつかなかったのだ!
「フフ、絶対見返してやるんだから・・」
灯里の瞳は今までになく輝いていたのだった。
377:名無しさん@ピンキー
08/07/06 16:31:26 fgLjEzqJ
あと、広告も打たなくちゃ。
幸い、アリシアさんが残してくれた会社のお金がまだある。
そして、そして、看板も新しくして。。。
灯里の夢は広がるばかりだった!
「あっ・・・」
灯里は気づいた。
姫屋には姫社長、オレンジプラネットにはまー社長、
うちには・・・。
アリア社長の代わりを見つける必要があることに気づいたのだ。
その辺の野良猫を拾ってくるわけにはいかない・・・。
どうしよう・・・?
・・・、でも大体、猫を社長にするのっておかしいよね、常識的に考えて。。
だったら・・・、別に社長を置かなくてもいいんじゃ・・・?
でもゴンドラ協会からクレームつけられたらイヤだし・・・。
その時、灯里に目に猫の置物が目に入った。
アリシアさんが残していったインテリアだった。
「これでいいかな、とりあえずは・・・。」
目も蒼いしね。
その置物を手に取る灯里。
「お客さんが増えるよ!」
「やったね灯里ちゃん!」
なーんてね!
灯里は自分が絶好調なのを感じるのだった!
378:名無しさん@ピンキー
08/07/06 23:24:47 K31IdyAf
毒されておりますな
379:名無しさん@ピンキー
08/07/07 00:51:44 OjyZQe6B
前の流れを無視して>>360続き
「灯里ちゃん・・・・」
穏やかな、懐かしい日々の春の日差しのような暖かい声がした。
「あなたには随分苦労させちゃったわね」
懐かしさやこうなってしまった事の申し訳なさや嬉しさやら様々な感情が一気に
吹き出して大泣きしながら抱きついてしまった。
「アリシアさ~~~~ん」
「あらあら・・・大丈夫よ、私が付いているんだから」
「心も体もボロボロでも私が絶対に治してみせる」
随分と長い間一人で苦悩したせいかどっと力が抜けてくるのを感じた。
「でも、もうゴンドラを漕ぐことも出来なくて・・・」
「大丈夫、懐かしい友達がお見舞いにきているのよ、外を見てごらんなさい」
正直、外に出るのもウンディーネの制服を着るのも体がこわばってしまうよう
な状態で恐る恐る窓から外を見る。
泣いていた灯里だったがほんの少し笑顔がこぼれる。
忘れるはずもない黒いゴンドラ。
キズだらけで古びた、灯里とアリシアのウンディーネとしての始まりを見守っ
てくれた懐かしいパートナー。
灯里は思わず駆け寄って、自分がつけた左舷の大きな傷を撫でていた。
楽しかったあの頃が走馬灯のように蘇る。
「もう、寿命がきたんだけどなんとか乗れるように修理してもらったの」
「灯里ちゃんを立ち直させるのが最後の仕事にしたいんだって」
いつしか、灯里のゴンドラへの拒絶感が薄れていき、まるであの頃に戻った
ように感じていた。
あの日の誓い目指してまた一から漕ぎ出していけそうな気がした。
駄文でスマン、なかったことにしてくれ^^;
380:名無しさん@ピンキー
08/07/07 01:02:44 m8IVGvfu
>>379
救われた!よかったね灯里ちゃん!
381:名無しさん@ピンキー
08/07/07 01:25:49 OjyZQe6B
駄文書いた上にレスまでします。
ウザくてすまんです。
あの状況じゃ原点に戻らんと立ち直れないんじゃないかなと。
で、その助けになるので真っ先に浮かんだのがあのペア、シングル時代のゴンドラ
で、灯里の前まで持っていくのはアリシアさんしかいないかなと。
他にもグランマやらネオベネツィア自体が灯里を救うってのも考えたけど難易度高
いし、自分の手に余るので回避しときました。
382:名無しさん@ピンキー
08/07/07 01:42:35 oMI5Cfxy
なんだ……ちゃんと自分で立ち上がれるんじゃない……
わざわざ心配して……私、バカみたいだよね……
な、泣いてなんかいないんだからねっ!?
383:名無しさん@ピンキー
08/07/07 20:24:47 cepv2X9L
>>377
>「お客さんが増えるよ!」
>「やったね灯里ちゃん!」
このネタ分かる奴、このスレにはいねーだろ…。
384:名無しさん@ピンキー
08/07/07 20:48:09 YUvD1yEJ
>>383
おれがいる
385:名無しさん@ピンキー
08/07/08 00:30:05 4tbKeGgU
なんかエロパロ版らしく無くなって来ているようで・・・(エロ無しでちゃんと話が続いてるし)
とりあえず灯里は救われてほしいです。ここがARIAスレであり続けるためにも。
386:名無しさん@ピンキー
08/07/08 07:20:16 vBe1Wice
意味が分からない。
エロあるなしは灯里が救われる救われないに関係ないし
387:名無しさん@ピンキー
08/07/09 00:24:10 ERkJ0lho
(´-`).。oO(アカリカンパニーに期待…
388:名無しさん@ピンキー
08/07/10 14:22:10 Snru9IyV
オレンジぷらねっとに入ったアイちゃんとアテナ先輩のやりとりを見てみたい
389:名無しさん@ピンキー
08/07/11 18:31:43 bS7tzPJY
続き!
390:名無しさん@ピンキー
08/07/16 17:55:25 6sRhCTFz
だれか何か書いてよ
391:名無しさん@ピンキー
08/07/16 19:42:43 E8jRCT1b
じゃあ俺が
392:名無しさん@ピンキー
08/07/17 12:00:53 2VZo9/H7
>>256
393:名無しさん@ピンキー
08/07/17 21:13:11 HAhv3IrN
>>256の続きみたい
394:名無しさん@ピンキー
08/07/17 21:35:39 1l1B7i1e
>>256
なんか別スレで見たことある。
実は暁だったってオチだったはず。
原作ベースなので面識ないってのが前提だった。
395:名無しさん@ピンキー
08/07/17 23:27:26 avlc0ldh
~の続きが見たいとか言ってる奴って何なの?
リレーがしたいの?
書き手の足も遠のくし、そこからは何も生まれないよ
396:名無しさん@ピンキー
08/07/20 16:03:40 7EAdmiLY
>>359へんに絡むとややこしくなるぞ
397:名無しさん@ピンキー
08/07/20 19:37:35 BqTLWvhR
>>369
どういう意味だ?
398:名無しさん@ピンキー
08/07/20 22:20:25 BIXNQyYX
>>379
そうからかうな
399:名無しさん@ピンキー
08/07/21 11:21:21 OsJdsuFM
そんなことより灯里ちゃんの親はどうしてるんだ?
家に帰ってこいって言わないのかな?
400:名無しさん@ピンキー
08/07/21 13:54:28 zMPAyRx6
エロといっても無理に会社の経営状態や水先案内業界を危うくしなくても、たまたま拾った客がさわやかに長旅でたまってるから抜いてYOと頼んで、
なぜかウンディーネが引き受けてしまうなんてシチュもありだろ
401:名無しさん@ピンキー
08/07/22 04:58:00 l5psM4ry
アリかも知れないけど、糞つまらん展開だろ、そんなんじゃw
402:名無しさん@ピンキー
08/07/22 05:27:08 G9tPOPYs
ま~無理に経営危機にするまでも無いと思うがな…
ロリショタネタでアニメ版アイを男の子にして、練習コースで無人島を廻る
で、途中で暴れて落水&助けようとしてウンディーネも落水
服を乾かす為に無人島に上陸→服を脱いで乾かす→で、何かイベント(1人でゴンドラに忍んでた理由辺りをキーにして)を起こしてHさせる
→宙港に送って行く→適当に別れのイベントを書いてEND
なんてのでも良い気がする
ま~文才無いから書けないけど…
403:名無しさん@ピンキー
08/07/22 05:47:32 FsbqEajQ
>>402 お前は何を言っているんだ?
エロパロSSは文才で書くんじゃない。
お前の妄想力のありったけを、キーボードにぶつけるんだ!
そして、それをうpするんだ!!
つべこべ言っている暇は無い。いまから取り掛かれ!
え? 俺? 俺はもちろん全裸で待機する役ですが、何か?
404:名無しさん@ピンキー
08/07/22 09:59:58 XRADG/6A
普段奇麗事ばかりで進行してきたARIAの世界観を壊す時期にきてるんだよ。
もっと人間の内面、黒い部分を描写するとか
405:名無しさん@ピンキー
08/07/24 11:57:30 IU1AQuwp
ARIA
406:名無しさん@ピンキー
08/07/24 14:44:22 rYKE401r
>>404
その通り
407:名無しさん@ピンキー
08/07/24 20:34:55 hu9ZNEEI
姫屋とおれんじによるシェア争いの激化なんて流れもありかも
サービス競争が壮絶になると業界三位や四位がどんな動きに出るだろう
408:名無しさん@ピンキー
08/07/27 14:37:33 COEZDvZO
>>407
「すわっ!何だこの成績は?オレぷらに水を開けられる一方じゃないか!
──藍華、お前というものが支店にいながら、何だ、このていたらくは!!」
「す、すみませんっ!晃さん、もといチーフ!でも、操船術と接客は完璧にこなして……」
「──言い訳はいいっ!言い訳は!!」
「──相変わらずね、晃ちゃん♥」
「アリシア?──何で貴様がここにいるのだ!」
「いや、私、ゴンドラ協会の幹部ですから………それより、聞いたわよ、晃ちゃん♥」
「──何をだ?」
「──オレンジぷらねっとの独走よ………姫屋が老舗という立場にあぐらをかいてるからじゃないかって………話よ」
「………」
「独走というのは、ゴンドラ業界自体にとってもあんまり良くないことなの………
お互い競争して切磋琢磨していかないと業界全体も発展していかないのよ………」
「………分かってる………」
「………なら、自分で考えなきゃね………晃ちゃんは姫屋のウンディーネを束ねるチーフなんだから………
──それでは、忙しいから行くね。私」
そう言うと、アリシアさんはとっとと姿を消した。
「………」
「………」
「………すわっ!始めるぞ!!姫屋の新サービスを!!!」
「………何かやな予感………」
「──何か言ったか?」「──イエ、実ニスバラシイコトダトオモヒマス(汗」
支店長、藍華の苦難は続く………
409:408を少し修正
08/07/27 14:43:33 COEZDvZO
>>407
「すわっ!何だこの成績は?オレぷらに水を開けられる一方じゃないか!
──藍華、お前というものが支店にいながら、何だ、このていたらくは!!」
「す、すみませんっ!晃さん、もといチーフ!でも、操船術と接客は完璧にこなして……」
「──言い訳はいいっ!言い訳は!!」
「──相変わらずね、晃ちゃん♥」
「アリシア?──何で貴様がここにいるのだ!」
「いえ、私、ゴンドラ協会の幹部ですから………それより、聞いたわよ、晃ちゃん♥」
「──何をだ?」
「──オレンジぷらねっとの独走よ………姫屋が老舗という立場にあぐらをかいてるからじゃないかって………話よ」
「………」
「独走というのは、ゴンドラ業界自体にとってもあんまり良くないことなの………
お互い競争して切磋琢磨していかないと業界全体も発展していかないのよ………」
「………分かってる………」
「………なら、自分で考えなきゃね………晃ちゃんは姫屋のウンディーネを束ねるチーフなんだから………
──それでは、忙しいから行くね。私」
そう言うと、アリシアさんはとっとと姿を消した。
「………」
「………」
「………すわっ!始めるぞ!!姫屋の新サービスを!!!」
「………何かやな予感………」
「──何か言ったか?」
「──イエ、実ニスバラシイコトダトオモヒマス(汗」
支店長、藍華の苦難は続く………
410:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:49:05 +bO4qY4F
荒れ覚悟で秋乃×郵便屋投下
苦手な方はスルーで
411:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:49:59 +bO4qY4F
彼女と初めて会ったのは、潮の満ちた狭い水路だった。
ゴンドラを立ち往生させていた俺を拾い上げ、白いゴンドラで集配に付き合うと言ってくれた。
姫屋の制服に身を包んだ彼女に俺は、会社にばれると面倒な事になると遠慮したが
「大丈夫。お友達をゴンドラに乗せるなんて、みんなやってますから」
と、その場で友達にされてしまい、一日無料でプリマのゴンドラを拝借させてもらったというわけだ。
彼女も郵便の集配は初めてだったのだろう。自分からポストを開けては郵便袋を落としかけ、俺の寿命を縮めかけた。
この事が会社にばれたのか、彼女は突然独立して水先案内店を立ち上げた。
責任を感じた俺は度々客として足を運んだが、彼女は頑として俺をゴンドラに乗せようとしない。
「お友達をお客様とお呼びするなんて、なんだか恥ずかしいじゃない」
と。呆れた俺は客として足を運ぶのを諦め、仕事帰りや近くまで来た際に顔を見せる程度に留めた。
彼女―天地秋乃はいつでも快く迎えてくれる。成熟した女の落ち着きと、少女のようなあどけなさが同居した笑顔で。
ふらりと寄って茶を馳走になり、談笑して帰る。いつしかそれが俺の習慣になっていった。
412:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:50:48 +bO4qY4F
「よぅ、居るかい」
「まぁ、ようこそ。今日も一日、ご苦労様です」
「お前さんもな」
秋乃が見計らっていたようなタイミングで玄米茶を入れる。
先月までは紅茶だったのが、健康にいいからと始めてみたそうだ。
いつものように二人で長椅子に座り、夕暮れの風に吹かれて一息つく。
まっ白な猫が一匹、こちらに背を向けて海を見つめていた。こいつは何度足を運んでも俺に馴れない冷たい奴だ。
「恥ずかしがり屋さんなんです、アリア社長は」
胸元のリボンを揺らし、彼女がにこやかに微笑んだ。
澄んだ青色の制服は自身に似合うように仕立てたのだろう。
「社長なのにお客様が見えると隠れてしまって。でも、郵便屋さんの事は気に入ったみたい」
「……こんな冴えないおっちゃんの何処が気に入ったのか、訊いてみたいね」
「あら、まるで本当のおじさんみたいな言い方をするんですね?」
俺は思わず頭を掻いた。今年で四十、女房も子供も居る俺は、やはり只のおっちゃんでしかない。
秋乃は女としてはまだ十分に若い。男話の一つも飛び出さないのが他人事ながら気に掛っていた。
「おっちゃんの相手なんかしてないで、いい加減男でも作ったらどうだ。お前さんなら引く手数多だろうに」
413:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:51:22 +bO4qY4F
「縁が無いのかしら。気がついたらこんなおばさんになっちゃった」
「……馬鹿言え。じゃあ、結婚もしないのかい?」
「その内に、ね。いつかは私も家族を持ちたいけど……今はまだ、この仕事が楽しいから。」
そう言って微笑む秋乃の表情に、僅かに影が差すのを俺は見逃さなかった。
「だがよ、寂しくねぇか?……身も固めず、一人っきりで住み込んでてよ」
彼女は答えない。猫が秋乃に甘えるように擦り寄って来た。そっと抱き上げて、子供でもあやすように撫で始める。
長い沈黙の末、彼女が呟いた。
「……今日ね、姫屋に居た頃の後輩が尋ねて来てくれたの。彼女は私よりずっと前に引退して、結婚して。子供もここに連れて来てくれたわ」
沈みきった声。遠くの教会から響く昏鐘が、酷く重々しく聞こえた。
「幸せそうな彼女を見てたら、胸が張り裂けそうになって。私は本当にこれから、一人でやって行けるのか不安になったの」
夕闇の中、痛い程の沈黙が広がる。絶え間なく打ち寄せる波の音。
気の利いた言葉が見つからなかったが、俺は口を開いた。
「お前さんの選んだ道だ。降りるのも踏ん張るのもお前さんの自由だな。……ま、俺でよけりゃ悩みくらいは聞くけどよ」
414:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:51:57 +bO4qY4F
彼女が顔を上げた。哀しげに目を閉じ、何か言おうとしたが
「そうね、ありがとう」
とだけ呟くと、唇を噛み締めたまま社長を抱いて立ち上がり、屋内に消えてしまった。
何時になく感情的なその様子に、俺は呆然と立ち尽くすしかなかった。
翌日も彼女の振る舞いは普段と変わらない。会社を訪れる誰に対してもあの溢れるような笑顔で接していた。
俺は毎日のようにARIA(猫に付けた名前らしい)カンパニーへ足を運び、茶を馳走になっていた。
こうなると嫁き遅れの妹を持ったような心境だ。食事にかこつけて郵便局の若い衆に引き合わせたりもしたが、彼女は上の空だった。
「男の一人や二人居た所で、仕事に障りは無いだろうに」
いつもの場所で煙草に火を灯しながら呟いた。彼女が嫌煙家と知ったのはずっと後の事だ。
「ごめんなさい。でも怠け者の私には、やっぱり重過ぎたみたい」
「毎日律義に湯を沸かして待ってる女の何処が怠け者だって?」
街の灯が波に蒼く煌めいている。二階から聞こえてくる涼やかな音色は夜光鈴だろうか。
膝の上で眠る猫社長をしきりに撫で回す秋乃。彼女はこの臆病な社長猫を肌身離さない。
俺はゆっくりと煙を吐き出しながら、彼女が口を開くのを待った。
415:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:54:57 +bO4qY4F
「……じゃあ、参考として聞くけど、奥さんは貴方と結婚して幸せだったかのしら」
「どうだかな。聞いた事が無いからわからんが、不満たらたらな事は間違いねえよ。……女房なんて大体そんなもんだ」
俺がしみじみとぼやくと、彼女はにっこりと微笑んで言った。
「何だか羨ましいです。奥さん。こんなに旦那さんに愛されてるんだもの」
……俺は何か恥ずかしい事を言っただろうか?照れ臭くなって、慌てて切り上げる事にした。
「とにかく、世話を焼きたくなるような男を見つけな。そうすりゃ寂しさなんてすぐに忘れるさ」
「そうね」
どこか気抜けしたような返事が帰ってくる。虚ろな眼差しは遠く夜空を見つめていた。
「早くいい人、見つけなくちゃね」
俺は、秋乃の事を頻繁に思い出すようになっていた。
それは彼女が俺に寄せる想いに気づき、戦慄を覚えたからだ。……少なくとも自分ではそう思っていた。
秋乃は俺に好意を持っている。それが独り身を貫かせる程の慕情なのか、寂しさを潤す慰めに過ぎないのかは俺には判断できなかった。
俺の自惚れであってくれ―そう願うのは嫁への義理立てではない。俺への想いを押さえて、ひたすらに優しく振る舞う秋乃が哀れだったからだ。
416:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:55:29 +bO4qY4F
「明日はレデントーレね。郵便屋さんもやっぱり、ご家族と過ごされるのかしら」
いつものように茶を手渡しながら、秋乃が笑顔を浮かべて尋ねる。
「いや、妻もガキも旅行中だからな。同僚と呑みに行くつもりだが」
「でしたら是非―」
彼女が嬉嬉として口を開くのを、俺は手をかざして制した。
言葉を紡ぐのに一瞬躊躇したが、夢から醒めるのなら早い方がいい。
俺が此所を立ち去っても、すぐに彼女は他の男を見つけるだろう。そう思い返して口を開いた。
「……今度ガキを連れて来る。親子共々ゴンドラに乗せてやってくれねえかな」
視線を水平線から反らさずに、俺は言った。彼女が驚いて俺を見つめるのが分かった。
彼女は口を開かない。アリアとやらも今日は何処に消えたのか、姿が見えなかった。
「それは、お客様として……ですか……?」
「悪いな。水先案内人が見てえって、ダダこねやがってよ。金は払う」
老夫婦のような関係が、只の客と店員へと冷めていく。
俺は湯呑みを脇に置いた。客には到底出せないような、垢抜けた地味な柄の湯呑み。
「……分かりました。当社において最高の御案内をさせて頂きます」
秋乃が沈み切った声で呟いた。
417:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:56:05 +bO4qY4F
「悪いな」
俺は謝っていた。未練とは分かっていたが、謝らずには居られなかった。
「―でしたら是非」
立ち去ろうとした俺の背中に声が掛かる。
「明日、一晩だけお付き合い頂けないかしら。貴方に伝えたい事があって―ほんの少しの間で構いませんから」
俺は振り返らない。背後で彼女の、思い詰めたような声が細かく震えていた。
打ち寄せる波の音。黄昏時の風が静かに頬を撫でていく中、俺は言った。決心したように、はっきりと。
「ああ。楽しみにしてる」
重ね重ねに酷い約束をしたものだ。
俺は己の愚かさを責める一方で、約束の時刻を心待ちにしている自分に気が付いた。
情けない話だが仕方がない。心利いた妙齢の美人からの誘いを喜ばない男が何処に居るだろう?
最後くらいは名残を惜しませてやろう―そんな心積もりだった。
日没前にARIAカンパニーを訪れた。沖には早くも屋形船やゴンドラが浮かんでいるのが見える。
店内に人影は無かった。あの猫すらも。
普段なら営業を終える時刻だが、祭の夜だ。接客も長引くに違いない。
俺は馴染みの長椅子に腰掛け、彼女の帰りを待つ事にした。
418:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:56:46 +bO4qY4F
どれほど経ったのだろう、辺りはすっかり暗くなっていた。招待状の集配に追われた疲れが出て、眠り込んでいたらしい。
沖に無数の灯が煌々と輝いていたが、店内は変わらずひっそりと静まり返ったままだ。秋乃の戻った気配はない。
開いたままのシャッターを覗くと、壁の時計は11時を指していた。
おかしい。事故にでも遭ったのだろうか。
途方に暮れていると、岸を白く小さな物がこちらに向かって駆けてくるのが見えた。……あれは猫社長だ。
奴は俺の前で妙な声で鳴き立てると、ズボンの裾をくわえて引っ張り出した。その様子が尋常でない。
「お前さん、一体どうしちまったんだ。……俺をどこに連れて行きたいんだ?」
すると奴は言葉が判るのか、先に立って走り出した。俺も慌てて付いて行く。
街に人影は無い。住人全てが船で漕ぎ出してしまったかのようだ。暗い路地を、猫を見失わないように付いて回るのは骨が折れた。
やがて猫は袋小路で暗闇に消えた。
運河には白いゴンドラ―酒瓶や泥が散乱しているが、確かに青い縁取りの―が係留されている。
「秋乃ッ!居るのか?」
不安に襲われた俺は暗闇に向かい大声で呼ばわる。
「頼む、無事で居てくれ―」
その時、夜空に花火が弾けた。
419:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:58:26 +bO4qY4F
辺りが赤や黄色の光に照らされた瞬間、俺はその場に凍り付いた。
そこには制服を引き裂かれ、青痣の浮いた裸身を無惨に晒して横たわる秋乃の姿があった。
夜空に続けざまに打ち閃く光弾が、腫れ上がった乳房や粘液にまみれた局部を容赦なく照らし出す。
「おい!秋乃!?しっかりしろっ!」
返事が無い。血の気が失せた白い額は生気を失い、涙の残る両瞼が開く事は無かった。
俺はシャツを脱いで秋乃に被せ、抱き抱えて彼女のゴンドラに乗せると、そのまま病院を指して漕ぎ始めた。
こんな馬鹿げた真似をするのは観光客しか居ない。座席に転がる酒瓶から見て、相手は四・五人だろう。
連中、始めから個人営業と目を付けて店を訪れたに違いない。
祭りの中にあってその病院は普段より静まり返って見えた。
秋乃は明け方に目を醒ましたが、俺は顔を合わせる事無く病院を後にした。
俺の識っている秋乃は、こんな時でも必ず笑顔で迎え入れようとするだろうから。
あの優しい秋乃が、うちひしがれて病院のベッドに横たわるのを見るのは余りにも忍びない。
彼女を待ち受けるのは警察、避妊薬、噂話。…もしも神が居るのなら悪戯にも程があろう?
祭りの終わりを告げる朝陽の中、俺は壁に拳を叩き付けた
420:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:58:58 +bO4qY4F
彼女がARIAカンパニーに帰って来たのはそれから3日後だった。
社長猫に餌をやっていた俺は、社長が駆け出すのを見てそこに彼女が立っているのに気が付いた。
社長を抱き上げる秋乃は以前とすっかり違って見えた。優しい微笑みは変わらないが、あのはにかむような人懐こさはすっかり影を潜めていた。
「……アリア社長の面倒を見てくださって、ありがとう」
彼女が口を開いた。声音は優しかったが、どこか他人に対するような口振りだ。
「ん、ああ」
「今、お茶を入れますね」
先に立ってさっさとドアを潜っていく。俺がそこに立っているのも忘れてしまったかのようだった。
やがて彼女は紅茶の盆を手に階段を降りてきた。来客用のテーブルに、来客用のカップが二つ。
俺は戸惑いながらも椅子に腰掛け、紅茶を一口すすった。華やかでどこか虚ろな香りが、彼女の表情に重なった。
「……それで、どうすんだ。これから」
言葉を選んだ積りだ。あんな目に会っても依然としてこの仕事を続けるのだろうか。
「どうって……これまでと変わらず、お客様に笑顔を届けていくつもりです」
白々しいまでに明るく、彼女は言った。俺はため息をついて口を開こうとしたが、彼女が遮った。
421:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:59:38 +bO4qY4F
「郵便屋さんも確か、ご予約を承って居りましたね。日程を伺っても宜しいでしょうか」
俺と目を合わせないまま、有無を言わせず彼女は言い切った。
無機質な文句だが、語気は切実そのものだ。俺が彼女を覗き込むと、秋乃は顔を背けた。
「……どうして俺を見ねぇんだ?」
彼女は答えない。黙って唇を噛みながら、予約を取り付けようとペンを差し出す。
「何故そんなに辛そうにするんだ?……たった3日でそんなに俺の事が嫌いになったのか」
逆だ。秋乃はここまで露骨に嫌悪を示す女じゃない。彼女の目に涙の浮かぶのが見えた。
―あの時あんな事が起きなければ、俺達はもう少し綺麗に別れていただろう―
頭がかっと熱くなり、俺は立ち上がって彼女の腕を掴んだ。同じゴンドラ漕ぎなら、女を相手に振りほどかれるような事はない。
「きゃあっ……?あっ!……や、嫌ぁっ!」
俺は椅子ごと彼女を押し倒していた。乱れた裾から白い脚の覗いた時、俺の理性は再び消し飛んだ。
俺は秋乃をかき抱き、唇を塞ぐように押し当て舌をねじ込む。
噛まれる程度の覚悟はしていたが、秋乃にそこまで俺を拒絶する決意は無かったようだ。
静まり返った店内に、舌の絡み合う水音と二人の荒い息遣いだけが響いた。
422:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:00:12 +bO4qY4F
生暖かい腔内に万遍なく舌を這わせると、秋乃が応えるように舌の根本を刺激してきた。
金糸のような髪を撫で、流れに沿って背筋、腰へと手を這わせる。壊れそうな程の柔かさが手の平に心地よい。
強調された稜線に沿い腿から胸へと撫で上げ、上着の裾から手を滑り込ませてその感触を確かめる。
「ッ……!」
秋乃が身をよじらせた。
唇を離して彼女の紫の瞳を覗き込むと、そこには困惑と恐怖の色がありありと見て取れた。
俺は何をしてるんだ―そんな思いを振り払うように、強引に上着を剥いでいく。
白く豊満な乳房に食らいついても、彼女は熱に浮かされたように悶えるだけで何の抵抗もしなかった。
甘い芳香に顔を埋め、乱暴に指先を食い込ませる。
「ぃやっ……痛ぁ……」
苦痛に顔を歪める秋乃に構わず、丸い突起に吸い付き歯に挟み込む。
彼女の感応の如何などどうでもよかった。俺は秋乃の体をまさぐり、以前の彼女を探し出そうとしていたのかも知れない。
はだけた胸元から、下に向かって服を下ろしていく。彼女に良く似合う青い下履きに手を掛けた時、俺は手が細かく震えているのに気付いた。
乱暴に剥ぎ取る。秋乃の消え入りそうな叫びが耳に突き刺さったが、俺は冷たく聞き流した。
423:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:00:45 +bO4qY4F
秋乃の体は透き通るように白く、頼り無い程に細い。
それでも腰や腿の肉付きは年相応に豊かで、官能的に横たわる姿はどこかティツィアーノの油絵を思わせた。
首筋に舌を這わせると、耳元で秋乃が小さく鳴いた。女の甘い匂いが鼻孔をくすぐり、男の本能を勃然と煽り立てるようだ。
そのまま片手を伸ばして彼女の茂みに指を差し入れ、 熱を帯びた粘膜をゆっくりと撫で上げる。
指先にぬめった水気を感じて俺は思わず生唾を飲み込んだ。
そのまま指先を沈め、温もりを感じながら掻き回していく。とろけそうな程に熱く柔かな感触が堪らなく愛しかった。
「……んふっ……あぁ……」
秋乃が甘い声で喘ぐ。
白い肌に青痣を残し、野良犬どもに汚されたばかりの体で、こうも愛らしく悶えるのだ。
「感じてんのか?たった一晩で随分と濡れ易い女になっちまったらしい」
「そ、そんなこと……あぁっ! 」
「案外お前さんが誘ったんじゃねえのか。こんなに、体中に跡を残しやがって」
泣き悶える彼女に冷たく言い放つ。嫉妬に近かった。
……俺は彼女を失うのがこんなにも悔しいのだ。
秋乃が目を見開いて抗議するのが目に入ったが、
すかさず肉芽を押さえつけ、よじらせて彼女の表情を消し去ってしまった。
424:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:01:47 +bO4qY4F
これだけ苛めれば十分だ。
俺は膣から指を引き抜くと、ズボンを下ろし得物を取り出した。
「……っ!」
秋乃が息を飲むのが気配で分かった。
無理矢理脚を割るようにして、彼女の間に腰を落とす。震える裂目に触れた瞬間、秋乃の体が小さく跳ね動いた。
「あっ、は……いや……いやああぁ……」
「百も承知だ」
あの夜も彼女は、こんなにも怯えきった悲鳴を上げたのだろうか。
後ろめたさを振り払うように俺は、秋乃の中へと激しく突き進んだ。
「ぁああああぁぁッ!」
腕の中で身悶える秋乃を押さえ付けながら、甘美な快感に思わず身震いしてしまう。
熱い肉襞が絡み付き、さらなる高みへと煽り立てられた俺は、抽送を開始した。
「はああぁっ! ああっ!あん、あんっ!ああぁッ!」
悲鳴とも嬌声ともつかない叫びに応えるように、腰を打ち付けていく。
二人で過ごした時間は頭の中から消え去り、目の前に横たわるのはもはや只の女だった。
乳房を揉みしだきながら、ひたすら俺は自分の快楽のためだけに腰を動かした。
奥へと突き込む度に中が濡れていき、静かな社屋に艶やかな喘ぎと水音が響く。
もっと長く彼女を味わうつもりだったが、沸き上がる欲求は押さえられそうになかった。
425:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:02:22 +bO4qY4F
腰の動きが自然と勢いを増すと同時に、合わせるように腰を振る秋乃に気付いたとき、言い様のない昂ぶりを感じた。
彼女の奥へと突き入れ、肉襞に押し当てて腰を小刻みに揺り動かしていく。
「あぁんっ!はあっ、あああッー―!」
一際大きく彼女が鳴いた瞬間、俺は精を放った。
まるで恋人にでもするように、千切れんばかりに強く抱き寄せて温もりを感じる。
秋乃は細かく身を震わせ、暫く余韻で腰を揺すっていたが、やがて力無く床の上に身を緩めた。
こんなふうに裸で横たわる彼女を見るのは二度目―花火の中で見たのと同じ光景だった。
あの時と違うのは、彼女の紫の瞳が何かを訴えるように俺を見つめていた事だ。
俺は秋乃を犯した連中と変わらない。彼女の優しさに気を良くして、別れの未練のあまりその華奢な体にすがり着いてしまったのだ。
何か言おうと口を開きかける俺に、彼女は優しく微笑みかけた。見覚えのある、柔らかで幸福そうな微笑みだった。
そして俺の首筋に腕を回し、唇で言葉を封じ込めると舌先を再び熱く絡めてきた。
乱れた息遣いの中で、彼女が何事か小さく囁くのが聞こえる。
お互いの唇の中で、あの猫にさえ漏らさぬように。
426:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:03:22 +bO4qY4F
日差しも和らぎ、冷たい風が身に染みる午後、俺は子供の手を引いてARIAカンパニーを訪れた。
学校の宿題で水先案内人のインタビューをするらしい。俺は子供に引きずられるようにしながら、桟橋を渡った。
「あっ、いらっしゃいませ!ようこそARIAカンパニーへ!」
若々しい声と共に俺達を出迎えたのは、十四、五の少女だった。真新しい制服に青いリボンが目に眩しい。
「いらっしゃいませ。ご予約承っております、庵野波平さまですね。どうぞこちらへ」
店の奥から現れた秋乃は、あの頃と少しも変わらなかった。まるで自分の家に帰ったような気持にさせる、あの笑顔。
ぎこちない手つきでゴンドラを引き出してくる少女は見習いなのだろう。オールを受け取る秋乃の目は母親のように慈みに溢れていた。
「お客様、お手をどうぞ」
腰を屈めて子共の手を取り、ゴンドラに上げる。そして今度は俺に手を差し出した。
職業柄ゴンドラには慣れていて照れくさかったが、大人しく手を取ってゴンドラに上がる事にする。
二人の体が最も迫った瞬間、秋乃が耳元で小さく唇を開いた。
「ありがとう」
柔らかな髪を秋風になびかせながら、彼女はそう呟いたのだった。
427:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:08:50 +bO4qY4F
以上。読んでorスルーしてくれてありがとう
>>409
立場にあぐらをかいてるのはアシリアさんな件
428:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:35:15 q2STeBml
情景描写とか繊細な表現が上手すぎる
俺は気に入ったぜ、GJ&乙!
429:名無しさん@ピンキー
08/07/27 23:05:21 2RquJ9eB
いいな、こういう作品に出会いたかった。
姫屋の新サービスも楽しみだ。
430:名無しさん@ピンキー
08/07/28 21:26:24 5yzw3qoO
>>427
GJ!
郵便屋さんの玄米茶好きも、こう見ると、
何か哀愁がこもった感じに見えるな……
431:名無しさん@ピンキー
08/07/28 21:34:47 5yzw3qoO
>>427さんに追伸。
>>426の新人ウンディーネさんを灯r……と思いかけたけど、
考えてみれば、アリシアさんだよね……その娘は……
大人でエレガントな姿しか頭になかったから、すぐには気付かなかった……
432:名無しさん@ピンキー
08/08/01 16:20:20 Y/XYbAuO
もう8月ですね…
433:名無しさん@ピンキー
08/08/01 21:36:03 O61DIedR
春満開ですな
434:名無しさん@ピンキー
08/08/03 10:55:37 JYIeEqg4
アリア社長
435:名無しさん@ピンキー
08/08/03 12:31:47 EXvndZUG
晃さんとアリシアさんのハッピーエンドを読みたいです。
実は晃さんは男であることを隠してウンディーネになったってような。
436:名無しさん@ピンキー
08/08/09 19:53:20 64CoUq/K
実はアリシアが成功できたのは猿の手のおかげで、最後の願いも叶えてしまったから、これからは一気に不幸が訪れるなんてどうよ?
437:名無しさん@ピンキー
08/08/11 01:55:14 z4PVzSnD
アリシアさんはすぐ離婚すると思う
438:名無しさん@ピンキー
08/08/11 21:30:02 z2PwBc+W
そしてすぐ再婚すると思う
439:名無しさん@ピンキー
08/08/12 00:33:18 JPgRDzp7
なんとなく娘と二人で気楽に生きてそうだ。
440:名無しさん@ピンキー
08/08/15 11:39:00 0QgIM9qQ
ガチャペン
441:名無しさん@ピンキー
08/08/18 10:23:48 qlaeWWWE
ムックンてなにもの
442:名無しさん@ピンキー
08/08/18 20:35:03 uWiUDUsg
>>441
チン毛の塊だよ
443:名無しさん@ピンキー
08/08/20 15:24:46 DkHsVOg2
水無って名字珍しいよな
444:名無しさん@ピンキー
08/08/21 02:23:48 L4SKgxCo
洪水の起きやすい地域とかでつけられた苗字かな
445:名無しさん@ピンキー
08/08/22 04:02:34 cTrdoocA
水の惑星で働く人間にしては不吉な苗字だと想うんだが
446:名無しさん@ピンキー
08/08/25 01:18:48 coirkYdI
人居ないなぁ
447:名無しさん@ピンキー
08/08/25 17:54:06 dwd1r5hy
>>446
原作もアニメも終わったしねぇ…
SS書きの人も別スレで見かけたりするし…
448:名無しさん@ピンキー
08/08/25 20:04:04 EtIQi4lJ
そっかぁ。書き手さんも別作品だか、別ジャンルだかに転進かぁ…
なんだか、さみしいね。
しってる書き手さんなら、「原作もアニメも終わったけど、
スレはまだ続いてますっ!」って、アピール汁!
449:名無しさん@ピンキー
08/08/26 02:01:11 a7RJwK3O
今だったらアリシアが襲われたりオリジナルヒロインなど多少突飛な話でも受け入れられそうだ。
450:名無しさん@ピンキー
08/08/29 03:32:38 qy4fVNl1
俺は無理だな…
451:名無しさん@ピンキー
08/08/31 18:08:54 SJk9dx/m
天野こずえ新作だしたな
452:名無しさん@ピンキー
08/09/03 18:07:08 4hPEqHV5
熱海が舞台w
453:名無しさん@ピンキー
08/09/03 18:29:11 GtNVADy5
ヨコハ(ry
454:名無しさん@ピンキー
08/09/04 20:36:31 jgXdO0qe
PS2のほうのヒロインのアニーで誰か書いてくれないかな・・・
偽アンジェにひょいひょい着いていって陵辱とか
455:名無しさん@ピンキー
08/09/07 18:57:18 btqyFPTx
暇だな
456:名無しさん@ピンキー
08/09/08 15:37:14 0UY87mq+
>>443
飛騨一宮水無神社という神社がある。
Wikipediaによると、祭神は御歳大神・天火明命・応神天皇・神武天皇などあわせて16柱で、
水無大神(みなしのおおかみ)と総称するのだとか。
「みずなし」じゃなくて「みなし」だけどね。でも神社のなまえも「みなしじんじゃ」が基本だけど
「みずなしじんじゃ」とも読むそうで。
457:名無しさん@ピンキー
08/09/10 23:21:40 67Xi6DEX
よくしらべたな
458:名無しさん@ピンキー
08/09/12 06:35:34 eM9pobtj
晃さんは藍華とアル君の関係をどう思っているのだろうか
459:名無しさん@ピンキー
08/09/15 21:05:09 cuAHHPqM
>>458
表向き:幸せになれよ
心ん中:藍華は私のものだぁー!
460:名無しさん@ピンキー
08/09/24 21:11:28 aKLJ0EA3
あげ
461:名無しさん@ピンキー
08/10/05 13:12:39 mBuVe2D+
あげ
462:名無しさん@ピンキー
08/10/05 19:36:23 i0HDkuR8
三大妖精が所属してる水先案内店以外では奇想館、エンプレス、天神遊船、スクロッコがあるみたいだけど、
もしこれらがリードしたらいろいろ変わってきそうだ。
463:名無しさん@ピンキー
08/10/06 02:50:11 koGUH0to
「じゃーん ムッくんの抱きぐるみ。 昨日発売されたばかりなんですよ」
「わあ わあ でっかい可愛いです。ぜひっ、私にも触らせてください」
「いいですよー。あたしら、結構気が合うのかもですね」
「はいっ、それはもう。私、同じ世代の友達ができたの初めてなんです」
「……………え」
「どうかしましたか?杏ちゃん。」
「…………ううん、何でもないです」
という夢を受信した
464:名無しさん@ピンキー
08/10/07 00:00:16 8635AjTb
>>463
早く続き書けよ
465:名無しさん@ピンキー
08/10/07 01:00:27 HTANH5K6
>>463
もっと受信するンだ (*´Д`)
466:名無しさん@ピンキー
08/10/08 23:31:13 PmM/j8dq
>>463
続きwktk
467:名無しさん@ピンキー
08/10/18 00:19:20 9m29cNIv
保守
468:名無しさん@ピンキー
08/10/19 20:55:14 bFlu/Ndz
ある晩のアリア・カンパニー。
今夜はアリシアさんもお泊りです。
もち、灯里と一緒のベッドで。
灯里「ううん・・・」
おや、灯里が苦しそう。
アリシア「どうしたの?」
灯里「お腹がちょっと」
アリシア「あらあら、見せてごらんなさい」「まあ、どうしたの、パンパンじゃない」
灯里「便秘で、今日でもう4日も」
アリシア「あらあら。ちょっと待ってなさいね」
と言ってアリシアは部屋を出て階段を降りていく。
そのステップが何となく楽しそう。
やがて部屋に戻ってきたアリシアの手にはイチヂク浣腸が。それも両手に2個。
(アリシアさんも便秘気味で、事務所に浣腸を在庫している)
アリシア「灯里ちゃん、浣腸をしましょう」(はぁと)
灯里「そんな恥ずかしい」
アリシア「だめよ。私達は健康に気をつけねば」「さぁ、パンツを脱いで」
ペロン、と灯里のお尻が出ました。
アリシア(私一度でいいから灯里ちゃんのをアソコを見たかったの。これでやっと合法的に見ることが出来たわ)
アリシア「はい、差します」
プチュ。浣腸の先端が灯里の肛門に入る。
灯里「あぁ」
アリシア(ふふ、可愛い。でもこれからよ)
ヌヌヌ。浣腸が肛門に深く刺さる。
灯里「ああ、痛い~」
アリシア「お薬を入れます」
チュルチュル。浣腸液が入る。
アリシア「はい1つ目終わり。2つ目を入れます」
灯里「いやー、かんにんしてー」
灯里「うう、出そう」
浣腸を2つ入れられて、灯里は苦しむ。
アリシア「我慢しなさい。お尻を押さえてあげる」
アリシアは右手の親指を灯里の肛門に押し当てました。
灯里の肛門はヒクヒクと痙攣しています。
アリシア(後輩ちゃんの肛門を見て/浣腸をして/肛門に触って楽しむ。
私って変態かしら?でもとにかく、神様、感謝します)
アリシアさんが変態?いえいえ、あなたは寧ろ正常です。
本当の変態はこれからです。
(一旦カキコ)
469:名無しさん@ピンキー
08/10/19 21:10:07 bFlu/Ndz
翌日。
灯里がお客を乗せてゴンドラを操船。
アリシアは指導員として同乗。
おや、灯里の様子が変です。
アリシア「どうしたの?」
灯里「トイレに行きたくなって」
アリシア(大変、でもこの辺りにトイレは無いし・・・)
灯里「・・・我慢できない・・・」
アリシア(仕方が無い、後輩ちゃんのためです)
アリシア「お客様、失礼します」
言うが早く、アリシアは灯里の制服を捲り上げてパンツを下ろし、
灯里の股間にむしゃぶりついた。
同時に灯里は放尿。
アリシアはむせながら、必死で灯里の聖水をゴクゴクと飲み干した。
ほーっとする灯里。
突然のことに驚く乗客。
灯里の聖水を飲むことが出来た嬉しさと同時に「水の三大妖精」の地位を失ったアリシア。
アリシア(神様、感謝します。でも私はこれからどうなるのか・・・)
まだまだダークになります。
(一旦、カキコ)
470:名無しさん@ピンキー
08/10/19 21:22:09 bFlu/Ndz
その翌日。
今日も灯里がお客を乗せてゴンドラを操船。
アリシアは指導員として同乗。
またまた、灯里の様子が変です。
アリシア「どうしたの?」
灯里「トイレに行きたくなって」
アリシア(げっ、ひょっとして)
灯里「・・・今度は大きい方です・・・もう、ダメ」
アリシア(あぁ、やっぱり!!でも仕方が無い)
アリシア「お客様、失礼します」
言うが早く、アリシアは灯里の制服を捲り上げパンツを下ろそうとした。
しかし灯里はパンツを穿いていない。
アリシア(ノ、ノーパン!?どうして)
しかし考えている間はない。アリシアは灯里の肛門に口をつけた。
同時に灯里は大噴出。
アリシアの口へ、食道へ、胃へと糞が雪崩れ込む。
ほーっとする灯里。
目の前で展開する物凄い光景に凍りつく乗客。
アリシア(ああ神様、これも感謝なのでしょうか・・・)
灯里の糞に窒息して薄れていく意識の中、アリシアは
自分を見る灯里の顔が「ニヤリ」と笑った様に感じた。
次がオチというか、種明かしです
(一旦、カキコ)
471:名無しさん@ピンキー
08/10/19 21:43:03 bFlu/Ndz
オチというか、種明かしです。
以下は灯里の独白です。
「アリシアさん、ごめんなさい」
「実は、私は自分の排泄物を他人に食べさせるのが趣味なのです」
「そして、浣腸されることに快感を感じるのです」
「あなたから浣腸をされたくって、先日私はワザと便秘になりました」
「その時、判りました。あなたも私のお尻に興味があることを」
「あなたのその興味を利用して、昨日・今日と私は趣味を楽しむことが出来ました」
「それにしても、今日はあぶなかった」
「乗船の前に下剤を飲んだら、あそこで突然効いてきた」
「ノーパンにして正解でした」
「先輩は、可愛い後輩ちゃんのために、飲尿・食糞も辞さず」
この話は直ぐに広がりました。
それを聞いて、恐れをなすプリマ/密かに期待するプリマ/
意地悪な先輩に仕返しをするチャンスと喜ぶシングル・・・
ゴンドラ協会は新しい規則を制定しました。
①乗船前に必ず排尿すること。
②朝は必ず排便すること(出なければ浣腸をしてでも出すこと)
③それでも緊急時に備えて、ノーパンにすること。
472:名無しさん@ピンキー
08/10/20 20:17:44 tlKtQt2G
エピローグ
水の星アクアに新しい見ものが増えました。
「シングル操船/プリマ指導」のゴンドラが突然演じる「ウンディーネの飲尿食糞パフォーマンス」
これを見ることが出来た観光客は大ラッキー。
イヤでも忘れられない、一生の思い出になります。
以前は、観光客は「プリマが操船する」ゴンドラを目当てにしていました。
でもプリマ一人ではこのパフォーマンスは出来ません。
今は「シングル操船/プリマ指導」のゴンドラが大人気です。
アリスちゃんと藍華さんは一足早くプリマに昇格しました。
アテナ「アリスちゃんの聖水を飲みたかったな・・・」
アリス「私も、でっかい残念です」
晃「あいつ、支店長として頑張っているかなぁ」
藍華「一人で総受け。嬉しいけど身が保たんわ」
アリア・カンパニーにはマンホームから新入社員です。
灯里「いらっしゃい、アイちゃん。あなたが来るのをずっと待っていました。ゴクリ」
アイ「灯里先輩は私の健康に気を遣ってくれます。でも、おしっこは近い?下痢は便秘は?
と、何故かお下のことばかりです・・・」
アリシア「あらあら」
グランマ「私ぁもう絶対に復帰出来ないネ」
473:名無しさん@ピンキー
08/10/21 23:43:31 dKivnhnh
>>472 はうまいオチが浮かばず、取りあえずグランマで締めました。
しかしどうせグランマを出すのであれば、言い分を逆に変えます。
グランマ「そんな面白いパフォーマンスが流行しているのなら、私も現役に復帰しようかねぇ」
アリシア「あらあら」
474:名無しさん@ピンキー
08/10/24 02:09:21 9F5wbvTg
カオスですねww
475:名無しさん@ピンキー
08/10/25 07:54:56 z+CxwG1w
>>377
鬱の後のハイテンションは病状が悪化したってことらしい。今ならまだ治療できるけど次の段階、つまり妄想が酷くなるとアウトで後は痴呆になるだけ。
でもそれもありだと思う。
476:名無しさん@ピンキー
08/10/25 11:30:03 5mt2ScqO
灯里から妄想を取ったらもみあげしか残らないじゃないですか!
477:名無しさん@ピンキー
08/10/26 00:11:14 JzBvWM5o
痴呆といえばアリシアの口癖も相手の言葉が理解できなかったりまるで忘れていたのをごまかす意味があるかもしれない。
でも、ダメさではアテナの方が上か。
478:名無しさん@ピンキー
08/10/26 07:07:43 k5djjUEu
>>377
「社名変えるって本当?」
藍華が尋ねた。
久しぶりに3人の休みが揃い、アリアカンパニーに集まったのだ。
テーブルにはカップやポットやお菓子、そして置物の新社長が置いてあった。
「うん。アリア社長居なくなっちゃったのに名前そのままなのはどうかなって思って」
灯里がお茶を注ぎながら答える。
「しかしアカリカンパニーは安直過ぎるわよ」
「だって私の会社なんだから、そうだってわかるようにしないと」
「でもねえ」
「いいの。もう決めたんだから。あっ、アリスちゃん、アイちゃんの様子はどう?」
急に声を掛けられビクッとなるアリス。
自分が引き抜いた訳ではないのだが灯里と会うのが気まずく感じているのだ。
「練習頑張ってますよ」
アリスは指導員ではないのでシングルの練習に参加しないのだが、時間を見つけてはアイに会うようにしていた。
「そう、よかった」
灯里が微笑む。
「本当?」
「本当だよ藍華ちゃん。だってここに居たらいろいろ心配かけちゃうじゃない。」
藍華とアリスが顔を見合わせる。
「まあ灯里はボケボケだからねえ」
「それは確かに心配ですね」
「ええーっ、ひどいよ藍華ちゃんアリスちゃん。」
そう言いながら灯里が笑う。
「ところで先輩。」
「何?アリスちゃん」
「新しい社長はどうするんですか?」
「そうよ、それが気になってたのよ」
アリスの質問に藍華が同調する。
「社長?これよ」
灯里がテーブルの上の置物に手を乗せる。
「それ置物よね?いいの?」
「聞いた事有りませんが」
「大丈夫だと思うよ」
「どうだかねえ」
その後、時間を忘れて会話する3人の楽しい休日もそろそろ終りが近づいた。
「私頑張るから2人とも見ててね」
「くれぐれも無理はしないでくださいね」
「そうよ」
「2人こそ無理してるでしょ」
灯里は2人が疲れを隠しているのを感じ取っていた。
479:名無しさん@ピンキー
08/10/26 14:22:57 VArnhZsU
>>476
「ないものは、足せばいいんだよ!」
「というわけで灯里ちゃんには、ふたなり化手術をうけてもらいます。うふふ」
「は~~ひ~~~、い~や~~で~~~で~~~す~~~」
480:名無しさん@ピンキー
08/10/26 16:56:02 yI+veK4C
…無粋な指摘かも知れないが「社長には青い目のアクア猫を使う」ってのが水先案内店の伝統ですよ
481:名無しさん@ピンキー
08/10/26 23:55:10 fIZPmKRD
伝統はぶち壊すものだって城ヶ崎のばっちゃが言ってた
482:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:47:48 ML0PLUt+
15レス投下。
お触りのみ。微妙にホラー注意
483:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:48:37 ML0PLUt+
─前略。灯里先輩ではありませんが、如何お過ごしでしょう。
水面を渡る風も冷たく、冬の訪れを間近に感じる季節になりました。
ところで皆さんはハロウィンというお祭りをご存知でしょうか?
近頃はマンホームはおろかアクアでも殆ど見られなくなりましたが、
かつては秋を代表する大切なお祭りだったそうです。
「あ、私知ってるよ~。おばけの仮装したり、かぼちゃのランプを吊したりするんだよね?」
口を開いたのは灯里先輩です。
仕事を終えた私達はレストランのテーブルを囲みながら、
とりとめもない話に華を咲かせている所でした。
「どっかの国のふるぅーい行事でしょ?
お店の飾り付けなんかでは見るけど、実際に仮装してる人は居ないわよね」
と、藍華先輩。
「で、それがどうしたのよ?」
「明日なんです、そのお祭りは。
翌々日はサン・ミケーレ島のお参りがあるので忘れられがちですが」
「水先案内人にとってはそっちの方が大事でしょ。
…そーいえば後輩ちゃん、お化けとか幽霊とか好だったわね」
藍華先輩が頬杖ついてこちらを見つめています。
何だか最近晃さんに仕草が似てきたみたいです。
「そこで、会社に怪奇スポットにまつわるツアーを企画してみようかと」
484:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:49:49 ML0PLUt+
同意を求めるように灯里先輩に言うと、案の定目を輝かせて乗って来ました。
「あー、それ面白いかも。私もARIAカンパニーにおばけやカボチャを飾ってみようかなぁ」
「お手伝いしますよ。カボチャのランプは彫るのにちょっとしたコツがあるそうなので」
「からす瓜とかほおずきも一緒に飾ったら可愛いかもね」
「あんた達、盛り上がるのは勝手だけどハロウィンは明日なんでしょ?
準備とか飾り付けとか、今から始めて間に合うの?」
藍華先輩が口を挟みます。面倒見はいいのに、相変わらず心配症ですね。
「大丈夫です。コースは日頃から知ってますし、カボチャは今夜にでも彫るつもりですから。
灯里先輩はお菓子や他の飾りを買い整えておいてください」
「え、なんでお菓子?」
「ハロウィンには貧しい子供たちにお菓子を配る風習があったそうです。
マンホームの子供たちは“お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ”と言って町を練り歩いたとか」
「へぇ~、さすがアリスちゃん、詳しいね」
「ま、それほどでもありますけど」
……怪奇小説で仕入れた知識ですが。
なぜかあまり乗り気でなさそうな藍華先輩をよそに、
私と灯里先輩はハロウィンキャンペーンの計画に華を咲かせました。
485:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:50:38 ML0PLUt+
その夜、真っ赤なカボチャを二つ買い求めた私は、まっすぐ部屋に帰りランプの製作をはじめました。
「そんな事があったの……」
膝に抱いたカボチャをぺちぺち叩きながら、アテナ先輩が呟きます。
「じゃ、こっちのカボチャはなあに?」
「私のです。こっそりゴンドラに置いてみようかと思いまして」
「ふーん…」
手持ち無沙汰なアテナ先輩の見守る中、どうにか二つとも顔の形に削り上がりました。
不揃いで、見るからに気味のわるい顔ですが、かえって雰囲気が出るでしょう。
出来栄えに満足した私はお風呂に入って寝る事にしました。
部屋に戻るとカボチャが両目を光らせてこちらを睨んでいたので、あっと声を立てて驚いていると
「ペンライト、中に立ててみたの」
アテナ先輩の間伸びした声。私は思わず胸を撫で下ろしました。
「…脅かさないでください。本当に死霊が宿ったかと思いました」
「ごめんなさい。ランプなのに光ることが出来ないのは可哀想だと思ったから」
「それはそうですけど…。ではっ、折角なので今夜はこのまま光らせておきましょうか」
「うん」
嬉しそうに頷くアテナ先輩。
部屋の灯りを落とすとカボチャが暗闇に浮き上がって、ますますもって不気味です。
486:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:51:40 ML0PLUt+
ベッドに潜り込んだものの、怪しく光るカボチャがでっかい気になって寝つかれません。
0時を回った頃でしょうか。うとうとし掛けた頃、コツコツとガラスを叩く音がします。
窓を見るとランプの灯りに照らされて、小さな女の子が部屋を覗き込んでいました。
それも黒いマントにとんがり帽子をかぶって。
いつかアテナ先輩がこんなふうにして魔女っ子に扮したことがありましたが、
窓の向こうの女の子は怖いくらいに色が白くて、顔も指先も幼げです。
「…なぁに?」
本当は叫びたいくらいびっくりしたのですが、なにしろ相手はお子様ですから。
震える声を絞って尋ねると、その子は逃げるように窓を離れてしまいました。
慌てて窓の外を覗き込んでも、外には夜の闇が広がっているだけです。
あれは何だったのでしょう?魔女の仮装をしてました、はっきりと。
あれがハロウィンにお菓子を貰いに来るという子供なのでしょうか。でも、こんな時間に?
そろりとベッドに戻りますが、胸はずっと高鳴ったまま。
「……えっと、ここ、三階ですよね?」
すうっと背筋が冷たくなり、思わず枕元に置いたカボチャに問いかけます。
でも勿論返事はなく、真っ赤な光を洩らして不気味に笑っているだけでした。
487:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:52:36 ML0PLUt+
翌朝、私はお散歩ついでにARIAカンパニーを訪れ、彫り終えたもう一つのカボチャを届けました。
「あと、こちらもよかったらどうぞ。カボチャでプリンを作ってみました」
「わあ、すごいよアリスちゃん。今お茶をいれるから、一緒に食べよう?」
「そのつもりで来ました。…それにしても、随分派手に飾り付けましたね」
店内には幽霊やら黒猫やらといったオーナメントがぶら下がり、楽しげなお化け屋敷といった風情です。
「えへへ~、ちょっと張り切り過ぎちゃった。ほら、ちゃんとお菓子も用意してみたよ」
カモミールの匂うカップを下ろし、灯里先輩はカウンターを指差します。
皿に盛ったオレンジ色の包みを見てふと、私は昨夜の女の子の事を思い出しました。
「灯里先輩。マンホームでは今でもハロウィンの夜に、仮装してお菓子を貰う風習があるんですか?」
「うーん…そんな行事をほんとにしてる話は聞かないなぁ
でも、おばけに化けた子がお菓子を貰いに訪ねて来たら楽しそうだよね」
「…そうですね」
このネオ・ヴェネツィアでさえ、そんな行事を敢行したと言う話はありません。
でも昨夜の事は口に出しませんでした。お祭りモードの灯里先輩に水を差したくありませんでしたから。
488:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:53:17 ML0PLUt+
その日は一日、カボチャをゴンドラに乗せて街を廻りました。
子供たちにはあまり評判が良くなかったみたいです。何しろ、あの顔ですから。
でもご年配のお客さまには概ね喜んで頂けたみたいでした。
「懐かしいわねえ。私達も小さい頃はこんなのを掲げて外を歩き回ったものだわ」
「そうなんですか?」
そのお客さまは、自分も小さい頃お化けの格好して夜の街を練り歩いたそうです。
でも、子供達に不幸な事件や事故が降り掛ったせいですっかり廃れてしまったとか。
確かに子供達が夜に出歩くのは利口なことではありません。
治安の良いネオ・ヴェネツィア出身の私でさえ、そう思うのですから。
「でっかい不可解です」
帰り路、舳に灯るカボチャを見つめながら一人呟きました。
ランプの灯りが揺れる度に、あの白い顔と魔女の仮装が思い出されてなりません。
「ぎゃーーーすっ!?」
金切り声。思わず身震いしてオールを停めます。
見ると、擦れ違おうとしたゴンドラの漕ぎ手が甲板の上にのけぞってました。
「こんばんわ、藍華先輩。こんな所にへたりこんで、どうかしましたか」
「…なんだ、後輩ちゃんかぁ。
あんたねぇ。そんな気味悪いモンゆらゆら光らせてたら誰だって驚くでしょうが」
489:名無しさん@ピンキー
08/10/31 05:54:30 ML0PLUt+
なんだ、藍華先輩も怖かったんだ。私はほっと一息ついて自分に言い聞かせました。
実を言えば私も、ゆらゆら揺れるカボチャの笑みを少し薄気味悪く感じていた所でしたから。
「良かったら、晩御飯でもご一緒しませんか」
「あー、ゴメンね。今日はパス。支店のみんなと先約があるから。また今度とゆうコトで」
藍華先輩の目が泳いでます。
これ以上オカルトマニアには付き合い切れないわって本音が見え隠れしてました。
…微妙に避けられてますね、私。
「そうですね。じゃ、私はこれで」
「…あ、うん。気をつけて帰るのよ?」
これでは昨夜の事を打ち明けるどころではありません。
何より、私が藍華先輩以上に幽霊を怖がってるだなんて…
…つい幽霊と言ってしまいました。でも、あの子は本当に幽霊な気がしてなりません。
「今夜も、来るのかな」
カボチャの灯りを消して、薄暗い水路を会社の方へと漕ぎ進んでいきました。
「あの、仮装した誰かが訪ねて来たりしませんでしたか?」
「…?……???」
部屋に戻るなりアテナ先輩に尋ねます。
先輩は朝遅くまで寝ているので、顔を合わせるのはいつも日が暮れてからなんです。
要領を得ないアテナ先輩に、私は昨夜の事を残さず話しました。
490:名無しさん@ピンキー
08/10/31 06:25:39 ML0PLUt+
「そんな事があったの…ぜんぜん気がつかなかったわぁ」
無理もないです。なにせアテナ先輩ですから。
それでも、やっぱりアテナ先輩にも気味がわるいようでした。
「…じゃ、怖くないように今夜は一緒に寝てあげるね」
「いえ!結構です。ただ、戸締まりはちゃんとしておいてくださいね」
アテナ先輩の申し出を素早く辞退した私は、夕食を摂るため食堂へ降りていきました。
誰かに話す事ですっきりしたのでしょうか、朝から振るわなかった食欲も戻ってきたみたいです。
私が立ち去った後にアテナ先輩が、窓の鍵をこっそり開けていた事など露知らずに。
その夜は早めに布団に入りましたが、昨日の今日で易々と眠れる筈がありません。
まぁくんもアテナ先輩も、あんなに気持良さそうに寝息を立てているのに。
枕元ではカボチャのランプが相変わらず不気味に笑ってますし……
アテナ先輩の話ではカボチャのランプは、こわい顔で悪霊を追い払うおまじないなんだそうです。
でも私の読んだ小説では、永遠に浮かばれない幽霊の持つ灯火とも。
ぼーっとそんな事を考えているとやがて瞼が重くなり、次第にまどろんでいきました。
熱を出した日とこんな夜には、いい夢を見たためしがないのですけれど。
491:名無しさん@ピンキー
08/10/31 06:26:37 ML0PLUt+
カラリと窓の開く音がして、夜のつめたい空気が頬に当たったような気がします。
淡い眠気が一遍に飛んで、ごそごそ動く黒い人影をはっきりと目にしてしまいました。
……やだ、誰か、入って来た……?
一人、二人、…三人。やっぱりハロウィンにふさわしい仮装姿で、窓を乗り越えてきます。
「あ…アテナ先輩!アテナ先輩っ!でっかい大変で…!」
ベッドに起き直った私は震える声で呼びかけますが、返事はありません。
見るとアテナ先輩はベッドから忽然と姿を消していました。何故か、まぁくんも…
三人の子供─背格好で、子供だって事はすぐにわかりました─がゆっくりベッドに向かって来ます。
ど、ど、どうしよう。怖くて、震えて、思うように立ち上がれません。
腰を抜かすって、こういう時の事を言うのでしょうか。
くたびれたマントにゴムの牙を生やした男の子が、紫色に乾いた唇を開きました。
「お菓子をおくれよ、お姉ちゃん」
「…はい?」
思わず聞き返してしまいました。
「優しそうなお姉ちゃん、お菓子をちょうだい」
今度はとんがり帽子の女の子。目が落ち窪んでて、怖いくらいに痩せこけてます。
…こんな事なら灯里先輩から、お菓子をいくらか頂いてくればよかった。
492:名無しさん@ピンキー
08/10/31 06:27:27 ML0PLUt+
「…今夜は何にも無いんです。ごめんなさい」
「お菓子が欲しい。隠してもわかるんだ」
これは覆面を被った男の子。黒地に蛍光塗料で、おざなりなガイコツが描いてあります。
「ちょうだい、ちょうだい。とびきりのお菓子を、ハロウィンの夜に」
…でっかい聞き訳がないです。少し腹を立てた私は言いました。
「ここにはお菓子なんて無いんです。早く家に帰らないと大人を呼びますよ」
「帰る家なんかないよ」
「食べ物も 飲み物も」
「お金もね。でも僕たち、ちっとも構やしない」
声を揃えて唄うように繰り返しはじめました。何度も何度も、繰り返し。
いつまでも止めないので再び気味が悪くなり、ベッドの上で後退りします。
「何なんですか…?何の悪ふざけなんですかっ…!?さっさと部屋から出てってください!」
毛布をぎゅっと握りしめ、強い調子で言いました。
カボチャの灯に浮かぶ顔は土色で、青っぽい血管が透けて見えます。
こんな顔色をした子供…いえ、人間は見た事ありません。これからもきっと、恐らく。
「ひどいお家。ジャックのランタンがあったから来たのに」
「構いやしない。悪戯しようぜ」
「きっとどっかに隠してるんだ。こんなに綺麗なパジャマ着てるんだもん」
493:名無しさん@ピンキー
08/10/31 06:28:32 ML0PLUt+
三人は顔を見合わせて囁くと、所構わず一斉に部屋をひっ掻き回し始めました。
絨毯をめくり、カーテンを引きずり下ろし、ソファをひっくり返し…
あまりのお子ちゃま振りに呆れていると、突然女の子が私のネグリジェの裾を掴みました。
「ひっ…!?な、何ですかっ…?」
思わず身を引いたのがまずかったみたいです。女の子がニタリと、薄気味の悪い顔で笑いました。
「あー、ここだ?」
「ここでしょ?お姉ちゃん?」
震えて裾を押さえる私に他の二人が興味を持ったみたいです。
小さくて骨張った手が伸びて、袖とお腹の辺りの服を掴まれました。
「や、違っ……そんな所に隠してなんかいませんからっ」
身をよじりますが狭いベッドの上は三人に占領されていて、逃げ場はありません。
布の上から、ひやりとした手指の感触が伝わってきました。…重くてぶよぶよして、ゴムのような手です。
「ひっ!?嫌です、嫌っ、来ないで……!」
奥歯がかちかちと鳴って、胸の奥がおぞましさに震えるみたい。
腿、お腹、脇、胸…確かめるようにまさぐられます。
堪らなくくすぐったいのですが、怖くてそれどころではありません。
背中を丸めて横たわり、両腕を必死に抱きながら震えているのがやっとでした。
494:名無しさん@ピンキー
08/10/31 06:30:31 ML0PLUt+
「ここでしょ?」
「ここに隠してるんでしょ?お姉ちゃん」
「そんなカッコじゃよく見えないよ?」
小さく蹲る姿が何かを隠してるように見えたのでしょうか。私のネグリジェが背中の方から大きくはだけられました。
寒い夜なのでスパッツは履いていましたが、そちらにも指を掛けらたみたいです。
「で、でで、でっかい駄目ですッ!だいたい、そんな所に食べ物隠したりしませんからっ!」
彼らの手が止まりました。言い終わる頃にはもう膝の辺りまで下ろされていたのですけど。
「じゃ、こっちだ?」
腿とお尻に冷たい空気を感じたまま、仰向けに転がされます。
下腹部から手が差し入れられ、おへその辺りをまるく撫でられました。
「どう?どう?」
「もっと上だよ。ほら、あんなに大事に抱えてるもの」
「違っ…何も隠してなんかいませ…ひゃんっ!?」
胸に抱えた両腕の間に、小さくて冷たい手が割り込もうとして来ました。それも直接素肌を伝わって。
怖い。……怖い。無邪気に笑う子供達の目はどれも虚ろで、薄く濁っています。
その気になれば私の小さな心臓など、簡単に握り潰されてしまうに違いありません。
見慣れたカボチャの顔だけが、まるであざ笑うみたいに私を見つめていました。
495:名無しさん@ピンキー
08/10/31 06:31:23 ML0PLUt+
手首を左右からしっかりと捕まれ、高鳴る胸を鳥肌の立つような感触でゆっくりとまさぐられていきました。
「いや…です……許して……」
「お姉ちゃん、おっぱい小さいね」
「でも暖かくていい匂い」
「ふぁっ!ひあ………あ……あ……」
微かな痛みと、それに勝る何百倍もの気色悪さ。叫んだつもりですが声が思うように出ません。
……なな、何かが、尖端に触れました。それが何か、なんて考えたくもありません。
こんな時にアテナ先輩はどうしたのでしょう。やっぱり私と同じように悪戯されてるのでしょうか?
人の好いアテナ先輩の事ですから、どこかへ呼び出されていったのに違いありません。
昼間のお客様の言葉が蘇ります。─ハロウィンの夜、子供たちは不幸な事件に巻き込まれてそのまま─
─助けて。アテナ先輩。お願いです、助けてくださ──
「お菓子、見つかった?」
「だめ。全部脱がせなきゃ」
「やっぱり、こっちだよ」
…悪夢にも程があります。今度はショーツに指を掛けられたみたいでした。
腰がどうしようもなく震えて、金縛りにでも会ったように痺れて動きません。
ぎゅうっと目を瞑って、おぞましい光景から目を反らすくらいしかできませんでした。