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部屋に着いた途端、文哉がうるさい。
俺と母さんが茶でも飲んで落ち着こうとしてるのに、バカ弟はギャーギャーと。
まあ旅行先だからはしゃぐのは理解できる。しかし問題はその叫びの内容だ。
「王様ゲームしたいー!王様ゲームしようよー!」
バカか。
母さんと俺、お前で王様ゲームしてどうなるっちゅうんだ。
ちょっと前にバラエティでやってたのを覚えちゃったらしい。
その番組では芸人たちが「わざと」エロネタを避けるって進行。飲み物もソフトドリンク。
しかしちゃんと賑やかに笑えてたので、どうやら文哉はカン違い。
王様になって命令したい!それだけ。
「・・・まあまあ和樹。旅行でテンション上がっちゃってるだけでしょ」
「でもねー。風情ってもんがないよ」
「お父さんが到着したら、おとなしくなるって」
「まあね」
俺が「怒ろうか?」って文哉がトイレ行った隙に母さんに聞いたらそういう返事。
仕事でがんばってて少し着くのが遅れる父ちゃんが来る前に雰囲気悪くするのも、ね。
で。露天風呂の時間が来るまでに、親子3人の王様ゲーム。
わりばし3本。先に印もついていないわりばし3本。
俺と母さんが空気読んで「印がついていないのが王様」という予定。
つまりは、文哉が絶対に王様になる準備が整ったわけ。
「・・・すぐに飽きるから、文ちゃんは」
ちょこっと母さんは笑い、俺も同意した。確かに文哉は何をやるにも飽きっぽいし。
ところが、ところがである。