12/10/31 04:38:11.77 k1RU9acb
「嘘じゃないです。『処女未亡人』という作品があります。『人妻女子高生』もあります。」
「幼な妻だね」
「違います。ヒロインは20代後半です。分け合って女子高に通っているんです」
「セーラー服で?」
「そう。で、教師に迫られて『やめてください。夫が居るんです』って」
「ひゃひゃひゃ」
久子がひっくり返って笑う。慌てて一郎がコップを取り上げた。
「こぼさないでくださいよ」
「ごめんごめん」
「いやぁ、改めて文学ってすごいって思ったよ。文学少女でよかった。人間の発想は自由だね。」
「限度がないですね。」
「ほかにどんなのが考えられるかな」
「『金髪上司』なんてのはありでしょうね」
「外資かな?」
「外資ですね。取引先の秘書でもいいんですが、いきなり金髪美人と仲良くなるのは難しい」
「そうか。上司ならゆっくり落とせると」
「そうです」
「じゃぁさ、女子高チャイナ服ってのはどう?」
「うーん、難しそうですね」
「なんで?金髪もチャイナ服も似たようなもんじゃん」
「確かに、絵にすると同じなんですが、文章にするとだめなんですよ。」
「ちょっとまった。あ、そうか。金髪は外国人だっていうことだが、チャイナ服じゃコスプレか」
「そうです。まぁ、そういうシチュエーションでかけないこともないと思いますが、文字で書くからチャイナ服
萌えってのは難しいですね」
「特に神の視点では難しいね」
「そうです。」
385:ここで一言『感じて きたようだな』
12/10/31 04:39:07.84 k1RU9acb
「だんだんわかってきたぞ。で、ヒロインの種類というか、属性には定型性があるの?」
「ありますよ。ヒロインは、堅いこと。これは鉄板です。」
「お堅い女性を落とすのが楽しいんだ」
「そうです。これは無理だろうという女性。あるいは、これは穢れない誰もが思う少女。そういう女性が男の腕に
落ちていくカタルシスがいいんです」
「それは田中君の性的嗜好じゃないのかい」
「そうですよ」
「自分の好みで作品を書くのかい」
「ジャーナリストじゃないですから。トルストイが無理してラノベ書かなかったからって、誰も批判してないでしょ」
「君はトルストイじゃないけどね。まぁいいや」
「嗜好の話はおいておくとして、実際に描かれる女性は堅くないこともあります。」
「そうなの?鉄板はどこいった?」
「鉄板は王道の話です。特にサラリーマン官能小説の場合、複数ヒロインが普通です。」
「一穴主義じゃないんだね」
「どこでそんな言葉を覚えたんですか!」
「てへへ」
「ヒロインが一人というサラリーマン官能小説もありますが、それは短編です。長編は必ず複数ヒロインが次々
主人公の手の中に落ちます」
「ふんふん」
「で、くどいてる時間がないから女性は割と簡単に体を開くのですが、それでも、堅い女性だというイメージは
重要なんです。」
「カタルシスのため?」
「そうです。」
「ふーん」
「どうしました?」
「反例を考えているの」
「ありますよ?」
「どんな?」
「70年代のように性がそれほどオープンじゃなかった頃には、オープンな女性がヒロインの話もたくさんあったようです。」
「なるほど。現実が堅すぎるから、ヒロインの存在自体がカタルシスになりうるんだ」
386:こんばんは、サクラフブキです
12/10/31 04:43:10.74 N/1y2fZ9
予定通り連載を続けます(笑)
やめろ、と俺はようやく口を開いた。
何が、と奴はしれっとして答える。
言葉を発した際の息が俺の耳に掛かる。
離れろ、と漸く言いたい言葉が喉の奥から絞り出される。
二礼二拍一礼、ちゃんと理解したか。
奴の一言一言が、近くにあるせいで、やたら大きく聞こえる。
低い声が耳元で、大音量で響くのはどうにも落ち着かない。
俺は寒さから来る生理現象以外で、体が震えそうになるのを押えながら、
ごく冷静に、分かったから、と伝える。
それで漸く奴は俺から離れた。
387:こんばんは、サクラフブキです
12/10/31 04:44:07.73 N/1y2fZ9
奴が俺から離れると、身体を翻し、奴を睨む。
軽く驚いているような奴に対して、
自分の首に巻かれているマフラーを素早く外し、
奴の首に引っ掛けるようにすると自分の方へ引き寄せる。
ほぼ強制的に唇を重ねる。
してやったりだ。
奴が思わず手摺に両手を付くのが分かる。
いや、やられたのは俺の方か。
囲まれてしまっている。奴の両腕に。
388:こんばんは、サクラフブキです
12/10/31 04:44:50.71 N/1y2fZ9
俺は唇を離した。
それから、お互いどちらからとも無く身体を抱き締め合って、キスする。
こんな朝早い時間だから、誰にも見られてないはずだ。
いやむしろ、外だからこんなに体が熱いのかもしれない。
刺す様な空気の中で、寒空の下、俺は奴の体温だけを感じている。
唇から、吐息から、身体から、腕から、足から、全身で。
さっきの軽い口付けとは違う、濃厚なキス。
熱い。
寒い。
熱くて寒い。
寒さのせいで研ぎ澄まされた感覚が、全神経が奴との行為に集中する。
389:こんばんは、サクラフブキです
12/10/31 04:46:14.64 N/1y2fZ9
奴の右腕が俺を抱き寄せる。
左手は手摺に付いて身体を支えてるらしかった。
中で舌を絡ませる。
時々、卑猥な音が聞こえる。
俺は奴の脇の下から両腕を入れ、抱き締めてキスに夢中になっている。
奴を強く求めている。
奴も俺を求めている。
互いの体温が体の狭間に篭って暖かい。
ずっとこのままでいたい。
このままでいたくない。
気持ちが容赦無く、左右に揺れている。
390:こんばんは、サクラフブキです
12/10/31 04:47:17.34 N/1y2fZ9
俺は自分の求めるままに、盛り上がった股間を奴に押し付ける。
身体を強く抱き締める。
奴も俺の尻を撫でさするようにして股間を押し付けてくる。
俺の腰が壁に当たったせいで、強く押し付けられている。
ヤバイ。
こんなところで逝きたくない。
直ぐにでも逝ってしまいたい。
重なりあった上半身から、どくどくと心臓の鼓動が伝わって来る。
奴にも伝わっているのだろうか。
いや、隠しようが無い。
俺の吐息も、瞳も、唇も、心臓の鼓動も体温も股間も何もかも、
奴から逃れられない。
全部奴に捕らえられてしまっている。
391:名無しさん@ピンキー
12/10/31 04:59:00.50 2jdeTzES
あ
392:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/01 04:38:56.84 b10XNp9a
予定通り連載を続けます(笑)
393:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/01 04:42:11.79 b10XNp9a
様子見乙w
しかしあっちの削除依頼もすげぇよなw
もう必死じゃんw
スレリンク(housekeeping板:474番)-
うわべでは「放置プレイもここまでくれば大したもんです」とか余裕かましてるフリしながら
陰では必死の削除依頼かよw
抜けないエロなんかより、やっぱサクラフブキのキャラの方が全然おもろいわw
394:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/01 04:42:54.06 b10XNp9a
「じゃぁ、いかにもすぐに抱かれる女はヒロインの資格なしってわけだね。」
「何事にも例外がありますので断言はできませんが、正ヒロインとしては無しです。サブヒロインとしては十分
ありです」
「たとえば主人公を導いたり」
「あるいは助けたり」
「なるほど。ストーリーの面から言えば、確かに聖女オールキャストじゃ話にならないな」
「なりません。起承転結を複数ヒロインでやるならば、トリックスターが必要になります」
「起承転結なしのときには」
「聖女オールスターのほうが喜ばれるでしょう」
「なるほど。ヒロインの種類についてはわかったよ。ところで田中君、ふたつばかし苦情があるんだけど」
「なんですか」
「まずワインがない。次にシチュエーションの話はどうなった」
「先々週の芋焼酎があります」
先々週、「日本の戦記について語ろう」と久子がやってきたときの手土産が芋焼酎だった。久子の名誉のために
書いておくと、話の内容は至極まじめかつ重いものだった。
「君は焼酎でいいのかい?」
幾分とがめるような視線で久子が問う。いくら久子がさばさばしているとは言え、女性と二人で官能小説につい
て話をするときに焼酎でもなかろう。
「いえ、艶っぽい話の話をするときには、幾分でもロマンチックなアルコールがほしいところです。コンビニに
買いに行きますが、ごいっしょしませんか?」
「ここに残って君のPCを漁るのも楽しそうなんだけど、そう言うことをするには少し回りすぎてる気がするよ。
エスコートしてくださる?」
いきなり上品な口調に変わる。
「よろこんで」
「ところで、二つ目の苦情ですが、いつになったらシチュエーションの話が出てくるのでしょう?」
「それは道すがらお話しましょう」
395:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/01 04:43:35.59 b10XNp9a
「シチュエーションに関してですが、これは大まかにいって精神的シチュエーションと行為的シチュエーション
に分けられます」
「図書館的な分類番号はあるかい?」
「もちろんありません。それから言うまでもないことですが、私が勝手に分類しています」
「だろうね」
「ところで精神と好意ってかぶってない?」
「好意じゃなく行為です。行う、為す」
「行うナスだって、ふふふ、田中君のエッチ」
「精神的シチュエーションというのは、主人公とヒロインの精神的な立場です。これがとても重要です」
「スルーしたね」
「ですが、文学である以上重要であることは自明です。たとえば主人公、あるいはヒロインの告白シーンは
いやがうえにも場を盛り上げます。一方で、行為的シチュエーションは純文学では大した重要性を持ちませんが
エロ本ではきわめて重要です」
「ねえ、行為って体位?」
さすがに声を潜めて久子が聞く。
「それも含めての行為です。たとえば、体位という言葉が出ましたので例にあげると、同じバックでもベッドの
上か、シャワールームか、鏡の前か、窓際かでまったく異なります」
「確かに。これはドキドキするね」
「ヒロインは堅い女、あるいは堅いイメージの女という話をしたときに、カタルシスだといいました。行為も同じ
です。『あ、こんな』とヒロインが思う行為で初めてヒロインが生きます。」
「確かに」
「チェックシート的に体位を変えていくだけではエロ本としては持ちません」
「AVじゃないからね。挿絵でも有ると違うかな」
「挿絵がつくのは月刊誌に掲載されているときくらいでしょうね。なんにせよ、それは僕が目指すものじゃないです」
「プロ目指してるの?」
「いえ、表現を追求したいんです」
「えらいね。あと、芸の肥やしとか言ってお姉さんを押し倒さなかったところもえらいわ。」
「やった人は居るそうですが」
「そうなの?と、驚くもんかい。趣味と実益ってやつだろ」
「川上宗薫先生は、取り付かれたように女性を口説いたといわれています」
396:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/01 04:44:19.50 b10XNp9a
コンビニで籠にワインボトルを3,4本放り込みながらも話は続く。
「実際には、精神的シチュエーションと行為的シチュエーションは切り離して考えにくいです」
「…相乗効果か」
「そうです。単体ではなんでもなくても、組み合わせると興奮が高まる。たとえば、コンビニの休憩室なんか
格好の場所です」
「見つかるかもしれない、という緊張感だね」
「そうです」
「『田中君、だめ、見つかっちゃうわ』ってやつだ」
「そうです。精神的なだけなら純文学です。好意的なだけなら教科書です。両方のシチュエーションがかみ合って
はじめてエロ本のシチュエーション足りうるのです」
レジで一郎が勘定を払っている間、横で久子は今にも笑い出しそうなのを必死でこらえていた。レジ裏の休憩室で
行われる密やかな愛戯でも創造しているのだろう。
「先に出てればいいじゃないですか。変な目で見られてましたよ。」
自動ドアを出て、一郎がなじる。
「いや、『田中君、だめ、笑っちゃうわ』って、妙に興奮して」
「まぁ、それです。ヒロインが羞恥に染まるというのがエロ本では重要な要素になります。精神的シチュエーションと
行為的シチュエーションの組み合わせは膨大ですら、結果としてエロ本のシチュエーションは膨大になります」
「羞恥に染まらないと、田中君の好みに合わないのはわかったよ。でも、さっきのサブヒロインみたいに王道
じゃないシチュってもあるんでしょ」
ありますよ。たとえば凌辱のジャンルがそれです。
397:こんばんは、サクラフブキです
12/11/01 04:46:35.66 B/oyFCtW
予定通り連載を続けます(笑)
そのうち、ぽつ、と俺の髪の毛に何かが空から落ちて来たのを感じた。
でも俺は気にしない。
気にする余裕も無いのだ。
それからまたぽつ、と俺の手にひやっとしたものが触れる。
今度は頬に。
流石に奴も気が付いたか、俺の頬を生暖かな舌でねっとりと舐め上げる。
エロい。
どうして奴はこんなにもエロなのか。
普段落ち着いていてセックスは激しいなんて、
益々反則じみた男だ。
まもなくして空から水を並々張った金手洗を引っ繰り返したみたいに、
そろそろと雨が降って来た。
398:こんばんは、サクラフブキです
12/11/01 04:47:24.89 B/oyFCtW
始め細やかだった雨粒は、やがて強さを増し量を増し、
抱き締め合ってキスに夢中になっている俺たちの頭上に降り掛かる。
激しい雨では無く、静かな雨。
寒い日の午後に長く降るような雨だ。
髪の毛に降り掛かった水滴を始めは弾き返していたのだが、
やがて湿り顔を伝ってくる程になる。
奴の首に掛かったままのマフラーも、霧吹きを掛けられたみたいになっていたのが
沁みた水のせいで、徐々に重さを増していくようだ。
コートが、頬が、服が、ズボンが、凍える寒さの中で
冷たさを増していく。
399:こんばんは、サクラフブキです
12/11/01 04:48:09.13 B/oyFCtW
俺たちの重ねられた唇の間にも水滴が滴り落ちてくる。
そのせいで俺は気を取られ、唇を離す。
吐いた息が今朝以上に白い。
どうやら神様は俺たちの関係が憎いらしい。
いや、それとも禁断を犯して快楽を貪ることにお怒りなのか。
顔に付いた邪魔な水滴を上から手の平で拭うと、
ぼやけていた目の前がハッキリして、奴の首元が視界に入る。
あの綺麗な首筋に水滴が滴り、下に着ていたカッターシャツの
襟が今はもう、濃い色に変色してしまっている。
それから胸、腹と雨は沁み、べったり奴の身体に張り付いている。
俺は奴の胸元に手を添えながら、自分の二の腕を摩り、
生理的に身体を震わせた。
400:こんばんは、サクラフブキです
12/11/01 04:48:53.69 B/oyFCtW
奴は俺の様子を見ながら、傘、持ってくれば良かったな、と呟いた。
しかしそれでも俺の震えは治まらない。
見兼ねたのか、奴はコートを脱いで俺の肩に包む様にして掛け、
抱き締めながら、俺のせいだな、ごめん、と謝った。
謝る事なんか、何も無いのに。
奴と一緒に日の出を見られたこと。日の出を見せてくれたこと。
それは何ものにも変え難い、幸福な出来事なのに。
俺はジャージの上着を脱いでそれを奴の頭に掛ける様にする。
多少は水滴を弾いてくれるはずだ。
それから奴を抱き寄せるようにして、
体と体をしっかりと重ね合わせる。
こうしてれば暖かいから、と俺は囁き返す。
暖かい息が言葉と共に外に漏れ出す。
奴も俺の身体を、両腕で包み込むようにして抱き締め返す。
俺は自ら唇を重ね合わせる。
人肌の温もりがそこにある。
いつも以上に奴の体が熱い。
401:こんばんは、サクラフブキです
12/11/01 04:49:51.64 B/oyFCtW
奴のシャツも、俺の白いTシャツもじっとり濡れているのが分かる。
体の外側、末端の方から熱が奪われていく。
凍えるような寒さの中、俺たちの身体が冷えていく。
しかしだからこそ、今目の前にある熱が欲しい。
奴の熱と身体を求めるようにして、きつく身体を抱き締める。
それは奴も同様だ。
やがて奴は腰を動かし出した。
半分ほど勃起した性器が、濡れた布越しに擦り合わされる。
熱い。
外はこんなに寒いのに、身体はこんなに冷たいのに、
どうして熱いのだろう。
俺は思わず、奴の名前を囁きながらも喘いでしまう。
しっかりと上半身を合わせながら、蠢く身体と下半身だけが、
寒さの中に取り残されてしまった、たった二つの熱と熱。
そしてそれらは、今、一つになろうとしているのだ。
402:名無しさん@ピンキー
12/11/01 04:55:28.31 hNMlGI3x
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
こっちの方でも投稿受け付けてますんでよかったらどうぞ。
403:名無しさん@ピンキー
12/11/01 19:16:29.21 azA5Sup/
>>419
大林圭支 ◆M9BaxOHZFs様、
面白いですね!
怨霊(?)に母親を寝取られるパターンは初めてです。
続きが気になりますので、感想まで是非お願いします。
応援してますよ。
404:名無しさん@ピンキー
12/11/01 19:27:32.02 azA5Sup/
訂正
×感想
○完走
405:名無しさん@ピンキー
12/11/01 20:18:32.83 03yEa0+c
暁技研、なかなかいいだろ
406:名無しさん@ピンキー
12/11/01 21:46:32.50 hNMlGI3x
展開はいいんだけど、絵がなw
407:名無しさん@ピンキー
12/11/02 02:19:30.76 zeZJ1qWV
URLリンク(terauploader.pitad.com)
408:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/02 04:47:21.04 Z3pjxT18
予定通り連載を続けます(笑)
409:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/02 04:48:04.15 Z3pjxT18
「凌辱って、エロ本の王道かと思ってたよ」
「そう言う見方もあるでしょうね。凌辱がわき道だってのは僕の趣味でしかありません。フランス書院では堂々たる
主流派です。ちなみにフランス書院のWEBサイトは www.france.co.jp なんですが、フランス政府は何も言わないん
ですかね」
「エロも文化だと思ってるのかも」
「眼中にないのが真実だと思いますが、フランスのアパルトメントでは窓を開けたままやってるそうですから、
当たらずとも遠からずかもしれません」
「田中君は羞恥心がないエロは嫌いなんだよね」
久子がニヤニヤしながら聞いてくる。
「不可欠じゃないですよ。陶酔感のあるセックスは羞恥心をまとう女性と同じくらいすばらしいものです。が、
その場合も羞恥心があるといっそうよいものになります」
「ふふん、その辺は知識なのかい、経験なのかい?」
図星だったのか、言いよどむ。
「僕の女性経験を聞き出したいのなら、もう少し親密になってからにしてほしいですね」
「ほほう、腕の中で聞けよって言うの?ちょっと考えさせてもらいたいね」
「そうしてください。話を変えますか?」
どうも話の腰を折られて熱が冷めたらしい。
「ええ?頼むよ続き聞かせて」
「はい。何の話でしたっけ」
「凌辱は王道かって話」
「そうでした。凌辱は出版数では堂々たる主流派ですよ。それには理由があります」
「男性側の願望でしょ?」
「そうです。ほとんどの男は、望む女性すべてを抱けるわけでは有りません。というか、ほとんどの男は、
望む女性のほとんどを抱けません。まったく抱けない人も居ます」
「その衝動の代替としてエロ本を読む」
「そうです。手の届かない女性、手を出してはいけない女性、拒む女性を力ずくで自分のものにする。そういう
願望を形にしたのが凌辱ジャンルです。」
エントランスに入ってからさすがに一郎は口をつぐんだ。夜に自分が住むワンルームマンションの前で強姦の
話をするなど、無神経にも程がある。
410:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/02 04:48:50.16 Z3pjxT18
「チーズ切るから台所かしてね」
「いいですよ。ワインは赤白どちらから行きますか?」
「赤にしよう。酔いが回りきってから飲むのは白がいいよ。」
「わかりました。」
「あ、コップとって。洗うから」
コンビニにしてはなかなか気が利いていて、二次会のつまみには再びカマンベールチーズが登場することとなった。
「で、願望を満たすために凌辱を読むんだ」
「そうです。が、凌辱というジャンルは書くほうからすると精神的なシチュエーションが著しく狭まります。」
「女の意志は無視だもんね」
「尊重していたら凌辱ではないですからね。その結果、ヒロインの設定のうち主人公との精神的な関係はほぼ
意味がなくなってしまいます。」
「たとえば」
「幼馴染とか、ほのかな恋心とか、一目ぼれとか、母性愛とか、ツンデレとか」
「ツンデレもエロ本になるかい?いや、エロゲーになりうるのは知っているけどさ」
「知ってるんですね。エロ本にもなりますよ。むしろヒロインの機微を描けるという意味では恥ずかしいほど
エロが引き立ちます」
「なるほどね。ともかく、セックス前のヒロインが主人公をどう思っているかは無意味になるんだ」
「忌避している、見下しているという感情はスパイスになりえますが、それが効くのは行為に入ってからです。
文学的に考えれば、凌辱される前の女性がいろいろと考えること、募る不安は十分以上に描く対象足りえるので
すが、エロ本としてはほとんど無価値です『感じてはいけない』といった決意が表されれば十分です。もっとも
例外はいつも有ります。身代わりに抱かれるといった場合には、ヒロインの迷いを存分に楽しむこともできます」
「私が抱かれるからその子に手を出さないでっ」
久子がすっかりなりきってセリフを言う。
「抱かれる?抱いてくださいの間違いだろ」
「ネズミをいたぶるネコってわけね」
「言葉なぶりは凌辱劇の重要な要素です。ここが実は難しいところなんですよ」
「そうなの?」
「凌辱劇にはいくつか重要な要素があります。まず、本来手を出せない女性を自由にできるということ、つぎに
抵抗する女性がいつか感じてしまうということ、そしてそう言う女性をなぶることです」
411:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/02 04:49:34.71 Z3pjxT18
「凌辱自体がなぶり物なんだけどね」
「なんですが、言葉でなぶることで、ヒロインに今の立場のみじめさを嫌というほど思い知らせる効果があります」
「でもさー、女の立場で言うと泣き叫ぶよ。多分。」
「実際そうだと思いますよ。凌辱劇といっても、エロ本になりうるのはほぼ完全な虚構です。凌辱される女性が泣き
叫ばない、暴れない、じっと男のやることを耐えている」
「いやー、これもご都合主義だね」
「そのご都合主義を成立させるための下ごしらえが、凌辱劇の重要なポイントです。」
「さっきの身代わりとか」
「はい。身代わりを女性が自分から言い出さざるを得ないような状況を作ることで、抵抗できなくしてしまうのです」
「なるほど」
「そのほかにも、事前に親切にしてやって信頼を勝ち取り、抱いてから凌辱であることをあかす手もあります。」
「手がこんでいるね。」
「綺羅光の『凌辱女学園』がそれです。ヒロインの母親をだまして抱いた後、彼女に媚薬を打ってへろへろにし、
目隠しのまま彼女が忌み嫌う教師に抱かせるんです」
「いや、ディープだ」
「目隠しの間はクスリの効果もあって、男が交代しても愉悦の言葉を吐きながら恥らうんです。それが目隠しを
とられた途端に地獄絵図です。それまでの自分の言動すべてが一気に自分自身をなぶりつくします。それから、
あえてばれやすい場所で凌辱することもあります。」
「かえって声をあげられない」
「そうです。社会的立場のある人ほど、恥ずかしい場面を見られることを拒みます。トイレってのは定番ですね。
デパートの更衣室ってのもあります。」
「痴漢もそうだね」
「シチュエーション的にはそうです。ところが痴漢は凌辱物の下ごしらえとして成立しにくいんです。」
「なんで?」
「痴漢に会った女性は駅を降りて逃げればいい」
「あ」
「凌辱劇で痴漢が効果をあげるのは、導入の静かにさせる場面ではなく、いったん落として逃げられなくなって
からのなぶりのフェーズです」
「奥が深い」
412:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/02 04:50:25.88 Z3pjxT18
「なぶりの話をする前に、凌辱劇のもうひとつのパターンを挙げましょう。バイオレンスです。」
「定番な気がするけど」
「ところが、エロ本に関してはいまいちなんですよ。男が大きな声を張り上げる、女が泣き叫ぶ。男が挿入する、
女が泣き叫ぶ。男がピストン運動を行う、女が泣き叫ぶ、男が射精する。女が泣き崩れる」
「いやだなぁ。シチュエーションがというか、読書家の末席を汚す者としても、そんなのは読みたくないよ。」
「バイオレンスな凌辱が成立するのは、バイオレンス小説の中だけです。エロ小説の場合純粋なバイオレンスじゃ
だめだ」
心なしか、一郎の背筋が伸び、ぐっと力の入った調子でしゃべっている。やくざ映画を見た後の男のようだ。
「どんな風に不純にすればいいの?」
「まず泣き叫ばないようにすること。仕込みですね。バイオレンスの場合人質が有効です。」
「まぁ、バイオレンスだからね」
「で、エロの主軸はやはり最初は耐えていたヒロインが声をあげ始めるというスジです」
「ほかとおんなじじゃない」
「バイオレンス・エロの場合、男の柄が悪いですね。『おらぁ、お高くとまってんじゃねーよ』『ひゃはは、
こいつ濡れてるぜ。さっきまでの威勢はどうした』ってところでしょうか」
「口だけバイオレンス!」
久子が笑う。
「本当にがんがん暴力をふるうと、読者が引きますんで。そう言うわけで、バイオレンスの凌辱劇は、あまり
バイオレンスなものにしてはいけません。ただし、ストーリーは楽です。」
「暴力は不条理だからね」
「そうです。銀行強盗に失敗した凶悪犯が、銃を持ったまま女子高に逃げ込む。鉄板です。」
「酒池肉林だ」
「肉林です。あとは時間をたっぷりとる方法と場所を押える方法だけ考えればいい。」
「場所?」
「たとえば教室で生徒を前に女教師を犯すというのは、そそりそうに感じます。でもそうでもない。」
「そうでもないかな?」
「そうでもないですね。じっくりといたぶるにしちゃ、集中できないんです。生徒が泣いたり、『先生』と
声をあげるとリズムが悪いでしょ。だから、どこかに移動して一人一人なぶるほうがいい。」
「生徒をなかせなきゃいいじゃん」
413:こんばんは、サクラフブキです
12/11/02 04:56:47.76 T/wuBHyw
予定通り連載を続けます(笑)
414:こんばんは、サクラフブキです
12/11/02 05:00:33.90 T/wuBHyw
俺も自ら腰を動かしながら、暖かな奴自身に、
自分を擦り付ける。
暖めあう身体が熱い。
脳内が熱に浮かされているみたいだ。
身体に張り付いた布越しに、奴の身体が分かる。
ハァ、と白い息を吐き出す。
すると奴の生暖かな息も、俺の耳に掛かる。
どうしてこんな事になってしまったのだろう。
415:こんばんは、サクラフブキです
12/11/02 05:02:31.65 T/wuBHyw
雨の中抱き締め合ってキスをして、
誰かに見られるかもしれない状況の中、
雨に濡れそぼりながら興奮しているのだ。
俺は変態だろうか。
寒さが奴の熱を求めさせる。
快楽と欲望が奴の身体を求める。
どっちがどっちだか分からないが、
どうしようもないのだ。
俺は凍えそうな寒さの中では、奴の熱を求めざるをえない。
こんな風にご丁寧に据え膳まで用意されて、
腰を振られたのでは快楽を求めずにはいられない。
俺は奴を求める運命の中にあるのだ。
そして、それは神でさえも、
俺たちの間に入り込んで邪魔をする隙など無いのである。
416:こんばんは、サクラフブキです
12/11/02 05:04:40.80 T/wuBHyw
雨の中抱き締め合ってキスをして、
誰かに見られるかもしれない状況の中、
雨に濡れそぼりながら興奮しているのだ。
俺は変態だろうか。
寒さが奴の熱を求めさせる。
快楽と欲望が奴の身体を求める。
どっちがどっちだか分からないが、
どうしようもないのだ。
俺は凍えそうな寒さの中では、奴の熱を求めざるをえない。
こんな風にご丁寧に据え膳まで用意されて、
腰を振られたのでは快楽を求めずにはいられない。
俺は奴を求める運命の中にあるのだ。
そして、それは神でさえも、
俺たちの間に入り込んで邪魔をする隙など無いのである。
417:こんばんは、サクラフブキです
12/11/02 05:06:35.27 T/wuBHyw
やがて、奴は俺から離れる。
髪の毛も顔面も、全部が雨を被り、
シャツも全部濡れて、身体に皺を作りながら張り付いている。
俺を見つめながら、薄ら笑いを浮かべている。
何の笑いだろうか。
雨を予測出来なかった自分、そしてそれを無視して行為に耽る自分への嘲笑か。
それとも、こんな状況でペニスを立たせている俺を笑っているのだろうか。
そんな事を考えつつも、奴の透けたシャツの上に手を置いて、
湿ったシャツの上から乳首を擦る。
すると、奴も俺のを擦る。
ゆっくりと奴は、口を開く。
唇と顎先にも、水滴は滴っている。
帰ろう。俺たちの家に。
俺と奴は、手を繋いで来た道を戻った。
服は俺も奴も、元の通り着直したが、奴のマフラーは俺がしたままだ。
奴がそうさせた。
ゆっくりと止まない雨の中、
俺たちは家路に付いている。
生暖かい息が吐き出される。
塗れた地面が水溜りを作り、ぬかるんでいる。
空は灰色で、さっきの朝日と美しいグラデーションの事など
忘れてしまったみたいだ。
418:名無しさん@ピンキー
12/11/02 11:44:13.47 BsTywAiS
>>330の続ききてくれー!
419:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:00:37.68 HAYWfohR
予定通り連載を続けます(笑)
420:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:03:41.01 HAYWfohR
「生徒を泣かせない。そういう選択肢もあります。でも、その場合、いっそ生徒を共犯にしてしまったほうがいいです。」
「え゛、生徒が強盗の共犯になるかね」
「なりえます。犯人が誘導すればいい。ただし、犯人が知的になってきますから、バイオレンスっぽくない。」
「うーむ。そんなものかね」
421:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:10:45.60 SwlJV/0G
「そんなものです。とにかく徹頭徹尾暴力的ってのはエロ本としては似合わないのです。エロ本に出てくるやくざは
たいてい女扱いになれていて、脅す、なだめるの使い分けがうまく、ヒロインをちぢみあがらせた後にゆっくり身体
から性感を引き出していきますね。」
「落花狼藉にあいながら、身体が悦びの声をあげてしまう悲しさ」
422:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:11:28.43 SwlJV/0G
「『身体は正直だね』という言葉が一番合うのもこのパターンです。この一言に対する女性の反応は、凌辱小説の
もっとも重要な部分のひとつです。」
「女としては悔しいよ」
「悔しさに身体を震わせても、悲しみに涙を流しても読者は喜びますよ。だけど、其処に至るまで抵抗してほしい。」
423:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:12:10.24 SwlJV/0G
「その抵抗が長いほど、落ちたときのカタルシスが大きいね」
「おおきいです。で、長くするために段階的に落としていくのです」
「段階的に」
「段階的にです。たとえば、泣き叫んでいた女の子が挿入され、ピストン運動をされると、イヤーっやめてー
アーッ感じるーと激変するような作品もある」
424:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:13:34.44 SwlJV/0G
「うそだ」
久子が笑う。
「さすがに商業作品でこんなのは少ないですが、ありますよ。しかも処女喪失で。」
「わかったよ、ご都合主義だったね」
今度は一郎が苦笑する。
「そんなところです。残念ながらそんな本でも売れちゃうんですけどね。ともかく、凌辱劇の花形がゆっくりと落ちていく
ヒロインであることに変わりはありません。ですから、この場合男はヒロインをゆっくり脱がしながら、言葉と身体でなぶり
尽くさないといけないのです。見せ場です」
425:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/03 05:14:05.66 SwlJV/0G
「なぶるってのは、いっひっひって感じで?」
「それもありですね。ただ、あまりヒヒ爺っぽいと、今度は狡猾な責めとのギャップが大きくなります。そういうのが好きだ
という人も居るとは思いますが。」
「田中君が好きじゃないのはわかったよ」
「ヒロインは段階的に落としていくわけですが、これは、彼女の反応を読者と楽しみながら一つ一つ手順を踏んで
行くことになります」
「うん」
「たとえば、まずうなじに触れる、ヒロインがピクリと身体を震わせるのをみて、にやっと笑う。絶望と恐怖で息が
荒くなるヒロインの服のボタンを一つ一つ取っていく。ブラウスを脱がすと現れる透き通るような肌。ここで肌の様子
をどれだけねっちりと表現できるかがひとつのポイントです。そっと触れるともう一度身体を震わせます。『感じや
すいんだね』と揶揄する男。お嬢さん育ちの素直な女性なら『違います』くらい言うでしょうし、気の強い女性なら
唇をかむでしょう。で、いよいよブラをとるわけです。」
「いよいよだね」
426:こんばんは、サクラフブキです
12/11/03 05:25:55.17 l3z1wdZr
予定通り連載を続けます(笑)
景色を見渡してみた。
河はまだ増水するほどでは無く、
今朝と変わり無く水を湛えている。
雨が地面を叩く、静かで優しい音。
家々の屋根を、水が滑るように流れていく。
さっきまで俺たちが佇んでいた端が、
雨の視界の向こうに、霞んで遠く消えていく。
世界は優しい。
冷たくも優しさに包まれているのだ。
雨は冷たくて、暖かいのだ。
そして俺の左手を、熱を持った、たった一つの奴の手が、握り締めている。
俺の手を、奴の右手がそっと包み込んでいる。
427:こんばんは、サクラフブキです
12/11/03 05:26:53.57 l3z1wdZr
俺はただ黙って奴の後ろを歩いた。
手を繋いでいるのだから真横を歩けば良いのだが、
奴が前で、俺は後ろだ。
これは絶対に変えられない距離なのだ。
俺は黙って歩いている奴の背中を、切なげな目で見つめた。
428:こんばんは、サクラフブキです
12/11/03 05:27:44.94 l3z1wdZr
すると、奴は後ろを振り向いた。
まるで俺の気持ちを察したかのように。
俺は奴の手に引き寄せられて、横に並ぶ。
奴は、俺のマフラーの端を、奴の肩に掛けるようにして軽く巻く。
いわゆる、恋人同士がするあれだ。
微笑を浮かべてくる。
俺も微笑んで応える。
会話は無かったが、それでいい。
それでいいんだ。
429:こんばんは、サクラフブキです
12/11/03 05:31:33.88 l3z1wdZr
俺は今、奴の隣りに並び、手を繋ぎながら、
雨の中、川原沿いの土手道を歩いている。
冷たい雨が染みる中、奴と繋いだ手だけが、
たった一つの熱源を持っている。
俺と奴の存在を、証明してくれている。
430:こんばんは、サクラフブキです
12/11/03 05:32:31.64 l3z1wdZr
それから家に帰った俺たちは、
当然のようにして冷えた身体を温めあった。
雨の中の方が興奮した、なんて、
奴には言えない、俺だけの秘密なのである。
431:名無しさん@ピンキー
12/11/04 18:48:24.09 bHw7whSF
ネットで読める小説で、母親のセックスの描写が丁寧な作品ないですか?
調教ものとかじゃなくて、和姦ものでお願いします。
432:名無しさん@ピンキー
12/11/04 18:52:37.65 onYoOeNs
>>505
それをここ聞くのかww
433:名無しさん@ピンキー
12/11/04 19:03:49.22 onYoOeNs
>>505
あ、ごめん。母親のか、母親と息子のとよみ間違えてしまった。
>>1とか>>2で貼られてるようなやつはだいたい良作っぽいけど。
過去にどんなのを読んだかわからないし、色々読んできてるならだいたい新しい情報はあんまないと思う。
434:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:12:09.84 JZNxb0tm
予定通り連載を続けます(笑)
居心地が悪いのか、久子は小さな声になっている。
「現れた胸の大きさですが、これはヒロインによってやはり変えた方がいいです。」
「男はみんな巨乳好きでしょ」
ちょっと拗ねたような声で久子がいう。彼女はどちらかというと貧乳だ。
「そうなんですが、ここはいたぶるのが目的です。さっきのお嬢さん育ちなら見事な形と大きさがいいですね。で、
ねっちりと誉めたててヒロインをいたぶる。ところが気の強いヒロインなら小さいほうがいい。」
「コンプレックスをいたぶるんだ」
久子がかなり卑屈な声色で言う。
「そうです『へぇ、気は強いのにここは控えめじゃないか』とかいって。で、ヒロインが屈辱に顔をそむけると、
また笑う」
「…」
「胸が出てきたところでいよいよ落としが始まります。ゆっくりと胸の肌触りや柔らかさを楽しみながら、肌に舌を
這わせて味わいます。」
久子が、胸をガードするように肩をすぼめる。
「このときねっとりとしつこく愛撫するのですが、乳首は避けます」
「じらすんでしょ」
435:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:13:42.29 JZNxb0tm
「そんなところです。ヒロインは必死で耐えますが、吐く息に少し甘い音が混じり始めるで、ここで一言『感じて
きたようだな』」
「ありきたりじゃない?」
「いいんです。そんなありきたりな責めには負けないつもりのヒロインが、落ちていくのがいいんです。で、
ヒロインが『そんな』と否定の言葉をつぶやくと同時に乳首を吸ってやる。たまらず声を出すヒロイン」
「思う壺ね」
「そうです。声をもらす屈辱を強くするために、あえてあらかじめ性感を否定させるんです。あとは同じパターンの
繰り返しですが、一度声を漏らしてしまうと、ヒロインも我慢が難しい。乳首からわき腹まで縦横に身体を探られて
性感帯を見つけられてはいちいち男に性感帯を見つけたと宣言される。ヒロインが否定できないほど声を漏らし始めたら、
今度はいよいよ最後の布切れです。」
「パンティって言わないの?」
436:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:15:14.28 JZNxb0tm
「婉曲な表現のほうが好まれますね。『もう、たっぷり濡れてんじゃないのか』と声をかけます。当然濡れているのは
わかっていますが、これもヒロインに否定させるためです。『じゃぁ、確かめてやるよ』と余裕で耳元にささやいて
彼女の女の部分に手を伸ばす。じっとりと下着が濡れているのを指摘して笑う男。悔しさに声をあげるヒロイン」
「…」
「下着を脱がすときにも現れた茂みをねっとりと描写してやります。お嬢様育ちのヒロインなら褒め称え、気の強い
ヒロインならからかうのも同じです。で、いよいよヒロインの大事な部分に触れるわけです。」
「一直線ねもうすぐゴール」
「ここで触れ方はいくつか有ります。下半身を広げてじっくりとその部分を見ることもできれば、添い寝して女性の
部分に手を伸ばし、耳元で甘い言葉をささやきながらもてあそぶ。あるいはいきなり吸い付いてもいいでしょう。
なんにしてもヒロインはやはり声を漏らさないように耐えて身をくねらせるだけです」
「ちょっとくどすぎない?」
437:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:34:24.84 Cphs+fAZ
「ちょっとくどすぎない?」
「そんなことないです。ここがあっさりしていたんじゃエロ本じゃなくて単なるセクシー小説ですよ。とにかく、
必死で我慢しているのに男の舌に追い立てられて、ヒロインはエクスタシーに向かって昇り詰めていきます。
でも、男は許さない。寸止めでじらす。ヒロインが危うく気をやってしまいそうな自分だったことを認識したところで
再びなぶる。これの繰り返しです。その間、ヒロインをからかってやるのを忘れてはいけません」
久子は黙ってワインを舐めている。
「で、ヒロインが性感の高原を苦しみさまよい始めたところで、ようやく挿入ですが、大事なことがあります」
「今度は何?」
「ヒロインは、性的な経験を積んだおとなの女性のほうがいいんです」
「あら、制服の生徒会長なんかでもいいんじゃない?」
「確かにこれまで純潔を守ってきた清楚な生徒会長が、男にいたぶられて性感を味あわせられる、というシチュエー
ションもありです。が、その場合長編が前提になります」
「ん。イケないから?」
438:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:35:57.61 Cphs+fAZ
「そうです。処女の場合愛撫で行くことができても、セックスそのものではいけませんから。いったと書いても
かまいませんが、少々突拍子もないストーリーになります。ですから。ヒロインの経験が浅いなら、そのヒロインを
凌辱によってゆっくり女として花開かせる長編のほうがいい。」
「そりゃかわいそうだわ」
「短編なら、成熟したヒロインに限ります。で、いよいよ挿入ですが、ここまでで十分高まっていますから、
挿入されただけでヒロインは身をよじらせて苦しむ。男のほうはヒロインの耳元で、彼女のモノの具合がどうか
ささやいてやるわけです。ヒロインが恥辱に顔を赤らめたところでピストン運動がはじまる」
「…」
「どうでもいい話ですが、この場合よく使われる『抽送』は間違いで『抽迭』が正しいそうです。が、誤用で
あっても広まってしまっていますので、大御所のポルノ小説家も抽送を使っています。フランス書院の編集者は
全員辞書登録しているそうです」
「へーへーへー」
439:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:37:34.00 Cphs+fAZ
「とうとう、夫や恋人にしか許したことのない秘所を蹂躙されて、ヒロインは悔し涙を流すのですが、一方で男が
送り込んでくる快感は、悔し涙どころでは有りません。やがて泣き声とよがり声が入り混じった声をあげなら、ヒロ
インはとうとう絶頂を迎えてしまいます」
「ふー、長かったね。わがヒロインには同情するよ」
久子の口調はわざとらしいよそよそしさを感じさせた。二人っきりで聞かされる色話に当てられているのだろう。
「まだ、終わりませんよ」
「え」
「射精していません」
「…」
「膣内で射精するか否かという問題は、エロ小説ではきわどい問題なんですが、凌辱小説では問答無用に射精します。
とうぜん、これから射精するぞと言われてヒロインは声を上げてあがきますが、男に押さえつけられて絶頂を迎えながら
にくい男の精液で子宮を汚されてしまいます。凌辱小説は短編でもここまでやらないと竜頭蛇尾です」
「ちょっとお手洗い借りるね」
話が切れたところで、雰囲気を断ち切るように久子が立ち上がった。水を流す音を聞きながら、さすがにやりすぎたかと
反省する一郎。
440:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:40:55.98 Cphs+fAZ
「おまたせ」
「って、久子先輩!」
「何テレてんのよう」
一郎の隣に腰をおろした久子は一郎の腕に腕を絡めて身体をあずけてきた。どうやら、一方的に押されていたのが
よほど腹に据えかねたらしい。
「ちょっと、何してんですか」
「えー?だってぇ、エッチな話聞かされて変な気持ちになってきたんだもん。久子だって甘えたくなることあるも~ん」
明らかに作っている。
「そんなことして、僕だって若い男ですよ。」
「久子も若い女よぉ?」
「何をしても文句はなしですよ」
「だーめ、えっちなことしないで」
「しないでって…」
「久子はエッチなお話を聞きたいだけなの」
くすくす笑いながら一郎の二の腕に人差し指を這わせている。
「ね、続けて」
「いや、ちょっと…」
間を置いて急に一郎が真顔になると、久子に体重をあずけてくる。とっさに久子の左手のひらが一郎の顔の前に差し出された。
まったのサイン。
「いけませんわ。田中様。大きな声をだします!」
妙に作った姫様調の声に、一郎が憮然とした顔で力を抜く。
「わかりました。何でしたっけ」
久子が耳元でささやく。
「ヒロインは悪漢田中に貞操を奪われた上、あろうことか悦楽の極みの声をあげさせられた後、膣奥を田中の
精液で汚されるの」
にらみつけると、悪戯っぽい上目遣いで笑っている。
441:名無しさん@ピンキー
12/11/05 04:44:03.82 1RPhbMg+
せっせこせっせこ毎日荒らしてw
442:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:44:56.29 Cphs+fAZ
「えーと、そうでした。短編だとこんな感じですね」
「長編だと、これが続くのね」
「続きますが、やはりヒロインがゆっくりと落ちていきます。恋人や夫どころか自分すら知らなかった性感帯をさがし
あてられ、さらには女としてあらためて開発されてしまいます。」
「バージンの子だと、一から教え込まれるのね」
「そうです。それこそ穢れない真っ白なシーツのような少女が、強姦者の手で女として磨かれてしまいます。」
「で、悦びの声を上げる女になる」
「其処がまたポイントです。あくまで心は男に開かないんです。が、肉体としてのヒロインは悦びの声をあげてしまいます。
それが読者に黒々とした喜びを与える」
「読者っていうか、田中君よね。ううん悪い人。」
久子が腕を軽くつねる。
「悪漢田中としてはこのくらいですね」
「この先を書く人も居るの?」
「人体改造を書く人も居ますよ」
「…何?」
「千草忠夫は何不自由なく育った令嬢が人身売買にかけられ、処女を散らされた挙句セックスをたたきこまれ、
最後には卵巣を焼かれる話を書いています」
「あ、えと…」
「要するに性奴隷として落ちるところまで落ちたということです。酒がまずくなりますのでやめましょう」
「うん」
443:ここで一言『感じて きたようだな』
12/11/05 04:47:26.78 JZNxb0tm
「毎度ー、田中君、ワイン買ってきたわよ」
そう声をかけながら、吉田久子はワンルームマンションの扉を開けて入ってきた。
「こんちわー、お待ちしてました」
「お待ちしてた割に顔ひとつあげないのね」
444:こんばんは、サクラフブキです
12/11/05 04:56:14.88 Bx4YsSGc
予定通り連載を続けます(笑)
言っとくが俺はホモでは無い。
クリスマス。
彼女の居ない俺は一人暮らしのダチの家に遊びに行った。
ダチにも彼女は居ない。
奴は不思議な雰囲気の男だった。
445:こんばんは、サクラフブキです
12/11/05 04:57:10.63 Bx4YsSGc
ダチは優しくて頼れる奴だった。
面倒見が良く、その上押し付けがましくなくて人当たりが良い。
俺よりはがたいが良かった。
長いまつげが印象的だ。
ダチからは何故か良い匂いがする。
男のくせに男臭いのとは違う、そう、不思議な香りだ。
奴の部屋に遊びに行って、奴が扉の隙間から顔を覗かせた時も同じ、
鼻腔に漂ういつもの香り。
奴は歯-白くて良い歯並びの-を見せながらにかっと笑う。
俺を部屋の中に誘う。
俺はこの屈託の無い笑顔が好きだ。
446:こんばんは、サクラフブキです
12/11/05 04:58:07.40 Bx4YsSGc
部屋に上がると暗闇の中、奴の背中が見える。
奴の背中は広くて大きい。
俺が手に下げたコンビニのビニール袋のさらさらという音を立てると
それに気付いて、俺の手から貰うダチ。
中には缶ビールやらチューハイやら、酒の類が入っている。
冷たい缶の回りには水滴が滴っている、それが廊下に落ちる。
手渡しした瞬間に手が触れてしまったが、奴は気が付かなかった様だ。
俺は靴を脱いで中に、入る。
こんな事があった。
バイト先で俺がミスってしまった時に、
ダチは真っ先に店長に頭を下げてくれた。
お陰で俺はまだそのバイト先に居続ける事が出来る。
あの時の必死な横顔と声は、今でも脳裏に焼き付いて離れる事が無い。
部屋の中の様子は整然としていた。
シルバーの家具で統一されていて、ベッドとパソコン、
それからキッチンと風呂場とトイレ。
奴は俺をコタツに案内すると、先に飲んでるよう指示する。
CDラックにはJ-ROCKのCDがきちんと収まっていた。
こういうのが好きなのか…。
447:名無しさん@ピンキー
12/11/05 04:58:34.41 1RPhbMg+
自分に関係ない普通のレスあると多めにコピペして荒らすよなこいつ
448:こんばんは、サクラフブキです
12/11/05 04:58:56.89 Bx4YsSGc
キッチンを見やると奴は何やらリンゴを剥いていた。
器用に、手際よくリンゴがカットされていく。
鮮やかな手つきだ。
普段からこんな風にキッチンに立っているのだろうか。
白くて細長い手が真っ赤なリンゴと包丁の柄を包んでいる。
伏せられた目から長いまつげが伸びている。
奴はシャツのボタンを数個開けていて、腕まくりをしていた。
白い首筋が覗く。
普段から何かと面倒を見てくれるダチだった。
世話を焼くのが好きなのだろう。
だらしの無い俺は奴が居なければきっと
一人では何も出来ない。
バイト先でのミスの時もそうだった。
ミスの後も何かとフォローしてくれた。
励ましや慰めや叱咤激励、色々な感情が入り混じった言葉を聞かせてくれた。
その時だった。
俺が奴の香りに気が付いたのは。
奴は俺より少し背が高く、髪の毛は黒だ。
丹精な顔立ちで、目は切れ長のいわゆる男前である。
鼻筋が通っていて、俺は特に奴の首筋が綺麗だと思っている。
顎から喉仏のラインがざっくりしているようで流麗だ。
それが俺を励ます時に肩を抱かれた際、目の前にあった。
449:こんばんは、サクラフブキです
12/11/05 04:59:36.53 Bx4YsSGc
鼻を擽るような、くすぐったいような、甘いような酸っぱいような、
そんな匂いが俺の方へ香っていた。
同じか似た様な香りを嗅いだ時に、俺はいつもその時の事を脳裏に
思い浮かべてしまうようになってしまった。
何時でもその時の映像が鮮烈に目の前に浮かんでしまう。
そして俺は何故か-本当に何故か-勃起してしまうのだ。
俺は勃起しないように留意しながらも奴のことを考えた。
俺には恋人が居ないが、奴にも居なかった。
考えてみれば、奴と己のセクシャリティについて深く語り合った事など無かった。
奴がそういう話題を避けるのが上手いのだろうか。
そんな気がする。
俺はノーマルだ。
普通に女が好きだし、女の裸を見れば当然立った。
奴は男前なのにどうして女の気配がしないのだろう。
どんな妄想をし、どんなオナニーをして、そしてどんなセックスをするのだろう。
俺は辺りに目を配った。
450:名無しさん@ピンキー
12/11/05 05:00:11.58 1RPhbMg+
あとどんくらいやんの?
451:名無しさん@ピンキー
12/11/05 05:03:46.16 1RPhbMg+
連投規制にひっかかったか