12/10/27 08:06:03.05 GNZmCBP7
「はあ、あはあ。いい、いい。お武家さまの、まら。いさのほとに、奥に。はあああん」
「いいやまだだ。お前のほとは奥が深いぞ。ほれ、味わえ。もっと味わえ」
「はい、はいいい。ああ、まらが。まらが。ああ、いい。もっと、もっとです」
「よしもっとだないさ。ほれ、先ほどの指のようにもっと肉を食い締めよ」
「ああん、はいい。肉を、締めます。もっと締めます。ああ、いさのほと、締めます。あひい」
「おお。もっと締めよ。いいぞいさ、ほとの中が締めてくるぞ。おお、おおお」
「ああ、いさも。ほとがいい、いいい。ああお武家さま、もっとまらを。はああ、ひいい」
落ち武者が動き始めたので、二人分の揺れが湯壷を波立たせる。
ちゃぷちゃぷといった感じだった音が、ざぶざぶと激しく揺れる波となった。
落ち武者は母いさの腰を持ち、白い肌にその透けた手の先を食い込ませている。
母もまた、落ち武者に縋らずとも、まるで縄で捕らわれているかのようにその場で腰を突き出す。
藤次は、恐れ以上のものをひしひしと感じていた。
目の前の母は間違いなく本物であるのに、全てが幻のように見えるのだ。
夜の山中の誰もいない隠れ湯。
もはや隠すことのない濡れた白い肌。
異様なほど反らされた首。
抑える気さえ感じられぬ獣じみた声。
滑稽なまでに大きく打ち振るわれる柔らかな尻肉。
この世の者ではない体さえ透けている化け物。
母は今、この場所で化け物と番っている。
化け物と番って善がっている。
化け物を番うために子の藤次に嘘をつき、夜中に山道を駆けて来たのだ。
このしだちの湯に。
「ああ、ううう。お武家さま、ほとがいい。まらがいい。ひい、嫌、ああ、いいいい」
「嫌ではなかろう。いいのであろうほとが。ええ、おれのまらがいいのであろういさ」
「ああ、嫌。いい、いいです。お武家さまのまらのおかげで、あううう。いさのほとが、いいいい」
「そうだそれでいい。それもっと食い締めよ、ほとの肉をもっと食い締めぬか」
「はい、はいいいい。あは、あはあ。ああ、まらがいい。お武家さま、あああ。まらが、まらがあ」