08/01/03 03:28:03 bIqtO+Ob
俺が聞きたいのは、口にしたかったのは、
俺が奴の恋人なのか否かという事だ。
なのにどうしてこうも奴は、
何も言わせなくする何か、に満ち溢れているのだろう。
それのせいで俺は、何も言う事が出来なくなる。
陳腐に表現すれば、胸の奥が苦しくなるのだ。
だから、ただ黙って奴の後ろを付いて行く事に決めた。
例え奴がこれからどこに行こうとも、俺は付いて行くのだ。
奴が前で、俺が後だ。
数歩分の何かなのだ。
首に巻かれたマフラーに、首を竦めるようにして顔を埋める。
アロマみたいな奴の香りが染み付いている。
どうする事も出来ない香りが、俺を満たしている。