13/06/11 04:48:00.23
最初に謝っておきます。長い。あと夢小説ってこんな感じ?という妄想で書かれています。
エロくもなんともないので苦手だったら読まないが○
エレンちゃん様(笑)って感じなだけです
「あっ…!」
教官から回収してくるよう言い渡された座学の課題用ノートを取り落としてしまった。
講義室内の皆のぶんのノートなのでかなりの量があって、床にぶちまけられてしまったそれらにため息が漏れる。
必死にかき集めていると、くすくす、とどこからともなく声が聞こえてくる。
確認なんて必要ない、私を馬鹿にしている子たちだ。
地味な性格で可愛くもない、積極的に人の輪に入っていくなんてとんでもない。
特別に仲の良い同期なんて居ない上、実技が苦手で座学でしか大した評価を得られない私にとって、
こんなことは日常茶飯事だった。はやく片付けて教官のところへ行かなくちゃ。
本当に間抜けなんだね。地面に這いつくばってみっともなぁい。クスクス。実技の成績また○位だったらしいよ。くすくす。
ブスのくせに目立っちゃって恥ずかしくないのかなぁ。知ってる?この間あの子鼻たらしてたって!嘘ぉ~…
いつもおとなしくしていたのに。先日たまたま座学で優秀だと教官に褒められた。
今まではただのどんくさいだけの存在だと思われていたのだろう。実際そうなんだけど。
たったそれだけで、あの子たちは私が気に食わなくなったみたい。
こんなの、理不尽だ。私に対する中傷は、あることないこと含めてまだ降り注いでくる。
はやくはやく時間が過ぎるように、早くここを立ち去れるように、唇を噛み締めながら手をうごかしていた。
誰も助けてくれる人なんかいなかった。
「おい、いいかげんにしろよ」
その時、低くひそめられた声が室内に響いた。大した声量でもなかったのに、
しん、と辺りが静まり返る。
「お前ら、こいつが何かしたのかよ?お前らが困るような何かを」
えれん様、とあの子たちの誰かが言った。彼は、エレンっていうんだ。
エレン…ひょっとして、正義感が強くてかっこよくって、訓練兵内でも成績上位で人気者のあのエレン・イェーガー?
「少なくとも俺には、こいつが意味もなくいじめられてるようにしか見えなかったんだが」
「…違うか?」
強い言葉と視線に彼女たちは顔を真っ青にしてる。あの、エレン様、あの、その違うんです…!と
必死に弁解しようとするのを制し、
「言い逃れとかいらねえよ。お前らのことは、覚えておくからな」
ひっと息を飲む声が聞こえる。それは彼女たちだけではなく、室内にいた皆からもだった。
「…まあいいけど。」つまらなそうに視線をずらすと、今度は私の方に来て…っ!?
エレン君の手が当然のように私の腰に回る。声をあげる間もなくぐいと引き寄せられた。
「今度からこいつに何か言ったり何かしたりしたら…わかるな?」
間違いなく彼は、この狭い世界の支配者だった。