11/07/11 18:13:45.33
最初から報われも成立もしてない、だけどちょっと甘酸っぱい牛兎
大型図書館の書架で脚立に乗りつつ調べ物をしている兎の元へ、おじさんに頼まれた牛が登場
「あの人は…?」「会社の上司に捕まって身動き取れんらしい。代わりにお前さんに
渡すよう言われたんだ」と、メモリースティックを差し出す
「あ、どうもすみません」と腕を伸ばそうとしたんだけど、高い脚立に腰掛けながら作業していた
ので、脚立ごとバランス崩して床にグラリと
「あ…」「危ないっ!」ガシャン!
大丈夫か、と声を掛けられた兎の頬には、自分の身体の上でこちらを気遣っている牛さんの大きな手
の温もりが
「平気です、有難うございます」「ああ」と別れた後、牛さんは「そういや昔、似たような事あったなあ」と
学生時代にとある書店で今は亡き虎徹の奥さんと似たようなシチュエーションになった事を、僅かに己
の手に残った兎の頬の感触と共に少しだけノスタルジックな感慨にふける
その後、兎がおじさんの家で一緒に飲んでいる時、ふと自分の頬に当てられた牛さんの温もりを思い出す
「どうした?バニー」
「いえ、ただ…貴方があの人を親友と呼ぶ理由が、何となくわかった気がします」と、自分の頬に手を当
てながら微笑んだ