11/07/18 02:38:51.81
アイチのシャツのボタンが男性の手によって一つずつ、ゆっくり、丁寧と外されていく。何をされるんだろうとアイチは得体も知れない恐怖や不安に襲われていた。
カードキャピタルからの帰り道。道ばたで、おーいと声をかけられた。振り向くとそこには知らない男性がいて、手にはカードのデッキケースが握られていた。あれ? と鞄を覗くと底にデッキケースはなく、落としてしまったのか忘れてしまったのだと考える。
「君、これっ、わ、忘れてたよ」
男性は走っていたようで、息を切らしている。
「ご、ごめんなさい! ありがとうございます!」
デッキケースを渡され手に持ち、お辞儀とお礼をする。踵を返し、帰り道に向いた途端、口に何かが当てられて、もがく間もなくアイチは暗闇の淵へ沈んでいった。
目が覚めて気が付いたら、地下室のようなところにいた。真っ暗の部屋に、スタンドライトと、大きなベッドが一つ。天井に電気と思しきものがあり、少しだけ安堵する。
「ここ……どこ、なんだろう……」
手錠をはめられているようで、動かす度にガシャガシャと金属の当たり揺れ鳴り響く音がした。
先ほどの安堵も束かの間、見知らぬ部屋に拘束されているという状況が、大きな不安を作り始めてくる。
少し待っていると、ペタペタと階段を一段ずつ降りてくる音が聞こえた。近付いたと思ったら止まって、今度はガチャリと鍵を開ける音と扉を開く音がした。降りてきた誰かが電気をつけたようで、パチリと部屋が薄く少し暗いオレンジ色に染められる。
「フ、フヒュ、起きたようだね」
目をやると、そこには先ほどの男性がいた。視界に入った瞬間、ヒッと息を呑む。この男性、服を着てない。全裸の男性の股間は勃起していた。
「あ、あのっ、ここ、どこですか。出してください!」
ガシャガシャと手錠を鳴らす。しかし手錠はうんともすんとも言わず、ただ壁に繋げられているだけだった。
男性は口に笑みを浮かべたまま、アイチに近付く。
「やっ、やだ! 来ないでくださいっ、出して、外してっ!」
「来ないでって言ってるのに、外してってのは無理じゃない?」
ペタペタと男性が近付く度、フウフウと荒い息を感じさせられる。必死に顔を背けて、瞼を閉じて、拘束された腕で耳を塞ごうとする。
男性は、すぐ側にいた。目を開けたら目の前にいて、ひいと情けない声をあげる。腕が近付いて、頬を撫でられる。息がすぐ近くにあって、鳥肌がプツプツとたった。
「アイチきゅん、僕といいことしよっか」