11/03/13 01:33:38.64
>>664
…うん、……うん。
(男の言葉に繰り返し頷いて渡された約束を心に染み渡らせるように胸に抱き。
両手を胸元で握って、まるで大事なものを得たかに口元を緩ませて)
生きる道…。……鬼さんは、もう見つけたの?
(覚束ない足取りは長く拘束されていたからというより元からのものらしく、
逞しい体が再び寄り添うと、尋ねることも相俟って不思議そうに見上げて)
大丈夫よ…?市、まだ…歩ける。
(かつて少女自身が兄に向けていたのと同じ視線を向けられて、それにすらも慣れてしまったのか、
周囲の視線を気にする様子はなく、ただ悲しく虚ろな闇色の眸で周囲を一瞥する。
ヒッ、と悲鳴を上げた子分の一人の傍らを二人で通り過ぎ、湯殿まで案内されるとその格子戸を開いて)
……どうして?鬼さんも、一緒でしょう…?
(待っている、と聞くと中に入ろうとしていたものの振り返り)