11/03/12 23:54:47.53
>>658
…鬼さんが、暖めてくれるの…?…ふふ。
市、ひとりじゃない……。
(猫のように頬を摺り寄せると裸の胸元に添えていた手を離し、顔を上向けて視線を上げ、
まだ背後にたゆたう闇を纏わせた状態ではあれど、危険を感じさせない程度には牙を剥くのを止め)
…市……からっぽじゃないの?からっぽじゃない市には、何かできるの?
鬼さんは悪くないわ…市を、ひとりじゃなくしてくれた。海を見せてくれるって、約束…したもの。
…………。
(嗚咽もなくただ静かに涙を溢れさせ、傍らで慌てる男には構わず。
気遣わないというよりは何が慌てさせているのかを理解していない風であり、
見るものを惑わせ、憐憫を誘う仕草で上目に見つめて)
…わからないものが、わからないの。…市の生きる理由……鬼さんと一緒にいたら、見つけられる…?
(もう失ってしまった愛した夫、畏怖した兄、その記憶を奥底に封じ込めたまま、途方に暮れたように涙を零して、
触れた指先を撫でられるとゆっくりと瞬きをして虚ろな眸を濡らし)
【…うん。今は、平気よ……ありがとう】
【…戦いの時に、武器をもつように……闇の手も、眸も、現れるのかしら…】
【闇色さんの時は、刑部を引きずりこんでしまったけれど…どう、したい?】
【市には不便はないもの、鬼さんがしたいように…してくれていいわ】
【それから、この後…このまま続けるか、場面…変えるか…ね】