11/03/11 00:56:43.16
>>603
……うん、…うん。…市が、ひとりじゃなくなったから暖かいのね…。
海…ああ、遠くから波の音がするわ。
(瞳を閉ざし瞼を閉ざして耳を澄ます。微かに聞こえる波が立てる水の音が物珍しく、しばらくそうして聞いていて。
男の腕の中で縄が解かれる間、じっとしてその肩ごしに光が漏れ入る扉の方を眺め)
…仲間…。市にもできる?鬼さんは、市の…仲間?
…市は、だあれも助けに来ないわ、だってからっぽだもの。
そしたら、市はずっと鬼さんのものなのね……。
(威圧するように大きな鉤爪を揺らしていた闇が、ほんの少し縮んで小さくなる素振りを見せる。
腕が自由になると長らく同じ体勢で捕らわれていた痛みに体が悲鳴を上げるも、
そのたくましい胸板に両手を添えてそっと頬を寄せ)
【鬼さん…市、そろそろ時間になるわ】
【今日はまた、会える…?それとも、別の日……?】