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紀元60年ころ、ブリタニアのイケニ族の地(現イギリス、ノーフォーク)
誇り高きイケニ族の王プラスタグスは、彼の死後その妻ブーディカと二人の娘とローマ皇帝を共同統治者とし
彼の王国の独立を保障する約束を交わしていた
ところが彼が死ぬと、ローマ帝国は相続権は男子のみにあり女子には相続権はないとして、王国を帝国に編入してしまう
貴族は奴隷のごとく扱われ、女王は鞭打たれ、二人の娘はローマ兵に陵辱され純潔を踏みにじられた
国を奪われ娘と自分を陵辱したローマへの復讐心に燃えたブーディカは、近隣の部族と共に蜂起し反乱に火蓋を切って落とした
長身で腰まである赤髪をなびかせたブーディカは、反乱軍に決起の演説を行い、ローマ領へ攻め込んだ
反乱軍は、原住民からの搾取で築かれたローマの拠点を次々と落とし、逃げ遅れた市民は皆殺しにされた
ブリタニア総督スエトニウスはほうぼうの体で逃げ出し、見捨てられたロンディニウム(現ロンドン)も燃やし尽くされた
捕虜たちへの扱いも苛烈で、ある貴婦人は乳房を切り取られて口に詰め込まれた上、串刺しにされた
都市と市民を犠牲にして時間を稼いだ総督スエトニウスは約1万のローマ軍団を率いて、23万人に膨らんだ反乱軍をワドリング街道で対峙した
ブーディカたちはよく戦ったものの、練度や装備に優れたローマ軍の敵ではなく、反乱軍は壊滅させられた
ブーディカは毒をあおいで自死、彼女の娘たちは行方不明(乱戦の中で死んだとも)となった
反乱鎮圧後、苛烈な支配を問われたスエトニウスは総督を解任され、彼の後継者はブリタニアを穏健に治めることになった