13/04/28 05:14:22.61 IFAaEd3r
「もちろん出来上がった物は一つ一つ私自信で試しています」
ここ数年は、安価な中国製に押されていると言う
「いや、ボクは続けますよ。待ってる人がいますから──」
下町男ふたなりの灯火は弱い。だが、まだ輝いている
「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよまたお願いしますって。ちょっと嬉しいですね」
「遠くからわざわざ求めてこられるお客さんが何人もいる。体が続く限り続けようと思っとります」
「やっぱねえ、手作業だからこその弾力ってあるんです。機械がいくら進化したってコレだけは真似できないんですよ。」
��1973年、オイルショックで原料の価格が3倍にまではねあがり、一時は店をたたむことも考えたという
「やっぱりアレですね、たいていの若い人はすぐやめちゃうんですよ。手でやって方が早いとか、犬がいるからいいとか……でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。
ほら、そこにいる斉藤もそう。そういう奴が、これからの男ふたなり界を引っ張っていくと思うんですね」
最近では海外のオナニストにも注目されているという。額に流れる汗をぬぐいながら
「女体に追いつき、追い越せですかね」
そんな夢をてらいもなく語る彼の横顔は職人のそれであった今日も彼は、日が昇るよりも早く生地の整形を始めた明日も、明後日もその姿は変わらないだろう
そう、男ふたなり職人の朝は早い
955:名無したん(;´Д`)ハァハァ
13/04/28 15:34:04.24 F2iO+Lpm
なんかわろた
おもしろいな
956:名無したん(;´Д`)ハァハァ
13/04/28 15:50:12.64 F2iO+Lpm
―7年ぶりにこの町に帰ってきた。
小学生になる直前に、親の都合で県外に引っ越すことになって以来だ。
あの時泣く泣く別れた、初恋の女の子は今でも元気にしているだろうか。
誰が見ても美少女だと断言するであろう、キラキラと輝く笑顔が魅力的だったあの子。
俺はその子と最も仲が良く、毎日一緒に遊んだものだった。
白いワンピースをヒラヒラさせて青い芝生の上を駆けていった姿を今でも鮮明に覚えている。
「今日は転入生を紹介するぞ」
担任の教師の一声で教室がざわめいた。
そんな中、一人だけ最後列で窓の外を見てつまらなさそうにしている男子がいる。
自己紹介が終わった後、俺はそいつの隣の席に座るよう指示された。
どうせなら仲良くなりたいと思い、そいつに声をかけてみることにする。
その前にそいつの名札を確認したが、それに刻まれた名字はあの子と同じものだった。
どこにでもある名字だから何もおかしくはない。
しかし、そいつの顔はあの子によく似ていた。
親戚か何かだろうか。それとも、名字が被っているだけの他人の空似だろうか。
957:名無したん(;´Д`)ハァハァ
13/04/28 15:58:00.56 F2iO+Lpm
「お前、下の名前なんていうの?」
俺がそいつに問いかけると、そいつは俺の顔を見て一瞬驚いたような表情をした。
そしてすぐに顔を逸らした。
「……そんなこと聞いて、どうするんだよ」
戸惑いを隠そうとしているかのような、震えた声だった。
「ごめーん、そいつちょっとひねくれちゃってるからさ。いつもぼうっとしてるから君の自己紹介も聞いてなかったと思う」
近くの席に座っていた女子がそう言って、そいつの名前を教えてくれた。
そいつの名前は、あの子と同じだった。
同姓同名で、顔もそっくりな男。
あの子と何らか関わりがあるとしか思えない。
「なあ、お前と同じ名前の女の子を知らないか?」
「……知らねえよ」
その声は、どこか強張っていた。
958:名無したん(;´Д`)ハァハァ
13/04/29 03:33:01.01 rAPyRT3o
おお、いい感じ
続きはあるのか?
959:名無したん(;´Д`)ハァハァ
13/04/29 09:45:55.57 X37KEy6Y
続きはあるけど書けるほど私生活に余裕がない