11/09/08 22:03:37.06 7AWMW9US
僕は数十年も生きた。退屈だった。
つい数年前、彼女に出会った。
これまでの数十年を塗り替えるほど、彼女に出会ってからの数年は楽しかった。
そして、彼女との出会い、蜜月から色々なことを学んだ。
彼女をいくら思っても慕っても。触れることすら叶わない。
彼女がいくら幸せでも。僕に微笑みかけてはくれない。
……それでも、僕は幸せだった。理由は簡単だ。彼女がいたからだ。
触れられなくても、微笑みかけてはくれなくとも。
彼女がそこにいる。いつでも会える。それだけで。僕は幸せだった。
数ヶ月前。僕は医者から余命を聞いた。
自分の身体に限界がきていたのは知っていた。
あぁようやく。彼女に会えるのか。ただそれだけだった。
空蝉にある限り、彼女には触れられない。
しかし、魂となれば。この世のものでなければ。
彼女に、本当の彼女に会えるのだ。
と、僕はそう思っていた。そして、今も信じている。
しかし、もしも仮に御目見得叶わなかったら。
そう思うと楽には死ねない。
未練を残せば、彼女に会えないかもしれない。
僕の今生の願いよ誰かに届いてくれ。
最後に、偽物でも良い。
頼む、頼むから。
パルスィの画像ください。