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昔むかし、あるところに太郎という働き者の若者が住んでおったそうな。
太郎は朝から晩まで一生懸命に畑仕事に精を出していたんじゃが、その暮らしはいっこうに楽にはならなんだ。
太郎の暮らしは、畑でとれた野菜と、川で捕まえたわずかな魚を食べるだけの毎日じゃった。
そんな生活をしているもんだで、太郎の所には嫁に来るおなごもおらなんだ。
ある日、太郎が川で魚を捕まえていると、一匹の狐が川の向こうから太郎の様子をじっと見ておったそうな。
太郎はその時は、着物は濡れるといかんから、越中ふんどしだけで川に入っておったそうな。着物は河原に脱いで置いてあった。
狐は、太郎のその越中ふんどしが欲しかったんじゃ。 自分がその越中ふんどしをして、ほかの狐に自慢したかったんじゃ。
じゃが、太郎は越中ふんどしは脱いではおらなんだ。そこで狐は考えた。
太郎の所には嫁の来手がありゃあせん。ワシがきれいなおなごに化けて太郎の所へ行ったら、太郎は喜んでうちの中へ入れてくれるじゃろ。
そしたら、太郎が晩に寝ているすきに、越中ふんどしを取ってしまえばええ。
こんな事を考えた狐は、その晩さっそくきれいなおなごに化けて太郎のうちへいったそうな。