12/03/15 12:23:01.46 IyDB7iOg0
最近、近所の公園で猟奇殺人事件が頻発してる。
若い男性をロープで絞殺してから、その死体を犯すという惨い事件。
学校からも公園には近づかないように言われていた。
でも俺の幼馴染のAが被害にあった。
塾の帰りに近道しようとして襲われたのだ。
人はあまりに悲しいと涙も出ないんだって知った。
同時に、俺の大切なAにこんな酷いことをした犯人が許せなかった。
だから友達と相談して、自分が囮になって犯人をおびき出して捕まえてやろうと考えた。
友達は「危ないから警察に任せよう」って止めたけど、小さな頃から親に武術を叩き込まれ、それなりの自信があったので無理矢理に頼み込んだ。
最後には友達も折れ、しぶしぶながら手伝ってもらえる事になった。
深夜の公園の道は真っ暗だった。
月明かりと街灯がなければ何も見えないに違いない。
初日、二日目と犯人は現れなかった。
そして三日目の夜、ついにそいつは現れた。
後ろに人の気配を感じ、気づかず携帯をいじるふりをしてゆっくり歩いた。
すると突然、首に紐のようなものが掛けられ、凄まじい力で絞めあげられた。
でも絞められるのは最初から分かっていた。
振り向きざま、そいつに飛び掛った。暴れるそいつの肩をアスファルトに捻じ伏せる。
ナイフらしきもので何度か切りつけられるが、興奮しているからなのか痛みはない。
私がそいつに馬乗りになったところで月が雲間から顔をのぞかせた。
か細い月明かりでははっきり見えなかったが、男の顔は恐らく恐怖に歪んでいたのだろう。
短い悲鳴が聞こえた。
冗談じゃない。
僕は今のあんたよりずっと怖かったよ。