11/12/25 02:28:35.61 l2ghodmS0
真夜中。
ベッドの中で私はなんとなく隣にいる彼の手を握っている。
冷たいな、などと思いながら細い指先を軽く揉んでいると、
突然彼がむくりと起き上がり、私にすがりつくと泣きながら言った。
「○○、助けて。オリオン座から電波が飛んできて俺を殺そうとするの」
あまりのことに一瞬私は驚き言葉を失った。
しかし、即座に何が起こったか理解した。
狂ってしまったのである。社会生活を送るストレス、生活への不安。
そうしたもののせいで、精神を壊してしまったのだ。
この世にありえない幻覚を見ているのである。
泣きじゃくる彼をなだめながら、私はしかし冷静だった。
今必要なものは、治療だ。病院である。
これは異常事態であり、こういう状態を放置していいはずがない。
翌朝。幸い休日だったので、仕事にいく必要はなかった。
私は彼を抱き上げて衣装を取替え、部屋の座椅子に座らせると、電話で精神科の予約をとった。