11/12/11 01:58:49.77 v8OUAO/+0
私はそういうと、手に力を込めた。
既出かもしれないけど、改変
長いよスマソ
小学生の頃、僕は5人ぐらいで構成されたグループに入ってた。
その中の僕の親友……と言ってもいいかな。。A君はちょっと変わり者で、グループではちょっと浮いてた。
ある日グループ内で成績とかのことで喧嘩が起こり、A君がイジメられるようになってしまった。
僕はビビリだったから、それをやんわりたしなめることしかできなかった。
でもA君は基本あまり辛いとか悲しいとかを表に出すことがなかった。
いつも「やめてよくちゃーに」
と、独特の口癖をつけてへらへらしていた。
ただその目が笑っていないことに、僕は気づいていた。
ある日A君の持ち物が隠された。
元グループの主犯からは外に隠したとほのめかされたため、僕らは急いで連れだって探しに出た。
「困っちゃうね、くちゃーに」
といつものように形だけ笑って見せた。
落ち葉をかきわけて探していた僕は、なんだかイジメを止めるでもなしにこうやって付き合うしかない自分がひどく情けなくなった。
一度そう思ったら止められず、そのまま泣きだす僕をA君はじっと見ていた。
一度泣き癖がつくと止まらない僕はジェスチャーで謝りながら、ごめん、本当はつらいのはA君なのに……
となんとか言った。とたんにA君はへにゃっと笑い
「元気出してねぁーに」
と口癖のバリエーションを増やしてまで励ましてくれた。
久しぶりに見た心からの笑顔と思いがけない励ましに思わず僕も笑ってしまった。
ついでに探し者の家の鍵も見つかったため、その後は二人で手をつないでゆっくり下校した。
また、この日から僕に対してのみ口癖が新しいバージョンのもののみになった。
僕はそのことについては深く考えたことはなかったけど。