11/11/29 23:42:19.76 ZLYGgVib0
自業自得と叩かれる事を承知で。
俺にはジュンという幼馴染がいる。
母親同士が友達で、子供の頃は体も小さく人見知りだった俺は幼稚園から小学校にかけてはほどんどジュンとしか
遊ばなかったくらい仲が良かった。
ジュンは外見も成績も運動神経も普通で、本当に絵に描いたような普通の子だった。
でもすごく優しい子で、いつもニコニコしていて遊びに来る時は俺の好きなうすあじのカールを持ってきてくれたり、
サイフを落として半泣きになってた俺の為に、日が暮れるまで一緒に探してくれた思い出がある(結局出てこなかったが)。
俺とジュンは地元の中高一貫(外部入学もある)の男子校に進学して、クラスは一緒にならなかったけど同じ学校だった。
幼馴染というと、思春期になると疎遠になってしまうものらしいけれど、俺とジュンは一緒に遊ぶ回数こそ減ってしまったけれど、
ずっと仲が良かった。
変わったのは高校に入った頃から。
高校デビューという訳じゃないけど、俺は高校で急に背も伸びガタイもよくなって、高校で仲良くなった友達に勧められるまま
ピアスを開けたり髪を染めたり着崩したファッションを教わった。すると小学校中学校時はほとんど空気だったのに
ウケの男にそこそこかまわれるようになった(男子校なので男同士の恋愛が普通だった)。
モテた事のない俺は、この頃本当に有頂天だった。校内でも派手なグループで遊びにいったりして
楽しくてしょうがなかった。自然とジュンともあまり話さなくなった。
顔を合わせるとジュンは、明るく話しかけてきてたんだけど、その頃一緒に遊んでた男達と比べて、少し垢抜けない感じのジュンと
話しているところを見られるのが何だか嫌で、そっけない返事ばかりしてた。
決定的だったのは、かわいくてウケの男で一番人気だった陸上部のAと一緒の時に話しかけられた時に「何?友達?」と聞かれて、
俺はつい「しらない」と答えてしまった事だ。
過去に戻れるのなら自分をひっぱたいてやりたいのだけど、あの頃の俺はAに別の男と仲が良いと思われたくなくて必死だった。
その時のジュンは「あ、ごめんなさい」と、ちょっと寂しそうに笑ってゆっくり去っていった。
その姿を見ても、俺は特になにも思わずAの事だけが気がかりだった。