11/07/24 17:20:50.58 EA3SwkzM0
「おーい」
カンカン、という金属音。
控えめなそれに、明良は唸りながら顔を上げた。
視界に入った、見慣れた相棒の顔が一瞬だけ笑う。
「起きろよ。朝飯、できてる」
そう言うと、フライパンとフライ返しを手にした薫は、すぐに踵を返し寝室から出ていってしまった。
慌ててベッドから跳ね起き、その背中を追う。
広くはない部屋の、すぐ隣のダイニングテーブルには前日明良がリクエストした朝食のメニューが並んでいた。
「フワフワオムレツ!」
「食べたいって言ってただろ」
「うん」
自分と明良の分のコーヒーを淹れてから、薫は席につく。
向かいで明良が楽しそうに『いただきます』の挨拶をするのを確認してから、彼はカップに口を付けた。