*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart21at 801
*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart21 - 暇つぶし2ch2:風と木の名無しさん
11/04/22 00:39:23.74 ZEKHea9i0
●こういう場合はどうするの?

Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!

Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。

Q3 別館に投下された作品にGJしたい。
A3 別館のグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。

Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、別館の*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。

Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、別館のチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
テンプレURL URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

3:風と木の名無しさん
11/04/22 16:16:22.84 A2VNE3lf0
>>1

4:風と木の名無しさん
11/04/22 16:39:06.63 i3QSYR000
>>1乙です!mws

5:風と木の名無しさん
11/04/22 17:14:51.64 zSSf4wVg0
>>1乙

6:風と木の名無しさん
11/04/22 18:13:59.85 3fV0U6ZDi
乙です

7:風と木の名無しさん
11/04/22 18:22:15.39 EFQhxG1vO
乙しながらまわし

8:風と木の名無しさん
11/04/22 18:50:33.34 TWjxkp5G0
>>1乙ポニテさあ踏め

9:風と木の名無しさん
11/04/22 18:51:14.60 paGgSV69O
敬語ガチホモ×関西弁ノンケ

10:1/2
11/04/22 22:34:06.03 UB/oz2LL0
「単刀直入に言います。僕は貴方に突っ込みたい」
「キミも物好きやなーええよーいくでー。はい、3、2、1、アッーーーーーー!」
「……」
「……」
「……ええと、あの」
「…………」
「あの、今のは」
「……あかん、遅いわ」
「何を怒ってらっしゃるんです」
「遅すぎる。今のポイントは『アッーなんてどう発音するねん』っちゅうとこやろ。ベタやん。
 しかも『あのあの』迷いすぎや。ツッコミは迷ったらあかん。今のあんたは、間が空きすぎ」
「すみません。予測外の反応で驚いてしまって」
「ったく。ひとがせっかくネット検索して勉強したったのに水の泡や」
「……。勉強、なさったんですか」
「せや。キミの毎度毎度のお茶目に真面目に付き合おうっちゅーボクなりの努力や。褒めたってや」
「手間を取っていただいたところ申し訳ないのですが、おそらくその知識は少々方向性が違うような…」
「え、まじか?」
「はい。いつものように夏の暑さについて言葉遊びをされた方が、僕もまだ柔軟に対処できます」
「アツがナツいなんて、一年中通用するボケじゃないわい」

11:2/2
11/04/22 22:35:06.41 UB/oz2LL0
「なんでやねん」
「……ああ。またそのセリフを貴方に言わせてしまいましたね」
「ホンマやな。俺が新ネタ仕入れたりしとんのやから、あんたもちっとは精進しーや」
「でも、嬉しかったですよ」
「んぁ?」
「インターネットで検索したということは、若干こちらに歩み寄って頂けたのかと」
「アホ。全然ちゃうわ」
「貴方はいつも僕の言うことを『お茶目』だと仰いますが、僕は至って本気ですから」
「あー……だーかーらーなー?俺にその気はないんやって」
「存じています。でも貴方は僕を罵倒しないし、気味悪がらない」
「それはそれ、これはこれやろ。……まあ、あんたと喋るのオモロイしな」
「そういう優しいところも好きですよ」
「うっさいわ。……あーもー、もっぺん言っとくぞ。俺に!その気は!ナイアガラ!!」
「滝ですか、涼しげでいいですね。夏になったら一緒に見に行きませんか?」
「ホンマにキミは、ボクがあげたトスを悉く潰すひとやね」

12:風と木の名無しさん
11/04/22 22:37:08.86 UB/oz2LL0
コピペミス。2/2の1一行目が抜けてしまっていた

「そうでしょうか?近年の地球温暖化を象徴していると思いますが」

13:風と木の名無しさん
11/04/22 23:52:51.64 W73oRdg/0
受が可愛いなw
和ませてもらいました。GJ!

14:風と木の名無しさん
11/04/23 00:08:26.19 mHpxfnytO
なんというボケ殺し
この攻めは間違いなく天然
笑った&萌えたよGJ!

15:風と木の名無しさん
11/04/23 01:14:30.66 uJkAclfMO
漫才みたいな雰囲気いいなーGJ!

16:風と木の名無しさん
11/04/23 01:30:37.80 xPXIrP6e0
このノリは好み!GJ!

17:風と木の名無しさん
11/04/23 03:38:17.48 DwJpBr89O
ナイアガラで凄くときめいたGJJ
まわし

18:風と木の名無しさん
11/04/23 04:00:53.03 A0y/vwDn0
こんな時間だけど…踏んで

19:風と木の名無しさん
11/04/23 04:08:24.79 05rIrnn50
お父さん息子さんを俺にください

20:風と木の名無しさん
11/04/23 05:23:02.48 rjAVsDosO
「祐希」
「何?竜ちゃん」
「好きだ…俺と結婚しよう」
「えー?」
「待て!お父さんは認めませんぞ!竜次みたいな無口不愛想なむっつりに祐希はやらん!
 祐希はオレが認めた美人で優しくて料理上手なおっぱいの大きい嫁を貰って、祐希そっくりな可愛い娘を生んで
 『弘樹おじちゃまだーいすき』と言われるのがオレの夢です!」
「途中から…弘樹の夢になってるじゃないか…」
「ボク別におっぱいはそんなに大きくなくてもいいなあ」
「じゃあ、鍛えてBくらいには育ててみせるから…俺と結婚しよう」
「えー」

「僕の周りにはアホしか居ないのか」
「なんだと孝之!そんなアホ三人組と何年も付き合ってるお前だって立派なアホの仲間だ!」
「ほんとにねえ…なんで僕はこんなアホ共といつまでも付き合ってるんだろうねえ」
「孝之が…女だったら理想の嫁だな…料理はうまいし面倒見はいい」
「……祐希、僕と結婚する?」
「黙れ孝之!認めんぞ!」
「ねー、弘ちゃん」
「うん?」
「『お父さん』は僕と孝ちゃんの結婚も認めてくれないの?」
「駄目です!」
「……わかった。ごめんねー?竜ちゃん、孝ちゃん」
「いや、僕は別に…っておい、本気で落ち込むな竜次」
「お父さん…俺に祐希をください」
「駄目です!」

多分、この関係を壊すのは一瞬で終わる
でもこれから先も、ずっとその一言を言えずにずるずると続いて行くんだろうな

ああもう、本当に、僕も含めてどいつもこいつもアホばっかりだ

21:風と木の名無しさん
11/04/23 09:25:26.72 6bTIwWMeO
うわー可愛いな!大好きです GJ!

22:風と木の名無しさん
11/04/23 09:51:20.32 F+iTOJkb0
可愛いいいいいい
このままずっと観察してたいぐらいだwwGJ!!

23:風と木の名無しさん
11/04/23 10:15:46.08 NajLC8zZ0
祐希が好きなのって…
その一言は言っちゃえって思うけどねw
GJ

24:風と木の名無しさん
11/04/23 13:29:09.08 rGKYoexg0
電車でによによしてしまった

25:風と木の名無しさん
11/04/23 14:02:00.28 05rIrnn50
弘樹は無意識に祐希が好きだけど気付いてないからそのつもりはなく(祐希そっくりな娘ってとこが歪んでる)
祐希は弘樹が好きだし↑にも気付いてるけど弘樹が言わないからこのままでいようとしてて、
竜次は↑二人に気付いてるし弘樹が言わない事も解ってるから祐希をこちらに向かせようとしてて
孝之は↑の三人に気付いてて竜次が好きで(そのつもりがないのに理想の嫁ってとこにちょっとムカ)
誰かが一言口を出せば多分この関係がすっきりするのを知ってるけどそれが言えなくて見守ってる=面倒見がいい

と言う末のどいつもこいつもアホ だと勝手に妄想してみた
ほのぼのの裏のどっちにも行けない膠着状態の関係萌える
いい萌えを有難うございました!

26:風と木の名無しさん
11/04/24 12:27:52.59 ShqrXQf9O
まわしまーす

27:風と木の名無しさん
11/04/24 14:13:33.89 dfGXKfI10
まわし

28:風と木の名無しさん
11/04/24 14:49:30.53 ffz7pcyi0
初めてなの、優しく踏んでね…。

29:風と木の名無しさん
11/04/24 14:58:52.41 foJI6mky0
言葉が通じない

30:1/5
11/04/24 16:41:32.78 4XHXRoOy0
「あーあ、やってもた」

ほんま最悪や。
放課後の個人授業っつう響きはエロうてドキドキするもんやのにな。
教室で待ってんのが野郎やと思うだけで足重いわ。
まあ英語で赤点取ってもたんは自分の勉強不足やからしゃあないけど、
これ以上成績落として今バイト禁止されたらあかんて。
長い事口説いてた彼女、もう少しでモノに出来そうやのに。

はあ、せめて補習受けるんやったらカンナ女史が良かったわ。
こんな日に限って休みなんてほんまついてへん。
委員長って堅物とかクールとか無愛想とかええ噂聞かんし、
明日の追試ら無かったら、オレも絶対近づきたくないタイプや。
あんな堅物を絵に描いたような奴と補習どころか、会話成立するかも怪しいわ。

「はあぁ・・・」
ドアの前に着いてもた。
しゃあないわ、自分から頼んだんやし数時間くらい真面目に勉強しよ。
「委員長ー」
そう言う訳でいつもより重たく感じるドアを開けた訳や。

「すまんな、時間取らせてもて。予定とか無かったんか?」
「私は大丈夫ですよ。まあこうなると思ってましたし、さあ前にどうぞ」

ご丁寧に向かい合わせに机同士がきっちりくっ付けてあり、委員長は既にテキストらしきモン
を広げてオレを待っとった。
用意された向かい側の席に腰掛けると、委員長は眼鏡をついと持ち上げた。
改めて顔見合わすんら初めてやけど、何や整った顔してるやんコイツ。
いわゆる眼鏡取ったら美形タイプってやつか。
でも浮いた噂一つ聞かんとこみると、典型的な勉強が恋人タイプなんやろな。

31:2/5
11/04/24 16:43:31.92 4XHXRoOy0
「じゃあ早速ですが始め」
「ちょっと待てや。その仰々しい敬語止めへん?かたぐるしてしゃあないわ」
「貴方だって転校してから五ヶ月と三日経ちますが、関西弁のままでしょう」

日数まですぐ出てくるなんてえらい記憶力ええな。クラストップってこんなもんか?
「因みに貴方が英語がとんでもなく苦手で、今まで奇跡的に追試を免れてきた事は
分かってましたよ。まあ貴方が私を頼ってくるのは予想外・・・でしたが」
オレの英語の成績の悪さってそんなに知られてんのか、堪らんな。
「訂正させて頂きますが、貴方に教えるのは迷惑ではありませんし、寧ろ、
貴方の関西弁もきっと耳に心地よく響くものだと思ってますよ」

ん?最後の文章何か変な感じしたけど、気のせいやんな。

「そやろ、関西弁はええで。あったかみ有るしツッコミもしやすいで」
なんやコイツ、とっつき悪いと思とったけど案外話し通じるやん。
時間取らせてんのに嫌な顔一つせえへんし、てか徹底して表情変わらんな。
「敬語は個人的嗜好ですので我慢して下さい。じゃあ始めましょう。
私が書いた英語を読んで訳して下さい」
「分かったわ、まあお手柔らかにな」
「では基本から」
言うなり委員長がノートに何かを書いてオレに渡す。

「読んで下さい」
「は?!・・・これ、読むん?」
そこには綺麗な字で

『BANANA』

と一言だけ書かれとった。

32:3/5
11/04/24 16:46:22.54 4XHXRoOy0
「お前、馬鹿にしとんのか?!」
「基本中の基本です!」
あまりにも当たり前の様に言い放たれ、オレはその剣幕に負け
「ば、バナナ」
叱られて言い訳するガキの様にその単語を口にした。
「良いでしょう、じゃあ次はこれです」
オレからノートを受け取った委員長はさらさらと書き加え、またオレに返した。
今度は文章みたいや。

『I like bananas. What do you do?』

「アイライクバナナズ、ワットドゥユードゥ?オレはバナナが好きや、お前はどうやねん?」
またバナナかいな・・・。
「非常に好物ですよ。じゃあ次」
「ちょ、今のって正解でええんやんな?」
「勿論正解です。訳し方も貴方らしくてとても興味深いですね」
「はあ、そりゃどうも」
「じゃあ次こちらで」

『What do you like bananas?』

「ワット、ドゥユーライク、バナナ?・・・何の、ちゃうな。どんなバナナがええねん?」
「結構です。私は少し硬めで、握ると片手から先端がはみ出るくらいのサイズが好みです」

コイツまさか・・・バナナフェチなんか??
一瞬奴の周りに花畑ならぬバナナ畑を見てもた。

「基本は分かってるみたいなので、続けて応用文を出します。こちらで」

33:4/5
11/04/24 16:49:39.54 4XHXRoOy0
『I want a banana』

またバナナ・・・
「なあ、何でバナナなん?リンゴとかミカンとかやったらあかんのか?」
「バナナは基本です。が、ソーセージやウインナーでも応用は利きます。
あ、今の忘れないで下さい。まあ全て個人的嗜好の問題ですよ」
「はあ・・・?」

何だか段々会話が成立しにくくなってる気がするんやけど。
「続けましょう、こちらでお願いします。これでバナナは最後です」

『I want to eat your banana』

「オレはお前のバナナが食いたい??」
「のですが?」
「はあ?オレのバナナって・・・お前さっきからオレを猿か何かと勘違いしてんのか?
んなもん持ち歩いてる訳ないやろアホ!」
いや、今のはちょっと言い過ぎか。明らかに変な補習やけどまあ、付き合って貰ってる訳やし。
「何やよう分からんけど、お前がバナナをこよなく愛してる事だけはよう分かった。
補習のお礼にでもやるわ」
「本当ですか!」
「わっ!いきなり何や」
今まで表情一つ変えんかった委員長が席から身を乗り出して、顔を輝かせた。
「別にバナナの一本や、二本くらい」
帰りに一緒に買い食いでもしたらええわ。
「有難うございます。じゃあさっさと終わらせましょう、次はこちらです」

34:5/5(6)
11/04/24 17:03:08.15 4XHXRoOy0
『I love you』

何や一気に問題の雰囲気変わったな
「アイラブユーって、好きやねん?」
「私もです、
「?」
「じゃあこちら」
「アイウオンチュー?・・・何でこんな口説き文句、なん?こんなん試験に出」
「私もずっと同じ想いでした」
「って人の話聞かんかい、お前日本語通じて」
「じゃあ最後、ですよ」
そう言って奴はノートにその文章を書いた後、ゆっくり席を立った。
何や、この今まで感じた事のない危機感は・・・!
震える手で片付け始めたオレの背後にいつの間にか影が出来、目の前にその文章が書かれたノートが静かに置かれた。

『I want to make love with you』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「読んで頂けなさそう、ですね」
「ったり前やん!ってかお前なんなん?はっきり言ってむっちゃ不気味なんやけど!」
すると委員長はオレの手を取りペンを持たせノートにこう書いた。

『I am a homosexual』

35:6/5(6)
11/04/24 17:04:35.84 4XHXRoOy0
「アイアムア・・・ほ・・・」
「英語が苦手な貴方ですから通じにくいのも無理ないですね。ではこれで通じますよね?」
そして勝手に人の赤ペンに持ち変えて、始めの四文字にしっかり○印を付けた。
「H・O・M・O・・・ほ、モ・・・まさか・・・」
「じゃあ頂けますか、貴方の、バナナ」
「ほほほほほほほなさいならっ」
椅子から転げるように教室を飛び出したオレには

「I'm not escape from you、もう逃がしませんよ」

と言う委員長の呟きはもう通じる事は無かった。

人生初、脱兎の如く逃げ帰ったオレは自分の貞操を守った事にほっとしたんか、ある事に初めて気づいた。
「手ぶら・・・明日の追試・・・」
おまけに夢に出てきたのがバナナ畑に囲まれてるオレの姿で、奴の意味する「バナナ」が頭を
駆け巡ってるような状態で、次の日の追試で合格など出来る訳もなく、
「一週間後再追試するから、それまで委員長にしっかり英語教えて貰え」
教師から死刑宣告を受けたオレは、それから一週間毎日バナナを鞄に入れて登校した。

勿論、オレの『BANANA』を咥えられる前に、オレのバナナを咥えさせる為にな。

36:風と木の名無しさん
11/04/24 17:53:57.89 T6zytgeR0
おわー、すごい。
長いけど、テンポがいいのでスラスラ読めちゃいました。
関西弁いいですねえ。少し前のお題かと思っちゃったけどw
GJ

37:風と木の名無しさん
11/04/24 18:02:14.81 Tfaw5ekV0
途中えらく時間が空いてるけど
連投規制に引っかかったのかな?
最後まで書き込めてよかった
大作乙GJ

38:風と木の名無しさん
11/04/24 18:44:21.44 qjVf9swwO
さあ踏め

39:風と木の名無しさん
11/04/24 18:44:36.41 4iD/C4th0
ノンケのイケメン→ハイテンションなオカマ

40:1/2
11/04/24 19:50:33.86 mF2EyTuQ0
桐野君が姿を消したのは卒業式の一週間前だった。

口数は少ないけれど、誰かが困っている時にはそっと手を差し伸べてくれる。
背が高くて筋肉質で肩幅が広くて男前。
特定の彼女がいたかどうかは不明だが、噂では何人かの女の子達と経験してると言われていて
大人っぽい雰囲気はそういう余裕があるからだろうと僕達モテ無い男達は少しだけ嫉妬していた。


そんな彼に再会したのは僕が社会人二年生になる少し前の事だった。


あの頃と変わらず、桐野君の肩幅は広かった。
シンプルなドレスで鍛え抜かれた筋肉を覆い、似合わない化粧をした彼は、
周りの視線やヒソヒソと話す声を、まるで無いもののように
キレイに巻かれた長い髪を揺らせながら真っ直ぐ前だけを見て颯爽と歩いていた。

僕はその姿を美しいと感じたのだろうか。

声をかけると、あの頃とは別人のような華やかな表情で「久しぶり」と彼は笑った。


「みんな心配したんだよ」「今までどうしていたの?」「何で突然姿を消したの?」
「どうしてそんな格好をしているの?」「ずっとずっと会いたかったよ」

失った年月を埋めるような矢継ぎ早の質問に、彼は水割りのグラスを傾けながら「そうね」と言葉を探す。
「見ての通り、私はこんなんだから、ずっと自分を演じていたのよ。
 男らしくて強い自分をね……」
そう呟いた彼の顔がとても寂しそうで、僕は何を言ったらいいのかわからずに黙り込んだ。

41:2/2
11/04/24 19:50:59.75 mF2EyTuQ0
「ごめん」
長い沈黙の中、搾り出すような声でそう言った僕を見て、彼はケラケラと笑いだす。
「嘘よ~、相変わらずアンタって真面目っていうか、簡単に騙されるっていうか、馬鹿っていうか、馬鹿っていうか」

「え?え?」

「私はね、昔から女装が趣味なの、でさ卒業式の前に妹のセーラー服来てウットリしてたのね自分の美しさに
 そしたら親父に見つかっちゃってさー、もう大喧嘩よ『お前みたいな変態は俺の息子じゃねぇ!出て行け!!』
 『あー出ていってやるよ!俺だってこんなクソみたいな家もうウンザリなんだよ!』って。
 母親は泣くし妹は失神するしで、もう大騒ぎよ。
 笑っちゃうでしょ?それで行くあても無いからとりあえず女装パプで働きだしたら
 これが楽しくて、美しいから人気も出るし男が寄ってくるしで浮かれてたらあっという間に5年目よ~」

昔の彼と、今の彼女と、本当の話と、嘘の話。
それが僕の頭の中でフラッシュバックのように飛び交うから、目の前がクラクラして倒れそうになる。

さらに彼が僕の顎を艶めかしい手つきで撫でながら
「アンタ、まだ童貞でしょ? 見ればわかるわよ~何なら私が筆おろししてあげようか?」
なんて言うもんだから、ますます僕の頭は混乱していく。

ファーストキスは水割りとタバコの味だった。
とりあえずそれだけは覚えておこう。
遠のく意識の中、僕はそう決断してまだ慣れない酒を一気に飲み干した。

42:風と木の名無しさん
11/04/24 20:06:00.21 xAt+4cs40
GJGJ!
すっげぇよかった!

ノンケくんはこれが恋なのかなんなのかいまいちはっきりしないまま、
モヤモヤと思いつめて通いつめればいいと思うよ!

43:風と木の名無しさん
11/04/24 21:14:04.47 OzT9YCff0
GJ!!

ノンケのイケメン×ハイテンションなオカマ
じゃなくて、
ノンケのイケメンからハイテンションなオカマに転身した
って意味か。

44:風と木の名無しさん
11/04/24 21:59:38.95 SoOECHJCO
なるほど、そう来たか~!
意外性にGJ!

45:風と木の名無しさん
11/04/24 22:13:21.95 B3/1THQ8O
ああ、そうか。オカマさんに目がいって、→忘れてた。
解説ありがとう。上手いねGJ

46:風と木の名無しさん
11/04/24 22:27:18.01 fNMfpbIN0
オカマになっても男前な桐野君に萌えました、GJ!

47:風と木の名無しさん
11/04/25 07:39:24.09 FFzKANq8O
オカマさんいいよ!
オカマさん大好きな私にはご馳走です。GJGJ!

48:風と木の名無しさん
11/04/25 08:58:30.22 zxKrWCq0O
踏むの?ねえ踏むの?

49:風と木の名無しさん
11/04/25 09:04:26.47 zycqzBan0
ガチムチ熱血系×ほんわか癒し系

50:1/2
11/04/25 22:10:55.07 qX1iOTk10
―お二人はどんな子供時代を過ごしてましたか?
甲:僕は小学校からずっとサッカー漬けでしたね。
  朝から晩まで走り回ってました(笑)
乙:高校生の頃、ファミレスのドリンクバーで新しいドリンクを作ってました。
甲:新しいドリンク?
乙:色んな種類のドリンク混ぜて新しい味を発見するんです。
甲:それ、楽しい?
乙:まあまあ。

―乙さんらしいエピソードですね(笑)
   お二人が出会われたのは大学時代ですよね?第一印象はどんな感じでしたか?
乙:うーん、熱い人だなぁと(笑)
甲:僕はね、最初苦手だったんですよ、今まで周りにいたタイプとは全然違ったから。
  俺なんかはいつも必死に努力してるのに、乙君は涼しい顔でサラっと何でも出来ちゃうみたいな。
  だから悔しくて「絶対追いぬいてやるぞ」って変に意識しちゃったりして。
乙;そんなに何でも出来るって訳じゃないけど。

―そんなお二人が仲良くなったキッカケは?
乙:餌付け?
甲:違うだろ(笑)
  最初はライバル心があったんですけど、話すと妙に合う所もあって……
乙:好きなゲームとかね。
甲:そう。で、乙君の家に入り浸ってゲームして、僕は負けず嫌いでムキになったりするんですけど、
  そうすると彼が『フルーチェ食べる?』とか言ってきたりして、何か毒気抜かれちゃうんですよね。
乙:やっぱり餌付けじゃん(笑)

51:2/2
11/04/25 22:12:51.04 qX1iOTk10
―お互いにここは直して欲しいなんて所はありますか?
甲:すぐ服を脱ぐ。
―服を?
乙:暑がりなんですよ。
甲:風呂入る時も僕がいる前で平気で脱ぎ出すから目のやり場に困ると言うか……。
―自信があるんでしょうか。羨ましいです(笑)
乙:自信は無いですけど、ガリガリですしね。
―甲さんに直して欲しい所は?
乙:どこでも筋トレするところ。


―そんなお二人の新曲が発売されますが。
甲:作詞は僕がしたんですが、友達に恋をして踏み出せない男心がテーマです。
  アピールしてるのに気づかれない、気づいて欲しいけど気づかれたく無いみたいな。
―せつないですね。
甲:無防備に心を開くから振り回されちゃってね。平気でハグしたり、肩に頭乗せて寝てたり。
乙:それは気があるんだと思うけど。
甲:だったらいいですけど、難しいですよね。
乙:告白しちゃえばいいのに。
甲:機会があれば(笑)
乙:だめだこりゃ(笑)

―新曲楽しみにしています。今日は本当にありがとうございました。
二人:ありがとうございました。

52:風と木の名無しさん
11/04/25 22:18:26.27 8xKMQGyOO
新しいなぁ。
だめだこりゃで終わってるところはどうなんだw


53:風と木の名無しさん
11/04/25 22:19:34.61 9NMQmuJ3O
萌えた!何この二人可愛いww
設定とか形式も斬新で良かったですGJGJ
早く熱血くんの想いが届くといいね!と思ったけど、実は癒し系の方は気付かない振りでカマかけてるのかなww

54:風と木の名無しさん
11/04/25 22:23:12.36 OvZYCnwy0
なにこの二人!
読んでると可愛い過ぎて、ニヨニヨが止まらない!
GJ!!

55:風と木の名無しさん
11/04/25 22:24:17.70 pm7Hub1F0
いい設定だー!萌えた!ありがとう

56:風と木の名無しさん
11/04/25 22:25:01.97 uhEOg31y0
癒し系は待ってるだろこれwww

57:風と木の名無しさん
11/04/25 22:49:26.42 IYWW3hPk0
すげえ!萌えた!
だめだこりゃか……ニラニラした後ほんのり切ないな 乙ほんとに乙w

58:風と木の名無しさん
11/04/25 22:51:24.97 U33iHrzd0
めっちゃ萌えたーーーー!
2人がくっつくまでが読みたい…

59:風と木の名無しさん
11/04/25 22:51:51.35 Se7OdksiO
怪人801面相からの予告状

60:1/2
11/04/26 10:22:56.82 q0aPDw33O
「八百人ですよ八百人!!」
新米刑事の沢木は声をあらげた。手に持っているのは今追っている事件の資料―のほんの一部だ。
何せこの事件が発生してから約五年、実に八百件の被害が起きているのだ。
「そんなことは俺が一番よく知っている。」
ベテラン刑事の武藤は煙草に火を着けながら返した。武藤はこの事件を5年前から担当している。
最初は、誰も真剣ではなかった。警察署と被害者宅に送られた予告状。
『今夜、貞操をいただきに参ります。-怪盗801面相-』
ご丁寧にターゲットの名前と時間まで書いてあるそれを誰が信じるだろうか。
しかし、被害は確実に予告どうりに行われた。
被害を把握して警察が動くようになってからも予告状のとおり貞操は奪われ続けた。
それも男ばかり。
どんなに厳しく警護しようともターゲットは煙のように消えた。
発見された時には皆貞操を奪われたうえ全身を開発されていた。
何人かの者はもう「それ」なしには生活できなくなるほどに・・・。
被害は甚大だ。一刻も早く解決せねばならない。
そして今ここに新しい予告状がある。
『今夜貞操をいただきに参ります。-怪盗801面相-』
ターゲットの名前は
『武藤慎二』
「だから無茶ですって怪盗801面相を一人で相手するなんて!」
沢木は資料をどん、と武藤の机に置いた。
「しかし、俺がいるのはこの警察署の中だし、万が一入って来ても出られないようになっている。」
「囮になるんですか。」
「今まで追っかけてきたのがあっちから来てくれるってんだ。チャンスだろ。」
あえて他に知らせず一人になるのも警察署の中で801面相の油断を誘うためだ。
「でも、俺も新米だけどこの事件の担当者です!武藤さん一人に無茶させられません!」
「お前は教習生のころから変わらんな。・・・わかった。
801面相からしたら一人も二人も変わらんだろう。しかし、頼りにしてるぞ。」
沢木の顔がぱっと明るくなった。



61:2/2
11/04/26 10:24:09.23 q0aPDw33O
警察署の奥まった一室。迫る犯行予告時刻を武藤は固唾をのんで待っていた。
予告時刻の5分前-1分前-予告時刻-・・・それから5分。なにも起こらない。
「なんだこないじゃないか。」
武藤が呟いた時
「いいえ来てますよ。」
いつの間にか真後ろにいた沢木に足技をかけられ床に倒れる。そのまま馬乗りになった沢木は素早く手錠を武藤の手にかけた。
「さっ沢木っ!?」
「この技も指導員だったころの武藤さんに習ったんですよね。懐かしいなあ。」
手錠をガチャガチャ鳴らすが机の足にまわしてあって動けない。
「まさか・・・お前が・・・」
「初めて会った時から好きでした。でも男を好きになったのなんて初めてで」
「嘘だろ!?沢木!」
「やり方わかんないけど武藤さんに無理させたくないですから。だから練習したんです。数を決めて八百人。」
「そんな・・・」
「お陰で随分遠回りしちゃいましたけど、自信はありますよ。武藤さん。」
怪盗801面相はにっこりと微笑んだ。


62:風と木の名無しさん
11/04/26 11:25:30.45 OITjjfYK0
笑えましたw
801面相だから、801の変装する怪人しか思ってなかったよ

63:風と木の名無しさん
11/04/26 14:23:31.88 20Lsh+kV0
遠回りしすぎだろ801面相w
被害者乙だけどこういう話好きGJ

64:風と木の名無しさん
11/04/26 15:32:19.94 eYlFed+Y0
頑張り過ぎだろ、800人w
気の長い話にGJwww

65:風と木の名無しさん
11/04/26 15:59:33.98 ZCig1R9OO
これから繰り広げられるめくるめく展開に胸熱ww
ともあれ事件は解決したしよかったね武藤さんw
GJ!

66:風と木の名無しさん
11/04/26 20:13:16.76 3B3h8v5l0
予告する意味はないけどおもしろかったGJ

67:風と木の名無しさん
11/04/26 23:47:23.09 pug9LBR/0
練習台にされた800人が哀れでならないww
GJ

68:風と木の名無しさん
11/04/26 23:58:33.94 OxOc9lqI0
俺にかまわず踏めよ!

69:風と木の名無しさん
11/04/27 00:00:12.69 e77keM+5O
本屋の店員×BL本を買う常連

70:1/2
11/04/27 04:39:53.65 RUxFnzLrO
秋原は今、最大のピンチに直面していた。

「よぉ、アキじゃん。俺の事覚えてる?」

いつもの本屋のレジに居たのが、小学校時代の同級生だったからだ。
秋原は、今すぐにこの場から消え去りたい衝動に駆られた。

別に、相手は同性だから、ヤラシイ本の購入現場を見られてしまうくらいは構わない。
だが、今己が持っている本は、ヤラシイ事はヤラシイが、BL本。
ましてや、片田舎の本屋で元同級生なんて、下手したら、己の趣味が1日で元級友に伝わってしまう。

秋原は、瞬時にそこまで考えた後、出しかけた本を引っ込めた。

「久しぶりだな、寺田。なに、お前ここでバイト始めたのか?」
「母さんがギックリ腰になってさ、その代打だよ」

苦笑する寺田に、秋原はふと、眉をひそめた。

「あれ、でも寺田なんて名字の店員さんいたか?俺知らないぞ」
「うち、別姓なんだよ。多分、福澤って言えば分かるか?」

秋原の脳裏に、衝撃が走る。
なぜなら、彼女こそが、自分をBLの世界へと目覚めさせたその人だったからだ。

71:2/2
11/04/27 04:42:04.93 RUxFnzLrO
なぜなら彼女こそが、自分をBLの世界へと目覚めさせたその人だったからだ。
さらに寺田は、爆弾を落とした。

「そういや母さんが、お前が定期購読を頼んでる本、届いたって言ってたぞ。なんだっけ、めんずまっくす?とか言うやつなんだけどさ」

そう、今日は秋原が定期購読するほど大好きな、アンソロジー本の発売日だった。
しかもテーマは、調教。
手に持っているのは、そのバックナンバーで、幼なじみがテーマだ。

寺田が背後の棚を探っている間、秋原は遠い目で現実逃避をしていた。
せっかく、家から離れた場所の本屋を、BL本調達用の拠点にしたのに、と内心地団駄踏んでると、例のアンソロ本を持ってきた寺田が、困惑していた。

「どうした寺田、顔真っ赤だぞ?」

秋原の問いかけに、寺田は若干視線を逸らし気味に、一枚のカードのついた本をカウンターに置いた。

そこには、キレイな文字で、こう書かれていた。

『息子へ
妄想もいいけど、こういうのを見て勉強なさい』

秋原は眩暈がした。
己の本を使って、息子に伝言するな、とか、元級友と知っててやったな、とか色々あったが、寺田の発言に度肝を抜かれた。

「なぁ、こういう事について勉強したいんだけど、お前、他にも何か持ってるか?」

秋原は、黙って、手に持っていた本を差し出した。

72:風と木の名無しさん
11/04/27 16:05:30.79 ccMXQ2fr0
お母様GJすぎるなww

73:風と木の名無しさん
11/04/27 18:18:46.91 AWXt0ycwO
秋原がピンチになっていく度ニヤニヤしてしまったw
二人で「お勉強」する時は周りに気を付けてこっそりおwかwwんが覗いてたり…wGJ!

74:風と木の名無しさん
11/04/28 04:50:23.28 HbxlGtMCO
秋原可愛いよ秋原
GJ!

75:風と木の名無しさん
11/04/28 17:32:47.40 SL4Yrsyh0
まわしますね

76:風と木の名無しさん
11/04/28 18:32:19.29 C15HFf+c0
連休入るね。まわし。

77:風と木の名無しさん
11/04/29 01:04:29.35 Z3qNPqonO
まわしますね

78:風と木の名無しさん
11/04/29 01:16:43.84 WB9Syat1O
踏むと言う快感を下さい

79:風と木の名無しさん
11/04/29 01:17:04.29 Ss2tPewAO
某トキ保護センターのトキ(♂)×トキ(♂)

80:風と木の名無しさん
11/04/30 01:24:47.24 IVbb2lI7O
お流れだね
難しかったかな

81:風と木の名無しさん
11/04/30 01:28:56.01 sEPlxQ5QO
まわしますグルグル

82:風と木の名無しさん
11/04/30 03:41:51.38 XAE8Dzdp0
まさし

83:風と木の名無しさん
11/04/30 05:46:24.17 uQ1U0sK10
まわしでごわす

84:風と木の名無しさん
11/04/30 06:25:09.25 /X91PeOeO
mawashi

85:風と木の名無しさん
11/04/30 07:00:27.30 ZhtmbAH70
おはようまわし。

86:風と木の名無しさん
11/04/30 07:16:26.73 dJPrB/cuO
ピンポイントすぎて萌えにくかったよまわし

87:風と木の名無しさん
11/04/30 07:31:35.00 R9um/jwR0
まわしまわし

88:風と木の名無しさん
11/04/30 07:53:07.89 PsI1gr/x0
お踏みなさいな

89:風と木の名無しさん
11/04/30 07:56:41.85 miyx3p430
羽毛布団×電気毛布

90:1/2
11/04/30 12:45:43.36 HoiUtGvy0
「あーあ。…寝ちゃった?」
御主人様の呟きとともに、その日の夜、やわらかく憧れの人が降ってきた。
その人は基本的に年に2、3度しかお目見えしない。御主人様が大切な客人をもてなす時のみ、クローゼットの最奥から仰々しく真空パックのカバーに包まれた状態で顔を出す。
近づきにくい外装の高級然とした姿に反して、とても軽くて優しい肌触り、そして何よりご主人様が絶大の信用を寄せている温もり。オマケに天然モノである。
元々貧相で非天然モノ、かつ常日頃のヘビーローテーションで伸びきってしまった俺は憧れざるを得なかった。
勿論そこには、羨望という都合の良い言葉に隠された、少々の嫉妬という醜い感情もあったのかもしれないが。
『あれ、また会ったねえ。この客人が来るようになってから、君とはよく一緒になるなあ。』
『そうですね。すみません、俺なんかと一緒じゃ居心地悪いでしょうに…。』
『ううん、ううん。なぜ、なぜ?オレはとても嬉しい。こうして君と沢山会えるようになったことも、御主人の想い人を温めることが出来ることも。』
『え!?この客人…そうだったんですか、俺…全然気付かなくて…。』
情けない、強烈にそう思った。俺がこの人に唯一勝てるところと言えば、御主人様と一緒にいる時間が長いこと位なのに。
年に数回しか顔を出さない、しかも御主人様とはさほど触れ合うことも無いこの人の方が、御主人様の変化に的確に気付いていた。

91:2/2
11/04/30 12:48:29.28 HoiUtGvy0
『ああ、ああ。そんなに悲しい顔をしないで。ごめんね、どうしてだろう。オレはいつも君に悲しい顔をさせてしまうね。』
『ち、違うんです…!凄いなって思って…あなたは見た目も中身も素晴らしくて、その上御主人様の気持ちまで悟れて…完璧で…。
俺みたいな全然駄目な奴とこうして一緒になってもらうことが申し訳なくて、それで…。』
『落ち着いて落ち着いて。ねえ、オレは完璧じゃないよ。今だってそう。一番大切な人に何も伝えられなくて…。』
え、と俺が言いかけた瞬間、御主人様が俺達越しに客人へと覆いかぶさってきた。
「好き、なんだ…。どうしようもない、くらい。」
優しく悲しいその声色に思わず顔を上げた俺の目に、御主人様と憧れの人の表情が重なって見えた気がした。客人は未だ安寧の眠りの中にいる。


92:風と木の名無しさん
11/04/30 13:05:29.80 ZhtmbAH70
萌えた!GJ!
これはいい寝具達w

客人が寝続けているのにワラタw

93:風と木の名無しさん
11/04/30 14:47:10.90 SG4Xam3n0
GJ!
可愛い&切ないわー

94:風と木の名無しさん
11/04/30 15:08:59.70 SzefPvBP0
萌えた。今日布団干せばよかったな
でもどっちかつうと羽毛布団がレギュラーで特別なときに電気毛布じゃね?

95:風と木の名無しさん
11/04/30 16:31:53.35 dJPrB/cuO
萌えたよ!
ご主人様と客人に必要なくなって蹴っ飛ばされてぐちゃぐちゃに押しやられ
絡み合って、あげくどうしようもないほど熱をもつといい

96:風と木の名無しさん
11/04/30 17:01:47.23 qNpN1MIJ0
>>94
え?やっぱり羽毛布団はお客様用じゃね?
電気毛布は節電で押入要員になっちゃったけど、普段ならレギュラーだよ。

寝続ける客人も笑えるけど、羽毛布団の上から抱きついちゃうご主人様は
もっと笑える

97:風と木の名無しさん
11/04/30 20:35:57.15 syWG1Cg+0
>>95にも萌えた
まさにうちの寝具達

98:風と木の名無しさん
11/04/30 21:24:42.20 c3s+y9ho0
さあ踏んでくれ

99:風と木の名無しさん
11/04/30 21:24:51.57 a31ft3+MO
無愛想男前とデレツン美人で両片思い

100:風と木の名無しさん
11/04/30 22:30:21.04 7aXKcVyS0
>>98-99
ここまでわざとらしいと萌える気もなくなるわ
権利は放棄
以降の方どうぞ

101:風と木の名無しさん
11/04/30 23:31:16.34 oEhgJA3EO
別にお前の権利じゃねーだろ。

とか思いながら流します。

102:風と木の名無しさん
11/05/01 00:01:23.68 HoiUtGvy0
謝罪きてて何故かムラッとした

ここは穏便に>>100×>>99>>98とかどうよ

103:風と木の名無しさん
11/05/01 00:09:42.71 Hq7Gsc5nO
折角だから今聞いておきます。
こう言うパターンって以前にあったの?
例えば反則かどうか微妙なお題だった場合はどうするかとか。

ややこしくなったらもうお流しにするのかな?

104:風と木の名無しさん
11/05/01 00:18:14.91 x1GwPuFt0
>>2
読んだら書き込むな

105:風と木の名無しさん
11/05/01 00:35:26.22 Qyeq3RUF0
>>103
お題どうこうより、今回は明らかに同一人物だからじゃないか?
>>98>>99の差9秒しかないし携帯だし
とマジレスしつつまわし

106:風と木の名無しさん
11/05/01 03:34:03.58 KZxm5fN8O
まわします

107:風と木の名無しさん
11/05/01 04:19:25.06 c1LZSPtw0
荒れてるなあmws

108:風と木の名無しさん
11/05/01 05:18:10.35 w7wmpbXK0
くっ 仕方ない 踏めっ!

109:風と木の名無しさん
11/05/01 05:21:20.71 +iMPqivoO
DT×女たらし

110:風と木の名無しさん
11/05/02 05:20:23.61 l9UF8Qrk0
「あの子達どう?あそこの髪の長い子達。どっちも美人じゃん?」
「いや、あのね、安達…」
「あまり好みじゃない?じゃぁ…あっちの2人連れは?
右側の子は目がぱっちりしてて可愛いし、左側の子はちょっと派手めだけどスタイルいいし」
「そうじゃなくて」
「もっと清楚な感じの方がいいのかな……だったら向こうのお嬢様風の…」
「っていうかさ、俺たち今何やってるわけ?」
「ナンパだろ?仁科がしたいっていったんじゃん」
「いやいやいや、俺んなこと一言も言ってねーし」
「だってお前昨夜俺の所に来たよな?すげー思い詰めた顔してさ。
そいで脱童貞に協力してくれって言ったよな?
「言ったよ。それだ安達がわかった俺に任せろって言ってくれて」
「だから、俺達は今ここでナンパしてるんだろ?まずカラオケで盛り上がって
それから食事か飲みかでさらにムードを高めて…まあ、出会ったその日にラブホまで
っていうのは仁科にはハードルが高いかもしれないけど」
「俺は女の子をナンパしたいなんて言ってない!」
「…………あー、もしかして風俗希望?俺、そっちはあんまり詳しくないんだよな。
わざわざ金払ってそーいうコトする気には」
「じゃなくて!あーもう!」
「……っ、…引っ張るなよ、痛いって。つかどこ行くんだよ」
「カラオケ」
「え?」
「それから…安達は食事と飲み、どっちがいい?」
「え?え?え?」


111:風と木の名無しさん
11/05/02 06:56:27.00 9dBVna6bO
GJ! お題ど真ん中ですっきりしてる。うまいね
そして締め切り1分前!

112:風と木の名無しさん
11/05/02 08:31:39.28 aGovnvTNO
二人ともなんか可愛くていいな!
萌えました


113:風と木の名無しさん
11/05/02 11:22:49.16 77qr3mzmO
シンプルなのに萌えました。かわいい。


ちなみに、テンプレの2に書いてあるのですが

・荒らしが*0をとっても放置
・お題が出て12時間は*0に投下の権利(義務)
・お題が出て24時間以内なら*1以降に投下可能

です。前のお題のケースは、放置で投下を待つのがルールです。
別館も見ましょう。


114:風と木の名無しさん
11/05/02 15:11:31.33 dCiRgjdB0
かわいいw
続き読みたい!!!

115:風と木の名無しさん
11/05/02 19:16:16.84 BNNm8woKO
超萌えた!素晴らしい!
いいとこで終わっててああもう!ってなる。
女たらしもいいやつそうだし、このあとどうなるのか想像するとたまらない。

116:風と木の名無しさん
11/05/03 00:51:34.18 W1uGrUxS0
PINKだし18禁もいいのですよ姐様

117:風と木の名無しさん
11/05/03 09:02:59.67 kVsHhfi1i
まわしますね

118:風と木の名無しさん
11/05/03 09:10:31.55 N7Cwg7JiO
GWですね

119:風と木の名無しさん
11/05/03 09:32:38.94 wOic3c8t0
旅先での再会

120:1/3
11/05/03 14:17:01.65 doCsNTpI0
空港から外に出ると照りつける陽射しにみまわれた。
「あっつ。これ日傘必要だな。どーする買う?」
「女子か。いらねぇよ」
5月だというのにこの暑さ。
俺と一哉は沖縄にきていた。
最後を迎えるために。

「別れよう」
もう限界だろう、と一哉がいったのは1週間前のことだ。
俺たちは高校の教室で出会った。
ふたりの関係が親友から恋人へと変化をとげてから4年半。
大学生になり、就職も決まった俺たちの間には、気づけば大きな溝が生まれていた。
それは俺たちが半端に大人になってしまったせいだった。
好き、だけでずっと一緒になんていられないのだ。
自分の将来、周りの人間、相手の未来。
昔は見なくてよかった現実を日々思い知る。
そうしていつしか、その好き、ですら本当にあるのかもわからなくなった。
一哉のいうとおりだった。
俺たちもう、限界なんだ。

「最後に沖縄行かねぇ?」
そういったのは俺だった。
高2の秋、修学旅行で訪れた沖縄で俺たちの恋人としての関係ははじまった。
なら、はじまりの場所で終わりにしよう。
終わりの旅をしよう。
そこで最後を迎えよう。
一哉は情けなく笑ってうなずいてくれた。

121:2/3
11/05/03 14:18:15.23 doCsNTpI0
記憶と古びた修学旅行のしおりを頼りに、あのころ行った場所を巡る。
レンタカーを運転する一哉の横顔は、もうバスではしゃいでいた少年のものではなかった。
あのころよりいくらか長い髪、骨ばって少しおおきくなった体。
血色がいいのか妙にあかい唇だけが昔からかわらないけれど。
国際通りにも美ら海水族館にも高校生の一哉はいなかった。
俺のとなりにいるのは、ひとりの大人の男だ。
いつだって全力で気持ちをくれた一哉はもういないのだ。

「でけーな」
「高校生の俺らぜいたくだったな」
目の前にそびえたつ大きなホテルを見あげる。
あのとき宿泊していたホテルはプライベートビーチも持つそれなりのところだった。
できれば泊まりたかったが、学生貧乏旅行の俺たちには高級すぎる。
修学旅行積立をしてくれていた親にいまさら感謝をした。

「ビーチ行こうぜ」
「宿泊客じゃないのに大丈夫か?」
「平気平気。堂々としてればなにもいわれねぇよ」
ホテルのロビーを抜けるとビーチが広がる。
白い砂浜に青より緑色の海。
時間体のせいか、くもりはじめた天気のせいか、俺たちの他に客はいない。
裸足になって波うちぎわに足をつけてみる。
海はまだ冷たかった。

122:3/3
11/05/03 14:22:08.25 doCsNTpI0
「あのときさ、台風がきてたせいで海でぜんぜん遊べなかったよな」
「ああ、雨風ひどくて屋内で待機になって」
「みんなはホテル内のプールとかで遊んでた」
「でも俺たちはふたりでこっそりぬけだしてここにきてさ」
「あんな荒れた天気の中な。それからばれないように岩の陰に隠れて」

そこでおたがいに黙った。
さざなみが静かに響く。

「あ」
「ふってきたな」
くもり空からついに雨がふりだした。
雨はどんどん強さを増し、すぐに服も頭も、全身びしょぬれになる。
それでも俺たちはそこから動かない。ただ黙って海をみつめていた。
「亮二、きて」
ふいに腕をひっぱられ、足をもつれさせながらもなんとか一哉のあとをついていった。
ぬれた足に砂がまとわりつくのが気持ち悪かった。
立ち止まった先は、おおきな岩。少ししゃがんで身を寄せ合えば、岩は周りの世界から男ふたりを簡単に隠す。
くっつく肌は冷たくて熱い。
久しぶりに感じる息のかかる距離に、もどかしいようなくるしいような気もちになった。

「ごめん。好きなんだよ、亮二。俺はおまえが好きだ」
一哉の額にひとたばの髪がはりついている。
握られたままの手首にぎゅっと力がこめられてすこし痛い。
泣きそうに顔をゆがめる一哉の唇はやはりあかかった。

一哉がいる。いま俺の目の前に、一哉がいる。
なんだよ、いたんじゃん。
おまえこんなところにいたんだな。俺は、こんなところにいたんだ。
冷えた頬をふるえる指で触れる。
あのときした不器用なキスを思い出しながら、同じようにあかい唇にそっと自分の唇をよせた。
はじまるのだ。また、ここから。

123:風と木の名無しさん
11/05/03 15:55:07.79 Jfc9eG51O
おおお、なんか普通に感動してしまった
そういう意味での再会かあ…面白いね
GJです!

124:風と木の名無しさん
11/05/03 15:56:26.42 TcZJbRD30
萌えとか通り越して胸がきゅんとした。
姉さんの文凄く好きだ!GJです!!

125:風と木の名無しさん
11/05/03 16:37:44.45 kVsHhfi1i
切なくてどうしようもなくなったからちょっとBLゲーやってまぎらわしてくる

126:風と木の名無しさん
11/05/03 16:58:41.05 kTQJCG/B0
すんごい好みすぎてどうしよう~
GJ!!!!!!

127:風と木の名無しさん
11/05/03 17:46:58.39 yaVLINJq0
なんと素晴らしい萌え…!
ちょっとウルッときちゃったよ、GJです!

128:風と木の名無しさん
11/05/03 19:01:25.54 qFjxei7p0
なんというGJ
俺を踏む前にまずリロードし直せよ

129:風と木の名無しさん
11/05/03 19:05:58.42 xNzqrLWoO
どっちからキスした?

130:風と木の名無しさん
11/05/03 22:10:50.50 8Eg650HzO
「どっちからキスした?」
居酒屋のトイレの個室で男が男につめよる光景はさぞかししょっぱいものだろう。
でも俺は必死だった。
見上げる男は不機嫌そうに眉をしかめている。
いいから答えろよこのやろう。

さきほどこいつはトイレの前で後輩の女の子とキスをしていた。
それを偶然目撃してしまった俺に気づいて女の子は照れたように逃げ去り、残されたこいつを俺はトイレに押し込んだ。

別に報われる恋だなんてハナから思っちゃいない。
友達として一緒にいられるだけでよかったんだ。
でも実際そういうシーン見ちゃったらさ、どうしようもなくなった。
せめてさっきのキスが彼女からなら少しは救われるかもしれないなんて思ってこいつに縋る俺は馬鹿だ。
そんなもの聞いたところでなんの慰めにもなりゃしないのに。

「なあ、どっちだよ。答えろ、」
え、と思ったときにはもう口を柔らかくふさがれていた。
目前には妙に真剣なあいつの顔。
見つめあったまま顔が離れていった。
「さっきのはあっちから急にされたんだよ。あの子俺が好きみたい。残念だったな」
「え、あ、え」
「そんで今のは俺からだ。俺から。おまえに。したんだからな」
それだけ言うと俺を横にどかしてあいつはトイレから出ていった。

「え、あ、は?え、ええ?」
なにがなんだかわからず、そのあと俺はトイレに30分閉じこもった。


131:風と木の名無しさん
11/05/03 22:29:03.98 GSOCZsPz0
ナイス、GJ
いいから答えろよこのやろう に萌えた
トイレから出た後どうなるのか凄く気になる!

132:風と木の名無しさん
11/05/03 22:38:23.15 W/Srzkiz0
こういう飄々としてるタイプの攻めが好物すぎて困る
GJです!

133:風と木の名無しさん
11/05/03 22:51:57.33 N7Cwg7JiO
あ、かっこいい
GJ

134:風と木の名無しさん
11/05/04 00:03:11.38 EoUapPTDO
萌え転がった
念押しみたいに言う所が最高だ
GJ!!

135:風と木の名無しさん
11/05/04 00:44:31.45 P5aGr0HP0
ごちそうさまでした!
gj!

136:風と木の名無しさん
11/05/04 12:24:39.61 kOIglcg9O
「俺から。お前に。したんだからな」
の強引な言い聞かせに惚れた!!
一気に形勢逆転され、主導権握られた主人公はきっと今後も振り回されるなwGJ!

137:風と木の名無しさん
11/05/04 22:58:32.48 1uyc9YxS0
うはぁ!どっちもあんまり余裕なさげなとこが良い!
GJです!

138:風と木の名無しさん
11/05/04 23:29:25.93 bmIr9IcS0
最近GJの連続で萌えて萌えて仕方ない…さあ踏め

139:風と木の名無しさん
11/05/04 23:31:22.07 pN6lWhRa0
ヤンキー君とメガネ君

140:風と木の名無しさん
11/05/05 04:14:14.38 E1neoQNUi



141:風と木の名無しさん
11/05/05 16:39:50.52 PmQpK/TcO
「おいこら」
「僕の名前はおいでもこらでもありません」
「ちっ…な「あああ!顔!ほっぺケガしてるじゃんバカ!なんで早く言わないの、ほら手当てするからこっち座って」
「言おうとしたらおまえが名前どーこー言いだしたんだろうが」
「もー、またケンカ?いいかげんにしてよね」
「安心しろ。俺様が負った傷はふいうちのこの一発だけで相手は今ごろ病院だ」
「そういう問題じゃないでしょ。毎回毎回手当てするこっちの身にもなってよ」
「へいへい。どうもすいませんでしたね、毎度お勉強の邪魔しちゃって」
「…だから、そういうことじゃないって言ってんだろー!」
「…っ!いいいいってぇ!おまえ、腕」
「ちょっとつついただけでもそんな痛いんだろ?折れてるよそれ。ほら病院行くよ。さすがに骨折の手当てはできないからね」
「ちっ黒ぶちメガネはなんでもお見通しかよ」
「何年一緒にいると思ってんの。おまえの嘘なんてすぐわかります」
「けっ。あーやだやだ。こんなうるさい幼なじみマジいらねぇ」
「嘘なんてすぐわかります」
「…そーかよ」
「あんまり心配かけないでよね」
「…おう」


142:風と木の名無しさん
11/05/05 16:53:57.47 ya7OIWHb0
やばいヤンキー君がかわいすぎてキュンキュンする
GJです!

143:風と木の名無しさん
11/05/05 18:25:05.19 i6Eqa5qNO
おおお、これはかわいいヤンキーくん
甘酸っぱくなりながらGJ!

144:風と木の名無しさん
11/05/05 20:00:58.36 TUCF1zm/0
ツンデレヤンキーと何でもお見通しなメガネ…!萌える!
正反対な幼馴染良いすなあ GJ!!!!!

145:風と木の名無しさん
11/05/05 20:38:21.73 NysdPtplO
このわかり合ってる感がたまらない! GJでした!

まとめの人もGJです

146:風と木の名無しさん
11/05/06 11:47:45.83 OEU+mYhc0
こっちはかわいいし、まとめはいろんなのがあって豊作だったね。
GWだったからかな。
140後のスレの流れもGJだったわ。

147:風と木の名無しさん
11/05/06 16:16:53.11 TpdtF+Zbi
なんだか光景が浮かぶね。
青春GJです。

148:風と木の名無しさん
11/05/06 16:41:27.92 U3fyx5xjO
さあ 踏みにじって

149:風と木の名無しさん
11/05/06 16:42:06.62 CJybtjDJ0
*9×*8

150:1/2
11/05/06 20:43:07.94 kIe1dVzK0
「なあ。*8、頼むよ。行くなよ」

*9はどうしようもないばかだ。
そんな今にも泣きだしそうな顔して、声をふるわせて、行くなって必死に俺の手を握る。
ちがうだろう。
行くのは俺じゃない、おまえだろう。
「ガキじゃないんだ聞き分けろ*9。いいか?世の中には役割ってもんがあるんだ。俺は踏み台、主役はおまえと*0。それがこの世界の約束なんだよ」
「聞きたくない。約束なんて、知らない。知りたくもない」
「*9。いつまでも駄々をこねるなよ。おまえはここにいちゃいけないんだ。行くんだ。俺から」
「言うな」
握られていた手ごと体を引き寄せられ、*9の胸にぶつかった。
そのまま、まるで腕の中に閉じこめるかのように強く抱きしめられる。
だから、ちがうんだよ。
俺はどこにも行かないよ。
おまえが、この手を離して行かなきゃだめなんだよ。
「駄々ってなんだよ。俺はこんなに、心臓が痛いほどおまえが好きで、おまえだって同じじゃないのか?それを離れるのがいやだっていうのはわがままなのか?なあ、なにが間違ってるんだよ」
間違っていない。なにひとつ間違っちゃいない。
でもだめなんだよ。世界はそれを許しちゃくれない。
なにをどうしたって俺は*8で、おまえは*9だ。
おまえだって本当はちゃんとわかっているんだろう?

151:2/2
11/05/06 20:43:46.60 kIe1dVzK0
「*9」
*9の腕の拘束を全力で振りはらう。
涙、いまは出るなよ。まだだ。ここが勝負どきなんだ。
どうか顔がうまくつくれていることを願った。
「俺がいままでおまえのそばにいたのはおまえが*9で俺が*8だからだ。ただ仕事をこなしていたにすぎないんだよ」
俺さ、これでもおまえが*9で、俺が*8でよかったと思ってるんだ。
だって*8は*9のために存在してるようなもんだから。
おまえがおおきく飛び立つ踏み台になれるんなら、それ以上のしあわせなんて他にないと思うんだ。
「個人的な感情で動かれたら迷惑なんだよね。こっちは真面目にやってんだ。最後まで仕事ちゃんとやらせてくれよ」
*9、泣くなよ。
おまえのそういう優しいところ好きだけどさ、最後には笑った顔見せてくれよ。
なあ。*9、頼むよ。

「さあ、踏みにじって、行け」

152:風と木の名無しさん
11/05/06 21:18:21.80 CJybtjDJ0
健気な*8にも一途な*9にも萌えた!
GJ!

153:風と木の名無しさん
11/05/06 22:06:20.02 xJZHx+XQ0
いいやつだ、*8…
GJ!

154:風と木の名無しさん
11/05/06 23:31:43.73 WImceGIX0
これから*8にも注目してしまうじゃないか

155:風と木の名無しさん
11/05/07 00:10:47.47 iGg1jcEx0
まさかの切ない系で萌えたw
GJ!

156:風と木の名無しさん
11/05/07 03:23:18.06 faqDPsKc0
感動ものには弱いんだよ……GJb

157:風と木の名無しさん
11/05/07 05:59:04.91 5uW1h3Jb0
いい話だなーGJ!

158:風と木の名無しさん
11/05/07 06:16:10.84 Za5gTTYUi
「さあ、踏みにじって、行け」

159:風と木の名無しさん
11/05/07 06:18:42.00 XPUeeMAu0
最後の約束

160:1/2
11/05/07 15:33:25.28 r4RCf8tJ0
現八郎は譲られた席を固辞した。
立っているのは席がないのではなく、ただ座っていられなかっただけなのだから。
アナウンスが、戦前から永く残っている古い公園の名を告げる。
現八郎はしっかりとした足取りで、約束の地に向かった。

造園に多少の変わり様はあっても、その四阿(あずまや)は健在だった。
ここは変わらないのに、自分はあの頃とは足取りも体も心も様変わりしている。
目を閉じ、かの人を想う。
あの日の事を。

「柏木さん、僕は悔しいです」
眼鏡の奥で、切れ長の目が潤んでいた。
研究室の後輩である田辺は、徴兵検査で己が出兵出来ない身体と知った時よりも、
現八郎に赤紙が届いた事を嘆いている。
「僕なんかより柏木さんの方が、研究には必要な人なのに……これは国家の損失
ですよ!」
「田辺、声が大きい……」
憲兵がいないか注意深く見回しながら、現八郎は声を顰めた。
「約束して下さい、必ず生きて帰って来ると。柏木さんがいないと駄目なんです」
夜の公園で肩を掴まれ言い募られると、まるで迫られているようだ。
真剣な眼差しをじっと見返した。
琥珀のような瞳の色を、すっとした鼻梁を、紅くてふっくらした唇を、記憶に焼
き付けよう。
ただ無邪気に、自分のなし遂げつつある研究を尊敬している後輩。
自分が抱いている、邪な考えが暴かれる前に赤紙が来たのを、どれだけ源八郎が
安堵したか。
思い出を自ら汚すよりも、この人のために死にたい。
「柏木さん」
思い詰めたように、田辺の声は震えていた。
「どうか約束して下さい。……もう日本は無理かも知れない。こんな事を言うの
は非国民です。でも、それでも僕は……貴方に生きて帰って来て欲しい」

161:2/2
11/05/07 15:34:49.67 r4RCf8tJ0
桜が吹雪のように舞っていた。
田辺のべっ甲色のフレームと頬の隙間に、花弁が1枚、黒子の様に張り付いてい
る。
それをつまみ上げ、源八郎はこっそり胸ポケットへ花弁を入れた。
指先にほんの少し、田辺の頬の感触が残る。
「わかった。本所の家も君の処も残るかすら判らない状況だ。帰って来れたら、
大学の研究室でまた会おう。……そうだな、もし暫く会えないとしたら、50年後
にここで会うのも良いかも知れん」
源八郎が軽口を叩くと、田辺は『約束ですよ』と柔らかく微笑んだ。

あれから50年が経った。
源八郎は敗戦後シベリアに抑留され、帰国した頃には研究室が無くなっていた。
田辺の家の跡地へ行くと、見知らぬビルが建っていた。
今日、ここで、逢えるだなんて思ってはいない。
自分はただ、汚さなかった思い出に浸りに来ただけだ。
突風に桜が舞い散る。
一瞬顰めた目を開くと、目の前に田辺が立っていた。
「柏木さん」

公園のゴミ箱を回収している女は、四阿のベンチで冷たくなっている老人を発見
した。
その顔は微笑んでいたという。

162:風と木の名無しさん
11/05/07 16:11:01.10 gJzZUWD70
これは、せつない。
美文だけど、枯れた味わいもある。
あと、現代かななのに、漢字の配分で時代の雰囲気を出すとか、さりげない技巧も大好き。

素敵でした。

素敵です、


163:風と木の名無しさん
11/05/07 18:24:47.74 JLdNked00
ええー!ちょっと、生きて会えないなんておかしいです、そんな切なすぎ!
と、思わず力が入るほど話に入ってしまった
作者さんは達人だな、GJ!

164:風と木の名無しさん
11/05/07 18:39:29.05 Bg8xAIf+O
なんてこと…!
たったこれだけの短い文章で泣いてしまった
GJです

165:風と木の名無しさん
11/05/07 18:48:09.77 K82JD8ai0
泣いた
でも、会えてよかったねと思った

166:風と木の名無しさん
11/05/07 19:49:48.80 8Yk/ql3JO
せつないわ…
雰囲気がすてきでした

167:風と木の名無しさん
11/05/07 20:51:40.39 /EjVYc0g0
どれだけ歳月が経っても約束を守るとか、そういう話大好きなので
萌えつつ泣きました。ほんとに会えてよかったね
GJです

168:風と木の名無しさん
11/05/07 21:02:12.79 chwpFI45O
せつなさに悶えつつ
さあ踏め。

169:風と木の名無しさん
11/05/07 21:03:54.62 3nux+kU1O
相貌失認症

170:1/2
11/05/07 22:49:39.85 Hvd185taO
 グリーンとブルーの絵の具を半々に溶かして、ガラス玉の中に閉じ込めたような二つの虹彩。瞼を動かしてぱちぱちと瞬きする度に、透明度の高い、南国の海を思わせるそれが窓から差す太陽の光を受けて綺麗に輝く。

「これが、俺の目」

 促されるまま、ブラウンの睫毛を人差し指で撫でると彼は猫のように瞳を細め、瞼に皺を作った。
 くすぐったいと言わんばかりに、ふにゃふにゃと溶ける可愛い眼差しを見つめているとなんだか胸が落ち着かない。
 あたたかくて、見ているこちらがくすぐったくなるような、この気持ちはなんだろう。

「んじゃ、次。これが唇、な。ちゃんと覚えて」

 飽きもせず、下瞼の縁に生える睫毛を撫でていたら少し強引に手首を掴まれて口元へ導かれた。
 指先に当たった柔らかくてあたたかい感触に、やましい事なんて何も無いのに思わず口ごもってしまう。
 キスなら何度もした。下唇の裏に舌を滑り込ませると、彼が切なく息を乱すことだって知っている。

「や、らかい…」
「……うん」

 分かっているのに堪らず呟くと、数秒遅れて相槌が返ってくる。
 への字に曲げられた唇の意味はやっぱり分からないけれど、普段はハキハキとした彼がどこかふてくされたように口の中だけで歯切れの悪い返事をする時は、ただ照れているだけなんだ。
 血色が良く、少し厚い唇を懲りもせずふにふにと揉んで遊んでいると、痺れを切らして彼の目つきが厳しくなった。

「バァッカ、いつまでそうやってんだよ。そうしたら、ホラ」

 お叱りと言葉と一緒に、彼が離れていく。
 ヒト一人分、たっぷり距離を取って目の前に立ったのは、やっぱり見知らぬ男だった。


171:2/3
11/05/07 22:57:06.70 Hvd185taO
「……あ、あ。やっぱダメだ。アダム、もっと近くに寄って」

 ブルーグリーンの瞳。赤い唇。スッと通った鼻梁。そのどれもがしっかり思い浮かべられるのに。何度もキスをして、指先で撫でて、パーツの輪郭を覚え込むほどに愛撫しても、俺は彼の“顔”を認識する事が出来ない。
 俺は怖くなって、慌てて彼を手招いた。

「……ッ、なんだよ、やっぱダメかよ。いい加減恋人の面くらい覚えろよな、お前」
「でもさ、ちゃんと声で分かるんだから大丈夫だって。それに、もしも耳が塞がってたってカラダに触れば一発」
「……うっわ、またそういうサムい事言う。嬉しくねーっつの」

 恨めしそうにごちる彼の声色には俺を責めるような色は含まれていない。ごめんと謝ると彼はひどく辛そうな声で怒るので、いつからか俺はジョークが上手くなった。
 口元をへらりと緩めた彼は、とても可愛い。なんだか気の抜けた犬みたいだなぁなんて、彼が聞いたら心外だと憤りそうな事を考えながら、手を引いて身を寄せると触れるだけのキスを送る。
 俺を受け入れる柔らかみは確かに彼のものなのに、どうして何度確かめても俺はこれが分からないんだろう。どうして俺は、彼の表情すら理解できないんだろう。


172:3/3
11/05/07 22:59:25.98 Hvd185taO
 口付けを交わしながら視線も絡めれば、目の前で優しく細められた瞳がキラキラと光るさまがよく分かる。俺が今まで見てきたどのブルーよりも澄んだ海の色。
 仮にいつか聴覚を失って、半身不随になってこの身体に触れることすらできなくなったとしても。きっと俺はこの色を覗き込むだけで、彼を認識する事が出来る。
 そんな薄暗い想像をして、少しだけ安心するんだ。

「アダム。俺さ、お前の目の色、綺麗ですごく好きだよ」

 キスのあと、囁いた言葉は彼を驚かせただろうか。
 目を見開いたあと、彼は不意に下を向いて視線を逸らしてしまった。小刻みに震える両肩に手を掛け、覗き込んだ顔はなんだかいつもと雰囲気が違う。
 くしゃりと歪んだ顔は、笑い声をあげる時や、ベッドの中で音を上げるまでいじめた時のそれとも似ているようで、俺は首を傾げる。

「……なに、笑ってる?そりゃ、俺ちょっとキザな事言ったけどさぁ…」
「……ほん、っとだよ。お前が変なこと言うからさ、笑い止まんね、ハハ…」

 笑いを堪えながら話すせいか、彼の声は震えていた。
 おかしいと声を出して笑う彼の瞳が、水を湛えたようにして普段よりも綺麗に輝く訳を、俺は知らない。

173:風と木の名無しさん
11/05/08 09:15:03.37 i8jahkOqO
早いなぁ。相貌失認症って知らなかった。
切ない疾患なんだね。
GJでした。

174:風と木の名無しさん
11/05/08 13:05:36.61 L6yKIB8E0
アダムの心情を思うと泣ける…もちろん、本人も大変なんだろうけど
GJでした

175:風と木の名無しさん
11/05/08 13:28:21.59 829sCaiW0
悲しくて、でもすごく綺麗な文で、読んだ後うわああってなった
好きです、GJ

176:風と木の名無しさん
11/05/08 22:20:31.75 2A+9Y4AE0
わるいけど、まわしますね。

177:風と木の名無しさん
11/05/08 22:43:40.80 esgiUIAuO
>>176
まわしは投下から24時間たってから

178:風と木の名無しさん
11/05/08 23:02:19.28 2A+9Y4AE0
大変申しわけない。
どなたか存分に踏んでください。

179:風と木の名無しさん
11/05/08 23:03:07.22 9KDpawU60
攻めが好きすぎて、若干キモイ受け

180:風と木の名無しさん
11/05/08 23:03:12.51 G37y7bdCO
ノンケゲーマーとBLゲーキャラ

181:風と木の名無しさん
11/05/09 02:21:58.00 aREqVVup0



182:風と木の名無しさん
11/05/09 02:22:24.88 aREqVVup0



183:風と木の名無しさん
11/05/09 02:22:45.04 aREqVVup0



184:風と木の名無しさん
11/05/09 02:23:08.10 aREqVVup0



185:風と木の名無しさん
11/05/09 02:23:29.37 aREqVVup0



186:風と木の名無しさん
11/05/09 02:24:32.52 XABiVq/w0



187:風と木の名無しさん
11/05/09 02:24:55.28 XABiVq/w0



188:風と木の名無しさん
11/05/09 02:25:18.07 XABiVq/w0



189:風と木の名無しさん
11/05/09 02:48:14.70 8HMm/xvI0
荒しが回しているようですが>>179の権利が継続中なので
テンプレに従って、このまま>>180の人の投下を待ちます

190:風と木の名無しさん
11/05/09 04:34:02.38 PH3q9HmBi



191:風と木の名無しさん
11/05/09 04:34:27.74 PH3q9HmBi



192:風と木の名無しさん
11/05/09 04:34:58.59 PH3q9HmBi



193:風と木の名無しさん
11/05/09 04:35:21.49 PH3q9HmBi



194:風と木の名無しさん
11/05/09 04:35:39.69 PH3q9HmBi



195:風と木の名無しさん
11/05/09 04:35:58.82 yED66j7J0



196:風と木の名無しさん
11/05/09 04:36:16.61 yED66j7J0



197:風と木の名無しさん
11/05/09 04:36:32.26 yED66j7J0



198:風と木の名無しさん
11/05/09 04:36:56.27 yED66j7J0



199:風と木の名無しさん
11/05/09 07:20:29.88 fRpn6cBCO
嵐対応します。お題は継続で。

200:風と木の名無しさん
11/05/09 23:12:00.47 mU+IMn1t0
流れちゃったか
楽しみにしてたんだけどmws

201:風と木の名無しさん
11/05/09 23:15:12.55 riWwa5g/0
次回に期待しつつ、まわし。

202:風と木の名無しさん
11/05/09 23:16:37.80 cUtvv0xQO
うーむ、残念…回します

203:風と木の名無しさん
11/05/09 23:22:28.60 a3/XLfhz0
しかし荒らしには耐えたのでよかったよかったまわし

204:風と木の名無しさん
11/05/09 23:31:45.41 iUPZw28SO
ざんねんmws

205:940
11/05/09 23:33:18.57 ODtFPAIv0
読んでみたかったよmws

206:風と木の名無しさん
11/05/09 23:46:07.10 URy/AXYf0
残念まわし

207:風と木の名無しさん
11/05/09 23:47:08.63 fRpn6cBCO
自分が投下すると、投下以外の連続書き込み禁止になるからやめておいたけど、
こういう場合はOKだったのかな?まわし

208:風と木の名無しさん
11/05/09 23:48:21.20 URy/AXYf0
踏んで……

209:風と木の名無しさん
11/05/09 23:53:11.39 DpoWjQv/0
サド攻×サド受

210:風と木の名無しさん
11/05/10 10:43:51.40 ieM/CKiA0
「誘ってるんですか」って見下すと
「アンタがヤリたいだけでしょ」って嗤う。

「この変態が」って罵ると
「犬以下だね」ってなじる。

「どうされたいか言ってみなさい」って命じると
「物欲しそうな顔でよく言うよ」って嘲る。

そうして、あとで
つながりあって、

「いい加減、素直になったらどうです」って呻くと
「いいから動けよ、バカ」って喘ぐ。

不仲でしょうか。
いいえ、だれよりも。

211:風と木の名無しさん
11/05/10 11:10:06.55 ShDyMER00
まさかのエーシー応用wwww 短いのに敬語攻めと最後の一行にもえました
GJです

212:風と木の名無しさん
11/05/10 11:40:53.88 8pG4Ps7k0
これはいいACwwww

213:風と木の名無しさん
11/05/10 12:19:17.27 l1GPHuhc0
なにこれ萌える

214:風と木の名無しさん
11/05/10 12:26:50.90 UfJ8h/bj0
ACパロのバリエは奥深いなww
ひとしきり笑った後に、しみじみと萌えがやってきた GJ


215:風と木の名無しさん
11/05/10 13:09:22.25 qQVWBO2i0
うっわ、萌える。
すごく好き!GJ!

216:風と木の名無しさん
11/05/10 13:58:50.08 VDYN8wU9O
これは鮮やかなGJ!

217:風と木の名無しさん
11/05/10 16:22:55.38 f1AhIyk30
一対一対の応酬に萌えた。
もう、なんか、絵が浮かぶ、てか、本尊で脳内再生されて頭の中が大変なことになってる。

218:風と木の名無しさん
11/05/10 16:32:35.55 Qjvdr8lV0
べっ 別に踏んでほしいわけじゃないから!

219:風と木の名無しさん
11/05/10 16:38:26.22 xYPxTRNEO
精神的欲求不満

220:風と木の名無しさん
11/05/11 13:26:26.59 GOrO0xuJO
なんかむずむずする。
腹減ってんだな。メシ食おうメシ。

腹いっぱい。
でもまだなんか、そうかタバコだ。
食後の一服だ。

あーニコチンが体に染み渡る。
……足りねぇ。いや、ニコチンじゃなくて。
なんっか足りねぇ。なんだこれなにが足りねぇんだ。
イライライライラ貧乏ゆすりが止まらない。
あーいらいらする!

―ピルルルルルル
「ああ゛っ?!」
『おお、どーしたおまえなにイラついてんの』
「あ、いや」
なんか、いま治まった。

『しばらく連絡できなくてごめんな。いま大丈夫?』「大丈夫じゃねぇ」
大丈夫じゃない。大丈夫しゃないから。
「いますぐ会いにこい」

声だけじゃ、まだ足りねぇから。


221:風と木の名無しさん
11/05/11 13:27:34.15 fum4sNSG0
シンプルで読みやすい萌えでした!GJ!

222:風と木の名無しさん
11/05/11 17:42:28.94 SKDvxCOBO
>>220
シンプルかつ味わい深い萌えだ・・・
染みわたったよGJ!

223:風と木の名無しさん
11/05/11 23:36:50.69 HVlrOmiBO
本当にシンプルなのがいいね


224:風と木の名無しさん
11/05/12 05:26:02.48 CKEmQJBn0
分かりやすいねw
GJ!

225:風と木の名無しさん
11/05/12 14:39:17.37 naWKijk10
そろそろまわしますよ

226:風と木の名無しさん
11/05/12 15:06:00.90 8uSOXd6z0
今日は寒いですねまわし

227:風と木の名無しさん
11/05/12 15:41:02.57 NVRyog7a0
みんな風邪ひくなよまわし

228:風と木の名無しさん
11/05/12 16:41:07.55 SxuvSNDC0
そろりと踏んでみたりして

229:風と木の名無しさん
11/05/12 16:42:17.45 hv+IbqjXO
ほしいのは憐れみだけ

230:風と木の名無しさん
11/05/12 18:32:57.17 9e3JQ7hMO
「馬鹿じゃないの?」
いつもは朗らかな君の刺々しい声。
「自分の立場分かってるの?」
わかってる。
「自分の性別分かってるの?」
嫌という程わかってる。
「…報われると思ってるの?」
思える訳、ないじゃない。
でも、いいんだ。僕が余りにも惨めだったなら、優しいあの人はきっと同情してくれる。
滑稽な僕を憐れんで、乞うままに触れてくれるかもしれない。抱いてくれるかもしれない。
ねえそうでしょう、と顔を上げれば泣きそうな君と目が合った。
そして僕は理解してしまう。

「どうして俺じゃだめなの?」
その問いは聞こえないふりをした。
ごめんねごめんね。
今僕が欲しいのは、君からのひたむきな愛情とか、そんなものではなくて、

231:風と木の名無しさん
11/05/12 18:50:31.70 r8YlS06dO
>>230
ぐああああああああ切ねえええええGJ!

232:風と木の名無しさん
11/05/12 19:01:49.12 hv+IbqjXO
>>230
悶え転がるほど萌えた!しかもはやい!
GJです

233:風と木の名無しさん
11/05/12 19:04:27.20 8uSOXd6z0
お題もきれいな響きがして好きです
GJ!

234:風と木の名無しさん
11/05/12 22:10:47.94 5clpnHK+O
欲しいのは「あの人の」憐れみ・・・切ないよ。「君」にはどうすることもできないのね
静かにGJ

235:風と木の名無しさん
11/05/12 23:36:51.01 9p9sQEw5O
どっちも切実な片思いで本当に切ないです。
萌え悶えました……!

236:風と木の名無しさん
11/05/13 00:37:08.01 wXXfxAyLO
報われない片思いイイねGJ

237:風と木の名無しさん
11/05/13 01:50:04.28 7FQEWbgRO
巧さに萌えた。まさかの結末、どんでん返し。結末にもきれいにつながってる。超GJ!

238:風と木の名無しさん
11/05/13 02:52:29.71 NvZSLEXa0
さあ、踏みたまえ

239:風と木の名無しさん
11/05/13 02:53:17.06 pwyDhoJL0
メントス×コーラ

240:風と木の名無しさん
11/05/13 09:51:30.86 egiKJt2k0
「馬鹿な真似はよせ!」
僕は叫んだ。
「馬鹿な真似だって?……元々お前が挑発したんだろーが……」
イライラした様子で彼が呟いた。
体をがっちり掴まれて、どこにも逃げられない。
ああ……このままだと、またヤラれてしまう。
もう嫌なんだ、あんな醜態を晒すのは。
「お前だって、満更でもねーんだろ?」
「そんな、違うっ?もう嫌だ!やめてくれよ!」
僕は汗をかきながら逃れようとしたが、びくともしない。
口を開け嫌だと叫び続ける僕を、彼はニヤニヤ笑いながら見下ろしている。
「なぁ……口先より体は正直だよなあ?」
次の瞬間、彼の身体が一気に僕の中を犯した。
「あああああぁぁぁ…………っっ?」
突き抜ける快感に、先端から全てが噴き出す。
僕は空っぽになった身体をヒクつかせ、泡を吹いて倒れた。
誰かの笑う声がした。

241:風と木の名無しさん
11/05/13 16:18:22.00 pwyDhoJL0
あああああありがとうございますうううううう
最近の切ないのも好きだけどたまには馬鹿らしいものも読みたいと思い、こんなお題にしてものすごく後悔してましたが、投下してくださって悶えころがりました
ちょっとコーラとメントス買ってきます
GJでした!

242:風と木の名無しさん
11/05/13 20:46:45.15 C9YujS/80
コーラが卑猥なものとしか思えなくなってしまったどうしてくれるwwwww


243:風と木の名無しさん
11/05/13 20:51:40.52 5tlYwdfDO
いや、いいお題だった。
楽しかったです。GJ

244:風と木の名無しさん
11/05/14 01:01:43.70 YuxXHl+vO
気になってぐぐってみたらウィ木ペのメントスの項が詳しすぎて吹いた
コーラマジ性的

245:風と木の名無しさん
11/05/14 03:17:50.56 gOBM9lza0
久々の笑い萌えだったwww
GJです!

246:風と木の名無しさん
11/05/14 09:43:39.57 2LHFizGE0
これは………




最高ですwwwwww
ちょっとお風呂にコーラとメントス持ち込んでやってきます

247:風と木の名無しさん
11/05/14 14:54:32.78 s1I0lNf50
そろそろまわしますね

248:風と木の名無しさん
11/05/14 15:16:09.69 kkU0e3P80
踏むの?ねえ、踏むの?

249:風と木の名無しさん
11/05/14 15:24:46.28 VqzSToJOO
何が不満か理解できないよ

250:1/2
11/05/14 21:22:33.92 Vuy38+qP0
欲しい物だってプレゼントしたし、我侭だって全部きいてやった。
なのに目の前の可愛い人は満足できないで居る。

「一体、何が不満か理解できないよ」
「どうして分かんないのかがおれには理解できないよ」
そういってそっぽを向く横顔も幼くて、かわいい。

「どうして分かんないのかな」

251:2/2
11/05/14 21:24:46.54 Vuy38+qP0
おれだって薄々気付いているんだ。
何が不満か、お前が本当は何を欲しがっているかなんて。

だけどそれだけはおれにはあげられない。
おれなんかがあげちゃいけないんだ。

「わりぃな、」

おまえが本当に欲しがっている関係だけは。

252:風と木の名無しさん
11/05/14 22:05:12.70 TjiFrMr0O
わかってんじゃんいいじゃんあげちゃえよーと思いつつGJ

253:風と木の名無しさん
11/05/14 22:28:47.23 KoeQuaWWO
そうだよ、いいからあげちゃいなよー
ともどかしくGJ

254:風と木の名無しさん
11/05/14 23:51:05.10 2LHFizGE0
あげられない理由を邪推しちゃうよー
と悶えつつGJ

255:風と木の名無しさん
11/05/15 13:14:47.72 /cB1r5La0
それでもいいって言ってんだからあげちゃえよー
ともんもんとGJ

256:風と木の名無しさん
11/05/15 14:03:01.19 q2xdx6bJi
焦らせば焦らすほど燃え上がるんだぜー
と妄想しつつGJ

257:風と木の名無しさん
11/05/15 23:06:02.44 gzN3E0/SO
一回転だけどくるりと真和志

258:風と木の名無しさん
11/05/15 23:36:32.15 nnRhnIo20
まわし

259:風と木の名無しさん
11/05/15 23:38:13.95 TThlfalR0
銭湯に行こうよ

260:風と木の名無しさん
11/05/16 01:03:42.95 BLB3g7I60
突然何を言い出すかと思ったら、「神田川ごっこ」ですか。
うん知ってる。お前はそういうロマンチックバカだ。

冷静になって考えてみてほしい。
まず俺達は、別の暖簾をくぐる必要もないし、そういうわけだからどっちかがどっちかを
待ちぼうけるようなことにはならない。
赤い手ぬぐいなんてそもそも持ってないし、石鹸じゃなくてボディソープだ。
冬じゃないんだから生乾きの髪が冷えることもない。そもそもこんな短い髪じゃあ冬でも冷えるわけがない。
大体俺はお前に肩を抱かれてどきっとするほど繊細な反応は出来ないし、
お前だって気障ったらしく俺の方を抱けるような男でもないだろう。

あ、そうだ。大事なことを忘れてた。

俺達はあの歌の二人と違って、今が今でとっても幸せで、
これから先、お前と生きていくことに何の不安も感じていないから、
あー…つまり、何が良いたいかって言うと、

「イエス」ってことだよ。
風呂に入って、仲良く背中を流して、コーヒー牛乳を飲んだら、
同じ夢を見るように、これからもずっと、一緒に生きていきましょう。ってこと。

笑うんじゃねぇぞ。
俺のほうがずっとロマンチックバカだって、お前だって分かってるだろ?

261:風と木の名無しさん
11/05/16 02:29:14.69 p8inq+Uu0
幸せいっぱいな感じが好きだ
GJ!

262:風と木の名無しさん
11/05/16 03:20:53.44 aL266kdj0
こういう仲良しカップル大好きです
GJ!

263:風と木の名無しさん
11/05/16 10:14:19.76 hNRTyECQO
> まず俺達は、別の暖簾をくぐる必要もない が妙にツボった
GJ!

264:風と木の名無しさん
11/05/16 10:29:29.73 2sd/L2ZS0
ロマンチックバカwwwwww
超つぼった

265:風と木の名無しさん
11/05/16 10:37:38.19 1Kcl5ioiO
いい歌はいつまで経ってもいいよねー
若いときは不自由も苦でなくて何も怖くなかったな…というのを物悲しく歌い上げてて沁みる
年をとると歌詞の意味とか良さがわかってきたりするよね

この受け?さんも十年後、二十年後そう思い返すのかなあとか
チョイスがあの歌だからこそ色々先行きを想像した
短いネタなのに深い

266:風と木の名無しさん
11/05/16 12:53:03.78 MzmtM7Tc0
主観的に違うと思っていても
客観的には同じ辿り方ってことか…鳥肌たった
GJです

267:風と木の名無しさん
11/05/16 15:15:02.07 jxtydnn00
ロマンチックバカな相棒がかわいすぎるよ
GJ!

268:風と木の名無しさん
11/05/16 15:46:56.63 v0YQaObbO
踏む?

269:風と木の名無しさん
11/05/16 15:50:40.81 QOXg1VJNi
俺様とおぼっちゃま

270:風と木の名無しさん
11/05/17 15:54:38.15 nLMNIcpEi
流しますね

271:風と木の名無しさん
11/05/17 16:15:53.89 W04WKao80
間に合わなかった…ので別館に投稿させていただきました。
まわします

272:風と木の名無しさん
11/05/17 16:39:28.51 ocMqON9eO
今から読みに行ってきますまわし

273:風と木の名無しさん
11/05/17 17:58:34.67 GMfqgkikO
読んできました2つもあったひゃっほいまわし

274:風と木の名無しさん
11/05/17 18:01:32.63 pSJM7AcS0
読んで萌え転がったよありがとうまわし

275:風と木の名無しさん
11/05/17 18:50:13.34 mNhhUhgVO
ゴルゴ801

276:風と木の名無しさん
11/05/17 19:34:56.67 AYCxTblX0
2つとも可愛くてニラニラしたよまわし

277:風と木の名無しさん
11/05/17 22:02:56.65 knfPVLpJ0
ニヨニヨw

278:風と木の名無しさん
11/05/17 22:19:14.97 t3DBWXH+O
踏みたい?

279:風と木の名無しさん
11/05/17 22:19:39.04 cyjcog1EO
犯した直後の攻めの涙

280:風と木の名無しさん
11/05/17 22:21:11.85 N+8Z+JsrO
時々酷く幼いから

281:208
11/05/17 22:49:44.63 N+8Z+JsrO
終ぞ我に帰った目の前の彼は目尻に涙を浮かべて頭を下げている。
おいおい、犯されたのは俺だっていうのに。

何度もやめろと言ったのに制止も聞かずに俺の身体を暴いた大きな背中は小さく丸められ、涙混じりの声でごめんなさいと繰り返す姿は、ついさっきまで俺を組み敷いていた時と全く違って酷く小さく見えた。
毎回のように説教しても「つい、我を忘れて」がっついてしまうというのだから始末に負えない。
ていうか、毎回謝るけれど「次は抑える」なんてことは一度も口にしないのだから自覚はあるんだろうなと大きくため息をついた。
ため息を見ると呆れられたのかと思ったのか更に泣きながら謝罪を繰り返す。
その姿は大好きな飼い主に捨てられそうな犬を彷彿とさせた。

ああもう。
そんなに涙を見せられては、怒る事も嫌う事も出来ないじゃないか。

282:風と木の名無しさん
11/05/18 00:21:32.94 CdQXw7Ao0
キュンときた!!
攻が可愛いよ!GJ!

283:風と木の名無しさん
11/05/18 00:32:04.52 t52fJk0DO
>>281
ヌゲー萌えた!!
おバカなわんこみたいな攻めがかわいいw
そして投下早すぎ!!全力でGJ

284:風と木の名無しさん
11/05/18 00:54:58.68 10azHR3WO
この攻めなら無理矢理でも許さざるをえないw
もう寧ろ受けが守ってやってくれw
即行の投下と良い萌えにGJ!!

285:風と木の名無しさん
11/05/18 18:10:18.91 P8JVo46b0
うわー理想のヘタレ攻めとほだされる受け……!
萌えましたGJ!

286:風と木の名無しさん
11/05/18 23:10:46.79 JL3S5a8v0
くるくるまわしてもいいかな

287:風と木の名無しさん
11/05/18 23:49:25.16 Ko8/W4Bb0
さあ まわるがよい!

288:風と木の名無しさん
11/05/18 23:55:14.21 vtsFbqGo0
思う存分踏んでちょうだい

289:風と木の名無しさん
11/05/18 23:55:27.03 p6pAGNQ00
絵画の中の男に恋をした

290:1/3
11/05/19 02:55:50.82 /A5+9A6a0
その日、俺は美術館に来ていた。
アパートの近くに新しい美術館ができたと後輩が自慢気に話しており、バイトの休みを利用してなんとなく足を運んでみた。
平日の午後という時間帯のせいか、館内に客は俺だけだ。
だが、これといって芸術に興味があるわけではなく、単なる好奇心で足を運んでいた俺にとってはどれもただの平面に描かれた線や点にしか見えず、やや歩調を遅くしてそれぞれの作品を流し見ていた。

終盤に差し掛かり、来たことを後悔しはじめた頃、一つの絵の前で歩みを止められた。
その絵は部屋の隅の方にあり、照明も薄暗く、また絵自体も小さく、決して華やかとは言えなかった。
そして俺自身も、なぜこの絵の前で立ち止まったのかはわからなかった。

30cmほどの正方形の中には、1人の男がいた。
何の変哲もない男なのに、どうして目が離せないんだろう。
俺はその男を知っているような気さえしたが、この絵を見るのは初めてのはずだった。
むしろ以前に見たことがあるとしたら、忘れるわけがないと思った。
男を見ていると、彼は俺に語りかけてきている気がした。
もちろん絵にそんな事はできないことはわかっていたが、美術館特有の空気にあてられたのか、俺は彼が何を伝えようとしているのか読み取ろうとした。

291:2/3
11/05/19 02:56:32.81 /A5+9A6a0
気付けば窓の外が黄昏に染まっていた。
閉館時間も近い。
次の瞬間、俺は自分でも信じられない行動を起こした。
彼を壁から外し、外に向かって一目散に走り出した。
受付の女性が何か叫んでいるが、何を言っているのかはわからなかった。

走り続けてようやく家についた頃には、あたりは暗くなっていた。
部屋に入り、散らかった物を足でどけて、ポスターを剥がし、彼を壁にかけた。
そして、彼との対話を再開させた。
彼との対話はとても魅力的だった。
彼は落ち着いており、ユーモアがあり、知的であり、とにかく惹きつけられる人物だった。
彼と話している間は時間を忘れるほど楽しく、睡眠時間も減り、バイトに遅刻することも多くなった。
顔色が悪くなった俺を後輩が心配してくれたが、寝ているより彼と話している方がずっとよかった。
俺は太陽を嫌う彼のために遮光カーテンを取り付け、バイトも行かなくなり、一日中部屋で彼と話すようになった。

292:3/3
11/05/19 02:57:08.04 /A5+9A6a0
俺はバイトを休み始めた先輩の家に来ていた。
最近顔色も悪かったし、変な病気にでもなってないといいんだけど。
お前ならいーよと無用心な先輩にもらった合鍵を使い、部屋に入る。
「先輩、いるんすかー?って暗っ!」
「電気どこだったっけ……あ、ここかって誰もいねー」
俺は散らかった部屋を見渡したが、先輩はいなかった。
実家にでも帰ったのかな?
「あれ?こんな絵あったっけ…?」
以前部屋に遊びに来た時にはポスターが貼ってあったはずの場所に、小さい絵がかかっていた。
絵には男が2人並んでおり、どこかで見たような顔だった。
「ってこれ右側先輩じゃんw先輩、自画像飾るとか趣味悪いっすよwww」
けれど、その絵はどこか惹きつけられるものであった。
「先輩、今度返すんでちっと貸してくださいね……」
良くないことだとは理解しながらも、俺はその絵を持ち帰らずにはいられなかった。

293:風と木の名無しさん
11/05/19 03:10:17.09 muLcbV7HO
うわぁぁぁぁぁ
タ/モリのアレみたいな雰囲気好きだ!

GJ!

294:風と木の名無しさん
11/05/19 03:47:02.53 es7BhaS50
自分も、世/にも奇/妙な物/語みたいだと思ったw

後輩がかわいいくてキュンキュンする
GJ!

295:風と木の名無しさん
11/05/19 04:36:13.61 NXwCZJXwO
おおーっと! これはまさかの乱交の予兆でありましょうか!
一人が二人、二人が三人、際限無く男を引き込むまさに魔性の受けといったところ!
こうなりますと描いた作者の意図が非常に気になりますね!
まさかまさかの願望をそのまま描いた自画像なんでありましょうか!

296:風と木の名無しさん
11/05/19 04:57:21.11 R2qJcBza0
合鍵もらってるとか、絶対ただの先輩と後輩の関係じゃないよね

297:風と木の名無しさん
11/05/19 09:59:08.76 sSlgg9FxO
>>290
神って呼んでいいですか?
萌えたし話が凄くおもしろかった!!!
漫画化してほしいよこれ!
GJ

298:風と木の名無しさん
11/05/19 10:25:30.69 ff3LRe93O
踏めるものなら、どうぞ

299:風と木の名無しさん
11/05/19 10:28:47.36 pVBDjOadO
パンツをかぶってみた

300:風と木の名無しさん
11/05/19 12:37:43.30 yV/1n8oeI
パンツをかぶってみる事にした
いつものように部屋へ入ってきたあいつは驚いた顔で俺をみつめていた
変態だとののしられるだろうか
「本当にお前は面白いな。馬鹿ばっかやって俺を笑わせようとするんだから」
彼はまた俺がやった馬鹿なことを許してくれた。
どうしてだろう。今までだってさんざん馬鹿な事をしてきて
なんとか彼に嫌われようとしてきたのに。
早く俺なんか嫌いになってこの病室にくるのを止めれば良いのに

俺の余命はあと3ヶ月

今度はどうやって嫌われようか

301:風と木の名無しさん
11/05/19 12:49:02.64 mEGlAeUh0
うわあこれ、あいつがどんな表情して言ったのかと思うと…
ちょっと目元歪ませながら仕方ねーなって笑ってるのかな

302:風と木の名無しさん
11/05/19 13:09:35.30 ClkQB6+/0
早い!GJ!
悲壮感のない短い文の中で俺があいつを思って遠ざけようとするのが出てた
嫌われようとしてパンツかぶるっていう行動のチョイスがかわいいw

303:風と木の名無しさん
11/05/19 13:44:22.54 EFhFVTNz0
GJ!
パンツかぶるってのからこんな切ない萌えが出てくるとは!!

304:風と木の名無しさん
11/05/19 14:14:15.41 mCBF16jM0
GJ
まさかこのお題で切ないのが来るとはw

305:風と木の名無しさん
11/05/19 14:52:11.04 /A5+9A6a0
絶対笑い萌えだと思ったのに、目頭が熱くなった…
GJです!

306:風と木の名無しさん
11/05/19 15:41:23.00 sSlgg9FxO
>>300
ひあああああツボすぎる
「あいつ」が俺の余命を知ってるのか知らないのか気になるなあ
「俺」は「あいつ」に余命短いことを気付かれないうちに別れようとしてるんだろうか…
どっちにしろ悲しいな
GJ

307: 忍法帖【Lv=31,xxxPT】
11/05/19 15:43:46.29 bvOnxF8w0
笑えるのかと思ったら切なかった
行動からして、天然なのか子供なのかと思うと更に切ない
GJ

308:風と木の名無しさん
11/05/19 15:55:19.41 OF3KJrN+i
流れ早いから俺を踏む前にちゃんと更新してね?

309:風と木の名無しさん
11/05/19 15:58:40.34 ABCxLEH/0
ノンケ×ノンケ

310:風と木の名無しさん
11/05/19 19:28:23.86 yV/1n8oeI
なんでもよくできる人の良いノンケAと、努力してもAに追いつけない嫉妬屋のノンケB
ノンケAが好きな女の子に、告白されたノンケB
ノンケAに初めて勝った気がして、ノンケBはそのまま女の子と付き合う事に
その事をAに報告すると
A「そうか、良かったな!俺はきっぱり諦めるから、彼女を幸せにしろよ!」
と言って無理に笑って去って行くA
やっとAに勝てたのに、少しも嬉しくないB
彼女との時間を邪魔しないようにと、だんだんBを避けるようになるA
何故か解らないけど、それがとても悲しくてしかたないB
Bが実はAに惚れていたと気がつくのはずっとずっと先

311:風と木の名無しさん
11/05/19 20:17:51.95 /RX/Gngxi
離れそうになって初めて気付く感情、いいですね…

GJです!そして連作乙です!

312:風と木の名無しさん
11/05/19 20:56:15.54 pVBDjOadO
これはいい萌え語り
紆余曲折が長そうな二人でこれから色々なドラマを展開してくれるのでしょう
GJ!

313:風と木の名無しさん
11/05/19 21:12:21.28 O39FAiHT0
立て続けに0投下した人初めて見た
ちゃちゃっと書けて時間もあって凄い
発想豊かで羨ましいです!

314:風と木の名無しさん
11/05/19 22:37:21.31 u9l67QCtO
2本連続で萌えた
短いなかに萌えがぎゅっと詰まってる感じ。GJ!

315:風と木の名無しさん
11/05/19 23:19:47.60 sSlgg9FxO
鮮やかだなぁ
短時間に短文で素晴らしい萌え語りをありがとう
GJ

316:風と木の名無しさん
11/05/20 08:44:08.87 ZqEVyh3s0
凄い同じ人なのか

317:風と木の名無しさん
11/05/20 09:11:17.15 M2V+yrGmO
自分もはじめてみた
…と思ったけどいたな
でもID同じはじめて
GJ

318:風と木の名無しさん
11/05/20 09:24:40.18 01kwm84aO
GJしながら踏み台になってみる

319:風と木の名無しさん
11/05/20 09:32:32.84 FyjWjQuVO
他の人には優しさを振り撒くけど、あの人だけは嫌がる顔が見たい

320:風と木の名無しさん
11/05/20 23:01:41.16 uZtX7hyK0
「は?どういうこと?要するに特定の個人に嫌がらせしたいわけ?」
「いや、そーじゃなくてだな…なんつーかこう…あるだろ?そういう心理」
「ないよ」
「あるって!あいつを泣かせていいのは俺だけだ!的な」
「なにその歪んだ願望」
「それにさ、相手も他の人には優しいのに何で自分だけ?って引っかかると思わねえ?」
「そうだね。僕だったら、ああ嫌われてるんだなと納得して君から距離を置く」
「いやいやいや!一人で納得すんなよ。そこで諦めんなよ」
「自分から嫌がることしておいて、相手にそういう要求するのはどうかと思う」
「わっかんねーかなー……誰にだってちょっとくらいあるだろ、そういう願望。
 別の扱いしたいっつーか……そいつにも、俺は周りと違うと思われたいっつーか」
「同じ特別扱いなら、その人にだけ優しくして他の人に冷たく当たった方がいいんじゃないの」
「それじゃ駄目なんだよ。普段は見せない顔が見たい、でもってその顔させるのは俺でありたいの!」
「変態」
「うっ」
「……。まあ、君個人の嗜好だから止めろとまでは言わないけど。あくまで同意の上で、
 君も相手の気持ちを考えて、程度さえ弁えていれば、軽いSMプレイだと言えなくもないし」
「ちょ、お前、SMとか言うなよ」
「違うの?」
「ちが…わないかもしれねーけど、言い方がきつい!」
「今、僕に願望を語ってる時点である程度開き直ってるんだから、そこも認めればいい」
「ううう」
「まあでも、君はそういう願望を実行に移そうとしても空回りすると思うよ」
「ひっでー……。お前さ、なにげに俺にはいつも口悪くない?他の奴には優しいのにさー」
「さあ。どうだろうね」

321:風と木の名無しさん
11/05/20 23:49:08.23 s7wsjN1a0
そうきたか!
『僕』が実行して空回りしてるんだから、『君』も空回りするだろうってことか
コミカルな会話だけど、『僕』視点で考えるとかなり切ないよね
GJ!

322:風と木の名無しさん
11/05/21 01:54:13.50 18g74RXvO
僕→俺→あいつ
で一方通行片思いなのか、
相談と見せかけての
僕(あいつ)→←俺
なのか。

どっちとも取れるツンツンデレ愛GJ!

323:風と木の名無しさん
11/05/21 07:25:09.17 p7To2nYa0
『俺』の最後の一言に愛を感じたw
GJ!

324:風と木の名無しさん
11/05/21 20:15:56.30 gVKkvRmS0
「僕」くんの目的はの空回ってても
結局のトコ仲良しなのが萌える
嫌がる顔が見たいのは
確かにS以外の何者でもないw

325:風と木の名無しさん
11/05/21 22:05:05.17 EW0tIga2O
お題からして暗い一人称のSSがきそうと思ってた
いい意味でコミカルでよかった

326:風と木の名無しさん
11/05/21 23:31:03.49 KGMF75iQ0
最後でニヤリとしたよまわし

327:風と木の名無しさん
11/05/21 23:57:25.77 0qUxdBj50
どすこいどすこいまわしまわし

328:風と木の名無しさん
11/05/21 23:59:19.40 ojbGzVLl0
踏め!

329:風と木の名無しさん
11/05/22 00:01:56.40 I4akq/Y50
盗賊×王子

330:1/3
11/05/22 02:47:34.33 6jNzndgt0
とうぞく があらわれた!▼
>コマンド?
 →たたかう / とくぎ / ぼうぎょ / どうぐ / にげる
--------------
とうぞく はニヤニヤとわらっている
おうじ のこうげき!
とうぞく はひらりとみをかわした!▼
>コマンド?
  たたかう /→とくぎ / ぼうぎょ / どうぐ / にげる
>とくぎ?
 →せいしんとういつ
--------------
とうぞく はニヤニヤとわらっている
おうじ は 『せいしんとういつ』 をこころみた!
おうじ の こうげきりょく と すばやさ があがった!▼
>コマンド?
 →たたかう / とくぎ / ぼうぎょ / どうぐ / にげる
--------------
おうじ のこうげき!
かいしんのいちげき!
とうぞく に 200 のダメージ!
とうぞく のこうげき!
おうじ に 150 のダメージ!▼
>コマンド?
  たたかう / とくぎ /→ぼうぎょ / どうぐ / にげる
--------------
おうじ はみをまもっている!
とうぞく のこうげき!
おうじ に 80 のダメージ!
おうじ は どく をうけた!▼

331:2/3
11/05/22 02:48:58.10 6jNzndgt0
>コマンド?
  たたかう / とくぎ / ぼうぎょ /→どうぐ / にげる
>どうぐ?
 →こうきゅうやくそう
  →おうじ
--------------
とうぞく は 『ナイフなげ』 をはなった!
おうじ に 70 のダメージ!
おうじ は まひじょうたいになった!
おうじ は 『こうきゅうやくそう』をつかった!
しかし しびれてうごけない!
おうじ は どくにおかされている!
おうじ に 30 のダメージ!▼
>コマンド?
  たたかう / とくぎ / ぼうぎょ / どうぐ /→にげる
--------------
とうぞく はニヤニヤとわらっている
おうじ はにげだした!
しかし


一瞬視線が逸れた隙に逃げ出そうと思ったのだが、簡単に回り込まれてしまった。
背の高いその男は、大袈裟に肩をすくめて見せた。
「そこで逃げるのはどうかと思うけどなあ、俺は」
睨み返してやったが、男はニヤニヤとした笑いを崩さなかった。
「勇ましいねえ。けど、お偉い方がこんなところへノコノコ一人で来るもんじゃないよ?」
「黙れ!この、悪党!」
「おっと」
言葉と裏腹に振り上げた剣に勢いは殆ど無く、いとも簡単に避けられてしまう。
地面を踏みしめている足に力が入らない。指先が痺れる。
しかし力を振り絞り、振り上げた剣をそのまま横に薙ぎ払った。
「おー、ナイスファイト」

332:3/3
11/05/22 02:50:23.99 6jNzndgt0
男は軽く口笛を吹き、今度は剣の刃を片手で受け止めた。
皮製の手袋を嵌めているのだと思ったが、鉄糸か何かを編みこんでいるものだったらしい。鈍い金属音が響く。
「さすが、良い剣をお使いだ。けど、どんな名剣でもそんなへっぴり腰じゃ意味ないよ?」
「離せ……!」
「嫌だね」
男は刃を掴んで、いまだ笑みを浮かべたまま、こちらを覗き込んでくる。
首から血が流れているにも関わらず、それを気に留める素振りもない。
「いきなりひとのヤサに乗り込んで暴れて。いくら王子様でもやって良いことと悪いことがあるでしょうよ」
「貴様のような悪党が、それを言うか!」
「悪党か。ま、俺も各方面に恨みを買ってる自覚はあるけどさ、でもアンタみたいな王室直系の王子様直々に
 殺気出しまくりで頚動脈を狙う一撃を繰り出されるような悪さをした覚えは無いんだけどなあ」
傷をこちらに見せるように首を傾げてみせる。―首の皮一枚、もう一歩踏み込めていれば仕留められていたものを。
「そんな噛み付きそうな顔してこっち見ないでよ。綺麗な顔が台無しだぜ?おーじさま」
「うる…さ、い……」
「あ、そろそろ立ってるのもしんどいんじゃない?ナイフに塗ってた神経毒、じわじわ効くタイプだから」
男の言う通り、脚も腕も痺れて感覚が殆ど無い。頭痛も酷い。視界が霞んでいく。
それでも。
「お前だけは、……許す、わけ、には……」
それでも、この『悪党』だけは私の手で―
「……。ま、いいや」
小さい呟きと共に、男は刃から手を離した。
支えを失い、言うことを聞かない身体は剣ともども地面へ崩れ落ちる。
男がこちらへ屈みこむ気配がした。
そのままとどめを刺されると思ったが、降って来たのは信じがたいものだった。
「とりあえず、さっさと解毒しないと後遺症が怖いから解毒して、話はそれからだね」
「……な、に?」
顔をあげて男の表情を窺おうとするが、よく見えない。
「王子様ってのは王宮でお気楽に生きてるもんだと思ったけど、なかなか面白そうな御人だねえ」
呆れたような、面白がるような声を聞きながら、意識は闇へと落ちていった。

333:風と木の名無しさん
11/05/22 04:25:15.05 zX279H7Z0
構成がめちゃめちゃ面白い!!!
余裕たっぷりな盗賊と必死で強気な王子・・・!
こんなに滾るとは思いませんでしたGJ!!!

334:風と木の名無しさん
11/05/22 06:32:53.40 fhHV1xtH0
コマンド形式からイベントモードへのナイス展開。
王子様の乗り込んだ理由が意味深だねぇ。


335:風と木の名無しさん
11/05/22 08:29:00.11 pWGBG72/0
おおGJ!
物語の導入部だねえ
いろいろ気になりまくる!

336:風と木の名無しさん
11/05/22 09:21:22.04 ZXYC42PvO
この後なんやかんやで仲間になるんですね
わかります

337:風と木の名無しさん
11/05/22 09:26:14.38 CDlT81By0
なかなか罪作りな盗賊ですねGJ
おそれ多くも王族の誰か(兄王子とかだと滾る)の心を盗んだ悪党を
王子手ずから討ちにきたのでないかとゲスパー

338:風と木の名無しさん
11/05/22 09:56:01.27 /N7CU7A5O
よく確認してから俺を踏めよ

339:風と木の名無しさん
11/05/22 09:57:57.87 efpaxM0g0
似合う女装×似合わない女装

340:風と木の名無しさん
11/05/22 12:11:44.58 uGCQJHnLO
まずは、二人に身長差があまりない事を前提に話を進めます。
シチュエーションは、そうですね……文化祭や体育祭などのベタなイベントで行きましょう。

片方は、完璧主義なので、すね毛等の無駄毛処理をこなした上で、メイド服を着込みます。
多少、ゴツゴツした印象は見られますが、後ろ姿や立ち姿は正に女性のよう。
それを見て、もう片方は己の姿を見ます。

すべてお座なりで、適当な出来栄え。
やっすい素材で出来た、ペラペラなセーラー服。
ムダ毛処理に失敗し、傷だらけの足を隠す為にはいた黒ニーソ、もしくは黒タイツが何だかエロいくらいで、残念な感じ。
それでも、祭りだしいいか、くらいで割り切ります。

さて、祭り当日。
攻めの完璧女装から、ナンパや隠し撮りが頻発。
更には、良からぬ事を企む輩―男子校内のミスコンに絡んでいたり、個人的な恨みだったり、そんな厄介事が起こるのも、もはやお約束。
そして、ことごとく攻めの拉致に失敗した彼らは、残念女装の受けが通りかかったのを、仕方なく拉致。
取り柄が、何だかエロい足だけなので、うっかりスカートが捲れない限り、当て馬達の嫌らしい目は向きません。

「んで、受けがピンチの所に、メイド服をなびかせた攻めが登場。当て馬全員フルボッコにする話書いてよー部長ー」
「却下。つか、この前の俺らじゃないか」

341:風と木の名無しさん
11/05/22 13:06:40.50 WrWx+i1D0
仕方なく拉致とか何だかエロい足にうっかり萌えたw
美少女戦士的な攻めがイイよGJ!

342:風と木の名無しさん
11/05/22 15:45:27.42 gUEcgMWf0
笑えましたw
最後の二行がいいね
GJ

343:風と木の名無しさん
11/05/23 02:07:24.33 Sa8mRFeH0
部長がどっちでも萌えるgj

344:風と木の名無しさん
11/05/23 10:17:43.64 Q8gu3LMa0
ぜひ部長が受けで!GJ

345:風と木の名無しさん
11/05/23 15:06:23.69 XDF2D3vXO
妄想が広がるww
仲良さげな雰囲気が好きだ、GJ

346:風と木の名無しさん
11/05/23 17:48:26.94 Vv/8Xwub0
失敗はしたものの一応ムダ毛処理を試みた受けが可愛い
GJ!

347:風と木の名無しさん
11/05/23 20:55:54.46 G/kOLB1Q0
この前の俺らに妄想しつつまわし

348:風と木の名無しさん
11/05/23 20:59:25.29 7g6eFjtk0
どうぞ踏んでくださいませ

349:風と木の名無しさん
11/05/23 21:05:40.67 KoySPG1PO
荒くれ傭兵と士官学校出エリート

350:1/2
11/05/24 16:59:12.86 ZW+wfLx/0
何を言ったのか、思い出してみる。
「士官学校出のエリートってだけで人の命を預かろうってのは、図々しいんじゃないか? え?」
「自分のタマひとつ守れやしねえひよっこ」
「俺達には命令無用だ、こっちは士官様のお気に召すように上品にできてないんでな」
「せいぜい足手まといにならねえようにな、お坊ちゃん」
そもそも自分達傭兵部隊には別の上官がついていて、そいつはそれなりに老練なたたき上げだったので不満はなかった。
言えば、若い士官はよいからかい相手だったというだけのことだ。
若い士官は何を言われても言い返さず、ただきゅっと唇をかんだり、眉をひそめたりして、そんなところがおもしろくてまたからかわれた。
それなりに厳しく部下には接していたようだが、部下の方もなんとなく軽く扱っているようだった。
若いというのはそれだけでつらいものだ。
つまり自分達を含め、この小さな辺境部隊は、暗い退屈な日々のうさを若い士官相手に軽く晴らしていたというわけだ。

351:2/2
11/05/24 17:08:29.27 ZW+wfLx/0
忘れ去られていると油断していた部隊に急襲があったのは、一昨日のことだった。
あれから二夜が明けている。部隊は壊滅状態、援軍はこない。
残ったわずかな兵は森に隠れたが、低くとどろく回転翼、遠くに響く銃声から、そう長く持ちそうもないことは明白だった。
傷を負った奴のうめきも、昨夜のうちにほとんどが途絶えた。
ばかばかしい。おのれの実力を頼みに生きてきたが、ほとんど手も足も出ずここで終わりだ。
「……戻ったら畑を買うつもりだったが」
思わず漏れた自嘲に、期待していなかった返事があった。
「田舎のなのか、お前のくには?」
いつの間にか、あの若い士官がすぐ隣の茂みにいる。
「あんた、生きてたのか」
「運がよかった、と言いたそうだな」
「……ああ、運がよかったな、兵舎は木っ端みじんだった」
「……たまたま外に出ていた。部下達はだめだったろう。お前の隊は?」
「ちりぢりでわからん。まあ、こうなりゃ遅かれ早かれ誰の運命も一緒だな」
タタタ、と軽い銃声がまた響いた。遠いと思う。
「移動したいが……どこも敵でいっぱいだろう、それにお前達を集めねばならん」
「無理だよ、士官さん、じたばたしてもはじまらねえ」
「投降してもいい」
若い士官はあっさり言った。
「あんた、それでもいいのか?」
「さて。どちらにしても命がないのなら、少しは分がある方にかけたい」
驚いた。ひ弱で経験のないこの男が、敗残の将として泥をかぶるつもりだ。
「俺たちは所詮雇われ兵だが、あんたは違う。裁判が待ってるぜ」
若いから、何も知らないから。馬鹿だから、平然として?
見返したら、疲労と絶望に充血してなおもまっすぐに俺を射た目が、生涯忘れられない光景となった。
「俺の役割だ」
もぞもぞと藪の中を、軍服の破れを引っかけながら這い出し、
「協力してくれ。生き残っている者をなるべく集めたい」
この男を死なせたくない。惜しい。
奔流のようにせり上がった思いは叶うことがなかった。
最後に見たのは、泥まみれの背。銃を突きつけられて、俺達をかばうように立ちふさがる。
思うたびこの胸に覚える激しい痛みだけが、俺が預かっているあの男の勲章なのだ。

352:風と木の名無しさん
11/05/24 17:25:26.01 Hld53gKlO
(´;ω;`)ブワッ
士官さん格好よすぎる
生き残った傭兵さんのその後が気になりました。切ないお…
GJ

353:風と木の名無しさん
11/05/24 17:34:16.86 hXkYpuJR0
燃えましたGJ
エリートはかくあるべし

354:風と木の名無しさん
11/05/24 18:18:25.81 YvOuVafa0
軍隊物だから、軍隊での××しか思ってなかったよ…すみません
こんな切ないお話がくるとは
かっこいい
GJ

355:風と木の名無しさん
11/05/24 18:39:01.77 CBVpyoMz0
熱いね GJGJ

356:風と木の名無しさん
11/05/24 19:11:29.76 1oJRC4aYO
「俺の役割だ」にぐっときた。
GJ!

357:風と木の名無しさん
11/05/24 19:18:14.13 e1eM+3oZ0
士官さんがかっこよ過ぎて、もう…GJ!!
これから傭兵の心の中で、永遠に生き続けるんですね
燃えと萌え、両方堪能しました
ありがとう

358:風と木の名無しさん
11/05/24 19:19:31.87 tvM/9oHxO
まさに男が惚れる男

359:風と木の名無しさん
11/05/24 19:30:58.33 MI8KJ2a1O
三味線奏者

360:風と木の名無しさん
11/05/25 01:26:51.42 pOeNUYAlO
俺は父母の顔を知らない。
生まれついて盲目だからだ。
まあ、仮にこの目が見えていたとしても知りたいなんてかけらも思わなかっただろう。
役にも立たないお前なんか産まなきゃよかったと挨拶代わりに吐き捨てる母に、厄介者扱いして狭い座敷牢に閉じ込めた父。
貧しい寒村では仕方のないことだ。
俺もわかっていたから愚痴なんて言わなかったし長く生きるつもりもなかった。
身分を弁えて、黴臭い四畳半の座敷牢でひたすら死だけを待ち望んで生きていた。
…あの人に会うまでは。
「師匠…」
冷たくなったその人の頬を、鼻を、瞼を撫でる。
親兄弟にすら思わなかったのに、初めて知りたいと思ったその人の顔を。
「あの時、俺がどんな気持ちで聞いていたか、あなたは知らないでしょう。」
ただ息をしているだけの絶望的な暗闇の中に、突如流れてきた美しい音色。
あの時の感動は生涯忘れられない。
『一緒に、くるかい?』
流しの三味線奏者の何気ない一言によって俺は初めて幸せを知った。
『目が見えなくたって、人を楽しませることは、できるんだよ』
厳しい練習を重ね、指を血まみれにしながら覚えた三味線。
あなたは、盲目の俺が自分の死後も生きていけるようにと仕込んでくれたのでしょう。
でも俺は、違う。
あなたの音色に。いや、あなた自身に。
少しでも近づきたくて。
「音だけでも、俺のものにしたかったんだ」
一人前になって初めてあなたのために奏でる三味線が、弔いの唄だなんて哀しすぎるけれど。

361:風と木の名無しさん
11/05/25 02:16:49.64 GU7ey2p70
そう来たかー!GJ
せつな萌えました。

362:風と木の名無しさん
11/05/25 03:07:09.26 EjkbDujA0
まわし

363:風と木の名無しさん
11/05/25 05:15:31.47 Ut5znKhJO
せつねえ…GJ

364:風と木の名無しさん
11/05/25 05:40:17.31 O7j3sUhx0
連続で切ないのは堪えるねぇ…
でもいい話でしたっ!GJ!

365:風と木の名無しさん
11/05/25 08:19:31.59 IYEGPUEoO
三味線って哀愁漂う楽器だからなぁ。

別館にもきていて良かったです。GJ


366:風と木の名無しさん
11/05/25 22:15:55.53 rQuy6tD30
ラスト二行が胸に突き刺さる…
難しいお題をコンパクトにまとめて萌えさせる手腕すばらしいです GJ

367:風と木の名無しさん
11/05/25 23:29:02.60 yiqoBPvj0
書こうと思ってたけど、断念して良かった・・・素晴らしい

368:風と木の名無しさん
11/05/25 23:32:21.91 +4HcuPO50
踏んで~

369: 忍法帖【Lv=2,xxxP】
11/05/25 23:34:29.37 GU7ey2p70
騎士と僧侶

370:風と木の名無しさん
11/05/26 01:58:11.84 GXFqLefUO
「おまえなんか俺がいなきゃとっくに棺桶のくせに!」
「それはこっちのセリフです。すぐぼこすかやられるくせに」

ふん、とお互いに顔をそむけてそのまま逆方向に歩きだした。
魔物の巣窟である森の中は暗い。

「剣しか能のない馬鹿め。だいたい相手の攻撃全部もろにうけてるくせに何様ですか。私が回復魔法かけないとあなたこそ棺桶じゃないですか。だからもっと攻撃を避けることをしろと言っただけなのに、文句たらたらうるさいんですよ。私は」

もっとあなたの身を大切にしてほしいだけなのに。
あなたが守るべきは、何よりあなたであってほしいのに。

「っ……!」
茂みから突然あらわれた魔物に肩をおおきな爪でひっかかれた。
強い魔力を感じる。それも3体。
はたして自分ひとりで勝てるだろうか。
汗ばんだ手で杖を握りしめる。
1体の魔物が猛然と襲いかかってきた。


「だから。おまえは俺がいなきゃダメだって言ったろ」

かばうように背中を向けて目の前に立ちはだかった男。
腕から血が流れるのが見えた。
守る背中が、痛くて、うれしい。

「……あなただって、私がいないとダメでしょう」
「もうそういうことにしといてやるから、とっとと片づけるぞ。頼むぜ、相棒」

それもこっちのセリフです。
どうか、頼みますからね。



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