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モララーのビデオ棚in801板64 - 暇つぶし2ch71:ヘタレくんとツンデレくん2/10 ◆CPu0lwnplk
11/03/18 22:25:05.84 etzSJQNh0
 数歩歩くだけで台所との間のドアの前に行きつき、ノブに手をかけて開けた。
 「社長、戻りました」
 「おう」
 台所には丑嶋が立っていて、鍋を掻き混ぜながら返事をした。高田は丑嶋の大きな背中にそれとなく手を這わし、鍋の中を覗いた。中には茶色のスープと大きく切られ
た肉と野菜の塊がグツグツと煮込まれている。
 「カレーですか?」
 「あ?ビーフシチューだ。匂いで分かるだろうが。もう少しで出来るから」
 言われてみれば匂いがカレーとビーフシチューでは全く違うのだが、料理が出来ない高田にとっては、見かけにおいてはカレーとビーフシチューの見分けはつかない。
 会社の前で別れ、レコードショップに向かった高田と、高田の部屋に向かった丑嶋。高田が留守にした時間は2時間近くだが、料理をしないので2時間足らずでビーフ
シチューを作れるのが手早いのかも分からない。 
 美味しそうな匂いがした時点で何かが台所で行われているのは分かっていたが、まさか鍋まで持ち出して本格的に料理してくれているとは思わなかった。
 何しろ、高田としては我が家の台所なのに、丑嶋が今使っている鍋などの調理器具があったことさえも知らなかったのだ。恐らく調理器具自体は以前に部屋に来た何人
かの女性達が買いそろえてくれて、丑嶋が来る前からあったのだろう。それでも知らなかったのは、来てくれた女性達が料理する姿なんて一切興味がなく、出来る料理に
も興味が左程なくて、今のように台所に乗り込んで来たのは初めてとも言えるからだ。 
 焦げないように鍋を掻き混ぜる丑嶋を見ていると、後ろから腰に腕を回して広い背中に顔を埋めてしまいたくなってしまう。そんなことしたら丑嶋はどういう反応をす
るだろうか。いつも通り冷静さを崩さずいるだろうか。それとも、照れ隠しに怒りだすだろうか。


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