11/03/14 09:58:45.53 zYRJYLS2O
連投すみません。
半生注意。>>31の続きで、映画「緑蜂」より社長と助手、+秘書。
ケンカップルと世話焼きオカン的関係。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「……力ト-、待てよ!俺が悪かった」
「いいよもう、しょせん君にはわからないだろうから」
「違う、さっきのあれは、本気じゃなかったんだ。お前の友達の好みをサイテーなんて言っちまって……その、ホントすまなかった」
よっぽど腹に据えかねたのか、相棒は纏わり付く俺をほとんど無視してバイクに跨がり、ヘルメットを頭に乗せた。
焦りと後悔で動揺した俺は、つい声を荒げて怒鳴りつけた。
「だってお前が、俺が嫉妬してるなんて言うから!売り言葉に買い言葉ってやつだったんだよ」
「また、僕のせいか」
横目で冷笑されて俺はますますカッとなり、なりふり構わず叫んでしまった。
「そうだよ、お前のせいだ!お前が俺の知らない店で、俺の知らない奴らと飯なんか食ってるからだ。なんだよ、バカみたいに大笑いしやがって。あんな顔、俺の前じゃ滅多にしないくせに!」
一息にまくし立ててからはっと我に返ると、相棒は黒目勝ちな目を精一杯開いて俺を見つめ、呆気に取られているようだった。きっと今の俺はフラミンゴみたいに、全身が真っ赤になっているに違いない。
相棒はやがて、深いシワを眉間に刻んだ。この表情には見覚えがある。バカをやった俺を叱る前に、親父がよくこんな顔をしていた。
しかしこいつは、俺を叱り飛ばしたり、嘲笑ったりはしなかった。
「ブリシト、君……そんなことで怒ってたのか」
相棒はシートに横向きに座り直して、俺をまっすぐに見た。その声は穏やかで、意外な反応にちょっと驚いた後俺は、自嘲気味に呟いた。
「ああ、そうだ。小さい男だと笑ってくれよ」
「バカだな、君は。つくづくバカだ」
笑えとは言ったがバカにしろとは言ってないぞ、と小声で文句を付けた俺に構わず、奴はさらに言葉を続けた。
「僕が君の前で笑わないって?そりゃ、君のジョークはその、何て言うか……」
「イマイチ、か?」
「そう。でも全然笑ってないって訳じゃないだろ。それに今日は久しぶりに昔馴染みに会えて、いろんな話が出来て嬉しかったから、顔も自然と緩んだのさ」