11/05/29 00:11:28.53 6FJNKrsm0
むしろ、殺す事だけを生きる糧にしていたのかもしれない。
あの男がウロボロスに関する人物だったなら
あの男をこの手で殺す事ができたなら
少しは…
どれほどの思いで探してきたと思っているんだ。
何年何十年、それだけの為に生きてきたと思っているんだ。
全てを捨てて、全てをかけて。
冗談じゃない
なのになんでだろう。
「あぁ…バニー」
「…はい?」
「手形野郎がウロボロスじゃないってはっきりして良かったな…。」
いいわけない。
いいわけがない、のに。
よくわからない感情が胸に広がって締め付けられた。
なんでこんな気持ちになるんだろう。
「いや…よくねぇか…」
おじさんを乗せた救急車が走り去る。
なんで、僕の事なんか…
あなたには何度もひどい事を言ったはずだ。
あなたの優しい言葉を跳ねのけた。
あなたを散々バカにした。
「無理をしないでください」そう言ってきたのは僕の方だったはずだ。
頭に血が上った僕の攻撃はあいつには一切当たらなかった。…当然だ。
我を忘れた僕の目に飛び込んできたのは
僕をかばって攻撃を受けたおじさんの背中だった。