11/01/08 14:48:53 5WUSeI7aO
>>1乙です。
前スレ>>427の続きで、時代劇「参匹がKILL!」より、素浪人の殿様×仙石。
訳あって殿様がオカマちゃん風味。エロなし。
全三回投下の二回目です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
しぶる親父を拝み倒してその夜は飯屋に宿を借り、翌日ふたりはまた色街の近くに訪れた。
親父に梅乃屋まで言づてをしてもらうと、おきみから事情を聞いた女達が、老婆の目を盗んで代わる代わる船着き場まで足を運んだ。
女達は死んだ筈のお絹と話が出来る喜びや、薄情な千吉への恨みごとを口にし、それぞれの目に涙を浮かべていた。
別れがたい女達の願いと、旅仲間と待ち合わせをしている都合もあって、ふたりはしばらくこの土地に留まることにした。
そうなると宿代や飯代を稼がねばならず、あちこち訪ねて運よく、柄の悪いやくざ者に目を付けられている大店に、用心棒の口を見つけた。
男達を叩きのめしている最中にひょっこりお絹が顔を出し、兵四郎がきゃあっと悲鳴を上げてうずくまったりするので、真之介は気が気ではなかった。
ほとんどひとりで働き、なおかつ兵四郎を気遣ってやらなければならないので、いかに頑丈な真之介といえども少し身にこたえた。
だが乗り掛かった船だと開き直り、船着き場に通う兵四郎に付き添い、しつこく押しかけてくるやくざ者相手に暴れて、憂さ晴らしをしていた。
大店に泊まり込んでの用心棒暮らしが、そんな調子で三日を過ぎた頃。
親父の飯屋でふたりはまた、酒を酌み交わしていた。すると店に入るなり、声をかける者があった。
「あっ殿様!仙石さぁん!」
「あらっ、ほんとだ。元気にしてた?昼間っから酒飲んで、珍しく羽振りがよさそうじゃないの」
「やあ、お恵ちゃんに陣内。元気だぞ、酒は旨いしな」
「お前らも一杯やるか?おーい親父、もっと酒、酒くれ」
兵四郎は笑って挨拶を返し、真之介は奥に向かって徳利を掲げた。
そのかたわらに、鍔黒陣内とお恵は腰を落ち着けた。
「いや親父さん、俺達には飯を頼むよ。腹ぺこだし、ゆっくり酒飲んでもいられなくてさ。急いで梅乃屋に行かなくちゃ」
「そうよね。ねえ殿様、ここの宿場にある梅乃屋って店知ってる?」