10/11/06 14:14:07 1UCqTtW+0
直接の「死」ではないんだが別離ネタ。上手く説明できない自分がもどかしいわ。
神を自分に降ろして怪物となり、家族をも飲み込んだ魔術師がいた。
ただ一人残された彼の息子Aは、片腕が魔物のようにになりつつも
父を見つけ出し倒すため、自らも魔術師となって戦いを続ける。
あるときAは青年Bと出会う。
Bは父が作り出した異世界に迷い込み、一度は死亡しながらも半分魔物となって復活した稀な存在だった。
不安定だが非常に強力なBの力に目をつけたAは、Bを魔術で縛り、父との戦いの道具として扱う。
初めは反発しあっていた二人だが、幾多の戦いを経て、彼らの中に信頼のようなものが芽生えはじめてゆく。
やがてAとBは他の仲間たちと共闘し、神と化したAの父の魔術師を倒す。
だが魔術師の死は、Aに強大な魔力をもたらしていた魔物の腕の消滅、
すなわちBをしばっていた魔術の消滅をも意味していた。
その時はじめてAは普段の冷徹さを忘れ、Bの存在の維持を模索する。
だが、戦いのなかで自我の制御を行えるようになったBは、
魔物の姿のままでAを諭し、Aに残る魔力を使って自分を封じるように促す。
向かい合う魔術師Aと魔物と化したB。
ラストシーンは封じられ魔物の彫像と化したBにAが持たれかかり、
最終戦の後、二人で吸おうと言っていた煙草を一人くゆらせている。
久々の煙草にむせるAが唾を吐き出してつぶやく。
「不味い」
この後にABが共闘していた別の魔術師と従者の話もあるのだが、
そちらは愛憎ぐっちょんぐっちょんの死にネタだったりする。