04/03/11 19:46 JSODd4LK
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「……で? 何でこういう状況になるんだ?」
百合が横で誤魔化す様に笑う。
家に向かうまでの帰り道。雨は相変わらず激しく振り続いている。
俺達は何故か一つの傘の中にいた。
普通迎えに来る時は俺の分の傘も持ってくるはずではないだろうか。
それなのに小さい傘の中で、俺達は二人身を寄せ合うようにして歩いていた。
百合が駅まで迎えに来てくれたおかげで俺は濡れずに帰れるはずだったのだが、
一つの傘に二人なんて只でさえいっぱいいっぱいなのに、でかい図体の俺と百合では明らかに定員オーバーだ。
「えーっと……それは~」
傘から落ちる水滴が百合の肩を濡らした。俺は百合を覆うように傘をずらす。
もちろん自分の片側半分はずぶ濡れだ。