04/03/06 18:08 s3B4e10S
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遠い意識の向こうで鈍い音が聞こえていた。
誰かが俺を呼んでいる気がする。誰なんだ。
呼ぶ声を掻き消すようにノイズが混じる。唐突に女の子が目の前に現れた。女の子が何かを言って笑う。そのどれもがだんだん大きくなる雑音に掻き消されて何を言っているのかわからない。
途切れなく流れてくる雑音に意識が傾いたと同時に、大きく地面が揺れた。
瞼を開けて目に飛びこんできたのは、開き出したドア。
寝ぼけた頭に到着駅のアナウンスが聞こえると、俺は跳ねるように飛び起きた。
間一髪のところでホームに降り立つ。
危なかった。どうやら、何時の間にか眠りこんでしまったらしい。