14/07/18 09:44:21.27 0
政府が特定秘密保護法の運用基準の素案をまとめ、きのうの「情報保全諮問会議」に提示した。
恣意(しい)的な秘密指定を防ぐため、内閣官房と内閣府に監視機関を設置し、指定が不適切な場合は是正要求する。
また、情報隠しの告発の受け皿となる内部通報窓口を各府省庁に設け、指定が妥当でないと判断すれば「適切な措置」を講じる。
だが、これらの監視機関や通報窓口は、いずれも行政組織内部の仕組みにとどまっている。調査能力に限界があるのは明らかだ。
しかも監視機関による是正要求には強制力がない。閣僚らが監視機関への特定秘密の提供を拒める規定まで盛り込んでいる。
実効性あるチェック体制とはとても言えず、国民の「知る権利」を守ることはできない。
秘密保護法の廃止をあらためて強く求める。
素案によると、秘密指定の監視機関として、内閣官房に府省庁の事務次官級でつくる「内閣保全監視委員会」を置く。
内閣府に審議官級の「独立公文書管理監」、その下に「情報保全監察室」も新設する。
公文書管理監は調査の独立性を高めるために置くというが、「身内」であることに変わりない。しかも、閣僚らは「わが国の安全保障に
著しい影響を及ぼす恐れ」があると判断すれば、管理監への秘密提供を拒否できる。
内部通報窓口は外務、防衛両省など19行政機関に設ける。秘密を指定する役所が公平な視点で自らの指定の是非を判断できるのか。
通報者は公文書管理監にも二次的に告発できるが、調査結果に基づく管理監の是正要求に拘束力がなければ「言いっ放し」で
終わりかねない。
素案は特定秘密の指定対象となる「防衛」「外交」など4分野23項目について55の細目を示したが、防衛分野では「自衛隊の訓練
または演習」、外交では「国際社会の平和と安全の確保」など抽象的な表現がなお多く、拡大解釈できる余地は残ったままだ。
最長60年の秘密指定期間を例外的に延長する場合についても「慎重に判断」としただけで、永遠に秘密にされる懸念は消えない。
情報保全諮問会議は外部有識者が政府に直接、意見を言える唯一の機関だが、会議が開かれたのは1月の初会合以来、半年
ぶりだ。
こんな政府お手盛りの運用基準を十分な議論もせずに許すなら、会議を設置した意味はない。
ソース(北海道新聞・社説) URLリンク(www.hokkaido-np.co.jp)