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Adobeが日中韓対応のオープンソースフォント「Source Han Sans」を発表した。OpenTypeフォーマットとしては最大となる約6万5000字を収録する。
米Adobe Systemsは7月16日、漢字・かな・ハングルなどを含む日中韓3カ国語に対応するオープンソースフォント「Source Han Sans」をリリースした。
東アジア地域の多言語を同一のオープンソースフォントでサポートするのは初めて。Adobeの「Typekit」のほか、SourceForge、GitHubから無償でダウンロードできる。
「Source Han Sans」で各国語を表示
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東アジア一帯で広く使われている漢字、日本語かな、韓国語ハングル文字に加え、アルファベットやギリシャ、ラテン、キリルの各文字も収録し、
OpenTypeフォーマットとしては最大数となる6万5535文字を収録。中国語は繁体字と簡体字で別フォントを用意し、台湾や香港でも広く利用できる。
コンセプトは、スマートフォンをはじめとした小さなデジタルデバイス上でも読みやすい字体。
デザインを手がけた西塚涼子さんは、日本語サブセットの「源ノ角ゴシック」は漢字をやや小さめにすることで行間に余裕を作り、
長文がすっきり読めるように工夫を持たせたと話す。かなは伝統的なフォルムを残したやわらかい形で、縦書きの際は縦書きに適したかなに自動調整される。
シニアデザイナー西坂涼子さんによるフォント設計の様子
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地域をまたいで使われる漢字は部分ごとにパーツ分解し、同一部分を共有することで統一感を出す。各地域ごとのバリエーションは細かくローカライズされており、
使用している地域別サブセットで判別される。各書体それぞれで、ボールド、ライトなど太さのバリエーションも7種類ずつそろえ、全42書体で展開する。
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同じ漢字でも地域によって異なる。左から、簡体中国語、繁体中国語、日本語、韓国語
東アジア地域の人口は全世界の4分の1を占める15億人に上るが、文字の数が1言語あたり数万字にもなるフォントは大規模で複雑。
Webサービスやアプリをローカライズするにも、各国版ごとに別のフォントのライセンスを購入・取得する資金や手間がかかっていた。
統一フォントを導入することで言語の壁なく対応でき、サービス開発やWebブラウジングの効率を上げることが目的だ。
米Googleや各国のフォントメーカー(日本ではイワタ)の協力のもと、総勢100人以上のチームで3年以上かけて開発。
Adobeが独自で進めていたオープンソースフォントプロジェクトをGoogleが支援し、開発費用やテスト、フィードバックを担う形で協業してきた。
Adobe Typekitと、SourceForge、GitHubで、全言語対応のフルセット(OpenType Collection、OpenType)、地域別のサブセット(OpenType)をダウンロードできる。
Googleは同フォントを「Noto Sans CJK」としてリリースしている。
アドビシステムズの山本太郎シニアマネジャーは「これまでもオープンソースフォントは開発してきているが今回は世界で初めてと言える規模。
アナログ/デジタルを問わず、広く普及することでより国境を超えた情報共有やクリエイティブが円滑になれば。多くの人口を抱える東アジアを対象とした
多言語対応のニーズは大きいはず。他のメーカーの追随も期待したい」と話している。
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