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「声なき声」届けて性暴力なくせ
警察庁の調べでは、強制わいせつなど性犯罪の検挙件数は、過去3年、増加傾向に
あります。それにもかかわらず、被害者たちの声はほとんど表に出ることはありませんでした。
こうしたなか、被害者たちの「声なき声」を多くの人に届けることで被害を減らそう
という取り組みが始まっています。生活情報チームの伊達裕子記者が取材しました。
◆若い女性に寄り添うNPO~寄せられる性暴力の相談~
若い女性からのSOSに電話やメールで応えている東京のNPO「BONDプロジェクト」。
代表の橘ジュンさんは、みずからもかつて生きづらさに悩んでいました。5年前に
NPOを立ち上げ、同じように悩む若い女性の支援を行ってきました。橘さんのもとに
毎月1000件以上寄せられる相談の大半は、性暴力の被害に関するもの。
橘さんによると、性暴力の被害を受けている女の子たちからの相談は多く、
加害者は見知らぬ人の場合もあれば顔見知りの場合もあるといいます。
橘さんは、電話だけでなく直接会って話を聞くこともあります。先月末、橘さんを
訪ねてきた女性は、ことし1月、仕事から帰る途中に電車で痴漢の被害に遭いました。
警察や身近な人に相談できず、食事も取れないばかりか、夜も眠れないと訴えました。
橘さんが、電車内で痴漢に遭ったことを駅員や警察官に相談しようと考えなかったのか
尋ねたところ、女性はこう答えました。
「相談するという考えがない。やったことはやったことで相手が悪いことをしたかもしれないけど、
自分がそうさせちゃったのかなと思う」。
女性は、なぜ加害者ではなく自分を責めているのか。橘さんが聞いてみると、
女性は小学1年生の時、男に後を付けられ、体を触られる被害に遭っていました。
すぐに母親に被害を訴えましたが、母親からは「なぜ逃げなかったのか」と責められたといいます。
女性はこれ以降、被害を受けても人に相談できなくなってしまったのです。
◆日常生活に潜む性暴力の実態
こうした、相談もできず苦しんでいる女性はどのくらい多いのか。橘さんは、東京都の
補助事業の一環として、大学や繁華街などで369人の女性から聞き取りを行いました。
その結果、性暴力の被害に遭ったことがある女性は3人に2人。
5人に1人はレイプの被害に遭っていました。橘さんが特に注目したのは、
性暴力がもたらす被害の深刻さでした。性暴力の被害に遭った女性の半数近くが
「死にたい」とまで思い詰めていたのです。しかも、半数は誰にも相談していませんでした。
◆性暴力被害者の『声なき声』を知って欲しい
相談されず、表に出ない「声なき声」を多くの人に知ってもらうには、どうすればよいのか。
橘さんたちは、被害者の生の声を集めたドキュメンタリーを作ることにしました。先月末、
橘さんは映像ディレクターの女性と共に、性暴力の被害にあった女性にインタビューしました。
被害に遭った女性は、「男性を見るのも怖くて、自宅に引きこもり、死ぬことばかり考えている」
とおよそ2時間にわたり打ち明けたといいます。インタビューを終えた橘さんは
「危うい状態という感じでした。黙り込んでしまったり、震え出したりして、自分できちんと状況を
説明できないということからも本当に精神的なダメージを受けていることが分かる」と述べ、
「多くの人に、こうした被害者が置かれている切実な状況を知ってもらえるようなドキュメンタリーを
作りたい」と決意を語りました。
(>>2-5辺りに続く)
NHK NEWS WEB 2014年7月11日18時40分
URLリンク(www3.nhk.or.jp)