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ソース(東京新聞・社会面) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
国会でも四月にあった女性蔑視やじ問題は、自民党の衆院東京16区(江戸川区)選出の大西英男議員(67)が発言主と判明した。
都議時代から「やじ将軍」として知られ、男性議員にも同様の趣旨のやじを飛ばしていたという。不妊に悩む女性は「深刻に悩んでいる
人もいるのに想像力がなさすぎる」と非難。大西議員の地元の女性からは「あきれた」「区民として恥ずかしい」などの声が相次いだ。
「男女にかかわらず、自分の意思ではどうにもならないことで、深刻に悩んでいる人もいることをやじの材料にするなんて、あまりにも
想像力がなさすぎる」。三年余り不妊治療を続ける東京都内の女性(40)は、妊娠・出産という繊細な問題について、やじを飛ばした
議員らをこう非難した。
三十代半ばで結婚したが妊娠せず、通院を始めた。フルタイム勤務で、半休を取るなど仕事の調整をしながら人工授精などの治療に
臨んだが、妊娠に至らなかった。医師から次の段階として体外受精を勧められたのは三十九歳の時。女性の多い職場で育児休暇制度
などはあっても、不妊治療のための休暇制度はなかった。仕事にやりがいを感じていたが、「年齢的なリミットもあるし、治療の見通しも
立たない」と退職した。
時間的に余裕はできたが、治療は恐怖心との戦いだった。採卵手術の後は数日、体調がすぐれない日が続いた。しかし、二度の
体外受精は実らなかった。その後自然妊娠したものの流産も経験した。「妊娠がしたいと必死でやっている人たちの気持ちなど(やじを
飛ばした議員は)分からないんでしょう」
人口減少や妊娠、出産の高齢化が進み、不妊に悩むカップルへの支援策は重要な課題だ。女性も「不妊治療の休暇制度や助成の
充実など、取り組んでほしいことはいっぱいある」と話す。「早く結婚した方がいい」「産まないと駄目」などのやじは、国会でも都議会でも、
こうした政策について質問している最中に起きた。「女性議員は、自分自身も直面する可能性があるからこそ、問題意識を持って質問した
はず。政策提言の内容や能力以外のことでのやじを言ったことに対し、ペナルティーが必要だと思う」
衆院総務委員会でやじを受けた日本維新の会の上西(うえにし)小百合衆院議員(31)は「軽くいなして先に進むしかなかった」と
振り返っている。この女性も「一般の会社などでもそういう経験をした女性はいると思う。議員からああいう発言が出るということは、
社会の中にも同じような問題がたくさんあるということだ」と感じている。
◇
江戸川区在住で不妊治療経験があるパート従業員の女性(47)は「区民として恥ずかしい。怒りを超えてあきれる」と話す。三十五歳
で結婚後、子どもに恵まれず治療に百万円以上かけた。五年後に女児を授かったが、「そんなに簡単に子どもはできない。男性側に
不妊理由があることも多いのに、女性だけの問題だと思わないで」と憤る。
「江戸川区の議員には『女性は子どもを産み、育てなくてはいけない』という古い考えの人が多い」。そう感じているのは、約二十年前
から区内に住む一男二女の母親(41)。会社員として働きながら子育てするが、区立保育園は延長保育をしている園が少なく、小学生
が放課後を過ごす学童保育も延長がないという。「『産め』という前に子育て環境を整えて」と話す。
また、区内に住む別の女性会社員(39)は「いまだに昭和の薫りがする」とため息をついた。仕事が充実していたので長男(2つ)を
授かったのは高齢出産と言われる年齢。「早く結婚して子どもを」という発言を「余計なお世話」と切り捨てた。
「今の時代、普通の会社でそんなことを言う人なんていない。政治家の偉い先生方は狭い世界で持ち上げられているので、やっぱり
庶民の感覚に疎い」。安倍政権は女性支援を掲げるが「かけ声だけで浸透していないから、ああいうときに本音が出る。こういう人が
今の政治を動かしていると思うと…」と怒っていた。
(>>2以降に続く)