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選挙への信用失墜/白票水増し疑い 2014/06/26 10:05
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(本文)
公正であるべき選挙への信頼が崩れた。25日、昨夏の参院選で開票事務に携わった前職を含む高松市職員3
人が、白票を水増しした疑いで逮捕された。「誠に申し訳ない」。前代未聞の事態に、市選管幹部はうなだれた。
捜査のきっかけは、参院選比例代表で当選した自民党候補者の同市での得票が「0票」だった問題。投票箱の調
査を求めてきた市民からは「信じられない行為だ」と憤りの声が上がった。
「選挙への信用を大きく失墜させた。市民の皆さまに深くおわび申し上げる」。同日夜に市役所で記者会見し
た綾野和男市選管委員長は、苦渋の表情を浮かべながら深く頭を下げた。
昨夏の参院選。逮捕された山地利文容疑者(59)は現場事務のトップ。大嶋康民(60)、山下光(56)
の両容疑者は票を最終確定させる作業の責任者だった。
市選管によると、当日は票の集計が合わず、無効票の再計算のため40分の遅れが生じた。不正は再計算時に
行われた可能性が高く、票のつじつまを合わせようとしたとの見方もできるが、東原博志市選管事務局長は動機
や手口について「事実関係がつかめていない」と述べるにとどまった。
逮捕の契機となったのは、全国で20万票を獲得した自民党の衛藤晟一氏の同市の得票がゼロだった問題。市
選管は昨年秋、衛藤氏の支持者からの抗議などを踏まえて行った作業の検証結果を公表。当時選管事務局長だっ
た山地容疑者自ら「原因は特定できない」と説明していたが、東原事務局長は「今思えば検証が不十分だったと
の思いはある」と力なく話した。
一方、衛藤氏の支持者で市選管に検証作業を求めてきた同市の自営業亀山巧さん(63)は「あきれて物が言
えない」と怒りをあらわに。「検証作業も不正を隠すカムフラージュだったのでは。過去の選挙でも不正が行わ
れた可能性が否定できない」と切り捨てた。
市選管は「衛藤氏の0票問題との関連は分からない」としたが、大西市長は「容疑が事実なら、裏切られた思
い」と肩を落とした。8月に知事選を控える中での不祥事に、市幹部の一人は「民主主義の根幹の選挙でまさか…。
どうやって信頼を取り戻せばよいのか」とつぶやいた。
正統性揺るがす
香川大法学部の堤英敬教授(政治学)の話 逮捕容疑の通り白票を再度入力させたという事実があるなら、選
挙の正統性を揺るがす事態。他の選挙の信頼性にも影響を及ぼしかねない。ましてや選管という正統性を担保す
る立場の人間が故意に行ったのだとすれば、非常に悪質で憂慮すべきことだ。