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他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の変更は、海外にも大きな波紋を広げる。戦後六十九年、世界でも
例のない「平和憲法」を掲げる国として、一目置かれてきた日本。危険と隣り合わせの中東へ民間支援を積み上げてきた人々から、
懸念の声が上がっている。
「いったい何を言ってるんだろう」。一日夕、閣議決定後の記者会見での安倍晋三首相の発言を聞き、日本国際ボランティアセンター
(JVC)=東京都台東区=の事務局長、長谷部貴俊さん(41)はあきれた。
「(海外で働く)NGO(非政府組織)の人たちが危険な目に遭っている中において、自衛隊が彼らを守ることができなくていいのか」
との疑問を呈する安倍首相。しかし、長谷部さんの思いは違う。
二〇〇五年からJVCのアフガニスタン担当として支援に携わってきた。危険と隣り合わせだが、「いざというとき、自衛隊が駆け付けて
解決してくれるなんて考えられない。現実は映画じゃないんです」。
誘拐やテロに巻き込まれた場合、地元の有力者に仲介を頼み、地道な交渉で解決を目指す。だからこそ、ふだんから地元との対話に
力を注いでいるが、米国などとは違い、現地に「軍隊」を派遣していないことが信頼につながっていると肌で感じている。
長谷部さんは思う。「今回の決定は日本への信頼を失わせ、将来的に海外の日本人を危険にさらすだけではないだろうか」
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イラクへの医療支援を行う市民団体「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」を設立した弁護士の小野万里子さん(60)=名古屋市=は、
イラク人とのやりとりを思い出す。
「まりこ、何で日本の軍隊がイラクに来るんだ」。〇四年に始まった自衛隊イラク派遣に怒ったのは、研修で来日中の小児科医師、
モハメド・ハッサンさん=当時(30)。日本製アニメが大好き。戦後、他国に一度も銃口を向けることなく経済発展を果たした日本は、
イラクが目指すモデルだと信じていた。その「あこがれの国」が、イラク戦争で国土を荒廃させた米国の支援をしているのか。
「がっかりした。すぐイラクに帰る」。血相を変える彼に、小野さんは説明を繰り返した。派遣はあくまで復興支援のため。そして自信を
持って言った。「日本国憲法がある限り、自衛隊が米軍のように外国で武器を使うことはありえない」。彼はどうにか帰国を思いとどまった。
あれから十年。ハッサンさんは今、イラク北部の病院で働く。彼が解釈改憲をどう思うか。想像できるが、したくない。
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静岡県島田市の医師で、母国アフガニスタンを支援するレシャード・カレッドさん(64)も「武力を使わない日本だからこそ、支援する
国々の住民から受け入れられている」と案じる。
京大医学部を卒業し、一九七九年の旧ソ連によるアフガン侵攻で日本にとどまることを決意、日本国籍を取得した。米中枢同時テロ後
の二〇〇二年、NGO「カレーズ(命の水脈)の会」を設立し、アフガン南部に診療所を開設。現地スタッフが無料で診察し、レシャードさん
も年に数回、診療に訪れている。
米国はじめ、派兵した国のNGOは武装集団に狙われたり、住民が警戒して離れていった。一方、カレーズの会はテロや誘拐などの
問題なく三十八万人を診察し、設立した学校では千人の小中学生が学ぶなど息の長い活動を続ける。
「日本は武力行使をしないという信頼が広がっていることが大きい」と指摘。日本が国外で武力行使する事態になれば「アフガンの
人々は一番信頼していた国なのに、と嘆くだろう」とつぶやいた。
ソース(東京新聞) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
写真=地元有力者らと会談する長谷部さん(右)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
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