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日本の安全保障政策の大きな岐路となる決定が密室で強行された。集団的自衛権の行使を認める新しい憲法解釈が閣議決定
された一日、県内各地で抗議集会が開かれた。「国民不在の決定だ」「平和な世の中が終わってしまうのでは-」。市民からは政府に
対する疑問や不安の声が上がった。
家路を急ぐ通勤客が行き交う夕方のJR長野駅前。県護憲連合が街宣活動を行い、閣議決定の撤回を求めるビラを約五百枚配った。
活動に参加した市河麻奈美さん(35)は三歳の男の子の母親。「子どもが大きくなったとき、戦場に行くこともあり得る」と不安に駆られた
という。「私たちの民意を無視して、与党が数の力を背景に押し切るのは許せない」と訴えた。
近くを通りかかった長野市に住む高校三年の遠藤由久君(17)は「急いで決める理由が分からない。僕たちの声を聞かないのは、
反対されると分かっているからなのでは」といぶかった。友人の竹前智貴君(17)も「結構良くないと思う。難しい話をすれば、僕たち
には分からないと思ったのか」と憤った。
松本市のJR松本駅前でも護憲連合などが主催したデモ行進に約二百人が参加した。反戦団体「きけわだつみのこえ七十年の会」
代表の西村忠彦さん(84)は「若者を戦場へ駆り立てることは、絶対にあってはならない。もう一度慎重になってほしい」と強調。
塩尻市のインド舞踊家横田ゆうわさん(47)は「閣議決定されてしまったが、国民の声は反対に向けて、さらに力強くするべきだ。
政治家を動かすのは国民」と訴えた。
◆地方議員も慎重論
解釈改憲による集団的自衛権行使の容認をめぐり、六月二十八日時点で県議会や四十五市町村議会が反対や慎重審議を求める
意見書を可決していた。一日の閣議決定を受け、議員からは「なぜ急ぐのか」「意見書を軽視している」との声が上がった。
「与党だけで決めるのはおかしい。憲法違反としか言いようがない。なぜ、これほど急いだのか。政権の思い上がりが現れたようにも
感じる」。六月議会で解釈改憲に反対する意見書を可決した木祖村議会の古畑節行議長はこう批判した。慎重議論を求める意見書を
可決した高森町議会の樋口俊二議長は「憲法を制定した当時と国際情勢が大きく変わっている」と理解を示したが、「平和を守ることが
絶対。慎重な運用をしてほしい」と求めた。
同じく慎重議論を求める意見書を可決した安曇野市議会の小松芳樹市議は「ぎりぎりの選択だと思う。いざ行使するときには、しっかり
議論しないといけない」と話した。
県議会は丁寧な議論を求める意見書を全会一致で可決。民主党県連幹事長の倉田竜彦県議は「地方議会の意見書の重さを軽視
している」と批判し、「閣議決定されても丁寧な審議を求めることに変わりない」と話した。
自民党県議団の本郷一彦団長は「関連する法案を審議する今後が第二幕。国は国民に理解できるよう議論をしてほしい」と求めた。
ソース(中日新聞) URLリンク(www.chunichi.co.jp)
写真=集団的自衛権をめぐる閣議決定に抗議し、デモ行進する参加者
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