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うちの子がいじめる側に? どう対応する?[やる気を引き出すコーチング] 石川尚子
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
産経新聞(提供:Benesse教育情報サイト) 2014.7.1 15:00
※抜粋です。全文はソースにて
◆実際の体験をとおして考えるよう促す
「自分がされて嫌なことはしないようにしよう」という言い方も試してみられ
たらいいと思いますが、「ダメなものはダメ!」とはっきり伝えることも、私
は必要なことだと思っています。しかし、正論を伝えるだけでは、子どもはな
かなか聴き入れられない、ということも現実です。かねはるるさんが、「相手
はどう思う?」と質問をして、お子さん自身が考えてみる機会を作られたのは
すばらしい関わり方だと思います。それでも、お子さんの行動が変わらないと
したら、残念ながら、まだ自分のこととしてとらえられていないからでは?と
思います。
私のクライアントさんで、なかなか面白い人がいます。Aさんとしましょう。
Aさんは、ある時、自分の子どもがいじめる側にいることを知って、とてもシ
ョックを受けました。どうしたら、「いじめはいけないことだ」と伝えられる
かを考えました。そこで、Aさんが選んだ方法は、我が子がしたことをあえて、
我が子にもやってみるというものでした。
たとえば、しばらく無視をするとか、「あなたがいると、むかつくからこっち
に来ないで!」などの言葉を言うとか。
「何なの? お母さん、やめてよ!」お子さんは、当然、びっくりします。お
子さんがその体験を味わってから、Aさんは、誠意をこめて質問しました。
「今、どんな気持ち?」
「これがずーっと続くとどう思う?」
「どうしてほしい?」
お子さんに考えてみるよう促し、そのあとで、こう伝えました。
「さっきは無視してごめんね。でも、かしこいあなたなら、きっと自分で気付
いてくれると思ったから。無視されることがどんなに嫌なことか、わかったよね」
お子さんの気持ちを考えると、「これはなかなかの荒療治だな」と、正直なと
ころ、私は思いましたが、親子の信頼関係があってこその方法なのでしょう。
効果はテキメンだったそうです。
◆人格と行動を分け、こちらの想いを伝える
Aさんは、コーチングを受けるようになって、「やめなさい」「あなたが悪い
でしょ」と言う代わりに、自分の気持ちを伝えるようになったそうです。先ほ
どの場面にもありましたね。「かしこいあなたなら、きっと自分で気付いてく
れると思ったから」という言い方です。
「あなたが、人を傷つけるようなことをするなんて、お母さんはとても悲しい」
「あなたには、人の気持ちがわかるやさしい子でいてほしい」
「あなたならきっと理解できると信じているよ」
子どもの人格は決して否定することなく、「大切な存在」として認めますが、
やっている行動は「悲しいこと」と伝えます。さらに、「あなたを信じている」
というメッセージが伝わると、子どもは自ずと自分の行動について省みるの
ではないでしょうか。