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集団的自衛権:戦場に教え子を送りたくない…悩む教師
集団的自衛権の行使を認める閣議決定を前に、生徒の進路指導にあたる高校教諭らが苦悩している。
東日本大震災などの災害派遣で脚光を浴びる自衛隊。だがこれまでと違い、行使容認によって憲法9条の歯止めが崩れ、戦場に行く可能性も帯びてくる。
入隊を希望する生徒たちに危険性をどう説明すればいいのか。教諭の言葉には焦燥感も募る。
「撃たれる可能性だってあるんだ。命をかけることになるんだぞ」。鹿児島の県立高校で進路指導を担当する40代の男性教諭は昨年、自衛隊入隊を希望する男子生徒に話し掛けた。
国連平和維持活動が頭にあった。だが、生徒の意志は固かった。「自衛隊に入って地雷除去のような国際貢献にたずさわるのが夢だったんです」。教諭はそれ以上、何も言えなかった。
集団的自衛権の行使容認は、「専守防衛」を旨としてきた自衛隊の活動を大きく転換させる可能性が高い。実際の戦場に立たないとも限らない。
「教え子を戦場に送りたくない」と教諭は話す。だが、進路を決めるのは生徒や家族だ。「危険性を伝えても、本人が強く希望し家族も応援するなら、私がそれ以上何を言うことができるのか」
学校では自衛隊による業務説明会も開かれ、入隊に関心を持つ生徒も少なくない。
「自衛隊は『特別な進路』だと思う。以前ですら安全ではなかった自衛隊の活動が、さらに危険になる可能性が高い。今後はそれを生徒に伝えていくしかない」
神奈川の県立高校に勤める50代の男性教諭も「生徒に入隊を考え直してほしいと思っても本人の希望が一番。強く止められない」ともどかしさを話す。
東日本大震災の救援に奔走する自衛隊員の姿がクローズアップされ、憧れを抱く生徒も増えているという。
「集団的自衛権で今後、戦闘地域に派遣される可能性を生徒は現実感を持って受け止めているのだろうか」
自衛官採用試験対策のコースを設ける九州の専門学校によると、集団的自衛権を巡る議論が活発になっても受講者数に変化はない。
担当者は「受講生から不安の声は出ていない。目の前の就職が大事で、そこまで考えていないのではないか。
命が危険にさらされるようなことを国がさせるわけがない、守ってくれるはずだという意識もあるのかもしれない」と話す。
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