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今度は「職業訓練」利権…ウマミを得る竹中平蔵氏の親密企業
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厚労省官製談合で予算半額返上
厚労省が職業訓練事業を“天下り法人”に不正入札させた実態が明るみとなり、
事業費149億円の約半分、70億円を国庫に返納することになった。
問題は残る半分の予算の行方だ。またしても、産業競争力会議のメンバーで、
人材派遣大手パソナの竹中平蔵会長(63=慶大教授)と関係の深い企業の手に渡っていた。
不正入札が問題となったのは、厚労省が今年度から実施する「短期集中特別訓練事業」だ。
失業した若者らを対象に1~3カ月の短期間で介護やビル管理などの職業訓練を受講させ、早期の就職を目指す。
国は訓練期間中、受講者に月10万円程度の給付金と交通費を支給し、
国の認定を受けた民間の訓練機関が受講者1人当たり月5万~7万円の「奨励金」を受け取れる仕組みだ。
「給付金の支給と訓練機関の審査実務を今年3月、厚労省の天下り法人
『高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)』が落札しましたが、
その直後に厚労省の幹部職員が天下り法人に仕事を回すため、事前に入札資料をやりとりしていた官製談合の疑いが浮上。
JEEDへの落札を取りやめ、全国一律から全国6地域に分ける形に変更し、再び入札の運びとなりました」(政府関係者)
■税金を手にするのはパソナだけじゃない
今月5日、そのうち3地域(関東、近畿、九州・沖縄)の審査実務を落札したのは、
資格取得支援予備校を運営する「東京リーガルマインド(LEC)」だ。
最近は人材派遣・紹介業にも手を広げ、経営トップの反町勝夫氏(73)は竹中氏と親しい仲で知られている。
<竹中塾開催により、構造改革のさらなる推進を応援します>
LECが05年に開催した「竹中塾公開講座」のパンフにはそんな文句が躍った。
講師は郵政民営化担当大臣だった竹中氏で、当時は全国比例区選出の参院議員の身。
そのため、竹中塾は「学校をあげての政治活動は問題だ」と国会で追及された。
「小泉政権時代に竹中氏が旗振り役となった『株式会社立大学』の第1号もLEC大でした。
経営不振から現在は学部を廃止して大学院だけとなりましたが、
ピーク時は全国14カ所にキャンパスを設置。たった3カ月のスピード審査で認可が出る特例が適用されたため、
開設当初から竹中氏との関係を指摘する声がありました」(政界関係者)
LECに入札の経緯について質問状を送ったが、締め切りまでに回答は得られなかった。
さらに、この事業はパソナにも利益をもたらす。
すでに厚労省は類似事業として「求職者支援制度」を展開中だ。こちらは訓練期間3~6カ月のコースが対象で、
JEEDが民間の訓練機関の審査業務を請け負う。実はその民間の訓練機関のひとつに、パソナが選ばれているのだ。
「昨年度の求職者支援制度の事業規模は219億7000万円。うち約193億4000万円を
訓練機関の奨励金に充てました」(厚労省・職業能力開発局能力開発課)
この奨励金の一部がパソナに山分けされている。前出の政府関係者は
「事業の同一性を考えれば『短期集中特別訓練事業』でもパソナが訓練機関に選ばれるのは、ほぼ確実」と言い切った。
訓練機関を審査するのが竹中氏と懇意な企業なら、その審査の結果、「税の分け前」を受け取るのもまた、竹中氏が経営に関与する企業だ。
しかも、所管大臣の田村憲久厚労相はパソナの接待施設に出入りしていた。この怪しげな構造を放置したままでいいのか。