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庭池の魚を大量死させた疑いで逮捕されたのは、かつて魚や施設の管理に携わった元契約職員だった。
埼玉県営さいたま水族館には魚の大量死が明らかになった後、子供たちから「魚が死んで悲しい」という
イラスト付きの手紙が届いていた。元職員、柳沢正孝容疑者の逮捕を受け、１６日に記者会見した
県公園緑地協会の赤石沢寿彦理事長は「生き物の命だけでなく、子供たちの夢を奪う卑劣な行為に憤りを感じる」と話した。
同館では２月に魚が大量死した際、約３００万円をかけて防犯カメラ４台と水質測定器を設置し、
感知センサーは増設した。松尾雅章館長は「本来は水族館の設備拡充や魚を増やすために使うお金を、
監視態勢強化のために使うのは大きな痛手になった」と話す。
庭池での餌やりは同館のメーンイベントでもあったため、事件は来館者にも大きな衝撃を与えた。
庭池の魚は昭和５８年の開館当初から飼育されているものもあり、大きいもので１メートル８０センチほどに成長。
餌をやるとき頭をなでることができる魚もいて、子供たちの人気を集めていた。
事件後、子供たちから「お魚たちが天国に行けるように願っています」などと記されたイラスト付きの手紙が届き、
供養の塚に花束を手向ける親子の姿も。ゴールデンウイークの来場者数は例年の約２５％減となったという。
家族で訪れていた春日部市の主婦（３３）は「餌やりは子供はもちろん、大人もとても楽しみにしていた。
魚がいない庭池はやっぱり寂しい」と話した。
開館翌年から勤務する矢辺徹飼育課長は「死んでいるのを発見したときは何が起きたか分からなかった。
ずっと育ててきた魚が死んでしまったことに対する悲しみと、犯人に対する激しい怒りでいっぱいになった」。
元契約職員の逮捕については「『魚が好きだ』と言っていた人間がこんなことをするなんて」と沈痛な面持ちだった。
松尾館長は「安全対策を万全にして、できる限り早く元通りの庭池にしたい」と話した。（菅野真沙美）
子供たちから寄せられた応援の手紙＝埼玉県羽生市のさいたま水族館（菅野真沙美撮影）
URLﾘﾝｸ(sankei.jp.msn.com)
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